クリスマスを取り戻せ9コメント

1 メサイア id:i-sbPkWsD.

2012-12-20(木) 19:09:37 [削除依頼]
お久しぶりの方々は、もう少ないかもしれませんね。

以前、キャスでお世話になっていたメサイアと申します。クリスマスを期に、少し復帰します。

この作品は企画で書きます。クリスマスの企画なので、テーマも勿論クリスマスです。
が、キャスでクリスマスっていうと、どうも恋愛系が多いので、ちょっと印象変えようと、あえて異彩を投げ込みます。こんなクリスマスもありかぁ。って作品です。

期限は24日なので、ちょっと短めですが、必ず書き上げます。

応援、よろしくお願いします!!
  • 2 メサイア id:i-sbPkWsD.

    2012-12-20(木) 19:11:17 [削除依頼]
    『クリスマスを取り戻せ』

    クリスマスを取り戻す。いや、奪い返す。
    クリスマス・イヴの前日、遊馬はそう決めた。
    全てはあと四ヶ月で小学生となる妹のため。妹はこのクリスマスを飛び上がるほど楽しみにしていた。
    いや、どちらかと言えば、プレゼントを運ぶサンタクロースに会えるからだろう。妹の通う幼稚園では、毎年クリスマスになると特別にサンタクロースが派遣されるからだ。

    だが遊馬は知ってしまった。
    その派遣されるサンタクロースが、凶悪なテロ組織と入れ違っていたことに。
    毎年のクリスマスは、園長が知り合いに頼んで複数人の中年男性がサンタクロースに変装して、園が用意したプレゼントを一人一人に手渡す流れになり、最後に『赤鼻のトナカイ』を歌って撤収することになっている。
    だがテロ組織は幼稚園を占拠して何かやらかすつもりらしい。

    「そんなこと、させられないな…」

    ビルの裏に入っていく怪しい集団を尾行すると、するとそこで行われていた密談を全て聞いてしまった。
    それらが解散したあとで、遊馬が呻くように呟いた。

    「……見ているがいい。思い上がった愚かしい集団。その計画の阻止を俺が貴様たちのクリスマスプレゼントにしてくれよう」
  • 3 メサイア id:i-sbPkWsD.

    2012-12-20(木) 19:31:57 [削除依頼]
    遊馬は高校二年生の少年だ。だが周囲の同級生と比べて、明らかに異彩を際立たせていた。
    というのも、その外見と内面が異常なほど特徴があり、あまりにも少年とは呼べなかった。
    身長2m10cm。筋骨隆々な巨躯は、今にもシャツのボタンを弾き飛ばさんばかりに常に悲鳴をあげていた。
    高校の制服は全てオーダーメイドだが、常時鍛え抜かれた肉体が寸法よりも一際大きく仕立てあげたそれを凌駕する。
    彼は誰がどう見ても、マッチョとしか言えなかった。
    ボブ・○ップを連想させる彼の肉体は、周囲を圧倒して誰も寄せ付けないーーーと思いきや、意外と遊馬は友好的で器用だったので常に人気者だった。
    成績も常に上位。体育は勿論、誰も彼に勝てなかった。
    文武両道と言える彼は、二年生となると生徒会長に推薦されるほど信頼を得ていた。
    結局、遊馬は生徒会長の座を蹴ったのだが、それでも人気は衰えることはなかった。
    ちなみに、彼が生徒会長の座を辞退した理由は、「仕事に束縛されて身体を鍛える時間が減ってしまうのは嫌だ」と前生徒会に宣言したからである。
  • 4 メサイア id:i-sbPkWsD.

    2012-12-20(木) 19:54:00 [削除依頼]
    遊馬がそこまで身体を鍛え抜く理由は一つ。
    遊馬を信頼してくれる実の妹の一言だった。

    「スーパーマンみたいな兄ちゃんほしいなぁ」

    と、テレビに影響されは妹は呟いた。
    遊馬は妹を溺愛していた。愛でるものとして、毎日可愛がっている。だがいつしか妹は彼氏ができて、お嫁に行ってしまう。そんなことを考えて、落ち込んだ日もある。
    が、その度に妹は愛でるものだと自分に言い聞かせ笑顔を保っていた。

