平安恋絵巻38コメント

1 桃華 id:UdPHCR90

2012-08-16(木) 15:42:43 [削除依頼]
「東宮様…っ 行かないで、東宮様っ」

「恋姫、泣かないでくれ。
 そなたの笑顔が、私の何よりの支えなのだ」

「東宮様…」

「最後にもう一度だけ、名前で呼んで貰えぬか?
 …呼んでくれ、稜と…」

「稜様…」

「…ありがとう、恋姫。
 優しき私の許婚よ…」

「東宮様…っ」
  • 19 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 08:45:35 [削除依頼]
    「東宮様…」

    この方々は…、東宮様に御仕えする方々…?

    「と、とんだ無礼を致しました事を、御許し下さい…」

    私は最敬礼の形をとる。

    「まったくだ」

    「!!」

    「たかが”元”右大臣家の娘が、東宮家に仕える人間に対してその様な振る舞いをするとは…」

    ズキッ

    「も、申し訳…」

    「攘夷ノ家も落ちぶれたものだな」

    え…
    今、何て……?

    私は思わず、東宮様を凝視してしまう。

    「…なんだ?事実を言ったまでだろう。
     それとも、まだ攘夷ノ家が現右大臣家と筆答する力を持っていると思われか?
     …朝廷もなめられたものだ。こんな家にそう思われてしまうとは」

    パアンッ

    ドサッ

    「な、なにを…!!」

    「今の御言葉、取り消して頂きたい!!」

    「な…っ」

    「私の事はどう思われようが、どう言われようが構いません。
     しかし、我が攘夷ノ家の事は侮辱しないで下さいませ…!
     それは例え貴方様…、東宮様と言えども、私は許しませんわ!!」

    「……」

    「れ、恋姫様っ」

    ハッ

    私…、今何を…?

    「…俺を殴ったな?」

    「あ…」

    「もう良い。婚約は解消だ。早急に荷物を纏め、明日までに此処を出て行け」

    「と、東宮様っ
     お許し下さいませ…、私…!!」

    私は、東宮様の手を掴む。
    すると、

    バッ

    「俺に触るな……!!」

    と、叩かれてしまった。

    「東宮様!東宮様!」

    追い掛けようとすると、御使者の方に止められてしまった。

    「東宮様…、東宮様…」

    視界が何かで滲む。

    「稜様ぁ…っ!!」
  • 20 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 09:56:34 [削除依頼]
    nansa♪≫

    作者もマジで何で?って感じよ 爆笑
  • 21 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 10:00:41 [削除依頼]
    「恋姫様。東宮様より、牛車を持って参りました」

    「有難う……」

    「早朝に出立致します。御早めに御支度下さい」

    「えぇ…」

    私…、何をやってしまったんだろう。
    あんなに待ち焦がれていた人。
    最悪な別れ方をしてしまった。

    もうきっと、朝廷でも目を合わせて下さらない。
    もうきっと、攘夷ノ家も終わってしまう。

    「ごめんなさい…」

    父上、母上。私のせいで、攘夷ノ家は……。

    スッ

    「姫様っ、何処に!?」

    「御散歩して来るわ…」

    私は、御邸の中庭へ出た。
  • 22 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 10:07:39 [削除依頼]
    パシャ…

    綺麗な湖。
    錦鯉達も、伸びやかに泳いでいる。

    まるで、人魚の様…。

    「正気か、東宮!」

    ビクッ

    な、何事…!?

    私は思わず、草陰に隠れた。

    「姫との婚約を破棄するなど…!帝の御意志に背く気か!!」

    「黙れ、これで良いのだ」

    私の事…?

    「恋姫は…!」

    「政治的立場で優位な所に立っている御方、だろ」

    「ならば、何故…!!」

    え…!?
    私が…政治的立場で優位…?

    「即刻婚約を再成立させ、姫と夫婦になられよ!!」

    「俺はーーーーーーーーーー」

    なに?東宮様の御言葉が聞こえない……。

    私は思わず身を乗り出す。
    その時

    ガサッ

    「きゃああああああああああああああああああああっ」
  • 23 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 10:13:52 [削除依頼]
       *稜*

