ドーナツの穴   短編集128コメント

1 つばさ id:JOXMr9a0

2012-12-12(水) 20:52:35 [削除依頼]
まず第一スレ。  

題名から想像でもしていてくださいな。 一日おきに来ます。

番宣並びに小説宣やってかまいません。

どんどんみにいきます。では。
  • 109 つばさ id:LUFW8TE1

    2013-02-03(日) 11:54:35 [削除依頼]
    ついたのは当時、とてもきれいだった神谷の事務所。
    僕も瞬間移動したみたいだ。
    どういう仕組みなんだろう。

    幼い僕はそばに誰もいないことをいいことに、そこらじ
    ゅうを探索し始めた。
    その時、神谷が入ってきた。

    「……君、誰」
    「え、えと……さとうよしひこ」

    恥ずかしい。
    こういうとき、偽名を使っていた。
    神谷は目を細めて、幼い僕を見回した。

    「ごめんなさい。気が付いたらここにいたの」

    涙を浮かべ、上目遣いに見上げる。
    こうすると優しく受け入れてくれるのだ。
    なんてことをやっていたのだろう。

    「ふうん」

    神谷は近づいてきて、幼い僕と僕の頭をはたいた。

    え……?

    「まずちっちゃいの。お前、自分がバカだなと思ったこ
     とはないのか」
    「え、え?」

    幼い僕は混乱している。僕も混乱していた。混乱してい
    る。

    「能力をバンバン使っていただろう。毎日そのにおいが
     する」
    「ご、ごめんなさい」
    「瞬間移動。子供から乱用しているのがいるのか……」

    「それからお前」
    「は、はい」
    「何をしている?」

    僕だってわからないよ。
    何で神谷が僕がいること知ってんのさ。見えてんのさ。
    僕はいわばタイムスリップしたようなもんだ。
    なんで、なんで?

    「ああ……そういうことか。ちっちゃいの」
    「なんだよ」
    「来い」

    神谷は幼い僕の手を握る。
    そして、場面は移り変わった。

    そこは空中都市といってもいい場所だった。
    神谷の幻術だったはず。

    「見ていろ」

    神谷は左手を前に出し、目の前のビルを爆発させた。
    そして神谷の姿が一瞬見えなくなり、小さな女の子を抱
    きかかえた神谷が現れた。
  • 110 つばさ id:7iFsCbv1

    2013-02-04(月) 17:15:46 [削除依頼]
    「いいか?能力とはこういうものなんだ」

    幼い僕はしきりに首を縦に振っていた。
    恐怖を抱いていた。
    自分よりも強力で恐怖のものを見せられ、困惑していた
    のもある。

    「お前は今まで何をしてきたんだ?それは何を生む」
    「……いたずら。……満足感」
    「それはいいことか?」

    首を横に振る。

    「……はぁ。じゃあ家に帰れ」

    神谷が指を鳴らすと、幼い僕は消えた。
    僕はここにいる。
    どうしようかと悩んでいたら神谷がこっちを向いた。
    神谷の眼は……恐ろしかった。


    「……と!……魔冶徒!」

    目が覚めると、またベッドの上にいた。
    翔が僕を覗き込んでいる。

    「……あぁよかった!急に倒れるんだもんなぁ!」
    「………そうだな。お前はうるさくてかなわん。出てけ」
    「ひでぇ!……わかったよ!魔冶徒が休めないもんな!」

    それはいわゆる負け惜しみじゃない?

