好きってずっと言いたくて。22コメント

1 なっちー(*´ω`*) id:3xk0zot/

2012-12-01(土) 09:51:12 [削除依頼]
あたしに彼氏なんか出来ないと思っていた。


こんなひねくれ者のあたしを好きになる人なんていないと思っていた。


あなたに出会うまで、あたしは世界を疑っていた。


あたしは、


あなたに出会って


変わった。


この出逢いをあたしは

運命とよびたい―――…


あなたに


100%の好きをあげるよ
  • 3 なっちー(*´ω`*) id:3xk0zot/

    2012-12-01(土) 09:56:01 [削除依頼]
    ++青春?そんなの知らねーよ。


    胸のあたりまであるこげ茶色の髪の毛を揺らし、少しだけ長い前髪の間からは睫毛の長い、大きな目をのぞかせる。

    喧嘩は男の子にも負けない横暴な女の子。

    そんな彼女が恋した男は、学校で人気者のヤンチャな爽やかボーイだった。

    この物語は、恋に興味のない女子高生と爽やかだけど少し意地悪な男子高校生の純粋でちょっぴり笑える恋物語―――――――…


    〜。・〜。・〜。・〜。・〜。・〜。・〜。・〜。


    ―――――ウザい、ウザい、ウザい…!!

    ウザーいっ!!!


    なんなんだ、もう!!

    人前でイチャイチャすんな!!

     
    「好きだよ。」


    とか、囁かれて、赤くなってんじゃねぇよ!!!


    「…ちっ…」


    舌打ちをして、イチャイチャするカップルを尻目に自転車をこぐ。

    冷たい風が頬をかすめる。

    あたしは、今日から始まる新しい生活に半ば心を弾ませていた。

    ウォークマンに入れたお気に入りの曲を聴きながら、目的地に目をやる。

    通学中のあたしと同じ新入生が先生に挨拶をしていた。


    「…おい、君!!」


    先生の前を通り過ぎようとしたとき、肩をガッと掴まれた。


    「…なんですかー?」

    「なんだ、その短いスカートは!!…新入生だな?」

    「…そうですけど。」

    「名前は。」

    「…河合愛羅。」

    「入学式後、覚悟しとけ。…生活指導部の先生から話がある。」

    「…はーい。」


    あぁ、マジかったりー。

    ブレザーのポケットに手を突っ込んだ。


    紹介遅れました。

    あたしの名前は河合愛羅、新高校1年生。

    この世にいるカップルはつぶれてしまえばいいと思っているひねくれ者です。
  • 4 *。・小春・。* id:EzeIDPI.

    2012-12-01(土) 11:17:40 [削除依頼]
    あの、主人公の名前に読みがなを入れほしいです。
  • 5 なっちー(*´ω`*) id:RwfGGrx/

    2012-12-02(日) 07:33:12 [削除依頼]
    >>4 河合愛羅【カワイ アイラ】 です!!
  • 6 なっちー(*´ω`*) id:RwfGGrx/

    2012-12-02(日) 07:35:15 [削除依頼]
    「新入生…入場。」


    吹奏楽の曲を聞きながら、中学の時とは比べ物にならないくらい大きい体育館へ足を踏み入れる。

    相変わらず、あたしのスカートは短いままだった。

    入学式も無事、終わり、次にHRへとうつる。

    担任は男だった。

    ひげが濃くて、一言でいえば、気色悪い教師。

    最悪なのにあたったなと思いながら、その教師の長たらしい話を聞く。


    「―――…はい、では、これでHRを終わります。」


    やっと終わったと、目を向けると時間はもう、昼前をさしていた。

    さっさと帰ってご飯を食べたい。

    腹の虫がなり始める頃だ。

    あたしは、生活指導部の先生の話も忘れて、げた箱へ全力疾走した。


    「おーい。…河合愛羅。」


    …うっわ……教師か…?

