クロックハイム10コメント

1 チィシャ猫 id:POI4cyG.

2012-08-20(月) 19:05:12 [削除依頼]
例えば、この世界が、あなたの人生が苦い苦いコーヒーだとして、
あなたはまやかしという名の甘い甘い角砂糖を一体何個入れれば、
あなたは幸せに、裕福に、何の心配もなく生きることができるのでしょう?
  • 2 チィシャ猫 id:POI4cyG.

    2012-08-20(月) 19:34:10 [削除依頼]
    0.幻の天才
     さて、貴方の答えはどうでしょう?
    美しきリィチアは自分に苦く、
    可愛いローテリアは自分に甘く、
    美麗なシリウスは自分にほどよい甘さを与え、
    気障なウィスタカは苦さを受け入れず、
    誰も答えられなかったこの問いの答えを、
    貴方は見つけられたのでしょうか?

     小さな小さな古ぼけた喫茶店で、女性はからかうように、ふふっ、と笑った。
    カチャ、ンと度々響く音は、喫茶店にいる先程女性が問いかけた男のものだ。
    男は白いポーンを左手に持ちながら、少し思案しているようだった。
    その思考は彼女の問いについてか、はたまた今のチェスの戦局についてかは、彼にしか分からない謎である。
    「……実につまらない問いをする女だな、君も」
    男はそう言いながら、カチャ、ンと白のポーンをチェス板へと置く。
    女性は少し驚いたようで、一瞬目を見開いた後、彼にどうして? と興味深そうに問いかけた。
    彼は唇の端を少しあげて言う。
    「言葉の通りだ。その質問はつまらない」
    女性は近くにあったコーヒーを手に取った。すると水面がゆらゆらと揺れて、その後に彼女の顔を映し出す。
    長い栗色の髪にアイスブルーの瞳。
    それが彼女の特徴だった。
    「分からない人ね、クロック公。私はそれはどうしてと聞いているのよ?」
    彼は次に黒のナイトへと手を向ける。
    この人は真面目なのか、どうなのか分からないわ、と女性は心の中で思った。
    「その質問は答えるまでもないからだ」
    あら、と彼女は彼へと顔を向けた。
    短めの茶髪、銀色に近い瞳。
    それと少し無邪気な子供のような顔を見て、彼女は頬を緩ました。
    「なら、クロック公、貴方の答えは?」
  • 3 和奏* id:w/ZOPzg.

    2012-08-20(月) 19:37:41 [削除依頼]

     もう題名から最初の文から
     なにからなにまでおもしろいです!!@


     こういう系大好きなので迷惑でも
     毎回チェックしてこめんとしますね((
  • 4 チィシャ猫 id:POI4cyG.

    2012-08-20(月) 20:00:43 [削除依頼]
     彼はその言葉にそれまで優雅に動かしていた手を止めた。それからひとつ小さなため息をして、彼女の方へと顔を向けた。
    なにやら少し不満そうだ。
    もう立派な大人だというのに、なぜこんなに彼はかわいらしいのだろう、と彼女は思っていた。
    「君にその呼び方で呼ばれるのは、気に入らない」
    彼女はそれを聞いて、思わず笑いを漏らした。
    それを見て、彼はもっと眉間にしわを寄せる。
    彼女はひとしきり笑った後、彼のしわのたまった眉間を人差し指で押した。
    「いいでしょう? 私はもうあなたの特別な人でもなんでもないのだから、ねぇ、クロック公」
    彼は彼女の指を退けて、はぁ、ともう一度ため息をついた。
    もうすでにチェス板を見つめているところを見ると、この話に見切りをつけたらしい。
    彼女はコーヒーを口に含めると、それをゆっくりと置いて、彼を見つめた。
    「苦いわね……」
    彼はふっ、と笑って、君は甘いのが好きか、と聞いてくる。
    もちろん彼女は苦いのより、甘い方が好きだが、彼が言っているのはさっきの質問についてだろう。
    だから彼女はどうでしょうね、と曖昧に答えを返した。
    「貴方はどうなの?」
    カチャ、ンと黒のナイトを置くのと同時に彼は言葉を発した。
    「そうだな……私はーー」
    彼女はその言葉を聞いて、言葉を失った。
    そうそれは紛れもなく答えで。
    彼女が動揺を隠せなかったのも、無理はなかった。
    「ああ、それと私は酸っぱいのが好きだ」
    至極当然のように彼はそう付け足したのを聞いて、彼女はそんなことを口に出す彼に少し苦笑した。彼にとってこんな下らない問いは、本当につまらないものなのだと。
    レモンパイはお好きかしら? と聞くと、彼も苦笑してうなずいた。
    気が向いたら作ってあげるわ、と彼女は笑って言って、飲みかけのコーヒーに口をつける。
    「……苦いわ」
    彼女は彼に聞こえないくらいの小声でそう呟いた。
    彼はチャス板を眺めてクスリ、と笑った。まるで犯人を見つけた探偵のように。
    カチャ、ンと彼がその手を動かせば、見とれてしまうのも無理はないのかもしれない。
    「チェックメイトだ」
    たとえその声がひどく冷たいものだとしても。
    彼女と彼の関係も、その質問も、そのチェスでさえも。
    ここで終わりを迎えたのだった。
    後に人々に幻の天才と呼ばれる彼によって。

    そして、その質問の答えは彼女と彼だけにあり、その他の人々には謎のまま……
    そして全てが終わり、壁に飾られた古い時計も、その秒針を震わせて止まった。
  • 5 チィシャ猫 id:POI4cyG.

    2012-08-20(月) 20:02:48 [削除依頼]
    >3 いえいえ、迷惑なんてそんなことないです。 むしろチィシャ的にかなり嬉しいっです!
  • 6 チィシャ猫 id:SKIsZft0

    2012-08-23(木) 20:16:03 [削除依頼]
    >4  そして、その数日後、クロック公こと『クロックハイム』は謎の死を遂げる。 ひとりでひっそりと誰も通らないであろう裏通りで。 その謎を解き明かせた者は誰ひとりとしていないと言われている……
  • 7 リラックマ id:loEls0a/

    2012-08-23(木) 20:44:20 [削除依頼]
    なんか謎めいてて素敵ですね!
    こういうオシャレな文章書けるって凄いです♪
    あ、勝手に入ってきてスイマセン。
    以後、よろしくお願いします!
  • 8 チィシャ猫 id:ugz28TL/

    2012-09-02(日) 09:18:55 [削除依頼]
    >7 お返事遅れてすみません こちらこそよろしくお願いします!
  • 9 チィシャ猫 id:zPgrufQ/

    2012-09-06(木) 20:41:20 [削除依頼]
    1.外れた転校生
     季節外れの転校生。そう聞けば生徒達は目の色を変えて喜ぶのだろうけども。
    高校一年生の夏休み明けの転校生なんて、明らかに何かやらかしたとしか思えない。
    それに……問題児クラス、1年E組への編入だなんて、もっと怪しい。
    時蝶高校1年E組の担任、長谷川 恵【はせがわ めぐむ】は、そんなことを思考して、ひとつ小さなため息をついた。
    どうか、どうか問題を起こさない普通の子でありますように!
    なんて願っている地点で、普通とは違うのだが。
    彼女はそれには気づかないらしい。
    とにかく生徒達には喜ばしいことであっても、彼女にとっては普通の人よりも多い悩みの原因のひとつになっていた。
  • 10 チィシャ猫 id:zPgrufQ/

    2012-09-06(木) 20:46:35 [削除依頼]
    おお、久しぶりの更新……
    更新停滞させてたからなぁ……
    でも短いね。読みにくいし……
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