ツキノミヤ6コメント

1 nora. id:ez-PXdVqjG/

2012-12-17(月) 20:24:53 [削除依頼]
 

忘れないで。

 
  • 2 nora. id:ez-Yuzd4p20

    2012-12-19(水) 05:57:37 [削除依頼]
    01.
    .
    .ゆら、ゆらゆら、ごとん。かたん。
    .不規則な、それでいて心地のよい振動に、僕は浸っていた。懐かしい感覚。言い様のない安心感。揺りかごの中で眠る赤ん坊は、丁度こんな具合なのだろうか。
    .たたん、たん、ゆらり。
    .何度目の揺れだろう。はじめはきちんと数えていたはずなのに、気づけば僕は意識をつかめなくなっていた。ひゅるりとそいつは握った指の間から逃げ出て、そして僕は安堵の中に埋もれる。
    「――……次はー、ツキノミヤー、ツキノミヤー……」
    .ぐわんぐわん。回り始めの洗濯機のような頭に思考を巡らせる。回路にはどうやら土砂が堆積しているらしく、外側から内側、さらに外側へと移動するのにだいぶ時間がかかった。僕は目を見開いた。鞄を落としそうになりつつ、振り向いて窓の外を確認する。
    .視界の目一杯に広がっていたのは、なんてことない田園風景だった。だがそれが問題だった。僕はこの景色を知らない。
  • 3 nora. id:ez-Yuzd4p20

    2012-12-19(水) 06:29:08 [削除依頼]
    >>2 . .ぽつり、ぽつりとおまけのように住宅が点在している。僕の見慣れた景色とはまるで逆だった。街灯は一つも見当たらない。見つけられなかっただけかもしれない。まだ陽は昇ったばかりだから。だけれど僕の知る『道』がない。コンクリートやアスファルト、そういったもので舗装された道路がない。 .田舎。そう、田舎だった。 .僕は手荷物を一瞥して顔をしかめた。これでは学校には間に合わないかもしれない。いや、間に合わないな。そう思った瞬間、秋子さんの説教が耳をかすめた気がした。もう登校時刻はとうに過ぎているのだ。 .はぁぁっ。ため息を吐く。はーっ、ではなく、はぁぁっ。空気を落とすように。ため息を吐く。いくつの駅を乗り過ごしてしまったのだろう。目的地を過ぎてからツキノミヤまでの駅名を指折りながら呟いてみようとして、やめた。そして気付く。 .ツキノミヤなんて駅名を、僕は知らない。 .そもそも僕の乗っているこの電車は田舎を経由しない。この景色がおかしいのだ。 .鞄を落としたが構ってはいられない。僕は振り向いて窓の外を確認する。 .視界の目一杯に広がっていたのは、なんてことない田園風景だった。だがそれが問題だった。 .僕はこの景色を知らない。
  • 4 nora. id:ez-Yuzd4p20

    2012-12-19(水) 20:23:26 [削除依頼]
    >>3 . .電車がホームへと滑り込む。ゆるやかに流れる風景。口をぽかんと開けて、僕はそれを見つめていた。 .――降りなくちゃ、いけない。 .忘れ物を注意する車掌のアナウンスを聞きながら、ふとそう思った。降りなくては。このツキノミヤ駅に。もしかしたらこの電車が、今日はたまたま他の路線を走ることになっていただけかもしれない。他の理由だったにしても、この駅で降車して引き返すのが得策だ。 .僕がホームに降り立ったのを合図としたかのように、発車を知らせる音楽が鳴る。電車を見送りながら、自嘲気味に僕は笑った。今の僕は少し自意識過剰なのかもしれない。だけどやはり、こういう状況においてはそのようにしか思えなかった。
  • 5 nora. id:ez-rb23RDh/

    2012-12-22(土) 22:21:30 [削除依頼]
    >>4 . 「――おや、珍しいな。ツキノミヤに人が立ち寄るなんて」 .声につられて振り向く。屋根が設えられただけの簡素で小さな改札に彼は立っていた。 .すらり、と、細長い。百八十はあると思う。この暑い中で、黒っぽい制服を几帳面に着こなしていた。影で顔はよく見えないけれど、きっと美形なのだろうなと直感した。綺麗な声をしていたから。 「あの、駅員の方ですか?」 「あぁそうだよ」 .帽子を脱ぎながら彼はおもむろに歩を進めた。顔に陽が当たる。思った通りだ。男の僕から見てもはっとするような整った顔立ちだった。清潔感のある紺碧色の髪は、透き通るように輝いている。 「僕、どうやら寝過ごしてしまったみたいで……」 .次の電車はいつ頃来るんですか、と言いかけて、やめた。言葉を呑み込む。彼は哀しそうな顔をしていた。 「君は……、高校生かな」 「はい」 「年は?」 「……十八歳、ですけど……」 .そうか。そう呟いて彼は再び帽子をかぶった。やはりどこか哀しそうな表情だった。 「ここはね、忘れ去られた町なんだ」 「忘れ去られた、町?」 「過去が行き着く場所さ」 .随分と詩的な表現だ。そう思ったが、彼の表現は相変わらずで、決して冗談を言っているわけではないようだった。だとすれば、その言葉に隠された意味はなんだろう。 .忘れ去られた町。過去が行き着く場所。
  • 6 nora. id:ez-szcY.wa1

    2013-01-01(火) 01:14:45 [削除依頼]
    あー、訂正入ります。携帯だと誤字やらかしやすいな(´・ω・`) >>5 そう思ったが、彼の表現は相変わらずで、 →そう思ったが、彼の表情は相変わらずで、
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