    「くっ!……ばか!」

    最後に言葉を残し、翔は出て行った。
    案外打たれ弱いのかもしれない。

    翔の兄は残った。
    何を話せばいいのかわからない。
    そういえば、翔抜きで話すのは戦闘のとき以来だ。

    「あの……ありがとうございました」
    「……ん?」
    「神谷を助けるために……協力してくださって」
    「……いいや、結局最悪の事態を招いたんだ。
     協力もただの事に過ぎない」
    「事?」
    「……そうだ。だいたいはどういうことがあっ
     た、で終わってしまう。それが事。だがたま
     に、今後を揺るがすものもあるだろう?……
     それが今回だと思うんだ」

    人生経験が豊富な人はこんなにもすごいのか。
    たった数年。
    数年で違いが生まれる。
    だったら神谷と僕は何年の違いがあるのだろう?
    能力を研究し、強化する時間もある。
    神谷はどれだけ――

    「……本題に入る」

    知らずに僕も改まる。

    「今作った能力、どういうことだ。前に聞いたよな」
    「はい」
    「……少し調べた。人が能力を作るのは容易ではな
     い。が、できる」
    「え…」
    「実際にやった人に会ってみたが、実年齢と何十年
     も老けて見えた。副作用もあるらしい」
    「……副作用ですか」
    「そいつはもともと炎を操るやつだった。だが瞬間
     移動したい、と願うとそれができたそうだ」
    「え……!」

    瞬間移動したい、と願うだけでできたらノーベル賞
    だろう。

    「……瞬間移動とはすなわち距離を失くすこと。い
     や、光の速さになる……と言ったところか。時間
     に例えると分かりやすいだろう?」
  • 111 つばさ id:7iFsCbv1

    2013-02-04(月) 17:30:02 [削除依頼]
    「一般人は秒速1キロなんていけるわけがない。だが
     能力者は秒速1キロ、10キロいける。瞬間移動を
     持たないものはお前からして一般人。光の速さで動
     くイコール時間を速く進む。……わかるな?」
    「はい」
    「一般人より時間を速く進んだんだ。……ツケがそれ
     だ。老いてしまう」
    「その人は知っていたの?」
    「……知っていてやらないさ。紛争地域にいて、重症
     人を運ぶときに願ったそうだ」

    理不尽だ。
    その人はただ、けが人を速く運ぼうとしただけなのに。

    「理不尽と考えるなよ?これは世界の一部だ。分かる
     な?能力者は運命を感じなくちゃいけないんだ」
    「理不尽だ」
    「……受け入れたくないならそれでもいいさ」

    翔の兄は病室のドアに向かう。
    そしてドアを開けて振り向かずに言った。

    「……いずれ受け入れるしかないんだ」
  • 112 つばさ id:7iFsCbv1

    2013-02-04(月) 17:31:52 [削除依頼]
    翔の兄はそのままでて行った。

    ……そんなのわかってる。
    能力者が不利なことくらい。
    世界は一般人仕様でできているんだって。
    分かってる。分かってるんだっ。

    胃の中がむしゃくしゃした。
  • 113 つばさ id:7iFsCbv1

    2013-02-04(月) 17:48:15 [削除依頼]
    三日後、僕は退院した。
    神谷はまだ昏睡状態らしい。
    最後に神谷に会いに行かなかった。
    きっと、泣き崩れてしまう。
    能力者の理不尽さを訴えてしまう。

    その僕の今までの行動で神谷が大変な思いをしてきたん
    だ。

    僕は上を見上げる。
    雲ひとつない青空が見えた。

    ……僕の心は澄んでいるのだろうか。
    これくらい澄んでいる人間になれたら神谷に近づけ――
    いやいや。僕は神谷が目覚めるまで自立するんだ。
    能力者としてじゃなくて一般人として。

    空を見上げながら歩いていると、何かにぶつかった。
    相手は跳ね返った。
    前を向くと、一人の少女が僕を睨んでいた。

    ……なんというか、恰好がすごい。
    メイド服を着ていて、頭には猫耳をつけている。
    眼鏡もかけているが、度が入っていなさそうに見える。

    「……謝罪の文もなしですか」

    少女が呟き、思い出す。

    「ごめん。大丈夫だった?」
    「……大丈夫です。失礼します」

    少女は僕の脇を抜け、歩いて行った。

    なんか……歩きかたが変なような?
    僕は病院で幾人もの人を見ているからわかる。
    なんか、変だ。

    少女をあわてて追いかける。
    少女は歩くのが速く、曲がり角をいくつも使い、追いつ
    くのが難しかった。
    だけど僕は執念で追い付き、少女が入ったある建物の中
    の入って行った。
  • 114 つばさ id:7iFsCbv1

    2013-02-04(月) 17:49:51 [削除依頼]
    コメントコメント


    あれ?いつのまにか100越え

    なんか自分だけつっぱしてしまっていやはや……!

