+*記憶ノ眼鏡*+17コメント

1 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

2012-12-26(水) 20:54:00 [削除依頼]
☆МAEGAKI☆

クリック、スーパーウルトラデリシャスワンダフル有難うございますっ!!<(_ _*)> アリガトォ

初めましての方は初めまして!そして、hanaとか陽とか言う名前を見かけたそこのあなた!お久しぶりです!

どーも、おはこんばんにちわぁ!☆RETAS☆どぅえす!
ドラゴンボール大好物!マギ大好物!日常大好物!の小学6年生、11歳にございまするぅぅぅっ!!
趣味はネットサーフィン、お絵かき、小説を書く、寝る、喋る、の五つです。

なんかもう、哀れなほどテンションあげぽよ状態ですが、素敵な読者様なら華麗にスルーしてくれることでしょう(笑)


★TYUIZIKO★

。 なんか文に誤字脱字が多い

。 文章スラムのゴミ虫以下

。 いつでもテンションあげぽよ状態

。 あらしたり暴言はく奴には容赦なく元気玉をブン投げる


↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
これらが守れない人は激しくUターンをオススメするよ★

特に最後がヤバいから上の最後に当てはまる人はさらに激しくUターンをオススメするよ★★

ぜんぶ当てはまる人もさらにさらに激しくUターンをオススメするよ★★★

実はこの小説は前書いていたものを直したものです。
それでもよろしければどうぞ見てやってください。
  • 2 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 20:54:43 [削除依頼]
    「・・・暇」

    心がつぶやいた。声には出せない。だって今、テスト中だもの。
    黒板にはいつ終わるか書いてあるのだろうけど、ウチは目が悪い。こっからじゃ見えん。
    とりあえずテスト終了の声を待つしかないか。もう一度、心のツイッタ―は【暇なう】と、つぶやいた。


    …………………………。


    「テスト終わりー、解答用紙前の奴に回せ―」

    先生のやたら語尾がのびた声で我に帰る。解答用紙を前の人に渡した。とりあえず今日はこの後は退屈しない。

    今日はメガネを買う日。ここ最近、なぜかどんどん視力が悪くなっていって、とうとう0,3ぐらいに。
    母さんは「あんたが暗闇で絵描いたりしてるからよっ!」と言っていたが、ウチにはそんなに暗く感じない。もう慣れてしまったのだろうか。

    【暇率50%】
                    本日三回目のつぶやきだった。
  • 3 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 20:55:09 [削除依頼]
    あっ、これかわいいじゃない!ねえねえ、これにしなさいよ」

    「うるさい。もっと静かにできないの?」

    現在地点。メガネ屋。入った瞬間沢山のメガネたちが光り、こっちを見る。青色や緑に、光を受けて、てかってる。ただでさえ黒すぎて黒光りしてるのに更にレンズが光ってる。「うっ」と思わず声が出た。
    目がちかちかする。まあ、暇しないからまだましか。

    結局、欲しいメガネが見つからず、ここら辺にあるメガネ屋で一番古そうな店に入った。古いとはいえ、すごくきれいな店だった。
    アンティークの小物や時計が置いてあって、落ち着いた雰囲気だった。
    ここは居心地がいい。純喫茶も入っているようだった。
    またこようかな、そう思った時、ふと、目に入ったメガネに顔を近づけた。縁は目の覚めるような茜色。
    なぜかレンズを見てもちかちかしない。目が痛くない。

    不思議な気持ちだった。
  • 4 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 20:55:44 [削除依頼]
    キラキラしたものも付いていない。かわいいプリントもされてない。
    けれど、どんなアクセサリーよりもきれいに見えた。

