龍神の姫君63コメント

1 時雨前線 id:HH3HLgx.

2012-08-30(木) 09:57:10 [削除依頼]
異世界―スペサルティン

スペサルティンにある小国、ロードクロサイト。
ここは人と幻獣たちが古くから共に生きてきた。

幻獣は友であり、家族であり、この国の宝。
その幻獣たちを狙って攻め込んでくる国々も少なくなかった。

襲撃してくる国々に対抗してつくられたのが
Celestial Chevaliers
(神々の騎士団)である。
  • 44 時雨前線 id:/2cbLQe.

    2012-09-10(月) 21:49:54 [削除依頼]
    「う…ん」

    うなされている。
    体は寝ていて動かないけれど頭は物凄く冴えていた。
    あぁ、これが金縛り?

    いつの間にか寝入ってしまったようで、部屋の明りは消され、京夜の寝息と思われる規則正しい音が聞こえてきた。

    『やっと見つけた』

    ふいに脳内に響き渡る声。
    聞き覚えがある…

    『ユリア、早く僕らに気づいて』

    うっすら目を開けると、目の前には部屋ではなく、一面白く光り輝く場所が広がっていた。

    「えっと…ここどこだ?」
    『僕らは見つけた、だから今度は君が見つけて』

    またもや響く声。
    声の主は一向に姿を現さない。

    『早くしないと…』

    その言葉が言い終わるか言い終わらないうちに光は消え失せ、漆黒の闇が辺りを包みだす。
    ふと、自分の足場が崩れたかと思うと、果てしない闇に突き落とされた。

    『待っているから…』
    「あッ…」

    ドーン。

    「いたた…」

    気づくとうっすらと朝日が差し込む部屋。
    私はベッドの下に落ちていた。

    「ゆ、め…か?」

    床に打ち付けた腰をさすりながら静かに起き上がる。

    「私は…何を見つけ出せばいいの?」
  • 45 時雨前線 id:/2cbLQe.

    2012-09-10(月) 22:02:37 [削除依頼]
    「京香…じゃなくて京夜は…まだ起きていないか…」

    <こっから京夜side少々うつります>

    意識は半分あるが、起きれない。
    眠たすぎる…

    俺は毛布の中でもぞもぞと動きながら、昨日のことを思い出していた。

    不覚にも、1日目にして男ということがバレるなんて。
    不注意すぎにもほどがある…

    それから、なぜ叔母である理事が、彼女―ユリアと同室にしたのか問い詰めに言った。

    「叔母さ…理事!なぜ私と彼女を一緒にしたんですか!?お陰で即バレましたよ!!」
    「京夜、慌てなさんな」
    「しかし…」

    「彼女、もしかしたら姫かもしれない」
    「は?」

    姫…だと?

    「あなたは姫を守る役目を授かっている、分かってるわね?もし本当に彼女がそうなら、あなたが付きっきりで傍にいるのは当たり前じゃない?」

    不敵な笑みを浮かべる叔母。
    まさかここに来て姫に出くわすとは…

    「そういうこと。分かったら戻って頂戴。おやすみ」
    「…失礼します」

    自室に帰るともう既にユリアは寝ていた。
    メロンパン返せとか寝言まで言っている。

    本当にこいつが姫なのか?俺は信じられなかった…

    (回想*京夜side終了)
  • 46 李沙 id:PtOjU.l/

    2012-09-11(火) 19:03:40 [削除依頼]
    38>>やっぱり・・・・。
       う〜×××闘わないで><

       京香ちゃんて、京夜君なの!?
       男子、しかも姫を守る役目があるの??
       (只今、混乱中)
  • 47 時雨前線 id:V9CjNIK/

    2012-09-16(日) 08:42:01 [削除依頼]
    お久しぶりです(-.-)
    最近赤司くんにドはまりで、課題と体育大会の応援合戦の練習で時間を日々削られる時雨ですw
    花の学生生活とは程遠い…

    46>
     うん、京夜は妹の京香に変装しています←
     色々重要な役割をしていると思われます、彼。
     続きをお楽しみにっ(*^^)v
  • 48 時雨前線 id:V9CjNIK/

