\素直で不器用な2人に幸あれ/41コメント

1   ∩^p^∩ももXxx、 id:MwXVhbO.

2012-12-04(火) 22:06:58 [削除依頼]


   「嫌いになった?」  

   『嫌いになんてなれないから安心して』  

   
    
   そうやってギュっと抱きしめられて。
   うまく息ができなくなる。
  

   きっとこれが恋だ。
  • 22   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 18:58:27 [削除依頼]
    *拒否は聞きません*


       『いい加減いうこと聞いてください』

       「…」

       『僕がなんのためにあんな見るからに幼稚な会合に
       参加したと思ってるの』

       「(幼稚って…)」

       むす、と。
       口を閉ざす私を覗き込んだ中野さんは。

       
       今日見た中で一番綺麗に笑っていた。
     
       『松山さんがいるって聞いたからだよ』
  • 23   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 19:01:29 [削除依頼]
    *拒否は聞きません  番外編 *

      
       実は彩乃と友達だった中野さん。
       彩乃から私の話を聞いていたらしい。
       

       それから数日後、私と中野さんは互いに
       “奈々” “佑多くん”
       と呼び合い。
       そして。

       晴れて付き合うことになった。

       人生とはわからないものです。
  • 24   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 19:08:27 [削除依頼]
    *怒らないで聞いてね*


       「ねー…」

       『…』

       無視ですか。分かっていたけど、無視ですか。
       目の前で優雅に足を組み、綺麗な横顔をうつむかせ
       本を読むその人を見つめた。

       「ね、聞いてよー」

       私はふてくされてクッションを抱えると
       大げさにため息をついた。
       嫌い、嫌い、嫌い。大嫌い。

       ちょっと身を乗り出して本の表紙を見ると
       英本で眉をしかめた。
       
       今日はいきなり朝6時に家の扉が叩かれ
       ガタガタと来客を知らせたのだった。
       仕事が休みな私にとって、その早すぎるお客様は
       無視するに限る、と
       寝ぼけた脳内で勝手に理解し、また布団にもぐった。
  • 25   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 19:15:04 [削除依頼]
    *怒らないで聞いてね*


       が。
       
       『僕が来てやったのに、寝てるなんていい度胸だね』

       バサリと容赦なくはがされた布団に目を見開けば。
       そこにいたのは彼氏様。
       あれ、なんで? なんの連絡も来てない。
       しかも鍵…
       ああ、合鍵か。って違う。

       『起きろ』

       「や、あの」

       『起きろ』

       いそいそと起き上がれば、私のTシャツにパンツと
       なんともゆるい洋服を見た彼氏様は

       『…はっ』

       鼻で笑われた。
       心を痛めつけられながらも、ベッドから
       抜けようとすれば…
       顔面に布団が降ってきた。

       「(えー…)」

       『早く着替えてください』
  • 26   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 19:22:44 [削除依頼]
    *怒らないで聞いてね*


       という具合である。
       虫以下な扱いにもかかわらず、
       大好きな佑多くんのためだ。
       と、精一杯の可愛い洋服に着替えてきた。

       そしたら。
       この状態になっていた。
       
       ソファーで本を読む彼氏様。そこに喋りかける私。
       時刻は悲しいことに7時になっていた。
       そろそろご飯を食べようか。

       「なにか食べる?」

       『美味しいの?』

       なんでそこだけ返事するの。
       信じられないくらいにきっぱりと言い切った 
       佑多くんを恨みながら、素直な私はキッチンへと向かった。

       あーあ、食材が少なすぎる。
       フレンチトーストくらいしかつくれない。

       ゆっくりと振り返るが、見つめ合う瞳はなく
       薄いブラウンの髪が見えるだけ。
       なんでこんなに冷たいんだろう。
       付き合ってるのに、嫌われてる気がしてならない。

       卵と砂糖を溶きながら、私は若干落ち込んだ。
       スープでも作ろう、と。
       野菜室から野菜を取り出そうとして。
  • 27   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 19:27:15 [削除依頼]
    *怒らないで聞いてね*


       「っ、な、何?」

       びっくりした。
       すぐそこにある冷蔵庫に面倒くさそうにゆらりと 
       よされかかる佑多くん。
       いろいろと考えて固まる私。

       『奈々』

       名前を呼ばれれば、怯えてしまう。  
       それに冷静なままでうっとうしそうな視線を
       プレゼントしてくれた佑多くん。

       『奈々知ってる?』

       「なにを…」

       『トマトって美容にいいんだよ』

       片手に持ったトマトを見ながら言う。
       少し長めの佑多くんの前髪が佑多くんの瞳をちょっと隠す。
       
       「知ってます」
  • 28   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 19:31:18 [削除依頼]
    *怒らないで聞いてね*