    「正気か、東宮!」

    うげっ。

    「姫との婚約を破棄するなど…!帝の御意志に背く気か!!」

    「黙れ、これで良いのだ」

    全く、こいつも口が減らないものだ。
    帝直属の部下とはいえ、俺より立場は低いというのに…。

    「恋姫は…!」

    「政治的立場で優位な所に立っている御方、だろ」

    幼い頃から、何回も聞いてきた単語。

    「ならば、何故…!!」

    ”何故”?そんなの、決まっているだろう。

    「即刻婚約を再成立させ、姫と夫婦になられよ!!」

    「俺は、姫を無粋な政治に巻き込みたくないのだ」

    「っ…」

    奴が言い返そうとした時。

    「きゃああああああああああああああああああああっ」

    姫の悲鳴が聞こえた。

    「何事だっ」

    俺はそれに答えず、中庭に降りて行く。

    草陰の傍で、光る物を見つけた。

    「これは……!!」

    幼き頃。…まだ、俺と姫が交流を交わしていた時、俺が姫に渡した髪飾りだった。
  • 24 nansa♪ id:mjIzm7J1

    2012-08-17(金) 10:15:00 [削除依頼]
    何で何で??
  • 25 nansa♪ id:mjIzm7J1

    2012-08-17(金) 10:16:47 [削除依頼]
    髪飾り…

    東宮様凄いいい人!
  • 26 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 10:19:49 [削除依頼]
      *10年前*

    『ひっく ひっく』

    『姫!どうなされたのだ?』

    『稜様…、父様と母様が…』

    俺が京に戻っている間、姫の御両親が病で床に伏せたのだ。

    『泣かないで、姫…』

    『稜様…ぁっ』

    姫は、俺の胸に顔を埋める。

    『うっ うっ』

    『…姫、これを』

    『……髪飾り?』

    『はい。姫の御生誕祝いです』

    『綺麗…』

    やっと、姫が笑った。

    『姫、貴女は俺が守ります』

    『え?』

    『一生、俺が貴女を守ります。
     だから、泣かないで…』

    『稜様…』

    姫は驚いた顔をした。
    けれど、すぐに笑顔になった。

    『約束ですよ……』

    俺達は、小指を絡めて約束をした。
  • 27 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 10:20:34 [削除依頼]
    nansa♪≫

    ほんとになんで〜??

    稜「褒め言葉として受け取っておく」
  • 28 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 10:26:16 [削除依頼]
      *現代*

    「…まだ、持っていたのか」

    てっきり、捨てた物かと思っていた。

    俺は、こっそりと用意していた乳白石の腕輪を握る。

    「姫……!」


      *恋姫*

    「成功だ!」

    「お前が恋姫か」

    「誰ですか、貴方達は!」

    「誰だっていいだろ?姫さんよぉ」

    「それより自分の身の危険の方を心配をしろ」

    「な…っ」

    ピト

    「いつだって、この身体に傷をつけられるのだぞ?」

    「……」

    「賢明な判断だ」

    「お前達の狙いは、東宮様か!それとも…、私の政治の立場か!」

    「両方だよ」

    「!?」

    「お前で東宮を釣って、政治的に優位な立場にする。それが主の御命令だ」

    「悪質な…っ」
  • 29 nansa♪ id:mjIzm7J1

    2012-08-17(金) 10:50:45 [削除依頼]
    >27もちろん褒め言葉ですとも!
  • 30 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 15:51:50 [削除依頼]
    nansa♪≫

    稜「そうか。…感謝する」
  • 31 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 15:56:32 [削除依頼]
    「悪質で結構だ」

    「そうですか。…ですが、残念ですわね」

    「なに?」

    「私は、東宮様と婚約を解消しましたわ。
     もう、私達はただの貴族同士。…私で東宮様を脅した所で、何の得にもならなくてよ」

    「な…っ」

    「ならば、お前だけでも連れ帰るまでだ」

    バッ

    「…っ」

    パアン

    「無礼者!気安く触るでない!!」

    「ふざけんな、てめぇっ!!」

    バシッ

    「あっ」

    「おい、顔に傷はつけるな」

    「分かっている・・・」

    このまま、挑発し続けよう。
    そうすれば、いずれ…

    ガタンッ

    「!!?」

    「何事だ!!」

    「い、いきなり馬が…!」

    「馬?」

    「ひいっ」

    「如何した!?」

    牛使いの男が、悲鳴を上げる。
    賊が襲って来たの…!?

    「お、御許しを…」





             「東宮様!!」
  • 32 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 16:02:21 [削除依頼]
    「東宮…だと……!?」

    「うそ…」

    稜様…!?

    サァッ

    突風が吹き、牛車の御簾が捲れる。

    「あ……」

    稜様!!

