海の彼方へ。-天使が羽ばたくとき-44コメント

1 あも/* id:zO1zJZQ.

2012-12-17(月) 09:16:08 [削除依頼]
あのときの自分に
未来を教えられたなら、
そのにおいを、
光を、
音を、
景色を覚えておけたかもしれない。


でも、言わない。


このことを教えてしまったら、
君が怖がってしまうから。
怯えてしまうから。


だから、
一つだけ、教えよう。


「僕は、君が、大好きだ。」
   2012.12/17  あも/*
  • 25 桜咲 ハル id:802WE2F.

    2012-12-19(水) 17:52:44 [削除依頼]
    全ての音が、
    消えていった。


    全ての光景が、
    ゆっくりと流れていった。


    驚いた表情で
    消えていくヒヨリを、
    俺は救うこともできない。


    ただ、意味もなく
    手を伸ばした。


    でも、ヒヨリは
    俺の手をしっかりと握りしめてくれた。


    それだけで、
    死ぬことが怖くなくなった。


    道連れなんて、考えもしない。
    このまま、自分も消えるのだと
    分かっていたから。


    抵抗はしない。


    最後の最後に気づいた。


    ヒヨリが、好きだ───


    手の温もりを感じながら、
    俺たちの14年の人生は
    終わった。
  • 26 みぃな♪ id:TDqaGvx0

    2012-12-19(水) 17:53:53 [削除依頼]
    面白いです!

    更新、頑張って下さい!!
  • 27 桜咲 ハル id:802WE2F.

    2012-12-19(水) 17:59:44 [削除依頼]
    みぃな♪さん

    コメありがとうございます!!!
    文才がないもんで読者様が少ないから
    コメがめっちゃうれしいんです!!!


    頑張ります!!
  • 28 桜咲 ハル id:802WE2F.

    2012-12-19(水) 18:04:54 [削除依頼]


    意識がある。
    考えることができる。


    まだ死んでないのか……?
    早く、早く終わってほしい。


    そこで、
    息ができることに気づいた。


    じゃあ、ここはどこだ……?


    「オカエリナサイ」


    誰かの声が聞こえる。
    お帰り……?
    ってことは、
    ここに来たことがあるんだろうか…


    気になって眼をあけると、
    前髪が片目にかかった謎の男がいた。
  • 29 桜咲 ハル id:802WE2F.

    2012-12-19(水) 18:12:55 [削除依頼]
    薄紫色の髪に、
    なぜかスーツを着込んだ男。


    そいつの背中には
    大きな大きな翼が生えていた。


    「ここは、どこ?」


    聞きなれた声。
    ヒヨリのものだった。


    とたんに緊張がほぐれ、
    状況を理解することができた。


    ここから先は推測になってしまうのだが、
    聞いてほしい。


    ここは天国。
    目の前にいる男は天使。
    そして俺たちはもう死んでいて、
    今からなにか説明を受ける。


    誰にでもわかることしか考えられないのは、
    [死ぬ]ということに
    あまりにも体力を使ったからだ。


    「お疲れ様です。
    私の名前はシオンと言います。
    これからコウキ様のガイドを務めますので、
    お見知りおきを。」


    シオンと名乗るそいつは、
    一気にそこまでまくしたてた。
  • 30 桜咲 ハル id:802WE2F.

    2012-12-19(水) 18:22:27 [削除依頼]
    「こんなこといきなり言われても
    何もわからないと思いますので、
    説明しますね。」


    シオンの話をまとめると、
    こういうことだ。


      +++

    俺の予想通り、ここは天国でシオンは天使。
    人は輪廻転生ではなく、
    生まれる前に一度ここに来てから
    抽選で親を決め、
    死んだらまた帰ってくる。
    今の俺たちは死んでから帰ってきたところ、
    というわけだ。
  • 31 桜咲 ハル id:802WE2F.

    2012-12-19(水) 18:55:37 [削除依頼]
    ガイドとは、
    帰ってきた“新米天使”達を
    その通りガイドする役割の
    先輩天使のこと。

    天使の仕事は、
    下界に幸せを振りまくこと。
    仕事の仕方は、ガイドから教えてもらえる。


    尚、仕事には
    望むものが一つだけ持って行ける。
    しかし、生きているもの、
    下界のものは持っていけない。
    他に持ち運ぶものは、仕事道具だけ。


       +++

    「といっても、ここはまだ天国ではなくて
    第1ステージと言ったところですかね。」


    笑いながらシオンが言う。


    「ここは仕事に持っていくもの、
    衣装を決めるところです。」


    あまりにもたくさんの事を
    詰め込みすぎて、
    俺の頭はパンク寸前だ。
  • 32 桜咲 ハル id:802WE2F.