    読みづらいと思いますg、よろしくお願いします。

    アドバイスください。

    ではでは
  • 115 つばさ id:7iFsCbv1

    2013-02-04(月) 18:11:16 [削除依頼]
    建物の中は、暗かった。
    少女は明かりもつけずに歩いて行ったのだろうか――っ
    と。
    危ない危ない。
    見た目手裏剣が飛んできた。え、手裏剣?

    「……なんでついてきた。マヌケ」
    「え、あぁ、君に用があったんだ」

    後ろにあの少女が現れ、助かる。
    さっさと用を済ませて帰ろう。

    「……っ!?な、何をする、バカ者!」

    僕がしゃがみ、懐中電灯で足を照らすと案の定膝がすり
    むけていた。
    出血中だ。

    「何って、手当てだよ」
    「……て。ててて手当てだと……?」
    「うん。僕のせいだしね。ちょっとしみるよ」

    消毒液を吹きかける。少女はひざから崩れ落ちた。
    消毒液が初めての人の反応なんだけど。

    「……ドジのくせに何をやって……っ」

    もう一回吹きかけると、少女は黙った。
    その間に包帯を巻いてしまう。……テープで留めて。

    「はい。終わり」
    「……膝が動きにくい。あつい。むせる。臭い」
    「そりゃそうでしょ。包帯と消毒液は」
    「……ほうたいとしょうどくえき」

    一語一語確かめるように復唱する彼女。
    ……この少女おかしくない?

    「あの、君は一体――」

    照明がついた。
    案外広くて、どこかの施設。例えば学校のような感じだ
    った。

    「ちょっと、あんた誰?ツンについてくるなんて。……
     ストーカー?」
    「やめなさい。事情を聞きましょうか」
  • 116 つばさ id:7iFsCbv1

    2013-02-04(月) 18:19:53 [削除依頼]
    オレンジのシャツに半ズボンを着た少女と、水色のワン
    ピースを着た少女が現れた。
    子供と大人を見ているみたいだ。

    …あれ、僕いつの間にか悪役?

    「あなたは何の目的で来ましたか?」
    「その子の手当てです。僕が転ばせちゃって」
    「転ばせた、ですか?」
    「はい。あ、僕が空を見上げててぶつかったんです」

    誤解を招かないように追加。

    「ではこのまま帰るのですね?」
    「はあ。そのつもりですが」

    何を言っているのだろう。
    ワンピースの少女は半ズボンの少女に目配せすると、半
    ズボンの少女がいやいやうなずいた。

    「あなた、見たところ………ここに住んでいかない?」

    え。見たところ何もなし?

    「どうしてですか?」
    「そうね……。今は何も言えないの。どう?」

    行くあてなんてなかった。悩んでいたところだ。

    「おねがいします」
  • 117 つばさ id:7iFsCbv1

    2013-02-04(月) 18:29:48 [削除依頼]
    「簡単に言うと、ここは施設なんです」
    「施設……」
    「はい。でも部活動の一部と考えてください」
    「はあ……」
    「私たちで作った部活、施設。小さな学校です」

