それでもキミが好き。17コメント

1 りょう id:ZvMMw8p/

2012-12-02(日) 14:33:05 [削除依頼]


幸せになれない恋ならば、

どうして惹かれてしまったの?


 
  • 2 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 14:40:09 [削除依頼]


    「おはよ」


    なじみのある朝の挨拶。

    玄関を出たところで、
    あたしは挨拶してきた
    幼なじみに振り向く。


    「……はよ、海(うみ)」


    ふわぁとあくびする幼なじみ。


    里見(さとみ)海。


    柔らかい茶髪を
    ふわりと風になびかせて、
    彼は小さく微笑んだ。


    「早く行こうぜ」


    「うん」


    家にしっかり鍵をかけて、
    あたしは彼の隣に並ぶ。


    それが普通。
    今までも、これからも。


    朝の海の隣には、
    ……いつもあたしがいるの。


     
  • 3 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 14:44:31 [削除依頼]


    今まではいつもだった。


    いっつも隣には彼がいて。
    それが、それが普通で。


    でも……


    「うーみ! おはよっ」


    でも、高校に入って、
    海に彼女ができてからは
    一変してしまった。


    「はよ、佳奈」


    教室に入ったとこから、
    彼の隣はあたしじゃなくなる。


    あたしに向けるよりも
    数倍嬉しそうな表情で、
    自分の彼女に笑う海。


    ツキンと傷む胸は無視して、
    あたしは気にしないふりで
    自分の席へ向かう。


    「佳奈と海くんって
     ほんとお似合いだよね」


    「ね! 美男美女だし!」


    「画(え)になるよねー!」


    そんな言葉たちにも、
    背を向けて知らないふり。


     
  • 4 露花 id:ktMxEZ..

    2012-12-02(日) 14:46:21 [削除依頼]
    早く続きが読みたいです〜!
  • 5 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 14:51:03 [削除依頼]


    だってわかりきってる。

    今さら言葉にして
    耳に運ぶ必要なんてない。


    わざわざそんな言葉に、
    傷つく必要なんて……ない。


    「おはよ、優和(ゆうわ)」


    「ナナ。おはよ」


    鞄を机の横にかけたとき、
    親友が歩み寄ってきた。


    田口ナナ。


    中学からのつき合いで、
    あたしのよき理解者。


    海に対する気持ちも、
    ナナは知ってる。


    「気にすんなよ〜」


    「気にするわけないじゃん。
     こんなのもう慣れてるよ」


    気にするにきまってるよ。
    慣れるわけないじゃん。


    本音を隠して建前を口にする。


     
  • 6 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 14:51:53 [削除依頼]
    露花様⇒

    ありがとうございます!
    暇つぶしにおつき合いください(^ω^*


     
  • 7 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 15:01:50 [削除依頼]


    あたし水無月(みなづき)優和と
    海は俗に言う幼なじみで。


    良くも悪くも、
    友達以上恋人未満。


    中学まではあたしは、
    いつも海の隣で。

    そしていつも恋愛対象外で。


    それでもいいと何度
    自分に言い聞かせたか。


    それでもいい。
    望みのない恋でいい。
    だけど隣にいさせて、と。


    何度願ったか。


    「優和」


    耳に流れ込んでくる、
    1番あたしの好きな声。


    「なに? 海」


    「今日当たるんだけどさ。
     数学の課題やってる?」


    「……もー。はい」


    数学のノートを取り出し、
    そっけなく言って海に渡す。


    ぱぁっと明るくなる海の表情。


    「優和、サンキュ!」


     
  • 8 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 15:08:31 [削除依頼]


    海は自分の席に戻っていく。

    佳奈ちゃんの待ってる、
    自分の席に戻っていく。


    ナナはあたしたちのやりとりに
    はぁと呆れたため息をついた。


    「あんたもーちょっと
     愛想よくしなよ」


    「は? なんで。
     ……必要ないじゃん」


    どうせ鈍感なあいつは、
    振り向いてくれないんだから。


    そうあしらうと、
    またため息が降ってくる。


    「さすが学校1の冷血美少女」


    「……意味わかんない」


    「ほら、にこって笑ってみなよ」


    「絶対嫌」


    あたしは表情に乏しい方だ。
    いつもニコニコなんて疲れる。


     
  • 9 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 15:16:57 [削除依頼]


    だからこそ海は、
    あたしに振り向いたりしない。


    佳奈ちゃんはあたしと
    正反対の女子だから。


    ニコニコ、ニコニコ。
    どんなときだって笑顔。


    どこぞのアイドルですか、
    と聞きたくなるくらいに
    愛想を振りまいてる。


    いつも元気で明るくて、
    可愛くて可憐で清楚。

    恨みたくなるくらいに。


    「海っ、今日暇?」


    「んー。わかんねぇ」


    「デートしようよっ」


    ぴょんぴょんと跳ねて
    ニコニコと笑う佳奈ちゃん。


    でもノートを写すのに
    必死でカラ返事をする海に、
    可愛らしく頬をふくらませた。


    「もー! 海っ!」


     
  • 10 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 15:25:51 [削除依頼]


    ばっとあたしのノートを
    取り上げて怒る佳奈ちゃん。

    破れそうじゃなかった?