    2012-12-19(水) 19:01:44 [削除依頼]
    「ねえ、あたしのガイドは?」


    「あぁ、彼女は
    卒業生を見送ってから来ますよ。」


    「卒業生って?」


    「しまった、説明を忘れていました。
    今、仕事と説明をしたものの期限は5年。
    に最終試験を受け、合格したら
    卒業して好きな生活ができるのです。」


    またもや新しい知識。
    一回やめてほしい。


    「それでは、行きましょうか。」


    シオンはバサバサと飛んでいくが、
    俺たちは飛び方が分からない。


    困って顔を見合わせていると、
    シオンがやっと気づいた。


    「今、あなたたちの背中には
    小さいですが翼があります。
    飛ぼう、と思ったら飛べますよ。
    あ、翼は仕事をするたびに大きくなっていきます。」


    飛べる?
    ずっと夢見ていた、
    自力で空を飛ぶことが
    簡単にできるらしい。
  • 33 桜咲 ハル id:802WE2F.

    2012-12-19(水) 19:06:41 [削除依頼]
    飛ぶ。


    思うだけで
    簡単に飛べた。


    夢見る少女のヒヨリは
    顔がさらに昇天しそうになっている。


    調子に乗って宙返りして、
    危うく落ちかけている。


    変わらない。


    今までならあきれるところだが、
    変わっていないことが
    とてもうれしかった。


    「ヒヨリ、行こう。」


    手を差し出すと、
    あの時のまんまのあったかい手で
    握り返してくれた。


    ついた先は、
    巨大なクローゼットの前。
  • 34 桜咲 ハル id:802WE2F.

    2012-12-19(水) 19:49:09 [削除依頼]
    「ここが、衣装を決めるところです。
    女性は主に白いワンピース、
    男性はつい最近まで壁画に出てくるような
    布っぽいやつだったんですが、
    最近はタキシードになりました。」


    それを聞いて、一安心する。


    あんなもん着てうろつきたくない。


    「シオンさん、私はこのままでいいですか?」

    そういえば、
    ヒヨリの服は白いワンピースだった。


    Vネックにレースっぽい袖の、
    シンプルな服。


    「構いませんよ。
    では、コウキ様、選んでください。」


    そう言って、シオンはクローゼットをあけた。
  • 35 桜咲 ハル id:KL7Vyxa/

    2012-12-21(金) 18:03:56 [削除依頼]
    アゲ
  • 36 桜咲 ハル id:KL7Vyxa/

    2012-12-21(金) 18:04:22 [削除依頼]
    あぁぁ、よかった…
    消えて見つかんなかったからあぁぁ
  • 37 桜咲 ハル id:KL7Vyxa/

    2012-12-21(金) 18:08:02 [削除依頼]
    いくつもの服が、
    ズラッと並んでいる。


    軽く1万着はあるだろう。


    「コウ、あたしが選んでくる!!」

    ヒヨリが選んでくれた服は、
    深緑色のタキシード。


    これなら、まあいいか。


    「ん、いいよ。」


    「それでは、次は“持っていくもの”を
    決めましょう。」


    そう言って来たところは、
    オフィスのような普通の部屋。
  • 38 桜咲 ハル id:KL7Vyxa/

    2012-12-21(金) 18:11:41 [削除依頼]
    向かい合わせの椅子に座って、
    もぞもぞしていると
    シオンが口を開いた。


    「もうすぐヒヨリ様のガイドが来るはずです。」


    10分後。


    バサバサという、
    飛んでくる音が聞こえた。


    少し錆びついたドアを開けて
    入ってきたのは、
    とてつもない美女だった。


    「こんにちは。
    ヒヨリ様のガイドを務めます、
    リオンです。」
  • 39 桜咲 ハル id:1q1Z.yj/

    2012-12-23(日) 22:40:56 [削除依頼]
    小さな顔に青い大きな目、
    金髪を三つ編みにしたリオンからは、
    見るからに優しいオーラがあふれ出ていた。


