正月の朝にサンタは犬,猿,キジと共にネバーランドへ。7コメント

1 ナロりんご id:0kE4ojg1

2012-11-18(日) 12:03:58 [削除依頼]
 人生の中では、色々と大変な事がある。

 人間関係とか、受験とか、恋愛とか。
 そんな風に悩んで、壁にぶつかって、迷って、
行き場をなくした者達が集う場所があります。

 そこがネバーランド・あじさい御殿なのです。

 紀元前に栄えた感じのお城の中で、支配人で
ある少年、涙(るい)がお客様を待っていますよ。

 ――……ようこそ。あじさい御殿へ……
  • 2 ナロりんご id:0kE4ojg1

    2012-11-18(日) 12:16:40 [削除依頼]
    「あー、暇」
     けだるそうな少年の声が高い天井一面に響く。

    「何でこんなに暇なんだ?これじゃあここ建てた意味ないじゃんかよ」
     少年が声を張る。びりびり、とあたりに響く。

    「涙先輩。そんなこと言わないでくださいよ。意味はあります。私の
    住処です。ここ無いと私生きていけません」
     少年の声よりも数段小さい声が少し響く。

    「何だよ灯華(とうか)。それじゃあ君のためだけの建造物じゃないか。
    僕はね、この建物を悩めるもののなめに使いたいんだよ」
     再びあたりに声が響く。しかしさっきの声よりかは少し小さい。

     このけだるそうな声をした少年が涙。金髪蒼眼の長髪の美少年であ
    る。
     そして先ほど少し響いた声の主が灯華。奇抜な赤髪の少女だ。絵
    に描いたような黒と白のメイド服を着てごみひとつないこの空間を箒
    で掃除している。

     何もない空間での何のない会話。これがなれらの日常である。
  • 3 ナロりんご id:0kE4ojg1

    2012-11-18(日) 12:24:54 [削除依頼]
    「客は来ないのか?灯華」
    「私に聞かないでください先輩。私には分かりません」
    「何で分からないんだよー」
    「分かるわけないじゃないですか」
    「それはそうだけど……」

     少し会話が続いたあと、会話はすぐ詰まる。これはいつもの事だ。
     2人は中が良い訳でもないし、悪いわけでもない。友人ではないし、恋人でもない。勿論、家族や親族でもない。
     それだから退屈であり、それだから平和なのだろう。

     それからしばらくはずっと灯華の箒のサッサッという音しか聞こえなくなった。
     2人はずっと、静かに黙っている。

    「す、すいません。道に迷ったんですが……」
     沈黙を破ったのは涙でもなく、灯華でもない。他の者の声。
     その声が聞こえると二人はふっと顔を見合わせ、入り口の方を見つめる。
     入り口に立っていたのは、胸までの髪をみつあみにしたおさげの少女だった。
  • 4 ナロりんご id:0kE4ojg1

    2012-11-18(日) 12:41:02 [削除依頼]
    「み、道に迷いました……助けてください……」
     少女の顔は真っ青だ。何をどう迷ったのか。

    「大丈夫。君は道に迷ったんじゃない。人生に迷っているんだ。でも安心したまえ。君がここに来たと言う事は、君の道はこれから僕たちによって開けるということだ。問うわけで君、名前は?」
     涙が光の速さで少女の下に走る。
     灯華はゆっくりとあとを追う。

    「え?えと……あの……?」
     少女はきょとんとしている。それはそうだろう。
     道に迷って道を聞こうとしたら見たこともない少年に色々と変な事を超高速で話されたのだ。頭がこんがらがって当然だ。

    「名前だよ、名前、君の名前は?」
     少年がきらきらした瞳で少女に問う。少女はしばらく何も言わなかった。
    「涙先輩。少し落ち着いてください。これじゃあせっかくの客が意味ないです」
     やっと追いついた灯華が涙に向かって優しい口調で言う。
    「えっと、お客さん。ここはあじさい御殿と言って、色々と悩みを抱えた方がいらっしゃる所です。ここの支配人の涙先輩が、あなたの悩みを解決してくれます。そのためにあなたはここへ来たんです。さて、ご理解いただけたところでお名前は?」
     そして少女に向き直り、これまた優しい口調で言う。

     灯華の落ち着いた雰囲気に自分の落ち着いたのか、少女は口を開いた。
    「私は、浅岡静奈(あさおかしずな)といいます。中学2年です……」
  • 5 ナロりんご id:0kE4ojg1

    2012-11-18(日) 12:59:52 [削除依頼]
    「ほうほう。浅岡静奈ちゃんね。オッケーオッケー。あとは何も言わないでいいよ。こっち側で色々調べるから」
     涙は名前を聞いてニコニコしたあと、すぐに後ろを向いて、どこかに歩き去ってしまった。

    「え?あのっ……!?」
     静奈は驚きの声を漏らした。
    「大丈夫ですよ。涙先輩が瞬時にあっちに行ってあなたの事を調べているだけなので」
     すぐ横にいた灯華が微笑んで静奈に言う。

    「あっち?」
    「ああ。あっちって言うのは、あなたのいる世界です。ここはなんと、現実の世界とは違う世界に存在しているのです!!」
     静奈の質問に灯華が満面の笑みで答える。すごく得意げである。
    「現実の世界じゃないってことは、ここは夢の世界ですか?」
    「ん〜。それも違うかな?夢の世界じゃないし、静奈ちゃんがいる世界でもない。ここはまったく別の新世界です」
    「新世界……現実離れしてますね……」
    「そうだね。私も最初は信じてなかったですしね」

     2人は静かに、ポツリポツリと会話を進めた。
     それから数分たったころだろうか。涙がいなくなった方向から戻って来た。
  • 6 ナロりんご id:0kE4ojg1

    2012-11-18(日) 13:33:19 [削除依頼]
    「あ、浅岡静奈!!」
     涙の顔が少し怖い。
    「な、なんですか……涙さん……」
     静奈は少し怯え気味だ。

    「お前、あっちでは有名人なのか……?」
     類の金髪が小刻みに揺れる。

    「は、はい……有名かどうかは知りませんが、有名人の家族です……」
     静奈の顔が暗くなる。

    「え?涙先輩?静奈ちゃん有名人なんですか?」
     2人の何かを感じ取って灯華がるいに質問をする。
     涙は少しため息をついていった。

    「こいつの家総理大臣一家だぞ」
    「は!?」
    「だから、こいつの曾じいちゃんが総理大臣、じいちゃんが総理大臣、父親も総理大臣だ。ちなみに母親は内閣の一人な」
    「は……はぁ!?」
     突然の告白。灯華は頭が真っ白になった。

    「おい、灯華?」
    「あ、頭が回りません先輩……」
  • 7 ナロりんご id:0kE4ojg1

    2012-11-18(日) 17:35:34 [削除依頼]
    「だから、こいつの家は代々総理大臣を輩出している家だって言っているんだ」
    「そ、それは分かりましたよ……!!私が聞いているのはその次です!!」
    「え?これでさっきの会話は終わりだけど」
    「え?」
    「は?」
    「……」
    「……」

     何があったのか、何が食い違ったのか。とりあえず2人はまた黙った。

    「あの、涙先輩。それでなんですけど、静奈ちゃんは一体何に迷っているんです?」
     沈黙が嫌だったのか、早く静奈の悩みを解決したいのか。灯華がまた口を開く。
    「え?あぁ。それはだな。多分、恋人とのことだろう」
    「こ、恋人?親とかからの何かじゃなくて?」
    「あぁ。とりあえず分かったことはひとつ。こいつ七股してるぞ」
    「はぁ!?」
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