    捉まったと思い、渋々後ろを振り返る。

    でも、そこにいるのはここの学校の制服を着た男子だった。


    「…何。…てか、アンタ誰。」

    「…俺は、一ノ瀬竜太。…よろしくっ♪」

    「や。…だから、アンタ何年何組?」


    楽しそうに、ピースを送る一ノ瀬と名乗る男を怪訝そうに睨む。


    「ちょっとちょっとー。同じクラスなんだからねぇ?名前くらい覚えろよー。」


    おどけたように、一ノ瀬はあたしの元へ駆け寄った。
  • 7 なっちー(*´ω`*) id:RwfGGrx/

    2012-12-02(日) 07:39:49 [削除依頼]

    「…知るかよ。…あたし、今お腹すいてんの。早く帰りたいから邪魔しないでくれる?」

    「そっかぁ。…急いでんなら仕方がないや。…じゃあな♪また、明日。」


    ヒラヒラと手を振って去って行った謎の男一ノ瀬は、廊下の角を曲がって行った。

    教師に捉まらないようにと、忍び足でげた箱を突破する。

    そして、そのまま校門を出た。


    「…っしゃ…!ラッキー。…ここの先公もへぼいじゃん。」


    上機嫌で鞄を振りまわしながら帰った。

    あたしは、この世界を信用していない。

    友達は裏切るし、大人だって自分勝手。

    彼氏なんかいらないし、別にときめいたりしたくもない。

    中学3年間でキュンキュンしたことなんて、一度もないあたしは男勝りで、いつもいつも喧嘩では勝っていた。

    口も悪く、おまけに頭も悪い。

    そんな最悪最低なあたしを受け入れてくれる人間なんているのだろうか。

    なんてことを考えながら、日々生活をしている。

    …しかし、さっきの一ノ瀬ってやつはなんなのだろう。

    意味もなくあたしに話しかけてきた。

    きっとフレンドリーで、あぁいう奴こそクラスで人気者になれる人間なんだろうな。

    あたしとは真逆な性格に違いない。

    学校なんか、ウザい人間の集まり。

    楽しい、なんて感情一度も抱いた事がない。
  • 8 なっちー(*´ω`*) id:RwfGGrx/

    2012-12-02(日) 07:43:33 [削除依頼]

    今までも、…これからもきっとそう。

    何もない、楽しくもない日々を高校生という集団と共に生活していくだけ。

    ただ、それだけのことだ。


    ―――キキーッ


    信号が赤になり、咄嗟に自転車を止める。

    いくつもの車があたしの前を通り過ぎた。

    もうすぐ、家に着く。

    そうしたら、昼ご飯があたしを迎えてくれる。

    そんなことを考えていると、ぐぅ、と、お腹が鳴った。

    今日は確かオムライスだったかな。

    今朝、お母さんが言ってたことを思い出しながら、自転車はマンションの駐輪場で止まった。


    ――――ガチャッ…


    「ただいまぁ。」


    …なんていっても、家には誰もいないから、あたしの声が聴こえるだけなんだけど。

    すぐに部屋着に着替え、お待ちかねのオムライスを口にした。


    「おいしー!!!」


    おいしさのあまり歓声の声を出す。

    あたしの大好物なんだ。

    お母さんが作るオムライスは。

    5分くらいでペロッと平らげ、冷蔵庫を漁る。

    中から出てきたチョコケーキも食べた。

    口の中にほろ苦いチョコの味が広がった。


    「…一ノ瀬…竜太…。」


    さっきの男の名前を呟いてみる。

    …っぷっ…。

    何、あたし真顔で知らねぇ男の名前呟いてんの。

    窓に反射して映った自分の顔を見て乾いた笑い声を出す。

    …誰だっつうんだよ。

    急に話しかけるとか…勇気ある人だよな。

    まぁ…あたしには関係ないし。

    どうても良いんだけど。


    「ごちそーさん。」


    ケーキがのっていたお皿を片す。

    ふと、また一ノ瀬の顔が頭に浮かんだ。

    ……あー…。

    なんだろう。

    ボーっとすると、アイツの顔が出てくる。
  • 9 かもめ。 id:BeQZggf/

    2012-12-02(日) 13:21:04 [削除依頼]

    面白いです^^
    文章力があって素晴らしい(*^_^*)
  • 10 なっちー(*´ω`*) id:vw38Wxi/

    2012-12-03(月) 16:08:48 [削除依頼]
    かもめ。さん>> ありがとうございます!
  • 11 なっちー(*´ω`*) id:vw38Wxi/

    2012-12-03(月) 16:12:18 [削除依頼]
    なんだろう。


    「…ふぅ…。」


    ため息をついて、ソファに寝転がった。


    「……やっていけっかな…。あの高校で。」


    呟くあたしの声がリビングにリンクした。


    「…あたしらしくないや…。疲れたな。」


    そう言って、寝返りをうつ。

    「おやすみー」なんて一人で呟いてみたり。

    虚しいだけだ。

    もう一度ため息をつき、目を瞑った。


    ―――――――……


    『パパっ!!待って!!…待ってっ…!』


    …あた…し?