    「わぁ……」

    いつまで見てても飽きない。ウチがおかしいのかな?
    今までで感じたことのないような感覚だった。

    「母さん、先に帰ってて」

    「は、はぁ?あんたメガネはどうすんのよ!」

    「いつでもいいでしょ?良いから帰って」

    「もうっ、勝手にしなさい!!」

    これで落ち着いて見れる。買うならこういうメガネがいい。

    「そのメガネが気に入りましたか」

    声のした方を振り向くと不思議な雰囲気のおじいさんが立っていた。

    「きれいですね、このメガネ。見ててドキドキしちゃいました」

    「そのメガネでお決まりですか」

    「でもお金がないですし・・・」

    「さしあげます」

    「はい?」

    今このおじいさん、なんつった…。

    「もう一度。」

    「ただでこのメガネを差し上げますと言っているのです」

    「でっでも、タダより高いものはないって良く言うじゃないですか!」

    おじいさんは笑顔でこう続ける。

    「かけてごらんなさい」

    まだ買うと決めたわけじゃないが確かに、このメガネをまだかけてみていない。サイズが合わなかったらこのメガネは買えないのか…。

    「サイズも度もあなたにピッタリのはずです」

    さっきから何を言っているのだろう、このおじいさんは。
    半信半疑でかけてみる。

    「……っ!!」

    かけて見ると驚いた。かけていても、なにもかけていないような感覚だ。度も今まで自分が見ていた世界なのかと思うほどきれいに見える。

    「嘘…」

    「ほら、言ったとおりでしょう?」

    胸の鼓動が速くなってゆく。おじいさんにも聞こえてるんじゃないかと思う位に鼓動が大きい。

    「すごい…」

    「あなたがメガネを選んだのではありません。メガネがあなたを選んだのです。」

    「これ、本当にもらっていいんですか!?」

    「ええ、どうぞ」

    「ありがとうございます!」

    「…あなたは、まるで炭酸の様な方だ」

    「え?」

    「では、ここにあなたのお名前をご記入ください」

    おじいさんに紙を渡される。名前の記入欄があった。

    一緒に手渡された羽根ペンで名前を書く。


    【名前 野下 哩 読み仮名 ノモト マイル】


    紙を渡すと、おじいさんはニッコリ笑って一度、会釈をしてこう続けた。


    「またいつでもどうぞ。あなたの事をお待ちしております」

    最後のあの言葉はどう意味だろう。そう思いながら、私は店を後にした。
  • 5 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 20:56:18 [削除依頼]
    「ああっ!メガネケースがないっ」

    と、家に帰ってから気がついたが、遅かった。
    とりあえず母さんが昔使っていたメガネケースをもらった。

    勿論あの後、母さんにはメガネの事をさんざん言われた。
    やれ、詐欺かもしれないじゃないの!やれ、後でお金払ってきなさい!だのとうるさい。

    あの、おじいさんは詐欺師には見えない。けど、お金はちゃんと払うつもりだ。払わないのはさすがに気が引ける。

    しかし、このメガネケースは見ていて嫌な気分がする。
    派手な濃いピンクにヒョウ柄。こういうデザインが落ち着いていないものは嫌いだ。なんだろう、こう、見ていると頭の中や胸の奥にペンで描いたぐしゃぐしゃがある感じだ。さらに見続けるとそのぐしゃぐしゃは暴れだす。
    「うげぇー」と思いながらメガネケースにメガネを入れた。なんだか、さっきまで光って見えたメガネの光が、弱まった気がした。やっぱ、メガネケースのデザインは大事だな。

    【母さんのメガネケース、見てて吐き気がする】

    本日、四回目のつぶやきにして、本日最後のつぶやきだった。
  • 6 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 20:56:46 [削除依頼]
    次の日学校ではみんなが周りに集まってきた。

    「うおっ、なにこれダセぇ」

    「これが哩の趣味かあ・・・」

    言いたい事好き勝手言いやがって。
    正直泣きたい。今日、あの店に行ってケース買ってこなくちゃ。
    こんな学校生活が続くなんて嫌だ。もう今日は地獄だ。
    全身に「人生オワタ」オーラをまといながら授業が始まった。

    はあ、このケースが爆発すればいいのに。
    そしてメガネだけ無事ならいいのに。

    無論、メガネケースにダイナマイトが仕掛けられているはずもなく、長い先生の話は右耳に入ってゆき、左耳から抜けていった。

    先生の話はほとんど聞こえていない。それどころか全然聞こえていない。多分もう、先生の話を受け流すのに慣れちゃったんだろう。

    ― る…いる…! ―

    「哩!」

    先生の言葉で我に帰る。

    「お前、ちゃんと授業を聞いているのか?」

    「はい」

    適当に応えておけばその後は何も言われない。

    今日は見事な快晴だ。雲ひとつない。こういうときは胸が少し高鳴る。
    授業終了のチャイムが鳴る。

    母さんの、恥ずかしいメガネケースを隠すようにして教室を後にした。
  • 7 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 20:57:12 [削除依頼]
    帰り道。
    周りの女子はきゃあきゃあ言いながら喋っている。
    まったく、何がそんなに楽しいのか。
    うるさい女子軍団の横を早足で通り過ぎた。