    そんなこんなで妹が言い放った一言で、遊馬の目の色が変わった。その日から身体を鍛え上げること三年。ここまで急変してしまった肉体に、自分はそういう体組織なのだと気付いたのは一年が経過した頃だったか。
    三年目に突入した今、遊馬の二つ名は「不可能すら踏み倒す男」とされていた。
    遊馬が企画する計画は、一般生徒にはとても無理な課題だったとしても、遊馬に渡された途端に難易度の評価が見直され、「まぁ、遊馬くんなら大丈夫だよね」と即決された。
    恐持てな容姿に繊細な心を合わせた、普通なら相入れないものがマッチした。
    遊馬はとは、そんな男なのだ。
    ライオンですら親指一つで相手にできる。
    そんな、男なのだ。
  • 5 メサイア id:q/n1wRN1

    2012-12-20(木) 21:18:12 [削除依頼]
    遊馬はまず、情報収集に移った。
    溺愛する妹が楽しみにしているクリスマスパーティーを中止にさせるかと意気込んで、街に繰り出した。
    ビルの裏で密会をしていた集団は、一つ興味深いことを言い残していた。

    「武器庫はあそこにする。―――そう、一番探りがない場所だ。あの園児の園長が勘づいて通報するのも時間の問題だからな。明日までに全ての戦力をそこに集中する」
    「でも、大丈夫なんですかね。他に部外者が入りませんか?」
    「あのメイン倉庫から一番離れた、あまり使われていない倉庫だ。そこには夏祭りにしか使わない物しかないんだぞ。冬の今、誰が入るってんだ」

    夏と冬。使わないもの。武器庫。様々なヒントとなる欠片が会話の中に転がっていた。
    会話の全ては聞こえていたわけではない。気付かれないように離れて聞き耳を立てていたので、会話は断片的にしか聞こえなかった。だがそんな中で妹のクリスマスパーティーを襲撃することを聞けて良かったと思う。聞けていなければ、明日に妹がどれだけ危ない目に―――いや、聞こえなかったら強制的にその場で捩じ伏せていたが、そうすると集団をバックアップしている存在が伏せられる可能性が出てくる。なるべく泳がせたかったので、ヒントを得られる程度なら幸運だと言えるか。
  • 6 メサイア id:q/n1wRN1

    2012-12-20(木) 21:28:39 [削除依頼]
    まずは武器庫から抑えなければならない。武装した集団を抑えるのは遊馬にとっては簡単だが、溺愛する妹に掠り傷でもあった場合、その集団を一人残らず殲滅してしまうだろう。なるべく命は奪いたくない。
    とは言え、妹さえ無事ならそれでいいのだから、最後まで泳がせても―――駄目だ。妹は保育士も友達も大好きだ。傷付けばそれだけで涙を流してしまう。妹の涙は大嫌いだ。だから全員無事で済ませなければならない。
    面倒―――大変なミッションになる。遊馬はそれを覚悟していた。

    「武器庫。ヒントからして、二つ以上の複数ある何かの内、一つにそれを使っている可能性がある。夏に使い、冬には使わない。一体なんなのか。―――ん? あれは」

    遊馬はふと横を見る。
    そこには見覚えのある顔があった。
    そう、あの物騒な集団の―――後ろにいた三人。つまり見張り、下っ端。
    幸先が良い。遊馬は舌なめずりして、まずは挨拶してみようと近づいてみることにした。
    出されるのはナイフなら仕留めるのは簡単だが、マシンガンは面倒くさいと思った。跳弾で一般人が巻き込まれるのは好ましくない。
    ―――遊馬はマシンガンを恐れていない。まずは周りを気にする。
    なぜなら、重火器は基本的に遊馬に通用しない。それが最近になって解ったからだ。
  • 7 メサイア id:q/n1wRN1

    2012-12-20(木) 21:44:40 [削除依頼]
    「ヘイ、ガイーズ。ちょっとお話していかないか?」

    テロ組織の下っ端三人に近づいた。見つけたのは、大通りに出てから五分後のこと。前方三十メートル先に赤い軽自動車を停車させ、自動販売機でコーヒーを購入する三人が目に映る。ダークスーツを着て、赤い髪を逆立てている髪型はパンクを思わせる。一般人から見て、一目で近寄りたくない人種だ。
    そんなチンピラのような三人に、遊馬はあえて近づいて挨拶した。
    話をする時のコツ。遊馬はそれを知っていた。だから友人を作る時には役立てた。溺愛する妹が言ったのだ。「兄ちゃんはお友達がいっぱいいるんだよね? いたほうが、格好いいもんね」と。
    だからまず、そのコツを掴んで友人を作った。今では同学年の九割が友人だ。
    だがこの場合、友人を作るのではないので、他のコツを使わなければならない。このチンピラ風情の輩と話す時には、なるべく絡まれなければ会話のキャッチボールはできない。

