.それでもやっぱり好きな人404コメント

1 珊瑚姫 id:BttIEAe/

2012-09-02(日) 16:55:09 [削除依頼]


 

 それでも、世界で一番好き。
  • 385 珊瑚姫 id:zbo4vkT/

    2015-08-27(木) 00:10:12 [削除依頼]
    久し振りに合わせた唇に軽い目眩がした。
    机に手をついて立ち上がった彼は、座ったままのあたしに真上から押し付けてくるから首が痛い。
    大馬鹿だ。何をやってんだ。これじゃああたし達が離れた意味が全くない。やってることが前と同じじゃないか。あんなに意を決して切り出したのに。
    あの時、凄く辛かったのに。
    片方の手があたしの椅子の背もたれに着くから状況が不安定になる。だからあたしはつかまるように彼の首の後ろに両腕を回したら腰が浮いた。そのせいで椅子が不快な音を立てて倒れ、拍子に脚の部分があたしのふくらはぎを擦り思わず顔が歪む。
    「ああ」
    足元がふらつき助けを求めるように彼の背中にしがみついた。
    彼は、あたし達の後ろの席である並んだ二つの机にあたしを浅く座らせ、そのまま横に体を倒された。
    あたしに覆いかぶさるようにしてくる彼はキスをやめない。

    こんなことは良くない。
    広瀬君は美山さんのものだし。これ、もし自分が美山さんだったらと思うと、もうなんだか嫌とか哀しいとかそんなものじゃないのに。
    そう思うのに体は嫌らしく喜んでいる。彼の気分を盛り上げてしまうような声が出て、今していることに激しさを増してしまう。


    ああ、なんか、あたし達凄くめちゃくちゃしてる。

    ぐちゃぐちゃ。汚い。
  • 386 珊瑚姫 id:zbo4vkT/

    2015-08-27(木) 22:35:08 [削除依頼]

    広瀬君、あたし達何してるんだろうね。
    狂ってるね。
    もうどこに行けばいいのか分からないね。

    朦朧としたまま少し視線を外し足元のほうに目を向けた。
    捲れ上がっていたスカートが気になり直そうと手を伸ばしたら、即座に彼に手首を掴まれそれを阻止された。
    あ。やだ。それやだ。やめて。やだ。
    机に肘を着き上半身を起こし離れようとしても、彼に後頭部を押さえつけられ許してもらえない。
    変な声が漏れる。自分の口からこんなのは聞きたくなかった。

    「駄目だよっ」

    我に返った。
    無我夢中で彼の胸辺りを押し、その拍子で倒れそうになりながら机から降りた。
    肩で大きく息をしながら濡れた唇を手の甲で押さえつける。彼を見れば同じように息を切らして乱れた机の上に腰を下ろした。

    「だって、あゆちゃんが誘うから」
    鼻で笑いながらそんなことを言う。
    「は、そんなこといつした?」
    呼吸が苦しくて上手く話せない。
    彼は髪を掻き、横に立っているあたしを見上げた。
    「お前さ、危ないよ。そんなんじゃ好きでもなんでもないような奴に無理矢理やられるよ」

    は。

    「だからそこら辺の男にキスされたりすんだよ」

    気が付いた時、あたしの掌は彼の頬に走っていた。
  • 387 珊瑚姫 id:KdYgt6T0

    2015-09-04(金) 00:20:17 [削除依頼]

    それは静かなこの部屋にとても良く響いた。

    「最低」
    あたしの今の行動で俯くように顔を背けた彼の表情は分からない。
    「もう大っ嫌いになった」
    一気にあの日のあれが蘇ってくる。あの時あたしは死.にたいと思った。抉られるように痛くて息ができなかった。好き勝手弄ばれて自分が人間と思われてないみたいで。それを彼は十分に理解しているはずなのに。
    あんまりだ。なんだかあたしは酷い夢を見ているようだよ。
    「死.んでよ」
    固く拳を握りそれを彼の肩にぶつける。
    「もう死.んでよっ」
    声が裏返る。
    落ち着かないあたしは何度も拳を投げつける。
    そしてずっと黙っていた彼はあたしの拳に触れ柔らかく包み込んだ。

    「効いた、今の」

    下がっていた顔を上げた彼は小さく笑い、両方の掌をあたしに向けて差し出した。
    「好きなだけ叩いていいよ」
    え、と目で聞く。
    「まだまだあんだろ、言いたいことも、こんな男なんだから」
    ほら、と急かされ、戸惑いながら拳を掌に当てた。
    「言いたいことは?」
    「嫌い」
    もう片方の掌を叩く。
    「嫌いっ……」
    あたしはそれだけでやめた。