    2012-09-16(日) 08:51:51 [削除依頼]
    「おい、京夜〜…起きてくださいよ〜」

    私がそう情けない声を耳元で呟くと、驚いたように彼は目を覚ます。

    「な、なんだよ」
    「だってどこ行くとか分かんないんだもん…お腹すいたし」

    制服に既に着替えた私をじろじろ見る。
    そんなに凝視されても…

    「あ、そうか…今日は召喚試験か…」

    そう呟くと徐に立ち上がり、制服を手に取る京夜。
    男子にしては身長が低い…
    まぁ私よりも10cm以上は高そうだけれども。

    「おい、着替えるんだ。あっち向いとけ」
    「はっそうだった!」

    うん、男の子なんですよね

    「あ、それとだ。外では絶対京夜と呼ぶな、京香だ。んで、俺が女装してる何て絶対言うんじゃないぞ?」
    「はい…」

    逆らったら命がなさそうな気がして小さく返事をした。

    「んじゃぁ…とりあえず食堂行くからついてこい」

    いつの間にか着替え終わった京夜はドアの元に立っていた。

    「あ、待って…」

    そのとき私は壁にかけておいたペンダントに目が行った。
    洵にもらった彼の母の形見。
    大きな赤い宝石が輝きを放っていた、
    何だか…それが守ってくれそうな気がしてチェーンを手に絡めた。
  • 49 時雨前線 id:V9CjNIK/

    2012-09-16(日) 09:05:59 [削除依頼]
    「あ、ユリアに京香おっはようー」

    食堂について一番目に声をかけてきたのはあのハイテンション娘、クレア。

    「朝からクレア…暑苦しいよ…」

    抱き着かれて硬直する私の横でため息をつく京香いや京夜。
    呆れ顔のルイザにおどおどするナタリー。
    幹部は全員集合しているらしい。

    「ほら、早く食べないと召喚試験があるのよ?」

    そう言ってクレアに私を離すよう諭す。
    …即座に女口調に変えるのも凄いが、どこからその高さを出しているんだと思わず突っ込みたくなった。
    相変わらず凛としている京香は、クレアが放すのを確認するとそそくさと歩き出した。

    黙りこくった彼女の後ろをついて行くと、バイキング形式に色とりどりの食事が並んでいた。

    「うわぁ…ごくり」

    生唾を飲み込み目を輝かせる。

    「ユリア、迷っている暇なんてないってわかってる?そんなの明日も選べるんだからとにかく早くして頂戴」
    「…ごめんなさい」

    心躍らせる私に気づいたように京香が私に注意をする。
    仕方なく近くにあったマフィンを2個とコーヒーをとって皆のいる席に戻った。

    「あー今日緊張するね〜」
    「なんで試験受けるユリアさんじゃなくて、クレアさんが緊張するんですか」

    ナタリーの言葉に思わず口を引きつらせるクレアを見て爆笑するルイザ。
    こんなに和気藹々とした光景は久々で、心が温かくなった。


    「あ、マスターおはようございます!」
    「おはよう」

    礼儀正しそうなおさげの少女の挨拶に笑顔で言葉を返す京香。
    あんな柔らかい表情もするもんだな…と思わず手を止める。

    「ユリア、何勝手に停止している?食べることもできないのか?」

    あれ―?
    なんか扱い…酷くないですか?
  • 50 時雨前線 id:V9CjNIK/

    2012-09-16(日) 09:46:55 [削除依頼]
    「はい、すみません」

    目線が痛い。
    なんで睨まれるんですか…?

    「9時から試験だ、あと30分もない。だから急げ」

    30分後か…
    どうなるんだろうな、と少し胸を躍らせる。

    なんてことを甘いマフィンを噛みしめながら考えていた。

    <30分後>

    大きな広場に連れて行かれると、
    巨大な魔方陣が描かれており、すでにリイラたちは集まっていた。

    「遅いですわよ、京香さん」

    待ちくたびれたと言わんばかりにマリアは自分の髪を弄ぶ。

    「あぁ悪い、こいつが食べるの遅かったから」
    「…まぁいいですわ。早速始めますわよ?」

    昨日ぶりにリイラと顔を合わす。
    遠慮がちに彼女は笑みを浮かべ、すぐに顔をそらした。

    敵対…してるんだもんね

    「じゃあまずリイラさんから…」

    そう言われると、無言でリイラは魔方陣に入っていく。

    「真ん中に手を置いて」

    言われた通りに彼女は真ん中にある円に手を置いた。
    すると、地面は唸りだし、揺れが起こる。
    目の前に光の玉が現れたかと思うと、ちりじりに砕け、中から人魚のような者が姿を見せた。

    「え、人魚…?」

    耳のある部分にはエラがついた美少女、だが下半身には尾びれではなく何頭もの犬が口を開けていた。

    「スキュラ…」

    隣にいたマリアと京香が口をそろえて言う。
    スキュラって…
    何だ?

