八つ色季節10コメント

1 まるに id:LHHneW0.

2012-08-23(木) 13:16:09 [削除依頼]

『空、飛びたいなあ。』

木下空音は思う。

自由に飛び回りたい。
高いビルよりももっともっと高く飛んで
この街を眺めてみたい。


彼女は高校二年生。
近くの高校へ通う、高校二年生。

彼女は鳥の翼をもつ家系に生まれた高校二年生。
  • 2 ふわふわ id:uozFpn31

    2012-08-23(木) 13:19:30 [削除依頼]
    おおっ
    また素晴らしい小説ができそうだぞっ

    木下家の設定が私には考えられないっ?
    頑張ってくださいね。
  • 3 まるに id:LHHneW0.

    2012-08-23(木) 13:30:06 [削除依頼]

    遠い遠い 遠い昔。

    私の先祖に翼が生えた者が生まれた。
    その翼はまるで
    シロサギのように綺麗だったという。

    それ以来、私の家系には時々翼の生える者が生まれた。

    私もその一人だ。

    小さいころはまだ、翼の出し入れが上手くいかなくて
    隠れて育った。
    もちろん、私の家系は翼の生えることを、隠して生きてきた。

    他人に知られれば

    化け物と言われ
    侮蔑され

    大切だと思っていた人まで
    裏切ってしまうだろうと。


    だから私も
    ずっと、ずっとずっと。
    そのことを隠して生きてきた。

    小学校の頃、よく遊んだみっちゃんにも
    中学の頃、好きになった高橋先輩にも
    今だって、誰にも言ってない。
    これからだって、言わないままだろう。
  • 4 まるに id:LHHneW0.

    2012-08-23(木) 13:42:59 [削除依頼]

    白い眩しい太陽が、
    じりじりと照りつける。夏。

    私と友達のよーこは文化祭の準備へと学校へ行く。

    『もー空音!!聞いてんのお?』

    『んー。聞いてる聞いてる。』
    よーこに対する返事も少しめんどくさくなってきた。

    夏休みに入って、もう後半である。
    宿題は一切手を付けてないし、友達の遊びも
    面倒で断ったりした。

    最近は家でずっとごろごろしてるか、
    文化祭の準備。

    もしかしたら、青春を謳歌するエネルギーなんて
    とっくのとうに切れてしまったのかもしれない。


    よーこの元気な声と、私の無気力な返事を繰り返すうち、
    やっと教室についた。
  • 5 まるに id:LHHneW0.

    2012-08-23(木) 14:07:31 [削除依頼]

    教室にはすでに数人の人が
    段ボールを切ったり、くっつけたりしていた。

    その中には友達のまりかとゆうかとよっちゃんがいた。

    『やほー』『遅いよー』というまりかとゆうかの声を無視して
    よーこがよっちゃんに抱きついた。

    『よっちゃーん!おひさー!』

    ぽかんとするまりかにゆうこ。
    他の人もびっくりしていた。

    もちろんあたしも口を開けたまんま。

    照れ笑いするよっちゃんを立ち上がらせてよーこは言った。

    『今日は皆さんにお知らせがありまーす!
    よーここと橋本葉子と、よっちゃんこと、谷洋介は付き合うことに
    なりました!!』

    驚くまりか。口に手をあてるゆうか。
    騒ぐ教室。嬉しそうなよーこ。赤い顔のよっちゃん。

    そんな中、私は独り取り残されたような、
    少し冷めた感情に浸ってた。

    形だけの『あめでとう!』と驚きの表情をして
    心の中で『空、飛びたいなあ』とつぶやいていた。

    その日はよーこの話題で持ちきりで、準備は全く進まなかった。
  • 6 まるに id:LHHneW0.