    「もういいの?」
    「……もういい」
    意味がない気がした。

    散らかった心の中をなかなか整理できないでいるあたしを更に苦しめるように、彼はあたしの髪に手を伸ばす。

    「ごめん、意地悪した」

    彼の指が髪の毛の中をすり抜けて直接触れてくる。
    そのままあたしの体ごと自分のほうへ倒し、微かに耳に唇が触れた気がした。

    「でもあゆちゃんが、男と出掛けたとかゆーからさ……」

    こんなことをされても、あたしはやっぱりなんの抵抗もしなくって。
    だからああいうことを言われても仕方がないんだなって少し納得した。
  • 388 珊瑚姫 id:CXzZqnr1

    2015-09-05(土) 14:15:12 [削除依頼]

    暫くそうしていたら、どちらかの携帯のLINE着信音が小さく鳴った。
    動くに動けず少しの間そのままの状態でいたら、彼は自分からあたしの体を少しだけ離した。
    「俺の。取ってくれる?」
    彼は自分の机のほうを指さし、そう言って笑った。
    あたしは机の上に寝転がっている携帯を手に取り渡すと、彼はディスプレイを細めた目で見てから小さく笑った。
    「連絡きた」
    「……美山さん?」
    「ん」
    ゆっくりと目を瞑る彼を見て、あたしは本当にそんなことを聞きたかったのだろうか。
    「行かないの?」
    「行くよ。具合だいぶ良くなったみたいだし」
    「具合……?」
    彼は座ったまま少し前のめりになり、不思議そうな目をして立っているあたしを見上げた。
    「うん。今日一緒に学校来たんだけど、なんかずっと具合悪いって言ってて。保健室連れてって時々様子見に行ってたんだけどずっと眠ってた」
    「美山さん体弱いの?」
    「ちょっとね。そんなに酷くはないんだけど、夏場と冬場は良く体調崩す」
    彼はそう言って机の上から降りた。
    「そんなふうに見えないでしょ」
    あたしはうんともすんともしなかった。
    なんだか似たようなことを誰かも言ってた。誰だったっけ。

    「じゃあね」

    彼はそう言って教室を出て行く。
    一人取り残されたあたしは窓の外に目を向けると、いつの間にか空は暗くなっていた。
  • 389 珊瑚姫 id:CXzZqnr1

    2015-09-05(土) 20:11:19 [削除依頼]

    あたしも帰らないと。

    その前に、先ほどの行為のせいで乱れてしまった他人の机を元通りに並べようと、力のない手で動かしていた時だった。
    いきなり勢い良く前の扉が開く音がしてそれを中断してしまった。
    振り向けばそこに彼がいて。
    「広瀬君……」
    扉に手を置いたまま少しだけ息を乱している。
    「ど、うしたの」
    目を真ん丸くするあたしに彼は言う。

    「あゆちゃん、俺と出会ったこと後悔してる?」
    「……え?」
    出した声は掠れていた。
    「俺となんて出会わないほうが良かった?」
    良く分からなかった。何が起きているのか。何を聞かれているのか。
    でも胸が痛い。助けて。

    「俺、一番最初にあゆちゃんのこと見かけた時、凄い可愛い子がいるなって、こんな子いたんだって思ったの。名前もクラスも分んなかったけど」
    彼が何かを喋っている。何故だか分からないけれど、これはきちんと聞かないといけない気がした。
    「それであの日初めて会えた。やっとちゃんと会えたのに、泣かせちゃったけど。あゆちゃんはあの時のことは今でも最悪だと思うけど、俺は嬉しかった。ずっと会いたかった子に会えたんだから」
    あたしは何も発さずにただただ彼の話に耳を傾けていた。あたしが何かを挟んだら何かが変わってしまうと思ったから。それは嫌だった。
    「そしたらさ、この子なんか良いなって。会えば会うほど、話せば話すほど、俺この子のこと好きだなって。彼女がいたけど、好きだなって。ごめんね」
    何かにしがみついていないと駄目になる気がして、彼から見えないようにスカートの裾を握りしめた。
    「今思えば、ほんとに無責任で軽はずみなことしたと思ってる。勝手に好きだって言って、あゆちゃんも俺のこと好きになってくれたのに彼女がいて、別れられなくて、大事にできなくて。かっこ悪いんだけど俺、本気でちゃんと人を好きになったことってない。いっつも言い寄って近付いてくる女と適当に付き合ってお互い飽きたら別れて。その繰り返し。中には知らないうちに気付いたら別れてた奴もいるし。だから本当に好きになった子にはどうしたらいいのか全然分かんない。大事にしようとして酷いことばっかしたし、笑わせるよりも泣かせることのほうが多かったけど」
    駄目。まだ駄目だよ。今はまだ我慢して。あとで、もう少ししたら泣けるから。
    「でも俺あゆちゃんのこと好きだった」
    鼻の奥がつんとする。