    綺麗、の一言に尽きる。


    ヒヨリは口をぽかんとあけてただ驚き、
    あいさつも忘れている。


    「こんちは、幸喜です。」


    「始めまして、リオンです。
    本日はご愁傷様……ですね。」


    そうだった。
    今日、俺は死んだんだ。


    こっちの世界が、あまりにもリアルだから、
    すっかり忘れていた。


    やっぱり俺はアホだ。


    「あ、ヒヨリです!
    よろしくお願いします〜」


    「こちらこそ。
    ヒヨリ様をしっかりガイドできるよう、
    頑張りますね。」
  • 40 桜咲 ハル id:sM94C0.1

    2012-12-24(月) 16:07:56 [削除依頼]
    「それでは、持っていくものを決めましょうか。」


    シオンが、手を打ち鳴らしていった。
    続いてリオンが、説明する。


    「持っていくもの、は物に限らず、
    なにか抽象的なものを選ぶこともできます。
    たとえば夢、愛、優しさなどですね。」


    そうなんだ……
    じゃあ、俺が持っていくものは
    もう決まっている。


    「しかし、先ほど申し上げたように
    下界のものや生きているものは持っていけませんので、
    注意してくださいね。」
    続いてシオンの言葉。

    ヒヨリ……ヒヨリは、なにを持っていくんだろう。

    「ねぇ、コウは何もっていく?」

    ヒヨリが聞いてくるが、
    リオンがあわててつけたす。


    「あ、それは卒業してからではないと
    話すことはできません。」


    「じゃ、リオンさんはなにを持って行ったんですか?」


    とたんにリオンの顔は、
    可愛そうなほどこわばった。
  • 41 桜咲 ハル id:sM94C0.1

    2012-12-24(月) 16:13:51 [削除依頼]
    「私……?
    いえ、またいつか話しますね……」


    話をはぐらかした。

    「じゃあ、シオンさんは?」

    これもまた、顔を真っ赤にしながら話し始めた。


    「私が持って行ったのは、地位です。
    本当の私には、ガイドなんて大役は
    勤まるものではありません。
    私は……選択を間違えたのです…」


    今目の前にいるシオンには、
    そんな雰囲気はちっともなかった。


    「あたし、決めたよ。」


    重くなった雰囲気を覆すように
    ヒヨリが明るく言う。


    「俺も。」


    「それでは、それぞれのガイドに
    伝えてください。」
  • 42 桜咲 ハル id:v/AXQPp/

    2012-12-25(火) 13:20:59 [削除依頼]
    シオンに耳打ちする。

    俺の願いは、
    「強いからだ」


    今までこのせいでできなかったことが
    たくさんあった。


    天国では風邪をひかないとかなんとか言われようと、
    これがあるだけで
    俺の心が安心できるんだ。


    「分かりました。
    では、3秒間目をつむっていてください」


    言われたとおりにすると、
    なにか冷たいものが全身を流れ落ちるような感覚がした。


    「これで、コウキ様の持っていくものは
    準備できました。」
  • 43 桜咲 ハル id:DPJSU691

    2013-01-04(金) 11:53:20 [削除依頼]
    ヒヨリも準備を終え、
    いよいよ天国に行くことになった。

    「今まで天国と説明してきましたが、
    本当の名前は福の国と言います。
    人が死ぬとき、行いで場所を決められるのです。」


     シオンの説明に、リオンが続けて言う。


    「国は全部で5国あり、いい順に
    天の国、福の国、幸の国、悪の国、死の国があります。
    あなたたちの行いはよかったんでしょうね」


    俺はそこまでいいことをした覚えがないが、
    まあ上から2番目の国に行けるのは嬉しい。


    「しかし、天の国より悪いことは
    毎年一人、いけにえを出さないといけないことです。」


    「いけにえ?それって、
    へんなドラマに出てくるようなアレ?」


    変なドラマかどうかはしらないが、
    ヒヨリの疑問にシオンが答える。


    「そうですね。一人、綺麗な女性を
    死の国の王に差し出さねばならないのです。」


    それはイカン。
    とてもイカン。


    設定がアホ臭い。
  • 44 桜咲 ハル id:DPJSU691

    2013-01-04(金) 12:01:40 [削除依頼]
    「では、行きましょう!!!」

    連れてこられたのは
    大きなドアの前。


    「どこで○ドアです。」


    「真面目な顔をして冗談吐くな」

    「いや、マジです。
    正直俺も初めて来たとき戸惑ったんですが…」

    「あ、いまシオンさん俺って言った!!」


    「え、マジッ!?やっべ…」

    「いやもうお前完全に素でてんだろw」

    「じゃ、これからはもうマンマで行くわ。
    リオンはこれが素だから。
    じゃ、行くぞ。」


    ギ……ギギ…


    重たい音を響かせながら、
    ゆっくりとドアが開く。


    「ばいばい、みんな。」


    ヒヨリの一言が、印象的だった。
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