朱色-アカイロ-10コメント

1 空にポッカリ id:vt-ADaMvpz0

2012-11-27(火) 20:25:40 [削除依頼]
ボクには、許嫁が一人…否、二人居る。
高飛車で高圧的な人間(オリジナル)と、彼女の身代わりとなるべく生まれた人工人間(クローン)と……

確約された輝く未来か、純真無垢な愛情か。
最後に選ぶのは、きっと。
  • 2 空にポッカリ id:vt-ADaMvpz0

    2012-11-27(火) 20:28:34 [削除依頼]
    はじめまして。

    バッドエンド気味な恋愛ストーリーを書きたいと思ってはじめてみました。

    宜しくお願いいたします。
  • 3 空にポッカリ id:vt-ADaMvpz0

    2012-11-27(火) 20:29:02 [削除依頼]
    「おはようございます、蒼真様」
    ふわふわと羽布団の海を気持ちよくたゆたっていたボクの耳に、いつも通り妙にハキハキした澤田の声が聞こえた。未だ夢現をさ迷っているボクには、それはなんとも耳障りな雑音にしか感じない。
    「……蒼真様」
    ううん、と軽く唸ってその声を受け流す。とにかく眠たくて、文句を言うのも面倒くさい。
    あぁうるさいなぁ、ボクはまだ眠いのに。
    「蒼真様……わかりました。どうしても起きないと、そういうおつもりでしたら……シェフの會田、特製のモーニングは今朝は抜きということですね」
    もう何でも良い、とにかく眠い。
    いいから寝かせて……ってちょっと待て。朝食抜きだと?
    「さあ、會田に伝えなくては。蒼真様は、3つ星レストランからわざわざスカウトしてきたシェフの會田が作った朝食は要りませんよと」
    「待て待て待て待て」
    「……ご自分の我が儘でわざわざフランスから呼び寄せておいて朝食を食べないと」
    「起きます起きます!ゴハンも食べますってば!」
    だからチクチク嫌味言わないでください。
    ばさりと布団をはねのけ、上半身まで一気に起き上がった。朝日と寒さが目に痛い。
    「改めましておはようございます、蒼真様。昨夜は随分と夜更かしをなさっていたようですね?」
    「おはよぉ、澤田。勉強してたんだよ〜、お勉強」
    わざとゆっくりとベッドから降りる。ヂリヂリと突き刺さる澤田の視線から逃れるため、澤田が立っているのとは逆側から床に降り立った。それに気付いた彼は素早く回り込み、ボクの顔を見るなり大きなため息をついたのだった。
  • 4 空にポッカリ id:vt-Bv1cD5c0

    2012-11-28(水) 20:26:10 [削除依頼]
    「はぁ……貴方様は名門、倉臣家のご次男だというのに……どうしてこう、惰性的と言いましょうか、サボり症と言いましょうか…」
    ベッドから降りてそのままクローゼットに向かったボクの後ろを、澤田がブチブチ言いながらついてくる。
    ……正直、放任主義だった両親の代わりにボクの面倒をみていた澤田には、ともすれば親よりも頭が上がらない。その上、未だにボクを年端のいかない子供のように扱うものだから、少し困っていた。
    そのお節介も、時にはこそばゆく感じるのだけど。
    「あー、ハイハイ。わぁーかってますってば。今日も1日、良い子で頑張りますよっと……うあぁ、寒っ」
    「また貴方はそういうことを言う。良い子であれ、などと教えた覚えはありませんよ。……ほら、早く服を着ねば風邪をひいてしまいます」
    何かと世話を焼きたがる澤田に脱いだ寝間着を渡し、普段着に着替える。
    そして眠い目をこすりながら顔を洗いに行く途中、澤田は思い出したように言った。
    「ああ、そうでした」
    「ん〜?なぁに?」
    「今日のご夕食は麻衣果様に招待されていますので。お早めにお戻りくださいませ」
    「……はい?」
    「ですから、麻衣果様に招待を……」
    「ちょっ……澤田ぁ、ボクあの娘と会うの嫌だっていったじゃないさ〜」
    内搭麻衣果。ボクの許嫁で……ボクの、一番嫌いな種類のヤツだった。
  • 5 空にポッカリ id:vt-bD0h/Ei/