    ふと、メガネをかけて見たくなった。
    実は、あの店を出てから一度もメガネをかけていない。
    なんか、もったいなかった。
    布に包まれているメガネが、宝物に見えた。
    汚したくなかった。

    けど、目が悪いからメガネを買ったのにかけないのは本物のアホだ。
    鞄からメガネを取り出し、すっ、と耳と鬢の間にいれる。


    また、世界が変わった。
    ただの水だった世界に炭酸が入った。
    茜色の額縁にただ一色の絵の具で塗り潰された絵がはめ込まれているようだ。
    茜色に水色が映える。あのお店で見た世界よりずっときれいだった。
    何事もないような日常風景が、息をしているのかのように生き生きしている。

    メガネをはずすと、失笑が漏れた。
    メガネが宝物?馬鹿みたいだ。

    ほら、こうやって自分に嘘をつく。
    さっきの光景は、きれいだったのに、
    メガネが輝いて見えたのに、
    最終的にその事実を否定する。

    本当に、アホらしい。
    さっさと帰ってあのお店にケースをもらいに行こう。
  • 8 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 20:57:40 [削除依頼]
    チリンチリン・・・

    涼やかな鈴の音と供に、おじいさんが出てきた。

    「おや、いらっしゃい。メガネケースだね。ちょっと待ってておくれ」

    ふおお・・・!このおじいさん、読心術でも使えるのか! ?
    何でもできるんじゃないか?このおじいさん。
    空飛ぶとか、瞬間移動とか。
    まさかね。

    「おまたせ。はい」

    しかし、手渡されたのはメガネケースではなく、あみだくじだった。
    なんか下の方に色が書いてあるんですけど。

    「・・・こんな、適当でいいんですか」

    「こういうのはよくよく考えるんじゃなくて、適当にやってみるのが一番だよ」

    「はぁ・・・」

    とりあえず右から2番目をえらんで線に沿って指を動かした。
    線の示していたのは落ち着いた緑だった。

    「はい、ちょっと待っててね。そこのカウンターに座ってていいよ」

    カウンターの前に座ると、もうすでにお茶が置かれていた。
    ガラスでできたティーカップの中には淡い黄色の液体が入っていた。
    リンゴの香りがする。飲むと甘く、優しい味だった。

    そこにおじいさんが、メガネケースを7個ほど持ってカウンターの向かい側に座った。
    「じゃあ、この中から選んでくれるかい?」

    ドット柄のもの、ストライプが入ったもの、形が個性的なもの、色々あったが、また、輝いて見えるものがあった。緑一色のケースだ。
    ずいぶん地味だが、これがいい。指をさすと、おじいさんは笑った。

    「やはりそれですか」

    やっぱり、このおじいさん読心術つかえるんじゃないか?。

    「ところで、このお茶って・・・」

    「ハーブティーです。聞いたことがあるでしょう?」

    「まあ、少しだけなら」

    おじいさんによると、このハーブの名前はカモミールという名前らしい。ジャーマンカモミールを乾燥させたものだそうだ。

    「なんか、もやもやが晴れたような気分です」

    「カモミールはストレスや不安に有効でね。一袋、君にあげるよ」

    「ありがとうございます。なんか色々すいません」

    「いいんです。メガネケースのお金も要りませんから」

    カモミールティーを飲み干すと、おじいさんに何度もお礼を言って帰った。

    不思議な雰囲気の人だな。あのおじいさん。
  • 9 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 20:58:13 [削除依頼]
    ちょっとここで皆様にアンケートを取りたいと思っております。
    ご協力ください。