    『…ごめんな。…愛羅…。…ごめん…。』


    謝んないで…お父さん…。

    お願い…行かないで…。


    『パパァー!!』


    「――…っ…はぁっ…はぁっ…。」


    ……夢…。

    小さい頃の夢見るなんて…。

    あたし…まだ過去を振り払えてないな。


    「…何…あたし泣いてんだよ…。」


    頬に伝った涙を服の袖でふく。

    …小さい頃のあたし…。


    ずっと泣いてた…。


    「…あぁあ。寝たのに疲れた。」


    独り言がリビングに響いた。

    重たい体を持ち上げる。

    古い振り子時計に目をやると、寝てから少ししか針が動いてなかった。

    一時間も寝てないことに気づき、自分にしては珍しいな、と頭をボリボリ掻く。

    冷蔵庫から出した水を飲み、テレビのリモコンを手に取った。

    色んなチャンネルに変えるけど、見たいテレビがやっていない。

    面白くない、とリモコンをテレビの横に置いた。


    「…暇ぁっ!!」


    こんな日程暇な日はない。

    結局、やることもなく、ボーっとしたまま一日が終わった。
  • 12 なっちー(*´ω`*) id:vw38Wxi/

    2012-12-03(月) 16:21:52 [削除依頼]
    翌朝。

    けたたましい目覚まし時計の音に起こされ、あたしは重たい身体を持ち上げた。

    ふと、視線をスライドさせると、ハンガーにかかった真新しい制服が目に入る。

    普通の女子高生なら、制服を見て心弾ませるのだろう。

    だけど、生憎、あたしにはそんな感情持ち合わせていない。


    「はぁ…」


    自然に口から出たため息を吐き、天井を見上げた。

    真白い天井を暫し見つめたあと、あたしは勢いよくベッドから立ち上がる。


    「っし。着替えるか。」


    そうつぶやき、真新しい制服に身を包んだ。

    いつものように、朝早く出て行ったお母さんが作り置きしていった味噌汁を温めて、食べる。

    時間になったら誰もいない家に「いってきます」といって、家を出た。

    チャリン、と鈴を鳴らしながら、家の鍵を閉めている最中。

    とたんに後ろから声をかけられた。


    「よォ。河合。」

    「?」


    聞き覚えのあるその声にバッと振り向くと、あたしは目を丸くした。


    「おはよーさん。」


    …なんで…コイツがここにいんの…?


    「……。一ノ瀬…。」


    そう。あたしの目の前で人懐こい笑顔を向けていたのは見間違えることのない、昨日帰り際に会った男の姿だった。


    「どしたー?」

    「…なんで、アンタここにいいの。何、ストーカー?マジ、そういうの迷惑なんだけど。」

    「ちょっ…!ちげーよ!!なんか勘違いしてるって!」

    「じゃ、何。」


    焦るように顔の前で両手を振る奴はビックリしたようにこう言った。


    「え。知らないの?」

    「え。何が?」

    「オレんち、お前んちの隣だけど。」


    …え。


    「はぁぁぁぁぁ!???」


    最早、女の子の発する声とは思えない奇声が、マンション中に響き渡った。
  • 13 なっちー(*´ω`*) id:vw38Wxi/

    2012-12-03(月) 16:25:37 [削除依頼]