    「どうしたらいいのか分かんなくて空回るくらいあゆちゃんのこと好きだった」
  • 390 珊瑚姫 id:ICNSOYL1

    2015-09-06(日) 00:03:43 [削除依頼]

    ありがとう。
    彼は最後にそう言ってこの場を後にした。
    あたしは自分の席の椅子を引いてそこに腰を下ろす。
    一人になってみると時計の秒針の音が嫌に胸に響く。

    「会わなきゃ良かったって、何」
    もうさすがに彼は戻っては来ないだろう。というか今戻ってこられたら困る。
    だからあたしは下唇に歯を押し当て、なるべくできるところまで待った。
    今日は良く我慢したほうだ。だってもうずっと前から限界だったのにずっと我慢してきたんだよ。
    もういいでしょう。

    そう思って気を緩めた途端、ずっと耐えていたものが瞳から零れ始めた。

    分からないんだ、あたし、さっきの質問の答えが。
    良かったのか、悪かったのか。
    分からなくて、苦しいの。

    さっきの言葉一つ一つが突き刺さったまま抜けていかないから忘れられない。

    どうすることもできないあたしは、ひたすらに涙を流し続けるだけだった。
  • 391 珊瑚姫 id:ICNSOYL1

    2015-09-06(日) 00:20:44 [削除依頼]

    .一言

    こんばんは。珊瑚姫といいます。
    きりのいい章まで終わったのでまとめをしたいのですが、
    今はもうレスを繋げてまとめることってできなくなってるのでしょうか?
    もし何かやり方があるとしたら教えていただけると嬉しいです*←

    そしてやっと20章までこれました。
    日付を見たら書き続けて3年が経過していました。
    あっという間でした。これからの3年もあっという間に過ぎてしまうのかと考えたら怖くなりました。汗
    これから後篇に入っていきます。でもそこからがまた長いです。
    できるだけ早く完結できるよう頑張りますので、もし見てるよ〜!という方がいましたら最後まで一緒について来てくれると嬉しいです*

    それでは引き続き宜しくお願いします。
  • 392 珊瑚姫 id:lpnl/Em1

    2016-01-03(日) 00:52:48 [削除依頼]
    新年あけましておめでとうございます。
    2016年になりましたね。

    去年もあまり更新できない年になってしまい、立てた目標も達成できずお恥ずかしいです。
    申し訳ありません。

    今年もどのくらいお話を進められるか分からないのですが、遅くなっても完結はさせます。

    こんなだめだめな奴ですが今年もよろしくお願いします!!
  • 393 そら id:EKQgAXX/

    2016-01-03(日) 14:51:34 [削除依頼]
    お久しぶりです
    あけましておめでとうございます
    2016年も応援していきます!
    頑張ってください
  • 394 珊瑚姫 id:dFvNmUh0

    2016-02-27(土) 19:33:02 [削除依頼]
    そら様

    お久し振りです!!
    コメントありがとうございます!!
    お返事がかなり遅れてしまい本当にすみません。
    更新もずっとストップしていて本当に申し訳ないです。
    応援いつも本当にありがとうございます。
    支えになります。頑張ります!!
  • 395 バニラ id:4THE5/Z/

    2016-03-13(日) 14:02:11 [削除依頼]
    はじめまして(^^)
    珊瑚姫さんの作品、おもしろいです(^o^)
    これからも、応援してます!!
  • 396 珊瑚姫 id:I4a81dp/

    2016-04-17(日) 00:39:05 [削除依頼]
    21.静かな祭り

    「松嶋さんもそろそろ交代ー!」

    装飾された華やかな校舎。
    見慣れない人々。
    笑い声飛び交う賑やかな空間。
    どれも去年と何ら変わらない。
    今年も文化祭がやってきた。

    教室の窓に掛けていたカーテンを無地のものから花柄に変え、寄せて向かい合わせた机に敷いたのはギンガムチェックのテーブルクロス。
    紅茶にココアにジュース、ケーキにお菓子。
    うちのクラスの催し物はカフェになった。

    自分の仕事が終わり休憩に入ってからは芹菜ちゃん達と合流し他のクラスの出し物を見て回った。
    芹菜ちゃん達のクラスはお化け屋敷をやっている。担当の時間になり戻る時、後夜祭でまた会う約束をして一旦別れた。
    その後特にすることもなくなったあたしは自分のクラスに戻りカフェを手伝った。
  • 397 珊瑚姫 id:I4a81dp/

    2016-04-17(日) 00:44:28 [削除依頼]
    バニラ様

    初めまして*

    なかなか更新のない小説にこんな嬉しいお言葉……
    本当にありがとうございます!!