    〜第一回アンケート用紙〜

    1 この小説は面白いですか?
    【】

    2 どこか直してほしいところはありますか?
    【】

    3 タイトルを変えようと思っていますがそのことについてどう思われますか?
    【】

    4 ありがとうございました。最後に何か一言あればどうぞ(なければ構いません)
    【】


    辛口でズバズバと言ってくださって構いません。
    よろしくお願いします。((ぺこーっ 
  • 10 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 20:58:32 [削除依頼]
    ケースにメガネを入れると、不思議なほどよく似合う。
    この色だとミスマッチだと思っていたが、ちょっと驚いた。

    「哩ー中学校生活についてのアンケート来てるけどー」

    「今からやるー」

    めんどくさ。いいじゃん、アンケートなんて取らなくったって。
    問題点あげてもそれを改善しようとはしないんだから。
    やるだけ無駄。そんなことやる暇があるなら、もっとマシな問題をつくれ。

    適当に欄を塗り潰してゆく。丸い欄が黒くなってゆくのを見ていると落ち着く。百回やっても飽きない。多分。

    もう夜の九時だ。さっとシャワーを浴びて髪をとかし、就寝した。


     その夜、夢を見た。
  • 11 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 20:59:05 [削除依頼]
    真っ白な、【無】の世界。
    この世界には自分一人しかいないような

    寂しさ、孤独、虚無感

    奥から、女の子が歩いてきた。
    霧に覆われていて、顔が見えない。
    バランスの取れた体型で、メガネをかけている。

    「哩…哩…。」

    優しげで、どこか懐かしい声色。
    聞いただけで泣きたくなる。

    「ごめんね、本当に。」

    目の前の人物は、ただただ私に謝っている。
    なんで謝るの?私に何かしたの?

    「本当に、本当に…ごめんな哩。」

    「あなたは…。」

    「うちね、あんたのし……」
    し、何?なんなの。教えてよ。いかないで。
    何か言ったけれど聞き取れなかった。
    意識が遠のいてゆく。女の子の影が遠くなっていく。
    目の前が真っ暗になってすぐ、目が覚めた。
    耳のひだには涙がたまっていた。知らないうちに泣いていたんだろう。

    横を見ると、お母さんが座っていた。

    「大丈夫?しんどくない?」

    「え?」

    「あなた、38度も熱があったのよ。」

    そう言われてみれば、なんだか、体中が痛いし、自分が火になったみたいに熱い。

    「今日は学校、休みなさい。先生にも電話しておいたから。」

    「ねぇ、母さん」

    「なぁに?」

    「お母さんの知り合いでさぁ、バランスいい体型でさ、メガネかけてて、優しい声色の女の子。誰でもいいから…しらない?」

    お母さんの肩が大きく跳ねた。顔は化け物でもみたように歪んでいる。

    「さ、さあ?お母さんは、しっ知らないわ。あはは。」

    この数十秒間だけで、顔に大きなな汗の粒ができていた。
    母さん、今何か隠し事をした。
    いったい何を隠しているの?。家族なのに、話してくれたっていいじゃない。

    「ほ、ほら!寝てなさい。何か食べる?」

    「いいや。おなかすいてないし…。」

    「でも、何か食べなきゃ。あ、じゃあ、おじや作るから。ちょっと待っててね。」

    そういって部屋を出て行った。
    時計を見ると、もう10時半だ。しんど…。もう寝よう。
    そして、もう一度眠りについた。


    その頃、ドアの後ろでは母さんが私が寝たのを確認していた。

    「あの事だけは、あの事だけは言えない。言えば、あの子が壊れてしまう…っ。」

    そう呟いて、階段を下りて行った。
  • 12 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 21:02:09 [削除依頼]
    ウチは、小学3年生の23日あたりから三日間の記憶と、何かはわからないが何か大事なものの記憶が全くない。
    思い出そうとすると頭がズキンと痛む。

    海に行ったあの日、私がおぼれてて慰めてくれた。
    大事なキーホルダーを一緒に探してくれた。

    とても大事な思い出。それが誰だか思い出せない。
    何で思い出せないんだろう。大事なものなのに。

    でも、思い出してしまえば自分が壊れてしまう気がした。
    今までためてきたものや、やってきたこと。心や自分の身が、栓を抜いた湯船のように無くなってしまう気がする。