    2012-08-23(木) 14:59:01 [削除依頼]

    帰り道は
    よーこはよっちゃんと二人で帰った。

    私はゆうかと一緒に。

    『今日はびっくりだったね〜』
    『うん』
    なんて会話をしていた。

    人気のあまりない、小さな道に入ると
    ゆうかは突然泣きだした。


    さっきの返事からして、大体理由はわかってた。

    『私だって。。。私だって、好きだったのに。
    よっちゃんのこと。私が一番好きだったのに。』


    目をはらして、嗚咽を漏らして泣くゆうか。
    こげ茶に染めた髪と赤いピアスが妙にうらやましくなった。


    大丈夫。とゆうかに繰り返しながら、私は別れた。
    やっぱりそんな中でも
    『空、飛びたい』という言葉がぐるぐるしていた。


    家に着くと、誰もいない。

    駆け足で、自分の部屋に行き、クーラーをつけて
    水筒の中身を飲み干した。

    風鈴の音が心地よく響く。

    『ふう』


    大分、火照った体が冷まされた。


    ポロシャツを脱いだ。

    紺色のスカートに、上はブラだけ。

    『よし。』椅子から離れる。


    顔を少し上にむけ、
    目の奥底と背中に意識を集中する。


    ズズズズ、、


    ズズズズ、、


    バサッ


    『前より、大きくなったみたい。。』

    白くて白くて
    羽の先が足まで届く。私の翼。

    黒髪に、白い肌、長い睫に、整った顔。
    そして、大きな白い翼。


    良く知ってる。
    ちゃんとわかってる。

    この翼がある以上、ろくに恋愛できないって。


    『わかってるよ。。。。。』


    私は静かにつぶやいた。

    私の翼は、飛びたそうにうずうずしていた。
  • 7 *玲乃*【mai】  id:IzT53XH/

    2012-08-23(木) 15:21:20 [削除依頼]

    初めまして!玲乃です!!

    私実は…隠れ読者なんです!

    私の事は玲乃と呼んでください!

    私は「まるちゃん」と呼んでもいいですか?
  • 8 まるに id:3.i8TmL/

    2012-08-24(金) 07:54:30 [削除依頼]
    無視してしまってごめんなさい!
    OKですよー!
  • 9 まるに id:3.i8TmL/

    2012-08-24(金) 08:00:10 [削除依頼]



    『そうだっ!』

    急いで引き出しからジーンズ生地の短パンと
    半袖のシャツを引っ張り出して

    着替えた。

    財布と鍵と 携帯を持って

    家を飛び出た。
  • 10 まるに id:3.i8TmL/

    2012-08-24(金) 08:17:52 [削除依頼]

    自転車で向かう場所は古びた公園の近くにある、

    コンクリートでできた灰色の塔。

    あの塔ならきっと町を見下ろせる。
    飛ぶことはできないけど、きっとモヤモヤした気持ちも晴れるかもしれない。


    漕いで漕いで漕ぎまくると塔はもう目の前に出た。

    案外近かったようだ。


    自転車を止めて、塔に向かう。

    塔は私が思うほど高くはなかった。
    でもそれでもいい。

    周りは公園やら林やらで木々がうっそうとしていた。

    でも心地いい風が吹き、涼しさが増した。


    不意に聞こえた。ハーモニカの音。
    塔の中からだ。

    何だ人がいたのか。

    うっそうとした木々の中の人気のないひび割れた灰色の塔。
    何故かそこに幻想的なものを感じていたのに

    人がいると思うと現実感がでて、がっくりした。


    でも、誰が吹いてるんだろう。

    何の曲かわからない。
    でも、どこかで聞いたことのあるような
    そんな感じ。

    塔の入り口をのぞいてみた。

    見つからないように。見つからないように。
    メロディーを途切れさせないように。

    薄暗いひやりとした空気。
    いくつもの小さな小窓から漏れる光。
    見上げるとどこまでも続く螺旋階段。
    土埃のような独特のにおい。

    それらすべてが私を幻想の世界へまた引き込んだ。

    『うわあ!き、木下?』
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