    「まぁ、中の上ってとこかしら。ね、アフロディーテ」

    どこかで聞いたことあるような名に対し、問いかけるマリア。
    その目線をたどる。

    その先には布一枚を纏った美女が立っていた。

    「(ビクッ)」

    見覚えのない人物に驚き、後ずさりをしたところ何かにぶつかった。

    「わっ、すみません…」

    振り向くと、弓を片手に髪をまとめた女性が立っている。

    「だ、誰ですか―!!」
    「アルテミス。私のパートナー」

    素っ気なく京香が紹介すると、アルテミスとやらは私に向かって一礼した。
    主人と違って礼儀正しい…

    辺りを見回すと、皆パートナーらしきものを連れている。

    「次、ユリアさんですわよ?」

    慌てていた私はその言葉で我に返り、魔方陣に足を踏み入れた。
  • 51 時雨前線 id:V9CjNIK/

    2012-09-16(日) 10:12:44 [削除依頼]
    「ふぅ…」

    一呼吸置いて、手をゆっくりと地につける。

    「……」

    辺りは先ほどと変わらず、静まり返り何かが起こる様子は全くもって見て取れない。
    その様子にその場にいる者たちがざわつく。

    「どういうことだ?」

    焦った表情の京香の隣でフッとマリアは笑みを浮かべた。

    「1位通過とおっしゃってましたけど、召喚自体できないのではないのですか?」
    「なっ…」
    「教官から聞きましたけど、水晶割ったそうじゃないですか」

    マリアの言葉に、数日前受けた試験が思い返される。
    確かに、力量を測る前に破壊してしまったから、実際私に力があるかなど分からない。

    「無様ですわね、全く。召喚が終われば…2人には戦ってもらおうと思っていましたけど」

    ちらっとリイラに目を向け、再び向き直る。
    中止、ということなのだろうか?

    「リイラさんの一方的なものになってしまいますね」

    不敵な笑みを浮かべたマリアの目は笑っていなかった。

    「な…!待て!そんなことしたら…下手したら死ぬぞ!」
    「これはしきたりです。それにここで死ねば戦場で生きていけるはずもないじゃない。死ぬのは運命なのよ?」

    驚いた顔をした残りの者たちを余所に、マリアはリイラに向かっていった。

    「さぁ、リイラさん。思う存分やってしまいなさい」
  • 52 時雨前線 id:V9CjNIK/

    2012-09-16(日) 10:24:36 [削除依頼]
    「で、でも…」

    「もう彼女は仲間なんかじゃない。敵よ?あなたがやらないなら私からスキュラに命を下すわ」
    「待ってください!」

    リイラはマリアを制止し、自分のパートナーであるスキュラを見つめて小さくつぶやいた。

    「ユリアを…倒して」

    リイラ…?
    その眼は決して私を見つめんとしている。
    友情なんてものは儚すぎる。

    しかし、そんな呑気なことを考えている暇など全くなかった。
    スキュラが猛スピードで私に向かってきていたからだった。

    「させるか…アルテミス!」
    「了解」

    スキュラの吐き出した水に向かって矢を放つアルテミス。
    それによって四方八方に飛び散った水が地面へと降り注いだ。

    ジュウゥウゥゥ

    煙を立て、黒く地面に跡を残していく水滴。酸だった。
    こんなものを浴びては一溜りもない。

    「邪魔はさせませんわ」

    マリアの一言で飛び出したアフロディーテによってアルテミスは体の自由を失った。

    私への助けは途絶えた。
    ここからどう逃げろというのだ?