    これからもスローペースではありますが頑張って更新していくので温かい目で見守っていただけたら幸いです*
  • 398 珊瑚姫 id:Lze7s2TX

    2017-01-15(日) 00:59:33 [削除依頼]
    すみません。上げさせていただきます。
  • 399 千夏* id:fyxXv1iW

    2017-01-15(日) 21:49:41 [削除依頼]
    この小説ずっと前からすっごく好きです!

    もう出版してほしいくらいです!!



    え、そうなんですか……

    いつでも待ってるので、よかったらまた戻ってきてくださいね✨
  • 400 珊瑚姫 id:Lze7s2TX

    2017-01-15(日) 23:04:23 [削除依頼]
    千夏*様



    わわわ!!!

    コメントついているのを見てめちゃくちゃびっくり嬉しいです!!!

    最終更新日からだいぶ経っていますがまさかまだこの小説を覚えていてくださる方がいたなんて……。

    ありがとうございます。

    また更新再開しようと戻って来て良かったです。
  • 401 珊瑚姫 id:Lze7s2TX

    2017-01-16(月) 00:31:32 [削除依頼]
    「あたしごみ捨て行ってくるよ」



    無事にカフェも終了し、これから夜行祭。

    うちの学校の夜行祭は少し力を入れている。

    全校生徒と先生は校庭に集まり、夜空には大輪の花火が上げられて、その下でキャンプファイヤーをやるというのが毎年恒例。

    それが始まるまでにはまだ少し時間があり、明日に回す後片付けを少しでも楽にしようと、今できるだけ皆でまとめたごみ袋をあたしは掴んだ。

    「えー、ありがと助かる!」

    「いいえー」

    あたしはたまっていた三つの袋を持ち賑やかな教室を後にした。
  • 402 珊瑚姫 id:Lze7s2TX

    2017-01-16(月) 00:47:31 [削除依頼]
    「うー、手ぇ痛い……」

    外に出たところで足を止め、ごみ袋を地面におろす。

    じんじんと痛んでいた両手が解放された瞬間は気持ちが良い。

    やっぱり一人で三つはさすがに無理をしたかなあと少し後悔。

    外は静かだ。冷たい夜風がクラスTシャツの中に入り込んできて心地が良い。



    広瀬君は、今日は来ていない。

    賑やかなところは苦手だとか言っていたし。

    でももうそんなことは気には止めないけれど。

    美山さんも来ていない。

    そんなことも、もう。



    あたしは深呼吸をしてもう一度ごみ袋を持ちごみ捨て場へと向かった。
  • 403 そら id:wFREsxaG

    2017-01-28(土) 13:11:39 [削除依頼]
    お久しぶりです。

    すごく久しぶりに更新されていて

    めちゃくちゃテンション上がっています。



    自分のペースでこれからも

    頑張ってください。応援しています。
  • 404 珊瑚姫 id:syWvmg4p

    2017-03-14(火) 00:44:08 [削除依頼]
    そら様

    コメントありがとうございます‼︎
    お返事かなり遅くなってしまってすみません。。
    まさかまだこの小説を覚えてくださっていたとは…‼︎
    ああもう嬉しいこちらがテンション上がりますよ‼︎
    ありがとうございます。
    ものすごいスローペースですが頑張ります!
コメントを投稿する
名前必須

投稿内容必須

残り文字

投稿前の確認事項
  • 掲示板ガイドを守っていますか?
  • 個人特定できるような内容ではありませんか?
  • 他人を不快にさせる内容ではありませんか?

このスレッドの更新通知を受け取ろう!

ログインしてお気に入りに登録すると、
このスレッドの更新通知が受け取れます。

最近作られた掲示板

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません

閲覧履歴

  • 最近見たスレッドはありません

キャスフィへのご意見・ご感想

貴重なご意見
ありがとうございました!

今後ともキャスフィを
よろしくお願い申し上げます。

※こちらから削除依頼は受け付けておりません。ご了承ください。もし依頼された場合、こちらからの削除対応はいたしかねます。
※また大変恐縮ではございますが、個々のご意見にお返事できないことを予めご了承ください。

ログイン

会員登録するとお気に入りに登録したスレッドの更新通知をメールで受け取ることができます。

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません
閲覧履歴
  • 最近見たスレッドはありません