    「え、ちょ。じゃ、何。アンタんち、そこなの?」


    どもりながらも、そう言い、隣の部屋を指差した。


    「そういうこと。」


    笑いながら、指差す奴は、やっぱり呑気だ。


    「いつから…?」

    「んー。中3に越してきた。」


    それを聞き、これまたビックリのあたしは、これでもかってくらい目を大きくさせた。


    「し…知らなかった…。」

    「マジかよ!?」

    「……。」


    ビックリした一ノ瀬はあからさまに馬鹿を見るような目であたしを見た。


    「あり得ねー。俺、とっくに気づいてたけど?…お前って天然?」

    「…うっせーよ。」


    なんか…コイツむかつく。

    爽やかな笑顔で「天然?」って…、その顔で言われると「馬鹿?」って言われてる気がするんだけど。


    「ちょっと、ちょっとー。何怒ってんのー?」

    「うっせーって。…着いてくんなよ。」

    「愛羅ちゃーん。」

    「しつけーんだよ!!」


    そう一喝したあたしは、一ノ瀬に背を向けると足早にそこを立ち去ろうとした。


    「……。」


    急に黙り込んだから、「?」を浮かべて、ソロソロと振り返る。


    「…ふぅん。」


    それだけ言った一ノ瀬は「…しつこくて、悪かったねー。」と呟いて、そこを去っていった。


    「……何…アイツ…。」


    態度が急変したことよりもあたしは…彼の冷徹な瞳に体が凍りついた。
  • 14 あかり ナリ経験値8 id:9AjeAcx1

    2012-12-03(月) 16:29:54 [削除依頼]
    ス・・・スゲぇぇぇ・・・

    文章力がヤバぃぃぃ・・・

    お初なんですが・・・

    文章力にただ、ただ、圧倒・・・
  • 15 藍南 id:kyNaUU41

    2012-12-03(月) 16:36:25 [削除依頼]
    その文章力は一体どこから
    出てくるんですか?ww
    半分分けてww((殴

    がんばです!!
    これからも読みに行きますね♪♪
  • 16 なっちー(*´ω`*) id:vw38Wxi/

    2012-12-03(月) 20:28:52 [削除依頼]
    あかりさん>> 嬉しいお言葉(*´▽`*)
    ありがとうございますっ

    藍南さん>> ありがとうございますっ
    これからも頑張ります!
  • 17 なっちー(*´ω`*) id:vw38Wxi/

    2012-12-03(月) 20:35:31 [削除依頼]

    なに…?なにアイツ。

    怖い…。

    一瞬にして、あたしの中にそんな感情が芽生えた。

    顔から笑いが消えた。

    冷たい目で見降ろして、口元だけ笑ってた。

    本当の笑顔じゃなかった。

    あまりの怖さに身震いが起きたあたしは、彼の後姿をじぃと見つめる。

    が、時間もあまりない。

    初日から遅刻はヤバいだろう、とまた足を速めた。


    「竜太くーん!!おはよぉ!!!」


    一ノ瀬の後ろをチョロチョロとついて歩いてたあたしは、うつむいて歩いていたせいか、もう学校の校門についてたことに気が付かなかった。

    ゆっくり顔をあげると、彼の周りにはたくさんの女子高生が集っている。


    「え…。」


    びっくりして、また声を上げたけど、そんな声も女子高生の黄色い声にかき消される。

    ……なに、アイツ初日からあんなに人気なんですか…。

    わけわかんない。


    「はぁ…」


    そう、ため息を一つはいたあたしは、集る女子を素通りした。

    初日から嫌な思い。

    気も重い。

    なんで、マンションの隣がアイツなの?

    神様。

    あたし、なんか悪いことした?

    あんな怖いやつと隣同士って…常に死神がついているようなもんだよ…。

    いつ殺されるかわかったもんじゃない。

    何回ため息つきゃいいの?

    そんなことを思いながら、本日3回目のため息をまた、吐いた。


    ――――キーンコーンカーンコーン…


    チャイムが鳴り響き、あちらこちらから椅子を引く音が聞こえる。

    あたしも慌てて教室へ入った。
  • 18 なっちー(*´ω`*) id:vw38Wxi/

    2012-12-03(月) 20:39:25 [削除依頼]

    「おはよう。」


    そう言いながら呑気にあくびをひとつする担任が教室に入ってきた。


    「はい。まだ、それぞれ自己紹介してなかったよな。出席番号一番のやつから、名前と適当になんか言って。」


    適当にって…アンタが適当過ぎやしませんか?

    心の中で突っ込みながら、頬杖をついた。

    何を言おうかと考えを巡らせてる中、隣の席に座る一ノ瀬の番になった。


    「一ノ瀬竜太。まぁ、仲よくしたいと思うんでよろしく。」


    淡々とそう言って、また席に着く。

    ジト目で見つめていると、ふと一ノ瀬がこっちをチラリと見た。

    目だけこっちに向いてるから睨まれているようにも見えたけど、そうでもないみたい。


    「どうした?」


    朝のあの冷徹な顔はどこへやら。

    また、人懐こい顔でそう聞いてきた。


    「いや…。別に…なんもない。」


    焦ってそういうと「あそ」とだけ言って、彼は机に突っ伏した。

    自分の番が終わったらもうどうでもいいらしい。


    「次ぃ。」


    そう言った担任があたしに目を向けた。


    「…河合愛羅です。よろしく」


    それだけ言って、また座る。

    別にアンタらなんかに言うことなんざ、何にもない。

    名前だけ知ってれば十分でしょ?