    もう一度吐き出された酸から逃げる術など私にはなかった。
    飛散した水滴をもろに浴び、体のいたるところに赤いやけどが出来る。

    「あっつ…」

    首元に水が飛んだ瞬間だった。

    ブチッ

    何か金属の切れる音と共に地面にあるものが投げ出された。
    ペンダントだった。
  • 53 時雨前線 id:V9CjNIK/

    2012-09-16(日) 10:37:53 [削除依頼]
    「あ!」

    手を伸ばすのと、スキュラが手にした銛(もり)が飛んでくるのはほぼ同時だった。
    私、死ぬのかな―
    直観的にそう思った。

    だが、ペンダントトップの赤い石に触れた瞬間だった。

    先ほどとは比べものにならない程の地から鳴り響く轟音と、すさまじく炸裂する光。
    驚く一同を包み込む。

    「なんなの!?」

    突風が吹いたかと思うと、辺り一面砂ぼこりに見舞われた

    ズーン

    地を揺らす音の主が砂ぼこりの中に影として現れる。
    体長十数メートルはありそうだった。

    少しずつ空気が澄み、開けてくる視界。
    ふと聞き覚えのある声を聴いた。

    『やっと見つけてくれたんだ』

    傷ついた体を起こし、上を見上げた。
    私が言葉を発する前に京香の口から言葉が漏れた。

    「龍…?」

    真っ赤な図体に立派に伸びた2本の角、黒と赤で彩られた翼をゆっくりと揺らす度に小さなつむじ風が起こる。
    紛れもなく、目の前にいたのは真っ赤なドラゴンだった。

    「ユリア、見つけるのが遅い!危うく命を落とすところだったぞ」

    赤いドラゴンが右の拳を拡げると、グシャグシャに折れ曲がった銛が地面に落ちてきた。

    「…誰なの?」

    「お前のパートナー。火炎竜・ベテルギウスだ」
  • 54 時雨前線 id:9MrP98r0

    2012-09-23(日) 00:37:42 [削除依頼]
    お久しぶりの更新です(-_-)

    時雨、体育大会の応援合戦やらえげつない量の課題やらに毎度追われておりますww
    高校生活に青春なんて文字はないんですね、はい。

    気まま過ぎる作者にどうか愛想尽かさないでください(泣)

    てことで更新しまーす\(^o^)/
  • 55 時雨前線 id:9MrP98r0

    2012-09-23(日) 00:49:11 [削除依頼]
    「ベテルギウス…」

    噛みしめるようにゆっくりとその名を呼ぶ。
    大きな翼竜は満足げに私を見下ろし、ゆっくりと身をかがめて手を差し伸べた。

    「来い、わが主」

    自分の体の何倍もあるであろうその手に身を委ね、高らかと持ち上げられた。
    見下ろせば呆気にとられた皆が口をぽかんと開けている。

    「ユリアの命を狙った罪は重い、覚悟しろ」

    そう言い放ったベテルギウスは、リイラの相棒であるスキュラに向かって真っ赤な火炎を吐きだした。

    「あぁぁぁぁぁぁ!!」

    悲痛な叫び声と共にその場に倒れこむスキュラ。
    その傍に駆け寄るリイラ。今にも泣きそうだった。

    胸が痛くなる―

    「な、なんですの!これは一体!!どういうことなの…」
    「つまりはそういうことだ」
    「だから…」
    「分からない奴らはひっこんどけ」

    半分取り乱したマリアを押さえつけた京夜、もとい京香は酷く冷静だった。
    まるで自分が何をすべきかすべて悟っているように。

    あなたの目には何が見えているのですか?

    「ユリア、下ろすよ」

    赤い龍の言葉によって私は我に返った。
    ゆっくりと地に足をつけると、その場にあったのは

    驚きの目、冷静な目、そしてリイラの怒りを湛えた目。
  • 56 時雨前線 id:9MrP98r0

    2012-09-23(日) 01:05:00 [削除依頼]
    「リイラ…」

    そう小さくつぶやいた私は駆け寄ろうとした。
    だが、それは制止される。

    「ユリア、やめるんだ」

    ベテルギウスは悲しそうな瞳をして私を見つめた。
    何となく悟った。

    あぁ、元の関係には戻れないんだね?