    「な、なんだテメェ?」

    チンピラの一人が遊馬に話しかけられ、「あ?」と眉を顰めながら振り向くも、その巨体と強面の顔が迫り見下ろしてきたので、あまりの迫力に凄んでしまう。口調が変になることも気付かず、遊馬を見上げた。

    「俺と、お話、しませんか?」

    なるべく会話しやすいように、はっきりと言葉を区切って言う。
    ただそれだけでは怯えられてしまうので、とあるアピールも付け足した。
    右手の中指だけを立てる。笑顔で。
    すると怯え始めていたチンピラが一瞬で元気を取り戻してくれた。あんなに顔色が悪かったのに、すぐに表情が変わった。

    「んっだとてめぇ!」
    「上等だ! こっち来い!」
    「この筋肉捻じ曲げてやらあ!」

    思った通り、チンピラ三人衆は遊馬と会話の選択をしてくれた。
    武器は出していない。良い事だ。これなら穏便に済みそうだなと思い、遊馬はすぐ近くの路地裏に連れていかれた。
  • 8 メサイア id:i-704.o.P.

    2012-12-24(月) 12:45:32 [削除依頼]
    ナイフの切っ先が、折れて取り除かれる。
    原因は明らかだ。
    チンピラそのAが脅しでちらつかせたバタフライナイフを、遊馬はまるで鉛筆を見るかのような目で見下ろし、切っ先を摘んだ。
    チンピラそのAからCまでは、驚きのあまり硬直していた。
    当然だ。遊馬は切っ先どころか刀身八割を指で叩き折ったのだから。親指と人差し指で切っ先を摘み、伸ばした中指でバタフライナイフを軽く叩いた。煙草の灰を落とすように、軽いモーションだった。なのに刀身は乾燥しきった紙粘土のように折れた。
    目を見張るチンピラに、遊馬はもう一度笑顔を浮かべる。

    「話しを聞かせてもらおうか。この前みたいに、人はいないのだから遠慮することはない」

    遊馬にとっては気を利かせた提案だったのだが、チンピラが恐怖のあまり、ついに我を忘れて絶叫するのは十分な迫力だった。

    「ああああああ!!」
    「化け物おおお!!」
    「なんだってんだよおお!!」

    懐から新しいナイフを出して、三人は遊馬に切り掛かった。
    だが遊馬は、笑っていた。
    やはり話しは通じない輩だったのだ。なら、恐怖で情報を絞りーーー聞き出すしかなかった。
  • 9 メサイア id:i-704.o.P.

    2012-12-24(月) 13:18:11 [削除依頼]
    コンコン。と助手席側の車窓が叩かれて、運転手の男は反応してそちらを見た。
    助手席ね車窓には、満面の笑みを浮かべたマッチョが、軽自動車のフレームを握り潰そうとせんがばかりに掴み、運転手を眺めていた。

    「やぁ、ナイスガイ。ちょっと話さないか?」

    そのマッチョはもう片方の手で車窓に触れ、指圧だけで窓ガラスを簡単に下げてしまった。ドアはミシミシと悲鳴を上げている。半分まで下げられたところで、運転手の男は正気に戻った。
    マッチョを怒鳴って殴ろうかと思ったが、視界の片隅に、このマッチョは危険であるーーー元々、顔だけでも危険と解るのだがーーーと解る異常なものが映った。
    自分の配下である、チンピラ三人だ。
    全員虚な顔をして、ぶつぶつと何かを呟いていた。
    一瞬で危機を悟った男は、シフトレバーをパーキングからリバースにしてマッチョの手を振りほどき、ドライブに入れてアクセルを踏んで盛大な摩擦音を響かせてマッチョーーー遊馬から逃げ出した。

    「ほぅ。仲間を捨てて逃げるか。あのチンピラ風情が兄貴と呼ぶほどの男だから、どれほどのものかと思ったがーーーふん。やはりたいしたことない小物だな」

    遊馬は小さくなる軽自動車のナンバーを眺めていた。
    だが、獰猛な笑みは消えることは無かった。
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