    このまま考えれば出て来る気がするのに、途中で恐怖が押し寄せて来る。
    怖い、こわい、コワイ

    そんな言葉が頭の中を渦巻いていく。
    疲れた。ただでさえ熱で頭が痛いのに、こんなこと考えてたら更に頭痛くなってきた。
    早く戻って来てよ。記憶の中の誰かさん…。
  • 13 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 21:02:46 [削除依頼]
    とん、とん、とん…

    階段を上ってくる音で目が覚めた。
    ドアが開くとお母さんが器とレンゲを持って出てきた。

    「具合どう?」

    「うん。寝たから少し楽になった。」

    「食べる?」

    「お腹減ったぁ〜。食べる。」

    大げさに言ってみせるとお母さんはくすくすと笑っていた。
    レンゲを使って食べさせようとしているのを阻止した。

    「自分で食べるから。赤ちゃんじゃないんだから。」

    そうね。といって器とレンゲを渡された。
    まだ出来立ての様で、湯気が上がっている。

    「熱ッッ! !」

    一口食べてみると、かなり熱い。
    涙が出てきた。熱すぎて味がわからない。

    「ぐあああああっ。」

    「銃で撃たれたんじゃあるまいし。」

    「…ところで母さん。」

    「なぁに〜?」

    「さっき、何か隠し事したでしょ。」

    また、肩が大きく跳ねた。やっぱり、何か隠してる。
    家族なのに…。何で隠さなきゃいけないの?

    「な、なんのことかし…。」

    「母さん。」

    母さんの言葉をさえぎる。

    「何で言ってくれないの?家族にも言えないの?」

    母さんは黙り込んでいる。もう汗びっしょりになっていた。

    「…にか…てよ・・・・・」

    「え?」

    母さんの顔が驚いたようになる。

    「何か言ってよ!」

    そういって壁をブッ叩いた。自分でやっといてなんだが、かなり痛い。

    「何で隠さなきゃいけないの?誰かに言ったらいけない事なの?ウチがそんなに信用できない?絶対言わないから、おしえ…。」

    「違うのよ! !」

    今度はお母さんにさえぎられた。ウチに負けないぐらいの大声で。

    「これは、あなたの為なの!あなたに言ったら、あなたは自我を保てなくなる…。壊れてしまうの。そんなの、母さんは見たくない…。」

    そういって崩れ落ちた。泣いているんだ。そう、悟った。
    お母さんの肩を支えた。

    「ゴメン。取り乱しすぎた。もうこの事は聞かないから。」

    そう言うと、お母さんはほっとしたように笑った。

    「多分…、ね。」

    自我を保てなくなる。壊れる。なんのことだか理解できない。
    「もうこの事は聞かないから。」とは言ったものの、やはり気なってしょうがない。

    「もう遅いし、ウチ寝るね。母さんも早く寝た方がいいと思う。」

    母さんが部屋から出ていくと、残っていたおじやを全部一気にかきこんだ。

    電気を消すと、そのままベットに潜り込んだ。


    暗闇の中、聞こえて来るのは時計の音と消防車のサイレン音だった。
  • 14 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 21:03:45 [削除依頼]
    朝、熱を計ってみると平熱だった。
    おでこの熱さましを引っぺがすと勢いよく階段を下りていく。

    「しっぷしっぷ!」

    昨日、壁に打ちつけた手がかなり痛むので見てみたら、あざになっていた。叩くんじゃなかった…。まあ今更、後の祭りなのだが。
    棚を開けたり閉めたりしていてようやく見つかった。
    と、思ったらサイズが大きすぎる。小さいサイズのものは切らしていた。大きいの使うのはもったいないし、買ってくるしかない。

    おじいさんからもらった眼鏡を抱えて、太陽が東にうっすら上り始めた空の下を駆け抜けた。コンビニに多分売っているだろう。
    売ってなければ薬局に行けばいい。走りながら残金を確認する。
    1500円ジャスト。買えるな。ついでに肉まんでも買おうかな。


    ウィーン…。テテテテテテ〜、テテテテテ〜♪

    「いらっしゃいませーん。」

    自動ドアの開く音と、来客の時になる音と、店員の声がかぶさった。
    吹きそうになるが、我慢した。
    しっぷは奥の方の棚にあった。あざになっていない方の手で箱を取り、
    ダルそうな店員の方へ向かう。