    うっという嗚咽を漏らして泣き崩れるリイラの傍へ、おぼつかない足でマリアが近寄る。

    「いつまで泣いているつもり?それは死んでない、傷をいやせばなんてことないんですのよ」
    「マリア…先輩…」

    「気安く名前を呼ばないでちょうだい、力もないくせに!あなたはただの駒。あぁやっぱり神崎さんがこればよかったのよ!負け犬なんていりませんわ!!」

    リイラは眼を見開き、先輩の言葉が嘘であると願った。
    しかし、マリアの態度は嘘ではなかった。

    「ほら、皆行きますわよ。敗北だなんて汚名だわ!早く立ち去りたいわ」

    くるっと背を向け、長い髪をなびかせながら自らの寮へ歩き出すマリア。
    他の幹部たちも無言で彼女の後をついて行く。

    その場に残ったホワイトペガサスのメンバーと私とリイラ。

    沈黙が流れた。

    「…り、リイラ」

    ふいに息も絶え絶えだったスキュラがリイラの名前を呼ぶ。

    「少しばかり体を休めてくる、必要なときにまた呼べ」

    そうとだけ言い残すとゆっくりと姿を消していった。
    死んでなかったという安心感と共に、リイラに対しどう接しようかという不安があふれ出てきた。

    「リイラ、あのね」
    「ユリア……」

    顔を俯かせた彼女の表情は一切読み取れないが、声は怒りに震えている様だった。

    「いっつもそう…あんたは人の邪魔ばっか!!なんで?なんであんたなの?私の方がずっと努力してるのに!二度とその顔を見せるな!!」

    予想外の親友からの言葉。
    けれど涙は出なかった。

    いや、寧ろ嬉しかったのかもしれない。
    嫉妬心や心の醜い部分を持っていたのは私だけじゃないと分かって。

    そこには達観している私がいた。
  • 57 かなこ id:0YFrceu/

    2012-09-23(日) 01:08:14 [削除依頼]
    おっ更新されてる。

    これからもがんばってください
  • 58 時雨前線 id:9MrP98r0

    2012-09-23(日) 01:18:32 [削除依頼]
    「ユリア、来い。お前たちも行くぞ…連れて行きたいところがある」

    再び泣き崩れるリイラを余所に京香は私の手を引いた。

    「あ、待って…ベテルギウスは…」

    振り返ると大きなあの龍の姿はなく、どこまでも続く草原が広がっているだけだった。
    ふいに足元から声が聞こえた。

    「俺ならここだぞ?」

    え…?

    「可愛い!!」
    「わっちっさい」

    クレアたちの声に伴い、足元に目線を移すと、手のひらサイズの小さなドラゴンが、ぱたぱたとこれまた小さな翼を動かしていた。

    「俺力使わないときはこれだから、よろしくね。ってことで肩に乗せて」

    そうせがまれ、ベテルギウスを肩に乗せる。
    本人は満足げに笑みを浮かべていた。
    うん、小動物みたい。

    「行くぞ」

    自分の存在を忘れられていたのにむっとした京香はカツカツと先へ進んでいく。

    「ちょっと待ってよ!」
    「京香はやいー」

    そんな言葉は完全無視。
    私たち一行は京香の後ろに従いながらある建物の前までやってきた。

    「図書館?」
    「え、ここ図書館なんですか?」

    場所をあまり把握できていない私は、その建物が何なのかすら知らなかった。

    「入って適当に座っといて」

    京香の言葉に促され、広々とした図書館の一角に腰かけた。
    勉強をしている生徒や寝ている生徒が数人、静かな空間だった。

    ほどなくして、京香が何やら古そうな本を片手に私たちのところへ戻ってきた。

    「なに、その本?」
    「見ればわかる」

    赤く分厚い表紙は所々黒ずみ、ゆっくりとページをめくると独特の匂いが鼻を覆った。
    京香のページをめくる手が止まり、書いてある字に目を向ける。

    『龍神の姫』

    タイトルにはそう書いてあった。
  • 59 時雨前線 id:9MrP98r0

    2012-09-23(日) 01:19:48 [削除依頼]
    >57 わわっかなこさん初めまして! 見てくれている方がいてホント嬉しいです!! 中々更新できないかもしれませんが、頑張ります!!
  • 60 時雨前線 id:9MrP98r0

    2012-09-23(日) 01:34:57 [削除依頼]
    「龍神の姫?」

    龍神の姫とは、この世のあらゆる龍たちを従えることのできる者。
    スペサルティンにおいて、龍たちは鉱脈にその魂を宿すとされている。
    その龍たちを鉱物に触れることで具現化させることが出来るのが龍神の姫の力である。

