Re:frain3コメント

1 常野 id:Kse2NMq1

2012-09-25(火) 00:47:55 [削除依頼]
空には雪が舞っていた。
降りてくる白は手で触れただけで、ふわりと溶けてしまう。
「冷たいわね」
すぐ隣から聞こえた女性の声に、頷く。
「はい、雪が降るなんて、思いもしませんでした」
手袋を着けても一向に暖まらない手に息を吹きかけながら、そう返す。
空を灰色の雲が覆い隠した時に慌てて買ったビニール傘は所在なさげに二人の足下に横たわっている。
雨を心配して買ったのだけど、ここらの地域ではほとんど降らない雪だ。
遮るのが少々もったいなく思えて、結局開かなかった。
「ホワイトクリスマスなんて、私初めてだわ」
「でも四年前も降りましたよ、雪」
当時の僕の愚かな行為は、雪なんかでは埋まってくれるような事ではないけれど。
少し自虐的な事を考えて、気が沈んだのを紛らわせようと、目の前の景色を眺め直す。
駅前の大通り、誰が飾ったのかも分からないようなイルミネーションが七色に光ってはふわふわと舞う雪を照らして、幻想的だ。
4年前、僕が見た景色は、こんなにも輝きを放っていただろうか。
「過去よりも今よ。裕也くん」
「‥‥そう、ですね」
センチメンタルになっていた気持ちを見透かされた上に、一歳しか変わらない女の人に「め!」と叱られて、恥ずかしさに俯く僕は、替わったのだろうか。
あの日から、どれだけ変われたのだろうか。

相輝物語
《本文より》
  • 2 常野 id:Kse2NMq1

    2012-09-25(火) 01:06:01 [削除依頼]
    皆さん、初めまして常野と申します。
    二年ぶりに来ました(当時のH,Nは風)。

    コメントとか頂けたら、泣いて喜びます。
    なにぶん久しぶりに来たので、オススメの小説とかも、教えて貰えると嬉しいです。
  • 3 常野 id:Kse2NMq1

    2012-09-25(火) 02:07:15 [削除依頼]
    【Refrain:Prologue】

    篠宮茜という女性は、不思議な人だ。
    容姿端麗、成績優秀。
    それに性格も温厚とあって、彼女はいつも人に囲まれていた。
    そして、彼女は人のために動く。
    他者の幸せを、花でも咲いたかのような笑顔を浮かべて喜ぶのだ。
    自己犠牲。
    僕の旧友である原田一輝は、彼女の行為をそう言い切った。
    悪意無しに、むしろ褒め言葉として。
    だけど自己犠牲というのなら、彼女が犠牲にした自己というのは、果たしてどんなものなのか。

    そして後に僕は知ることになる。
    彼女が押し殺した物を、僕は、知ってしまう。
    それが正しかったのか、間違っていたのか。
    それは僕にすら、分からなかった。
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