    カウンターの上に置いてある蒸し機の中には、肉まんやあんまんが入っている。更に隣の保温気にはフランクフルトや「あげからクン!」と書かれた紙袋が所狭しと並んでいた。どれもおいしそう。

    「これと、肉まんください。」

    相変わらずダルそうな店員は「ああん?なんだよ」と言わんばかりの顔をこちらに向けて、レジの上のしっぷを乱暴につかんだ。

    ピッ、という音がした後、

    「少々お待ち下さい。」

    と言って肉まんを取り出し、しっぷと一緒にレジ袋に入れた。

    「お会計550円です。」

    千円札を渡すと、これまたダルそうな顔をする。
    しょうがない。小銭がないんだから。

    お釣りを渡されると、レジ袋を持って足早に店を出た。
    また、音がかぶさる。

    側のベンチに座ってパッケージを開けるとささっとしっぷを張り付けた。じわじわと冷たくなってくる。

    入れ替えるように肉まんを取りだした。白い湯気をあげている。
    ちょっとかじってみる。

    「あづあっ! !」

    危なかった。もうちょっとで肉まん落とすとこだった。150円、無駄にしてたまるか。今度からは、湯気が出てるものは気をつけて食べよう。
    少しさめてから食べる。これぐらいなら大丈夫。
    肉まんを頬張りながら空を見上げる。さっきより太陽が出てきた。

    そうだ、眼鏡かけてみよう。あのときみたいな事が起こるかも。
    心臓が高鳴る。立ち上がって、レンズを覗き見る。

    東の空を見ると、光が洪水になって押し寄せてきた。
    自分の周りが光だけになる。眩しい。
    目を開けていられないはずなのに、目は見開かれたまま瞼は動かない。

    気がつくと、周りの風景は元に戻り、すっかり日が昇っていた。
    その場にペタン、とへたり込んでしまった。

    きれいな世界。想像を絶するような世界。だけど、


    怖い。


    急いで眼鏡をはずしてケースを入れると、全速力で家に帰った。
  • 15 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 21:05:07 [削除依頼]
    家に走って、走って、走って走って走って走って!


    走ったつもりだったけど、足は家とは反対方向へ向かう。
    もう、息が切れてぜぇぜぇと言っているのに、足は重い灰色のコンクリートを蹴り上げ続ける。
    目の前の風景が自分の後ろに流されていく。

    足と地面の擦れる音、体が風を切る音、心臓の規則的なリズム。
    すべてが一つになってゆく。

    やっと足が止まった。息が弾む。目の前を見ると、あのおじいさんのお店だった。しかし、店は閉まっている。

    ― おじいさんと話したい! ―

    そう願って、ドアを開けた。

    「どこ…?。」

    おじいさんなら、うちのこの思いをわかってくれる。きっと、解決してくれる。

    「どうしたんだい?。」

    ふりかえるろおじいさんが階段を下りてきていた。

    「おじいさん…!」

    顔を見た瞬間、何かがあふれだしてきた。心からも、目からも、とめどなくあふれて来る。

    「どうしたんだい。言ってごらん?」

    「眼鏡をかけたら…ひっく…光でいっぱいになって…すごく怖くて…、今自分がなんで泣いてんのかも分んなくなって。何も信じられない自分が嫌になって…。」

    もう、何で泣いてんの。意味不明。光を見ただけで怖がるなんて。
    ああ、自分って弱いなぁ。そのくせどっか強がってて、すぐ誰かに頼ろうとする。

    「それは君が強いから泣いているんだ。流れに身を任せてごらんよ。きっと何かわかるよ。君の大事な【記憶】は戻ってくる。」

    そんなの、簡単にできたら苦労しないよ…。
    でも、きっと私以外の人は簡単にできるんだろうな。
    私には何一つできない。

    なんにも。

    なーんにも…。

    すーっと深呼吸をして、空気を思いっきり吸い込んだ。瞼を閉ざすと、裏に走馬灯が見える。

    友達とケンカして、そのまま夏休みに入って、海に行って、偶然その友達と出くわしちゃって、気まず雰囲気のまま二人で海に入って、仲直りした。その後・・・。

    その後、友達と笑いあって、いろんな約束をした。
    海の深いとこに入って、今度花火大会を見に行こうとか、キャンプしようとか、いろんな予定を決めて、楽しかった。

    でも、おっきな波が来て友達だけ逃げ遅れて…。


     


    逃げ遅れて・・・・・・?


