この世界に色をつけるとしたら8コメント

1 杏奈 id:s7XDSO6.

2012-12-01(土) 12:43:33 [削除依頼]


 ……ある日のこと


 小西さんの家に可愛らしい双子の赤ちゃんが
 産まれました。


 女の子は彩音
 男の子は蒼斗と名付けられ


 とても大切に育てられました………
  • 2 杏奈 id:s7XDSO6.

    2012-12-01(土) 12:49:19 [削除依頼]


    「彩音ー起きなさい!!!何時だと思ってるの!?」

    「……んー」

    お母さんのどなり声で、私の一日は始まる。
    重たい体をゆっくり起こしながら、
    クローゼットにかけられている制服に手を延ばした。

    …制服に着替えて髪を整えて、
    隣にいる弟に目を向けた。

    私の双子の弟、蒼斗にーーー…

    「蒼−外ばっか見て楽しい?」

    「…………」

    返事はない。

    「返事くらいしなさいよ。感じ悪いわね」

    「…………」

    私は諦めて、
    ため息をつきながら長い階段を駆け降りた。

    居間では、お母さんが慣れた手つきで料理を
    している。
    …私のお母さんは女優だ。

    お父さんに恋をして、大恋愛となって結婚してからも
    活動を続けている。
  • 3 杏奈 id:s7XDSO6.

    2012-12-01(土) 12:56:44 [削除依頼]


    「…ねぇお母さん。」

    「なに?」

    「…今日も仕事なの?」

    お母さんは手をとめて、私に視線を向けた。
    ゆっくりと近づいて、私の肩に手を置く。

    「…ごめんね…そう。今日も仕事だから…
    蒼斗のこと、お願いできる?」

    「…いいけど。…お母さんも一応妊娠してるんだから
    無茶な仕事は控えなよ?」

    「わかってる。それじゃ行ってくるね。
    そこにご飯おいてあるから」

    バタンーー

    「………」

    ドアを閉められた後の、虚しさといったらない。
    …お母さんは知らないだろうな、
    見送る方の寂しさを。

    朝ごはんを食べ、
    もう一度2階へと向かう。

    「蒼、私学校行ってくるけど一人で大丈夫?」

    蒼斗は、小さくうなずく。
    さっきみたく無視はしないけど、
    少しイライラする返事の仕方。…だけどもう慣れた。

    「…冷蔵庫にお昼入ってるから…自分で温めて」

    行ってきます、と
    蒼斗に笑顔を向けて家を出る。
  • 4 杏奈 id:s7XDSO6.

    2012-12-01(土) 13:13:06 [削除依頼]


    玄関を開けて、外の空気を吸う。

    「…ふー」

    よし、今日も一日頑張れそう。
    そう自分に言い聞かせ、家の門にもたれかかる。

    …すると、後ろから自転車のベルを鳴らす彼の姿が
    見えた。

    私の彼氏、芹沢棗の姿を…

    「彩音ーーーっ!!!」

    立ちこぎをしながら、片手をあげて手を振ってくる
    棗に、少しハラハラする。

    キッと、自転車を私の家の前にとめる。

    「おはよ、棗。朝から元気だねぇ」

    「お前は朝からテンション低いなぁっ!!!…ま、いいか
    ほい、乗りなさい〜」

    棗の自転車の荷台に腰をおろし、
    学校へ向かう。

    …これは、中学生のときからの日課。

    「…蒼斗の調子は?」

    「まぁまぁかなー」

    棗は幼なじみだから、
    うちの事情はだいたい知ってる。

    …そう、言い忘れてたけど、蒼斗は病気だ。
    脳に腫瘍が見つかって、入退院を繰り返してる。

    いつどんな状況に陥るかもわからない蒼斗を、
    私は毎日世話してる。
  • 5 杏奈 id:s7XDSO6.