       『大根は風邪にいいって知ってる?』

       「…しらない」

       『馬鹿だね』

       本当にいじめられている気がしてならない。
       泣きそうになりながら佑多くんを見上げれば。
       無表情の佑多くん。

       こんな人、生の野菜でもかじってればいいんだ。
       私はあくまで自分の食事をつくりはじめる。
       たんたん、と包丁でトマトを切る。
       
       こぼれ落ちる涙を服の袖で拭った。
       また馬鹿にされる。気づかないでほしい。
  • 29   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 19:37:36 [削除依頼]
    *怒らないで聞いてね*


       背中から心地よい温度が私を包み込む。
       そしたらまた泣きそうになる。

       『知ってる?』

       『奈々に会いたくて、仕事終わったまま家に来たってこと』

       「知ら、ない」

       ポロポロ溢れる涙に佑多くんはクスクス笑う。
       知らないよ、そんなこと。
       お腹に回る腕の感触がくすぐったい。
       きっと真っ赤だ、私。

       『僕のおさがりのTシャツ着て寝てるの見て、
       嬉しくなったの知ってる?』

       「…知らない」

       『僕に話しかける奈々が可愛くて意地悪してたの知ってる?』

       「…知らない、よ」
  • 30   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 19:41:11 [削除依頼]
    *怒らないで聞いてね*


       恥ずかしさや何やらで、私を困難させて涙が
       止まらない。
       
       『泣くなよ』

       「だって佑多、くん」

       『はいはい』

       そう言って楽しそうに笑う佑多くんは相当なSだと思う。
       でも好きだからしょうがない。
       ぐすぐすと涙を拭う。
       佑多くんが私の頭の上に顔を乗せた。
     
       『馬鹿だね、奈々は』
  • 31   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 19:43:18 [削除依頼]
    *怒らないで聞いてね*


       「感情豊かって言ってください」

       『感情のコントロールがド下手』

       まさかの急降下なテンション。
       それを見て笑った佑多くんを背中に感じる。
       と。

       『奈々、泣くのは僕の前だけにしてね』

       しばらく間があって佑多くんは

       『可愛いから』

       そう言った。
  • 32   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:dWZGjBo/

    2012-12-06(木) 19:45:45 [削除依頼]
    *怒らないで聞いてね   番外編*


       『うわ、質素。なにこれ戦後?』

       「…だって食材がなかったんだもん」

       『ありえない』

       「ごめんなさい」

       『…別に。スープ美味しいし、いいよ』

       「!! 佑多くん、もっかい!」

       『うるさい』

       「佑多くん、佑多くん」


       あのね、大好き。
       
  • 33   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:nfWWObn.

    2012-12-08(土) 16:51:20 [削除依頼]
         *いつだってそばにいるから*

       「んー…」

       今日の月は大きいな。
       1人、会社からの帰り道をぶらぶらと歩く。
       実は私、定時制に帰れるところをわざと残業して帰ってきたのだ。
       なんでかっていうと…
       それはお昼休みにかかってきた佑多くんの電話だったりする…


       お昼休み、着信を知らせる携帯電話。
       画面を見た瞬間に携帯に飛びついた。

       「もしもし…!!」

       “落ち着いてよ”

       「ごめんなさい」

       “別にいいけど”

       クールな切り返しをする相手はまぎれもなく彼氏様。
       今日は久しぶりに一緒に晩ご飯を食べれる日であって、
       私はさっき「何時に家に来れますか?」とメールを送ったところだ。

       “実は今日は一緒にご飯食べられなくて”

       「…あ、うん」

       “何時に帰れるかわからないからさきに食べてていいよ”

       
  • 34   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:nfWWObn.

    2012-12-08(土) 16:58:06 [削除依頼]
    *いつだってそばにいるから*


       「わかった!お仕事頑張ってください!!」

       “うん”

       最後の佑多くんの言葉が妙に淡々としてて、
       私だけが寂しくて、佑多くんは迷惑なのかなって思った。

       そんなわけで。
       やる気もないのに、残業した私。

       
       今度佑多くんに会ったら謝ろう。
       迷惑かけてごめんなさい。
       お仕事中なのにメールしてごめんなさい。
       無理にご飯に付き合わせてごめんなさい。

       …そうやって考えると私って迷惑ばっかりかけてるな…
       はあ、とため息を吐き出す。
       今日は佑多くんと会えると思っていたのに…
       家に帰る足取りは重かった。
       
       時刻を確認しようとして、携帯を取り出せば。
       ナイスなタイミングで着信を知らせる携帯。
      
       
       
  • 35   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:nfWWObn.

