隻眼の少年7コメント

1 Avi id:IsVJ7XA/

2012-12-21(金) 22:30:48 [削除依頼]


漆黒の若い鬼が純白の少女と恋に堕ちた話。
  • 2 Avi id:IsVJ7XA/

    2012-12-21(金) 23:05:31 [削除依頼]

    00.プロローグ

    少しでも加減が狂えばこの細い体は簡単に壊れるだろう。
    皮膚など一瞬で溶けてしまう猛毒の爪は、今夜己の歯で噛みちぎった。
    その指で、細心の注意を払って、少女の肌に触れる。
    ぴく、と体が強張るのを見て、確かに俺は少女に触れたのだと実感した。
    たったそれだけのことにこんなにも心があたたかい。
    少女の瞳に映る俺は、感情に忠実な、まるで人間みたいな表情でいた。
    少女に会うまではただただ人間を軽蔑し続けていたというのに。
    俺なんかの隣で笑って、俺なんかのために涙も流すこの少女がたまらなく愛しい。
    もう何百年も生き続けて、いったいいつ俺は死.ねるのかと。
    死.への憧れすら抱いていたくせに今は時が止まればいいなんて身勝手だろうか?
    血の通わない右目からも涙が流れて止まらない。
  • 3 . id:ez-IyjmlCj0

    2012-12-22(土) 01:16:06 [削除依頼]
    題名と>1があの人の作品に似てる。
  • 4 Avi id:/1vOa6U.

    2012-12-22(土) 08:11:16 [削除依頼]

    ≫3 .さん

    オリジナルで書いてます。
  • 5 Avi id:/1vOa6U.

    2012-12-22(土) 08:25:53 [削除依頼]

    01.

    荒れた森の中をふたつの人影が進んで行く。
    一見すると、若い少年と少女のようだった。
    道が悪いというのに、少年の身のこなしは軽い。
    一方少女はぬかるみに足を取られながらも懸命に少年の後ろをついて行く。
    そんな少女を、少年は支えるわけでも手を引くわけでもなかったが、確かに歩調は合わせていた。
    少年が人間を無価値だと思っていることを知ったならば、この光景は少し奇妙に映る。
    ふと少年が振り返って少女の姿を目に映す。
    少女はすぐに笑顔を浮かべる。本当にかすかだが少年の目も穏やかに細められた。
    少女の姿を映した右目は紛い物の瞳であった。
  • 6 Avi id:/1vOa6U.

    2012-12-22(土) 08:34:05 [削除依頼]

    ふたりは瞳を探していた。
    今少年の右目にはめられている眼球は特殊な鉱石である。
    本来そこにあったはずの瞳は少年が幼い頃に奪われてしまったという。
    少年にとって右の瞳が人間にとって心の臓のようなものだった。
    少年は人のなりをした妖である。
    ただ、いつ奪われた右目が壊されるか一一一死んでしまうのかは不確かな運命にある。
    かれこれ右目を探し続けて数百年は経っていた。
    少年はもう生きたいとは願わない。早く死んで開放されることを欲している。
    生きるためには右目の無事が必要だが、死ぬためにはそれの破壊が必要だった。
  • 7 Avi id:/1vOa6U.

    2012-12-22(土) 09:09:05 [削除依頼]

    日も沈み、ふたりは大木の根元で休むことにした。
    少女は果実を乾かした簡単な携帯食とクルミを少しかじる。
    頻繁な食事を必要としない妖の少年と違い、少女は生身の人間だった。
    パチパチと音を立てながら火の粉が舞う。
    ふたりが交互に枝をくべるとあたたかな火が生まれた。
    「冷えるか?」
    急な少年の問いかけにも少女はいちいち微笑んでから答える。
    「平気です。カエン様は?」
    もうどれくらい共に旅をしただろう。
    妖に人が感じる気候など何の影響もないと知ってるはずなのに少女はそう聞く。
    平気と答えたが、カエンは少女が腕をこすっているのを見ていた。
    「冷えるな」
    心にもないことをカエンは言う。少女は少し驚いた様子だった。
    「もっと火焚きましょうか」
    少女は枝を探そうと立ち上がった。
    「いや」
    可笑しそうな顔でカエンは少女に言う。
    「カオル、おいで」
    火の赤に照らされた少女一一一カオルの顔さらに赤みを帯びる。
    少し躊躇したあとカオルは少年に歩み寄る。
    カエンは大木に背を預け、あぐらの上にカオルを座らせた。
    「嫌なら行ってもいい」
    カオルが嫌がらないことを知っていてそうわざと言う。
    カオルは頬を紅潮させて大げさに首をふった。
    「嫌なんて思わないです」
    カエンは目を閉じて少女の前に両腕を回した。
    数ヶ月前までは想像すらつかないカエンの行動にカオルの心情は忙しかった。
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