    「ときどき子供が来るんです。年代はばらばら」

    「土日にはたくさん来ます」
    「勉強しにですか!?」

    偉い。偉すぎる。
    休日にまで勉強しに来るなんて。

    「いいえ。遊びに、です」
    「へ?」
    「私たちは子供たちに遊びの場を作ってあげています」
    「……平日来る子って」

    嫌な予感が頭を過ぎる。

    「本来の学校をさぼっています」

    ですよね。だめじゃないですか、ここ。

    「でもみなさん偉いんです」
  • 118 つばさ id:7iFsCbv1

    2013-02-04(月) 18:34:35 [削除依頼]
    「何が……」
    「欠席届は出すんです。行先は伝えずに」

    ……50点、なんか半々。

    「その遊びを試すのが私たちの仕事です」
    「はい?」
    「色々な遊びを何歳向けなのか、実際にやるんです」
    「はあ……」

    もうわけが分からない。
    こんな少女たちがやってていいものだろうか?

    「楽しいですよ」
    「教育機関は……?」
    「魔法です」
    「は?」
    「魔法、です。魔法でかいくぐっています」

    超常能力の事だろうか。
    ……ここも能力者がいるのだろうか。
    出来ればいないでほしいなあ……。

    期待しながら聞く。

    「どういったものですか?」
  • 119 つばさ id:7iFsCbv1

    2013-02-04(月) 18:39:03 [削除依頼]
    「サラ!ほっときなさい。重要事項だけ」
    「はい。……ここの事は誰にも言わないで下さいね?」

    寒気がした。

    「こちらへどうぞ」

    部屋に案内されるらしい。
    今後の事を思うと、ため息もつきたくなる。
    でもため息は周りの幸せも奪うらしいし。

    あの半ズボンの子、なんか僕に恨みでも持っているのだろうか?
    やけにつっかかってきたよなぁ。

    そんな事を思いながら。
  • 120 れなちー id:FXEHScL1

    2013-02-04(月) 18:49:39 [削除依頼]
    すみません。
    まだ間違えました(>人<;)
    最後は美幸じゃなくて晴海です!
    間違えてばかり、すみません。
  • 121 つばさ id:.bGUDS51

    2013-02-07(木) 23:20:40 [削除依頼]
    「………起きて」

    僕は人の声がすると目がさえてしまう方だ。
    だから今回も目が覚めた。
    それはよかった。

    「……なにしてらっしゃる?」
    「………起こしてる」
    「うん、起きたから。どいて?」
    「……うん」

    ツンだっけ? が、僕の上に乗っていた。
    素直にどいてくれたけど、なんかショックだ。

    「ツン!何してるの」

    半ズボン姿の子が部屋にやってきた。
    その凍てつくような視線は僕に向けられている。

    「……起こしたの」
    「そ。じゃあそこのあんた」

    僕?

    「ツンには期待しないことね。無知だから」

    鼻で笑われた。
    ここで僕が起こるという選択肢もあるけれど、預かってもらっている身。
    下手なことはできない。
    今回は怒りを鎮めよう。


    朝ご飯はまあ普通だった。
    味も見た目も。
    全部草類だった。
    明日は肉類が出るらしい。

    「あの」
    「はい」
    「あの、半ズボンの子、名前は?」
    「ミカですよ。仲良くしてくださいね?」
    「はい」

    一応サラに聞いてみた。
    今後、呼ぶときに不便だから。
    試しに呼んでみる。

    「ミカ」
    「……なによ」

    警戒された。
    めげない僕ってすごいなあ。

    「呼んだだけ」
    「なら、やめてほしいわ。いいえ、すべてよ!」
    「え?」
    「必用最低限しか話さないでね」

    ミカはすたすたと歩いて行ってしまった。
    疑問と疑問と疑問が頭の中でせめぎ合っていた。
  • 122 つばさ id:.bGUDS51

    2013-02-07(木) 23:38:49 [削除依頼]
    事は図書館狩りで訪れた。
    一番慣れているというミカと一緒に図書館に行くことになったのだ。
    図書館狩りとは、図書館の本を暗記、または複写、または盗む行為である。
    これを幾度と繰り返し、膨大な量の知識を得ているらしい。
    関心に値する。