    「おじいさん…?」

    ニコニコしていたおじいさんの顔が真顔になる。

    ― そう、それが君の失くしたの箱の中身の一つ…
                        【記憶】 ―

    何も言わないけれど、瞳がものを言う。
    流れに身を任せるってこういうことなの?


    そう、うちは友達を助けられなかった。
    あの時、腕をつかんでいれば、助かった。友達は。
    ああ、ホントうちって最悪だ。

    せっかく仲直りしたのに。

    馬鹿。鈍感。残虐。

    友達を見捨てて自分だけで逃げた。冷酷な人間。


    床にうつぶせになって声を押し殺して泣いた。
    どんなに謝っても、友達は返ってこない。

    窓から差し込む紅い光に照らされて、泣き崩れた。
  • 16 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:GQbVkXu/

    2012-12-26(水) 21:05:58 [削除依頼]
    少し曇っていた空が晴れてきた。
    自分の気持ちと反比例するようにさんさんと光が降り注いでいる。

    「ちょっと、あんったどうしたのよ! ?」

    すっかり泣きはらし、腫れた目で返ってきたうちを見て母さんは驚いているようだ。今、何が起こったのか話す気力も失っていた。
    一人になりたかった。少し、考える時間がほしい。

    大丈夫だから、母さんにそう言って自分の部屋に戻った。
    良く考えて見れば、今はまだ午前9時なのに赤い光が窓から差し込んでいるのはおかしかった。タイムスリップした、という事実を受け入れるしかない。

    もう、疲れた。そのままベットに倒れこんで寝てしまった。


    どれだけ経っただろう。
    今度は真っ暗で、【独り】という感情で溢れている。
    何も見えない。何も感じない。何もできない。
    できることといえば、息をすることと臓器を休みなく動かすことのみ。
    うちは…見捨てたんだ。名前は思い出せない。友達を。


    ― そんなことない ―


    誰?


    ― 見捨ててなんかない。あんたは強く、優しい子 ―


    でもうちは、友達を放って一人で逃げた…。卑怯者なんだ。


    ― あんたがいい人だっていうのは、あたしが一番よく知ってるよ。流れに身を任せて…思い出してごらんよ ―


    そう言って、遠ざかって行く人影。まって、また私を独りにするの?行かないで!お願いだから…。


    お願い……。
  • 17 窓に顔が挟まった【*;ω;*】 id:hQRAUVa/

    2012-12-27(木) 14:02:12 [削除依頼]
    ぱち。

    目の前にあるのは孤独の世界ではなく、自分の部屋の天井だった。
    うちは…知るべきなんだ。過去の【記憶】を。
    それが、どんなに無残なものであっても。
    なんだか、今やらないと一生思い出せない気がするんだ。
    もうあんな怖い思いはしたくないと思ってる。
    けど記憶(じじつ)から逃げても昔と何一つ変わらない。
    こんな自分が嫌なら切り開けばいい。

    外に出て見る。真っ暗な夜の空。曇っている。
    息を吸い込んだ。
    どく、どく、どく。
    心臓が同じリズムを刻んでいる。
    眼鏡をそぉっとかけた。
    とたんに、灰色の雲が押し寄せて来る。
    怖い。けど、変わんなきゃいけないんだ。
    渦に飲み込まれる。周りを灰色の闇で覆われた。

    ―― 友達に、【記憶】に会わせて! ――

    お詫びの言葉より、サヨナラの言葉より、伝えたい事がある!。
    どうしても言わなきゃいけないんだ。
    じゃないと私は一生変われないし、友達だってそんなの望んでない。
    うちが壊れてしまってもいい、狂ってしまってもいい。
    朽ちてしまってもいいから、友達に会わせて! !

