獄卒1コメント

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2012-09-19(水) 23:18:45 [削除依頼]
   獄卒


 親愛なる査察官殿に、この拙い報告書をお送り致します。
 どうか寛大なお心をもってご覧戴けますよう。
 そちらの様子を懐かしく思いながら。


    閣下の従順な下僕 杏


 この報告書は西暦二千十二年九月某日、杏という名の調査員から、はるばると次元を超えて故郷へと届けられた書状である。
 その内容は全てこの杏なる調査員が直接見聞した出来事によって埋められており、その全てが彼女自らの手によって書かれていた。


   侵入

 私はこのままではいられなかった。なぜなら何も感じられなかったから。
感じる? 私には何かを感じる必要など全くない。しかしそれでは目的を達することはできない。
私は体を必要とした。感度は高ければ高いほど良い。
ひたすらさまよったあげくに良いものを見つけた。
私はそれを乗っ取ることに成功した。
この乗っ取りだが、実は完全なるものとはとうてい言いがたい。私以外にもこの体を狙っている者達がいた。
連中は私とは異なる。また、その連中どうしでもお互いにそれぞれが異なる。とにかく油断のならない連中だった。
いずれにしろひとまず宿り木は見つかった。
 女だ。


   奇怪虫

奴らはやたらめったら、この体にたかってくる。
私は好きでこの女の体を手に入れたわけではない。
誰がこんな猥雑にして卑少なるものと一体となることを欲するか。
だが連中は違うようだった。
私は奴らを奇怪虫と名付けた。
奇怪虫たちの足は速い。そして驚くほどに単純でもある。
 私は襲いかかってくる愚鈍で陰欝で退廃していく者達の相手をしなければならなかった。
 この女を守るために? そうではない。目的を達するためにだ。


   偽と幻

特に私が注意せねばならなかったのはこの女が所有している虚妄だった。
 この女は美醜にひどく感応する。馬鹿げた陶酔に自らを麻痺させるために命を燃やしている。もはや連中の思う壷だ。連中は下卑た笑いを浮かべて、この上なく卑しい方法によりこの女に茨の鞭を手渡す。そして女は奴隷を酷使するために作り出された茨の鞭を使い、あろうことか己の首をしめ上げるのだ。
それはそれは丹精を込めて磨きあげた拷問具を自らに用い、隷属の鎖の中で愉悦の呻吟を漏らすなどとは、これを愚昧と言わずして何と言おう。
しかしこの女は、自らにそのような愚かさが持ち合わされていようなどとは思いもしない。
 こうして虫達は奇態窮まりのない宴を繰り返すのだ。永遠に、無限の暗黒が澱んだその深淵で。
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