    それはさておき、ミカと一緒に行くことになったのだ。
    図書館にたどりつくまで無言だった。

    「……記憶力に自信は?」

    図書館の扉の手前で彼女が初めて口を聞いた。

    「ある」
    「じゃあ、あな……あんたは暗記ね」
    「うん……」
    「いくつもの本に挑戦しようと思わないこと」

    「一冊一冊をきちんと把握すること」

    「後で書き写して」
    「了解」

    僕は暗記は得意だけど、瞬間移動も可能なんだけどな。
    あそこに本を移動させることだって。
    でも言い訳が思いつかない。
    やっぱり一冊一冊やっていくしかないか―――。


    図書館を出た頃にはあたりは暗くなっていた。
    僕は十冊覚えた。
    彼女はこれより短い時間で二十冊覚えたこともあるらしい。
    今回彼女は盗みをやらかした。
    前が見えなくなるほど積んで。
    どうして図書館の人に見つからなかったのかな。

    「手伝うよ」
    「……結構」
    「いや、でも悪いし」
    「は?」

    彼女がクルリとこっちを向いた。
    いきなりすぎて僕は驚く。でも本も同じみたいで。

    「何について悪いと思って――きゃぁぁぁ!!」

    ミカの持っていた本が倒れた。
    本はそのままミカに落ちてきた。
    ミカはバランスを崩し、自身も倒れる。
    僕はその上に覆いかぶさった。


    「……重いわよ!どきなさい!」
    「あぁ、ごめん」

    数秒たった後、ミカはすぐに本に駆け付けた。
    一冊一冊、汚れを払っている。
    僕も無言でそれにならった。
    ミカは一瞬僕を見たが、何も言わなかった。

    「……ありがと」

    そんな言葉が聞こえてきたのは空耳だろう。
  • 123 つばさ id:P1Hj12Z.

    2013-02-13(水) 17:22:18 [削除依頼]
    そのあと、僕たちは公園へ寄った。
    ミカがどうしても寄りたいのだと言ったからだ。
    そこは古びたさびしい公園だった。

    誰もいない。いるのは僕たちだけだ。
    滑り台などの平凡の遊具はなく、ロープを使って上に登
    る平凡ではない遊具などがあった。
    ジャングルジムに登ってみる。
    てっぺんから下を見下ろすと、意外と高かった。
    ミカは僕の隣に登ってきた。身のこなしは優雅だった。

    「……昔はね、ここが世界だと思ってた」

    ミカが静かに話しだす。

    「高いでしょ。お気に入りの場所……なの」
    「確かに高いよね。お気に入りになるのもわかるよ」
    「……っ」

    突然ミカは立ちあがった。そしてバランスを崩す。

    僕がお思ったのと同時に彼女は落ちた。華麗な身の
    こなしで。
    そしてミカは立っていた。

    「あたしは高所専門!行くわよ!」

    ミカはすたすたと歩いて行ってしまった。

    こうしょせんもん……?どういうことだろう。

    疑問を抱えながら、ミカに駆け寄るのだった。
  • 124 つばさ id:P1Hj12Z.

    2013-02-13(水) 17:32:35 [削除依頼]
    「あら、おかえりなさい」
    「ただいま」
    「どうも……」

    なんていえばいいのか分からずに挨拶も言えないでいる
    と、ミカにどつかれた。
    小突かれたのではなく、体当たりをしてきた。

    「あんた!ここから出ていくつもりなのか!」
    「い、いや」
    「じゃ挨拶もできないろくでなしなんだな」

    怒鳴られ……罵倒された。彼女が行っているのは僕の言
    葉だな。

    「た、ただいま……」
    「はい。おかえりなさい」

    サラに笑顔で返される。彼女はこういうことに無関心な
    のだろうか。

    「ツンは?」
    「えー……いつもの所でしょうか」
    「分からないの?」
    「ツンはあれじゃないですか。難しいですよ」
    「んー、まあそうね」
    「あれって?」
    「あんたには関係のないことよ!」

    そう言われると意地でも言わせたくなる。
    ここはさっきのおかえしといこうかな。

    「でも僕、ここに住むんですよ?」
    「……だから?」
    「秘密はなしですよねー……って」
    「でてけばいいじゃない!」
    「でもさっき、ただいまって言いましたよ?」
    「ええ……」
    「ミカには僕を心配していただきましたし」
    「……」
    「ここの一員でしょう?」
  • 125 つばさ id:P1Hj12Z.