    どうせ、ろくな友達なんかできやしないんだから。

    そんなことを思いながら、先生の「次ぃ」の声であたしも机に突っ伏した。

    一ノ瀬と同じく、他人に興味はない。

    今まで特別気になった他人なんていないから。

    どうせ自己紹介なんか聞いても何にもならない。
  • 19 なっちー(*´ω`*) id:vw38Wxi/

    2012-12-03(月) 20:42:43 [削除依頼]

    「えー。まぁ、この33人でこれから1年間やっていくわけだけども――――…」


    薄れゆく意識の中で、また担任の長い話が始まった。

    あぁ…めんどくさい。

    そう思ったのを最後に、あたしは意識を手放した。

    1限目終了のチャイムが鳴り、あたしは席を立った。

    だるい。

    次は数学だから、授業受ける気なんか更々ない。

    だから、自然に向かう先は屋上。

    まだ慣れない校舎の中で階段を上り、たどり着いた。

    中学のときもよく、こうして屋上にサボりに行ってたあたしは、それはそれは成績も悪く。

    こんなバカ高校に入学した。


    「ふぅ…」


    ため息をつき、屋上に寝転がる。

    他にも授業をサボりに来ている生徒がチラホラ…。

    なんか落ち着かないな。

    そう思ったあたしは、屋上にある小さい建物の上に上った。

    ここなら誰もいない。

    落ち着いて眠れる。

    そう思って、もう一度寝転がったのだが―――――…


    「あれ。河合じゃん。」


    ……またコイツかよ。

    …――――厄介者、一ノ瀬に見つかってしまった。


    「………」

    「ちょ、無視ぃ!?」

    「……黙れお邪魔虫。」

    「ちょ、虫ぃ!?」

    「……うるさい。」


    ちょっと、ムスッと拗ねた爽やか冷徹ボーイ――――もとい、一ノ瀬は、ヨイショ、ヨイショとあたしのところに上ってきた。


    「ちょっと、あたしの睡眠邪魔しないでくんない?お邪魔虫。」

    「ちょ、虫ぃ!?」

    「ソレ、飽きた。しかも面白くないから。」
  • 20 なっちー(*´ω`*) id:vw38Wxi/

    2012-12-03(月) 20:47:48 [削除依頼]

    コイツ、ここ来てから「ちょ、むしぃ!?」しか言ってないじゃん。

    なんなんだよ、こいつマジで。

    突っ込みたい気持ちはあるけど、今朝のあの冷たい目を思い出してやめた。

    やっぱり、少なからず、怖い感情はあったから。


    「なぁ、河合。」

    「何。」

    「お前、なんでそんなツンツンしてんの?」

    「こういう性格で悪い?」

    「悪ぃとは言ってねぇじゃん。」


    フッと笑った一ノ瀬は今日一番やさしい声でそう言った。

    その声にビックリして一瞬目を開ける。

    すると、「ん?」と目で聞いてくる。


    「…べ、別に…昔からこうだから…しょうがないじゃん」


    何、あたしどもってんの。


    「昔からねぇ。…お前、普通にしてたら可愛いのに。」

    「はぁ!?」


    ビックリして、思わず起き上がったあたしは寝転がる一ノ瀬を見下ろした。


    「はぁ!?ってなに、はぁ!?って。褒めてんじゃん。ちょっとぐらい喜べよ。」


    また、笑った一ノ瀬は体をこちらに向けるとムクリと体を持ち上げた。


    「……可愛くないし…。てか、昔からツンツンしてるから…なんつーか…男勝り…みたいな…。」

    「だから?」

    「だからって…。性格が可愛くないでしょ?」

    「まぁな。口悪いしな。」


    口端を上げた一ノ瀬の茶色い髪の毛が風に揺れる。

    不意に一ノ瀬は空を見上げた。


    「普通にしてりゃ、可愛いんだ。…その長ぇ前髪も切っちまえよ。」


    そう笑う一ノ瀬。

    あたしの前髪に触れて、優しく笑った。


    「…ほっ…ほっとけよっ。」


    フイと彼に背を向ける。
  • 21 なっちー(*´ω`*) id:vw38Wxi/

    2012-12-03(月) 20:51:05 [削除依頼]

    ―――ドキドキ…


    え。

    ドキドキ?