    2012-12-08(土) 17:04:24 [削除依頼]
    *いつだってそばにいるから*


       「うわっ!」

       気持ちの悪い悲鳴と共に暗闇の中で覚える
       私の方がよっぽど恐怖である。
       画面を見れば。
       …佑多くん。

       「もしもし…松山です」

       “そんなこと知ってるんだけど”

       馬鹿なの? 今にもそう聞こえてきそうな声に私は笑ってしまった。
       佑多くんの落ち着いた声がひどく好きだ。

       「どうしたの?」

       今、佑多くんは静かな場所にいるみたい。
       周りから声が聞こえないから。

       “もうご飯食べた?”

       「あー、はい。うん。食べたよ」

       “何、その返事”

       とっさに歩みを止めてしまう。
       迷惑じゃない女の子にならなくては。
  • 36   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:nfWWObn.

    2012-12-08(土) 17:09:16 [削除依頼]
    *いつだってそばにいるから*


       「佑多くんはまだお仕事?」

       “あー、うん”

       「そっ、か」

       “奈々、寂しくない?”

       佑多くんがそう言った。バレバレなのかな。
       じわじわと視界が滲んでくる。
       子供だなあ、私って。
       佑多くんが大人な分、余計に私は子供だ。 
       ぐいっと目元をこすって私は声を出した。

       「別に…」 

       “…ふーん”

       「…佑多くんはお仕事頑張ってください!」
  • 37   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:nfWWObn.

    2012-12-08(土) 17:13:09 [削除依頼]
    *いつだってそばにいるから*


       “素直じゃないね”

       クスリと笑った佑多くんにまた涙が出た。
       ごしごしと目をこするとさすがに痛くなってきた。

       “嘘、ついてるでしょ”

       「ついてないもん」

       “あ、そう”

       「そうだよ!心配されるようなことなにも…」

       全然ないから、そう言おうとしたら。


       『嘘つきは関心しないね』
  • 38   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:nfWWObn.

    2012-12-08(土) 17:18:43 [削除依頼]
    *いつだってそばにいるから*


       後ろから聞こえた声に間抜け面のまま振り返る。
       嘘だ、嘘だ。なんでいるの。

       「仕事…って言った…のに」

       『うん。嘘』

       ぽろぽろ泣く私をいつもみたいに見つめる佑多くんは
       ちょっと困ったように眉尻をさげていた。
       嘘つきは佑多くんも一緒じゃん。私のこと怒ったら言い返してやる。

       『何してるんだよ』

       はあ、とため息。 呆れてるのかな?
       長い足はすぐに私との距離を詰めて、
       私の目の前に佑多くんは立った。
       怒られる、

       『ご飯、食べてないくせに』
  • 39   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:nfWWObn.

    2012-12-08(土) 17:24:27 [削除依頼]
    *いつだってそばにいるから*


       なんか、佑多くんに言われると本当に自分が馬鹿だなって思う。
       また、じわりと浮かぶ涙に目をごしっとこすった。

       『だめ。赤くなっちゃうでしょ』

       「はい…」

       『心配するようなことになってるだろ』

       「…」

       『奈々、こっち見て』

       言われたように佑多くんを見ると、無表情。
       泣きそうな私を見下ろすと、佑多くんは自分の手で
       私の目元を覆った。

       『寂しいなら寂しいって言って』

       「すいません…」
  • 40   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:nfWWObn.

    2012-12-08(土) 17:29:48 [削除依頼]
    *いつだってそばにいるから*


       『寂しいときに寂しいって言ってもらえないのは切ない』

       目元から離された手の向こうには月を背にした佑多くんの
       怒った…けど寂しそうな顔が見えた。

       「はい…」

       『本当にわかってる?』

       「うん、分かった。佑多くん、好き」

       『……』

       ちょっと違うけど、それでいいよとつぶやき歩き出した
       佑多くんは私の手をつないでくれた。

       
      
  • 41   !!、⇔.p萌々(o∵´)* id:nfWWObn.

    2012-12-08(土) 17:33:03 [削除依頼]
    *いつだってそばにいるから  番外編*


       『女の子なんだから夜道には気をつけて』

       「はーい」

       『返事はしっかり』

       「はい」

       『よし』

       「なんか、佑多くん。お兄ちゃんみたい」

       『無理』

       「……(あ、そうですか)」

       『だって、それだと奈々と付き合えないでしょ』

       「…佑多くん」

       『もういっかいは、なしね』
      
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