    外には、馬に跨った稜様が居た。

    「東宮様!!何故…!?」

    「貴様ら、自分が何を仕出かしているか分かっているのか?」

    そう言って、稜様は冷酷な目で男達を見る。

    「と、東宮様…!!」

    「!! 恋姫?」

    「ど、どうかこの方々を御許し下さい…。
     この通り、私は怪我1つ在りません。貴方の代での御世の繁栄のためにも、ここはどうか…」

    このままでは、稜様がこの人達の首をはねそうだった。

    そんなところ、見たくはない。

    「どうか、穏便にお済ませ下さい。どうか、東宮様……」

    「…ふん。
     命拾いをしたな」

    「御許しになられるのですね!?」

    「攫われた本人がそう望んでいるのであれば、それに沿うのが礼儀だ」

    「有難う御座います…!!」
  • 33 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 16:08:42 [削除依頼]
    「処分は朝廷で行なう。
     …連れて行け」

    「はっ」

    稜様の御使者の方々が、男達を連れて行く。

    「と、東宮様…。有難う御座いました。
     その…救って頂いて」

    「……」

    「東宮様!この牛車はいかが致しましょう?」

    「朝廷へ運ぶ。
     …俺と恋姫を乗せてくれ」

    「はっ」

    「え!?」

    「…嫌か?」

    「い、いえ、そんな事は…!」

    何で!?私達、婚約は破棄したのに…!!





    カラカラ…

    「……」

    「……」

    しーん…

    か、会話が…っ!!

    「…恋姫」

    「は、はいっ」

    「……」

    スッ

    稜様が、無言で何かを差し出す。

    「これは…」

    幼い頃に稜様が送って下さった、髪飾り…!

    攫われた時に、落としてしまったのね…。

    「有難う御座います…!!」

    「…それがそんなに大切か?」
  • 34 桃華 id:RwSLpiI1

    2012-08-17(金) 16:33:03 [削除依頼]
    「え?」

    「それがそんなに大切かと聞いている」

    「は、はい。大切です。…とても」

    だって、これ以外に贈り物は無いから…。

    「安物がか?」

    「!! …確かに安物かもしれません。
     それでも、私にとってこれは、どんな高価な贈り物よりも価値の在る物です!」

    やってしまったーーー!!!!!
    贈って下さった本人の前で…!

    稜様に御無礼を申したの、これで2回目よ!!?

    「…そうか」

    「東宮様…?」

    なにか、寂しそう…?

    「あ…」

    キラッ

    東宮様の左手の中で、何かが光っているのが見えた。

    「!!」

    乳白石の腕輪…?

    「東宮様、それは…」

    「!!」

    稜様は、顔を真っ赤にして、”それ”を隠した。

    「今のって…、乳白石の腕輪…ですよね?」

    この時代、乳白石をあしらった飾り物は、殿方が姫君に婚約などの祝言に贈る物。

    一言で言うと、“愛“を形とした物.

    「私に…?」

    「っ…!! こ、これはただ…、帝が…」

    「有難う御座います!!わたくしっ、嬉しゅう御座います!」

    プイッ

    稜様は顔を背けた。

    「ふふっ」

    「なんだ?」

    「いいえ、何も在りません」

    照れる時や笑う時は、顔を背ける。
    中々抜けないんですのね。


        幼い頃の癖って。
  • 35 桃華 id:Et/51.F.

    2012-08-18(土) 12:18:05 [削除依頼]
    「…東宮様」

    「なんだ?」

    「先日は無礼な口を御聞きした事を、此処に深くお詫び申し上げます。
     本当に、失礼致しました」

    私は深く頭を下げる。

    「頭を上げろ」

    「……」

    私は何も言わずに、命令に従う。

    「その…なんだ、昨日の事に関しては俺にも非があったから…」

    「……?」

    稜様…?

    「…こ、婚約破棄を無かった事とする。
     だから…、俺の邸へ帰るぞ…」

    パアッ

    「東宮様…!
     有り難き幸せで御座います。深く感謝致します!!」
  • 36 nansa♪ id:nE5kfPc1

    2012-08-18(土) 12:24:13 [削除依頼]
    婚約成立だぁ!

    おめでとう
  • 37 桃華 id:2hl3Q3C.

    2012-08-21(火) 19:29:05 [削除依頼]
    nansa♪》

    恋姫「ありがとうございます♪」
  • 38 桃華 id:2hl3Q3C.

    2012-08-21(火) 19:36:52 [削除依頼]
     ー1週間後ー

    「恋姫、帝に挨拶に行くぞ」

    「えっ…」

    帝にご挨拶…!?
    ということは、稜様のお父様に…

    「どうした?」

    「な、なんでもないですわ、稜様っ」

    私は慌てて返事をする。

    あ、そうそう。
    稜様と呼ぶ事にお許しをいただきました?

    「くれぐれも失礼のないように」

    「仰せのままに」

    「期日は4日後だ。それまでに十二単の柄などを決めておくといい。
     布くらいなら俺が買う」

    稜様が……

    パアッ

    「ありがとうございます!」

    攘夷ノ家の、そして、稜様の名に恥じぬようにしなくちゃ…!!
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