    やっ。待て待て。

    落ち着け、あたし。

    違う。

    コレは、違う。

    断じて違う。

    オイ、心臓!!コラ、お前正常に働かんかい!!

    自分の心臓に向かって話しかけるあたしは馬鹿だ。

    自分に呆れたあたしは、また一つ溜め息。


    「…?お前ってよく溜め息つくねー。そうやってると幸せ逃げるよ?」

    「うるさいなぁ。いちいち。アンタは、あたしのオカンかよ。」


    そう突っ込んで、また寝転んだ。

    心臓は正常だ。

    さっきのは勘違いだよ、勘違い。

    全く…紛らわしい心臓だな。


    「ねみーなぁ。」


    隣でそう呟いた一ノ瀬もまた寝転がった。

    今度は本当に眠いらしい。

    次からは無言だった。

    携帯の時計を見ると、2限目が始まってから、とうに20分は過ぎている。

    寝よう。

    重たくなりかけた真淵を静かに閉じた。


    ―――――…


    ―――…


    「――…い。おーい…。河合ぃ?…おい!!か・わ・い!!」

    「んー…。…んだよ…。」

    「んだよ、じゃねーよ。2限目終わりましたよー。」


    あたしの顔の前で手を振るのは一ノ瀬。

    まだボヤボヤとしている意識の中でムクリと起き上がった。


    「あーそー。…」

    「なに。眠いの。」

    「んー…」


    胡座をかいて頭をボリボリと掻くあたしを見て、一ノ瀬は盛大に笑った。
  • 22 なっちー(*´ω`*) id:mQvnzSg1

    2012-12-06(木) 12:56:16 [削除依頼]



    「お前、オッサンかよ!!ワハハッ!!!」

    「うるさいなぁ…もう…。…あー…、次授業なに?」

    「……えーっと。化学。」

    「はぁ?続けて理数系?マジ、ちゃんと授業編成考えろよなぁ。」

    「や。俺に言われても困るから。」


    確かにそうか、と頷きながらもまだ立ち上がれずにいるあたしに一ノ瀬は手を差し伸べた。


    「ホラよ。行くぞ。単位とれねーと、やべーからな。」

    「だから、アンタはあたしのオカンかよ。」

    「いいから。」


    愚図るあたしをよそに強引にあたしの手を引っ張った一ノ瀬は「ヨイショ」と言いながらあたしを立ち上がらせた。


    「んー…、めんどくさー…。」


    …化学とか止めてよぉ…。

    嫌いなんだけど…理科。


    「行くぞ。授業遅れるって。」


    こういう所は意外に真面目なんですね、一ノ瀬くん。

    なんてことも口に出さず、「分かったよ。」と呟いたあたしは渋々足を進めた。

    チャイムの音と同時に教室へ足を踏み入れたあたしは、椅子に座ると、また机に突っ伏した。

    そんな、あたしを笑いながら見るは一ノ瀬。


    「そんなに眠いの、お前。」


    身体をこちらに向けて、そう言った。


    「………。」


    また無視を決め込むあたしに「んだよー。」と拗ねながらも、嫌な嫌な化学の授業が始まった。
コメントを投稿する
名前必須

投稿内容必須

残り文字

投稿前の確認事項
  • 掲示板ガイドを守っていますか?
  • 個人特定できるような内容ではありませんか?
  • 他人を不快にさせる内容ではありませんか?

このスレッドの更新通知を受け取ろう!

ログインしてお気に入りに登録すると、
このスレッドの更新通知が受け取れます。

最近作られた掲示板

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません

閲覧履歴

  • 最近見たスレッドはありません

キャスフィへのご意見・ご感想

貴重なご意見
ありがとうございました!

今後ともキャスフィを
よろしくお願い申し上げます。

※こちらから削除依頼は受け付けておりません。ご了承ください。もし依頼された場合、こちらからの削除対応はいたしかねます。
※また大変恐縮ではございますが、個々のご意見にお返事できないことを予めご了承ください。

ログイン

会員登録するとお気に入りに登録したスレッドの更新通知をメールで受け取ることができます。

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません
閲覧履歴
  • 最近見たスレッドはありません