    2013-02-13(水) 17:55:10 [削除依頼]
    敬語プラス揚げ足取りという二段構えで攻めた結果、勝
    った。

    「分かったわよ!じゃあ一つだけ言うわ!」
    「どうぞ」
    「あの、私買出しに行くので失礼いたします」
    「あ、ゴマと食パン買ってきて!」
    「わかりました」

    そういうとサラは建物から出て行った。
    ゴマと食パン……っていうとゴマ食パンかな。ストレス
    解消になるんだっけ。……大変なんだね。

    「一つって?」
    「あんたも一つ言いなさいよ!」

    息がとまった。

    「なんかかくしているでしょ?」
    「か、かくしてなんか……」
    「へー、自分だけ隠そうっていう魂胆なんだ?」
    「ち、ちがっ」
    「じゃあ何?後ろめたいことなんてないんだ?」

    僕が隠している最大の事、それは言えるわけない。
    壁を作ることになる。

    能力者を撃退しようとする団体、組織もあるみたいだし
    入っていたとしたら。そこを裏切っていることになる。
    入っていなくても、目をつけられたら殺されてしまうか
    もしれない。
  • 126 つばさ id:P1Hj12Z.

    2013-02-13(水) 18:00:58 [削除依頼]
    「……言えない」
    「ふうん。どんだけ黒いんだろうね」
    「……」
    「……ほら。だから嫌なんだよ!」

    ミカが怒鳴った。

    「あんたも能力者とおんなじなんだね!!」

    体がとまった気がした。
    ミカはそのまま駆けて行ってしまった。
    僕はその場で何もできずに、ただ、ただ茫然としているだけだった。
  • 127 つばさ id:P1Hj12Z.

    2013-02-13(水) 18:16:08 [削除依頼]
    翌日、僕はミカを一度もみなかった。

    その翌日、ツンに呼ばれた。

    「……来て」
    「う、うん」

    建物を出て、少したったところにベンチがあった。
    ツンはそこに座った。手招きされて、隣に座る。

    「……今日は平日」

    早いなあ。僕が来てから何日もたっている。

    「……子供たちと遊ぶ」

    あぁ、そうだっけ。遊びを見極めるって言って、見極め
    てないな。

    「………ミカが死んでた。何があったの?」

    ……サラに言われておいてよかったと思う。
    サラはツンの間違えやすい言葉を教えてくれていた。

    例えば、死んでた→死んだ目をしている。

    「別に何も?」
    「……ふうん」

    背丈からしても言葉からしても子供のツンには言わなく
    ていいことだ。

    「……子供じゃない」
    「え?」
    「あ、知らない人とツンがいるー!!」

    そんな言葉にかき消された。
    その主を見ると、小学生のようだった。

    「ツン、あのね。俺、親を、撒いたんだ」
    「……またついてきてたの?」
    「うん。欠席は、いいよ、言うのに」
    「……お疲れ様」

    僕を置いて二人だけの世界が広がっていた。
    しゃべるのは苦手なのか、やたら区切りが多い少年と話
    しているツンは大人だった。
  • 128 つばさ id:P1Hj12Z.

    2013-02-13(水) 18:19:13 [削除依頼]
    「ね、誰、あんた。ツンの、かれし?」

    カレシ、かれし、彼氏。
    そこだけ抑揚がなく分かりにくかった。
    子供はカレシを知らないからなのだろう。

    「……うん。そう。彼氏」
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