    姫は中立の立場に立っており、善にも悪にも染まる。
    彼女の力は何よりも強大であり脅威なのだ。
    1000年に1度生まれるという彼女の魂は何よりも尊く、誇り高き存在であるとされている。


    本にはざっとこのようなことが書いてあった。
    たった1ページぐらいであったが。

    「で、何が言いたいの?」

    意味を理解していない私は首を傾げて問いただす。

    「つまりユリアが龍神の姫ってやつって言いたいんでしょ?」
    「あぁ。まだ確定ではないが」

    話がよく呑み込めない。
    私が龍神の姫?

    「いいか、ユリア」

    はぁとため息をつき、京香はこちらを向き直る。

    「お前は龍神の姫の可能性があるんだ。力こそあるものの自分を貫かなければすぐに飲み込まれる。周りに惑わされるな、自分を信じろ」

    あれ…
    こんなこと誰かにも言われた気がする…

    「ていうか…凄いですね!!さっきといい、この話といい…ユリアさん最強じゃないですか」
    「ほんと!!」

    ナタリーとルイザが目を輝かせて私に詰め寄る。
    凄いと言われてもなぁ…

    「ナタリー、ルイザ、ここは図書館だ。静かにしろ…
     それに夜から会議をするからもう帰るぞ」

    彼女の言葉を皮切りに、私たちは図書館を後にした。

    未だに自分の置かれている状況が理解できていない。

    「ねぇベテルギウス、私って凄いの?」
    「んー?よくわかんないけど、俺を見つけ出したんは凄いんじゃね?」

    あやふやな回答。
    聞いたのが間違いだったかもしれない。
  • 61 時雨前線 id:9MrP98r0

    2012-09-23(日) 01:51:14 [削除依頼]
    寮の部屋に戻ると、京香はかつらを取り去り、服を脱ぎ始めた。

    「わっ!ちょ、京夜!!」

    上半身裸になった彼の姿を直視出来る訳もなく、顔をそむける。

    「何?」
    「だからっその…急に着替えないで…」

    は?というような顔つきをした彼は続けざまに言う。

    「だって一緒にいるんだから仕方ないだろ」
    「なんで男と一緒なのよ!」

    「教えてやる」

    小さく呟いた彼は私の方へじりじりと寄ってくる。
    それに比例するように私も後ずさるが、後ろは壁。
    一行に彼は足を止める気配を見せず、更に近づいてくる。

    トン。

    壁に手をつかれ、私は壁と京夜に挟まれ、身動きが取れない状態。

    「な、何!?」

    顔に息がかかるくらいの距離。
    整った顔立ちの彼に見つめられ、心臓の鼓動が早くなる。
    耐えられなくなった私は思わず目を瞑った。

    「ユリア…」

    いつもの声より一段と低く私の名を呼ぶ声にビクリと反応する。
    ゆっくりと顔をあげると、彼の大きな手が私の頬をそっと撫でた。

    「!!?」

    自分の頬が紅潮していくことがわかる。

    「俺は、龍神の姫を守る責任がある。だから、お前がもしそうば命を懸けてでもお前を守る」

    そんな言葉にドキッとする。

    「わかったか?俺はお前と一緒にいなければならない運命なんだ」

    やめて…
    そんな風にささやかないで…

    こくりと赤くした顔を頷かせ、彼の顔を再び見返す。
    フッと浮かべた微笑みに、もっと顔が赤くなる。

    駄目。
    心臓の音がおさまらない…

    ねぇ…
    これって…
  • 62 かなこ id:0YFrceu/

    2012-09-23(日) 01:57:13 [削除依頼]
    おおー。
    まさかwwwww
  • 63 李沙 id:af/h0yU.

    2012-09-23(日) 07:45:34 [削除依頼]
    お久しぶりです!
    高校生だったの!?
    タメで言ってゴメンなさい><
    (ありゃ、今もタメか・・・・。)

    龍神の姫君が、ユリアちゃんだね。絶対。
    ぺテルギウスさん、可愛いww&かっこいい!!
    小さくなった姿見たかった・・・・。
    私、龍好きだからww(///・v・///)ww
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