    いつの間にか雲は晴れ、沢山の星が瞬いている。
    ただ、空の色は紅い。なんだか懐かしい感じの風景だ。
    【記憶】がもどってくる。
    うちが溺れそうになって、それで…友達が助けてくれた、
    そこまで思い出すと風景は消え、目の前で何かが光った。

    目を開けると、おじいさんのお店の窓際の席だった。
    一緒に座っていたのは、

    「ゆーみん…。」

    そこに座っていたのは、友達。
    そっか。名前を思い出した。
    松原 結海(まつばら ゆうみ)通称ゆーみん。
    明るくて、ムードメーカー。そしてうちの、

    「神友、でしょ?」

    明るい笑顔で、うちに微笑む。

    「久しぶり…だね。」
    話すことがすぐなくなってしまった。
    ゆーみんは顔を変えず、

    「言うことが違うっしょ。」
    からからと笑う。変わってない。少し、顔つきが変わったかな。

    「天国でも成長ってするの?」

    「うん。おなかは減んないんだけどさー。あ、おじいさんあったかい紅茶ちょーだい!」
    横に立っていたのは、あのおじいさんだった。
    窓の外を見ると、確かに高層ビルが少ない気がする。

    「君のお友達は、変わってるんだねぇ。夏なのに暖かい紅茶を注文するなんて。」
    相変わらずにこにことしているおじいさん。おじいさんに最後にあったのは1日前なのに、久しぶりに会った気がする。

    「うちは、紅茶のアイスで。」
    おじいさんはカウンターへ戻って行った。

    「ねぇねぇ、今の哩のまねしちゃろか?」

    「えー?、いいよぉ。」

    「いいけん、みよってや。『こーちゃのiceでぇ』。」
    吹き出してしまった。なんだそりゃ。なんでアイスが欧米風になってんだよ。

    「おっさんか。」

    「おっ、今日の哩さんのツッコミは冴えわたっておりますなぁ。」
    もう。おふざけが好きなんだから。紅い、眼鏡のレンズの奥に、楽しそうな瞳がある。
    もしかして、このメガネはゆーみんの?

    「お待たせしました。ミルクティーと紅茶にございます。」
    おじいさんが飲み物を持ってきた。
    ゆーみんの方は湯気を立て、うちのは氷が楽しげにぷかぷかと浮いている。

    「ねぇ、この眼鏡ってもしかしてゆーみんの?」
    ゆーみんは、紅茶の湯気をあごに当てながら答える。

    「うん。あたしの事忘れとったみたいやったけん。思い出の品として。」
    そうか。だから、かけるとゆーみんとの思い出が浮かんだり消えたりしてたのか。

    「さあ、て。あたし、そろそろ帰るわ。」

    「え、もういっちゃうの?」

    「うん。あの天使の羽根、もぎ取ってくれるわァ!」
    力こぶをつくって咆哮する。

    「ゆーみん。」

    「んー?」

    「ありがとう。」
    精いっぱいの笑顔で言うと、ゆーみんもそれに負けないくらいの笑顔で返す。

    「あんたと話せて楽しかったわ。あたしは十分、幸せだ。」
    そういって消えた。
    いつの間にかうちは泣いていた。
    悲しみやさびしさじゃなくて。

    ありがとうの涙。
    店の中には、うち意外いなくなっていた。

    ―― あたしは十分、幸せだ ――

    その声が、涼しげにとける氷の音と響いていた。
コメントを投稿する
名前必須

投稿内容必須

残り文字

投稿前の確認事項
  • 掲示板ガイドを守っていますか?
  • 個人特定できるような内容ではありませんか?
  • 他人を不快にさせる内容ではありませんか?

このスレッドの更新通知を受け取ろう!

ログインしてお気に入りに登録すると、
このスレッドの更新通知が受け取れます。

最近作られた掲示板

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません

閲覧履歴

  • 最近見たスレッドはありません

キャスフィへのご意見・ご感想

貴重なご意見
ありがとうございました!

今後ともキャスフィを
よろしくお願い申し上げます。

※こちらから削除依頼は受け付けておりません。ご了承ください。もし依頼された場合、こちらからの削除対応はいたしかねます。
※また大変恐縮ではございますが、個々のご意見にお返事できないことを予めご了承ください。

ログイン

会員登録するとお気に入りに登録したスレッドの更新通知をメールで受け取ることができます。

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません
閲覧履歴
  • 最近見たスレッドはありません