    2012-11-30(金) 18:52:57 [削除依頼]
    「麻衣果様は貴方の許嫁でございましょう。何を嫌がる必要があるのです?」
    さも不思議そうに問う澤田。目には何の裏もない感情が滲んでいた。
    「……はぁぁ……」
    「蒼真様?」
    洗面台に両手を付き、鏡越しに澤田と目を合わせる。
    「……ヤなんだよ」
    「はい?」
    「あの高飛車な感じ……吐塗が出る」
    眉間に自然と皺が寄るのがわかった。澤田が驚いたように目を見開く。視線を断ち切るようにかぶりを振り、捻った蛇口が酷く冷えていた。
  • 6 きなこ id:SlgMN4V0

    2012-11-30(金) 19:00:13 [削除依頼]
    このお話すきかも。更新まってます。
  • 7 空にポッカリ id:vt-3si5LAK.

    2012-12-01(土) 15:29:19 [削除依頼]
    きなこさん

    >初コメありがとうございます!励みになります^^
    亀更新ですが頑張ります!
  • 8 空にポッカリ id:vt-3si5LAK.

    2012-12-01(土) 15:29:51 [削除依頼]
    嫌だと思うことほど、近付く速度は速いようで。
    朝食を食べて学校に行ったかと思うと、すぐ内搭家へと向かう時間になってしまったらしい。
    「……ボクの記憶では、放課後ってもーちょっと長かったと思うんだけどなぁ、澤田」
    「麻衣果様に何かご予定がおありとかで。会食を早めることはできぬかと、内搭家より連絡が入りました。さ、どうぞお車へ」
    恭しく頭を下げ、車のドアを開ける澤田がその証拠だ。
    ため息をつき、足取り重く車に歩み寄る。リュックを先に放り込み、ちょっと躊躇ってからシートに腰を下ろした。
    「予定があるんなら、無理に会わなくても良いじゃない。ボクは全然それで良い、ってかそれが良いよ」
    「一度招待したものを延期することはされないと思いますよ。先方にもプライドというものがおありでしょうし」
    「……こっちから断れば良いじゃない」
    「それはそれ、大人の事情というものですよ」
    ボクに会食用の礼服を渡し、澤田が諭すように言った。
    「聞き分けてくださいな……蒼真坊っちゃま」
    幼い頃から慣れ親しんだ呼び名でそう言われては、黙るしかない。案外と狡い性格の専属執事を斜向かいに眺め、ボクは礼服に袖を通した。
    幾度目かのため息をつきながら。
  • 9 空にポッカリ id:vt-r7mJsBC1

    2012-12-02(日) 10:43:50 [削除依頼]
    …このまま、内搭の家になんか着かなければ良いのに。
    そんなボクの切実な願いも虚しく、車はどんどん進んでいる。窓の外を飛んで行くビルが森の木々に変わったら、内搭家に程近い印だ。
    「……蒼真様、笑顔を忘れておいでですよ」
    「今から嫌いなヤツに会うってんのに、笑ってられるわけないでしょうに」
    またあの高圧的な文句を聞かなくてはいけない。例え一時だとしても、夕食を共にしなくてはいけない。
    とてもではないか、笑ってなどいられなかった。
    「聞き分けてくださいと申しましたでしょう。……そういえば、何か珍しやかなものを見せて頂けるとか」
    「内搭家で?」
    「ええ。それを楽しみになさってはいかがです?」
    どうぞごゆっくり、と事も無げに言い放つ澤田には、やっぱり何の裏もない表情をしていて…
    その「珍しやかなもの」とやらに賭けてみても良いかもしれないと、ぼんやりと思った。
  • 10 空にポッカリ id:vt-r7mJsBC1

    2012-12-02(日) 10:52:10 [削除依頼]
    >9 誤字訂正失礼 どうぞごゆっくり、と事も無げに言い放つ澤田には、やっぱり何の裏もない表情をしていて… ↓ どうぞごゆっくり、と事も無げに言い放つ澤田は、やっぱり何の裏もない表情をしていて…
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