    2012-12-01(土) 13:25:03 [削除依頼]


    学校に着くと、それぞれの友達に声を掛け、
    教室に向かう。

    「彩音ー、おはよ」

    「わ!!…真莉ーおはよ」

    真莉は、私の友達。
    棗と付き合う前から、今まで、全部の状況を
    見守ってくれていた。

    真莉はちらっと棗の方を見て、ニヤリと笑う

    「朝からラブラブねぇ…」

    「そんなんじゃないよっ」

    真莉の冷やかしをさえぎって、教室へと足を運ぶ。
    …棗は、隣のクラスだ。

    隣のクラスでも、寂しいと素直に想う。
    棗と同じクラスの子にヤキモチ妬いたりもする。
    …不安になったり、自信がなかったりもする。

    「あ」

    棗をじっと見ていると、棗と同じクラスの女子が
    棗にひっついてるのが見えた。

    …仲よさそう。

    「浮気者…」

    少し頬をふくらませ、教室に入る。

    「彩音かわいーっ」

    一部始終を見ていた真莉が、私に抱きつく

    「あの子って、徳川百合じゃん!危ないんじゃないのぉー?」

    「…なんで?」

    「徳川さんて、人の彼に手出すって有名じゃん!!
    棗とられちゃったりして」
  • 6 杏奈 id:i0KV3u61

    2012-12-08(土) 17:42:22 [削除依頼]


    棗が取られる……
    考えたこともなかったけど、あり得るのかな?

    「……そうなったらどうしよう」
     
    真莉が変なこと言うから、心配になってきた。
    すると真莉は、私の予想外の反応に驚いたのか、
    変な笑顔を向けてきた。

    「や…やだーっ!!冗談だよ?彼女なら、自信
    もちなよぉっ」

    …”彼女なら”、絶対に私だけを見てくれるって
    自信なんてない。

    特別可愛いわけでもないし、そんなことないわけでもない。
    スタイルだって普通だし、頭だって……

    そんな私を、なんで棗は選んでくれたのだろう。

    棗は、顔も、頭も、人並み以上。
    足も長くて、髪もサラサラ。
    運動なんてやらせたら、あっという間に日本一に
    なってしまう。

    …そんな棗が、たかが幼なじみの私を彼女にする理由
    がわからない。

    「でも、棗くんかなり彩音に惚れてると思うけど?」

    「そ、…そんなことないよ…家族愛かもしんないし」

    「彼女相手にそんなことあるわけないでしょ〜」
  • 7 杏奈 id:i0KV3u61

    2012-12-08(土) 17:51:56 [削除依頼]


    …徳川百合…危険人物かも。

    昼休み、棗の教室に行ってみた。
    お昼ごはん一緒に…とか、今までの私にはあり得なかった
    んだけど。

    徳川さんのこともあったし、2人は恋人って
    証がほしかった。

    私はお弁当と自販機で買ったりんごジュースを持って、
    棗の教室に駆けた。

    教室に行くと、棗はたくさんの男女に囲まれていた。
    あの人たち…棗がよく遊ぶとき一緒にいる人たちだ。

    棗はどんな人とでも仲良くできる天才だから、
    男女ともなく一緒に遊ぶ。
    …妬かないって言ったらウソになるけど、
    棗の楽しみを奪いたくなかった。

    その中に、徳川百合がいることも私は知っていた。
    それを知った上で、いつも棗を見送っていた。

    まさかあんなに密着することとかあるなんて、
    思いもしなかったけど……

    そんなことを考えていると、
    教室の中から女の子が3,4人でてきた。

    「ちょっとトイレ行くねーっ……痛!!」

    私は運悪くぶつかった。

    「あ、ごめんね…」

    「ごめん〜前見てなかっ…アレ?棗の彼女だ!!!」

    ぶつかってきた女子は、私を指差し驚いている。
    そんなに驚くことかな?

    「なに?棗とご飯食べるの?りょーかいっ
    あたしが呼んだげるね!!」

    「え、あの……」
  • 8 杏奈 id:i0KV3u61

    2012-12-08(土) 18:05:51 [削除依頼]


    みんなと楽しそうにしてるし、別にいいんだけど……
    だけどその子はおかまいなしに、私を教室の中に
    連れていく。

    「棗〜〜っ彼女お!!」

    その言葉に一斉に振り向く、棗や棗の友達。
    その中に、徳川百合もいて…

    私は反射的に、視線を下に落とした。

    「なんか、一緒にご飯食べたいっぽいよ?
    ラブラブだね〜★」

    …ラブラブかな、私たち。
    そんなんじゃないと思うけど…

    「え、…彩音?」

    「…あ………いいの!!みんなと喋ってる方が棗、
    楽しいよね?ゴメンね!時間潰しちゃって!!」

    そう言って、私は教室を出ようとした。

    「えー、そうなの?彩音ちゃん?」

    「…あ…ごめん。せっかく呼んでくれたのに…」

    「んーんっ!またきてね、彩音ちゃん♪
    あ。あたしマドカねっ!!マドカって呼んで!!」

    マドカは、綺麗な笑顔を残して教室に戻って行った。
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