    「課題なんか写してないで
     佳奈とかまってよー!」


    「わりぃわりぃ、
     なんの話してたっけ」


    「海のバカっ!」


    そんなケンカもきっと、
    周りからはラブラブに見える。

    ……あたしからも。


    「悪かったって。
     そうだ、デートの話だよな」


    海がふわりと優しく笑うと、
    佳奈ちゃんは唇を尖らせて頷く。

    得意の上目遣いで。


    「いいよ。どこ行く?
     新しくできたカフェにも
     佳奈行きたいって言ってたよな」


    「うん。行きたい」


    すねたようにして、
    でも素直にそう言う佳奈ちゃんに、
    海はちょっと苦笑して。


    「じゃ、行こっか」


    子供をあやすかのように
    ポンポンと優しく、
    佳奈ちゃんの頭を撫でた。


     
  • 11 あかり id:OPyUxw10

    2012-12-02(日) 15:27:08 [削除依頼]
    文章が好き・・・!!!

    続きを楽しみに待っています★

    頑張ってください(●´ω`●)ゞ
  • 12 あかり id:OPyUxw10

    2012-12-02(日) 15:27:49 [削除依頼]
    hahu
  • 13 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 15:28:47 [削除依頼]
    あかり様⇒

    本当ですか??///
    嬉しいです(>ω<♪
    ありがとうございます!


     
  • 14 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 15:36:15 [削除依頼]


    ぎゅうっと苦しくなる。
    胸が痛くなる。


    その笑顔は、声は、手は。
    海の心の隣は、いつだって。

    あたしと正反対のあの子。


    それでもあたしはキミが好き。
    誰よりも……きっと彼女よりも。


     
    「優和。悪いけど今日は
     ひとりで帰ってくんね?」


    放課後。

    あたしの席に来て、
    申し訳なさそうに言う海。


    あたしは別段気にする
    そぶりもせずに頷いた。


    ……さっきから、
    海に腕を絡ませている
    佳奈ちゃんの視線が痛い。


    佳奈ちゃんはあたしのこと
    好(よ)く思ってない。


    当たり前だ。
    彼氏の幼なじみってだけで、
    特別になれちゃうんだから。


    ……だけどその特別って、
    ときに辛くなるんだよ。


     
  • 15 りょう*訂正 id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 15:38:51 [削除依頼]


    ぎゅうっと苦しくなる。
    胸が痛くなる。


    その笑顔は、声は、手は。
    海の心の隣は、いつだって。

    あたしと正反対のあの子のもの。


    それでもあたしはキミが好き。
    誰よりも……きっと彼女よりも。


     
    「優和。悪いけど今日は
     ひとりで帰ってくんね?」


    放課後。

    あたしの席に来て、
    申し訳なさそうに言う海。


    あたしは別段気にする
    そぶりもせずに頷いた。


    ……さっきから、
    海に腕を絡ませている
    佳奈ちゃんの視線が痛い。


    佳奈ちゃんはあたしのこと
    好(よ)く思ってない。


    当たり前だ。
    彼氏の幼なじみってだけで、
    特別になれちゃうんだから。


    ……だけどその特別って、
    ときに辛くなるんだよ。


     
  • 16 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 15:42:36 [削除依頼]


    そのときひとりの男子が
    近づいてきた。


    「……水無月さん!」


    あたしか。


    鬱陶しく思いながらも、
    その男子に視線をやる。


    佐藤健人(さとうけんと)。

    このクラスでは2番目に
    カッコ良いと言われる男子。


    ちなみに1番は……
    あたしの幼なじみだ。


    「あ、あのさ!
     今日いっしょに帰らない?」


    さっきのあたしたちの会話を
    聞いていたんだろうか。

    会話といってもあたしは
    頷いただけだけど。


    「え、いや……」


    「絶対ダメ!」


    断ろうとしたあたしの言葉を、
    あろうことか海が遮った。


     
  • 17 りょう id:ZvMMw8p/

    2012-12-02(日) 15:48:44 [削除依頼]


    佐藤は海の言葉に、
    キョトンとした表情になった。


    佳奈ちゃんは驚いて
    海を見上げてるし。

    ……もちろん、あたしも。


    「なんで海が断ってんの?」


    あたしがそう言うと、
    怒った顔の海があたしを見る。


    なんで怒ってんの。


    「ぜーったいダメ!
     優和、男とは帰るなよ!

     ひとりで帰るのが嫌なら
     田口でも誘って帰れ」


    「…………」


    ―――……あぁ。そっか。
    なるほど。わかった。


    なんだか涙が出そうになった。
    心がじんわりと温かくなる。


    ……"あのとき"のこと、
    海、気にしてるんでしょ。


    あたしは思わず小さく笑った。
    だって、すごくうれしくて。


    心配してくれたんだ。


    「わかった。
     ……海、ありがと」


    久しぶりに笑顔を向ければ、
    海も小さく微笑み返してくれた。


     
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