遠近両用恋愛。20コメント

1 yukari id:fzYPpSF1

2012-08-05(日) 13:29:08 [削除依頼]
高校1年生の春。

何故か懐かしい、春。

桜吹雪が連れてきたみたいに、

恋はやってきた。
  • 2 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:30:49 [削除依頼]
    「中村愛(ナカムラアイ)です。
    宜しくお願いします」
    一言で読み上げると、高校最初の1日は
    難なく過ごせそうな気がした。
    はぁ、とため息をつきながら、呆然と
    皆の自己紹介を聞いていた。
  • 3 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:32:39 [削除依頼]
    はっきり言って、他の自己紹介など
    どうでもいいものだった。
    でも、ただ一人。
    私の耳に自己紹介の言葉を
    残す事が出来た人がいた。
    こんな自己紹介だった気がする。
    「八代圭介です。仲良くしてください」
  • 4 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:34:50 [削除依頼]
    何故か、この言葉だけはずっと
    脳内を反響し続けていた。
    その時には、もう遅かった。
    私は、この時既に彼が好きだった。
    何を好きになったとか、
    いつから好きになったとか、
    そんなものはどうでもよかった。
    ただ、運命を感じた。
  • 5 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:37:35 [削除依頼]
    私は、あるサイトで
    『藍』というハンドルネームで
    1年ほど前から詩を書いていた。
    その日の出来事を思うまま書く為、
    リアリティがある、と人気らしい。
    なので私は今日、恋詩を書いた。
    『なんでみんなスキじゃないのって思うくらい
    キミのことをスキになる。』
  • 6 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:39:22 [削除依頼]
    翌日

    「うわっ!?」
    サイトを開いた途端、驚いてしまった。
    今まで恋詩を書かなかったからだろうか。
    一晩で二千もの人がアクセスしていた。
    コメントは三百以上。
  • 7 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:41:46 [削除依頼]
    『藍が恋詩を書くなんてっ!
    内容もすごくキュンとしちゃった♪』
    『藍の詩は何を題材にしても最高!
    藍の詩はいつまでも大好き☆』
    「す、すごい…」
    恋詩の人気すごすぎっ!
    スキップで学校へ通い、
    ウキウキしながら教室をうろついていると…
  • 8 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:43:51 [削除依頼]
    「中村さん?」
    背後から名前を呼ばれた。
    「はい」
    と言いながら振り向くと、そこにいたのは―
    「ごめん、いきなり話しかけて。
    僕は八代圭介」
    「知ってますよ。自己紹介が
    一番最後だったので覚えてます」
    「ははっ、それは嬉しいな」
  • 9 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:45:27 [削除依頼]
    本当はそんなんじゃない。
    好きだからに決まっている。
    「僕、君とは仲良くできそうだと思って。
    友達になってくれるかな?」
    「勿論」
    向こうから友達になろうと言うとは…。
    よし、この出来事を後で詩にしよう!
  • 10 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:47:51 [削除依頼]
    その晩、家に帰ってもう一度サイトに接続すると
    アクセス数一万、コメント数二千まで増えていた。
    「恋詩恐るべし…」
    私は段々自信が持てるようになり、
    恋詩を書き続けた。
    勿論、題材なので圭介とは
    しょっちゅう遊んでいた。
  • 11 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:50:05 [削除依頼]
    そして、ある日の昼休み…
    「ねえねえ、藍の詩もう見た?」
    「全部見たし!もうサイコーだよね!」
    「男子にもそこそこ人気あるんだって!
    これは驚きだよーっ」
    生の声を聞くとますます嬉しくなり、
    詩を書く腕も日ごとに増すばかりだった。
  • 12 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:54:10 [削除依頼]
    そして、ある夏の日。
    蒸し焼きになりそうなその日に、
    私はそれを聞いたのだった。
    それは、圭介が
    「藍っていう人が書く詩はいいよ。
    僕はあの世界観が大好きなんだ。
    愛も見たら好きになるよ」
    と言った事。
  • 13 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:56:43 [削除依頼]
    それを聞いて分かった事は、二つ。
    圭介は私と藍を別人として見ている事。
    そして、圭介は『愛』ではなく
    『藍』が好きだという事。
    涙さえ出そうだった。
    憎い、悔しい、羨ましい…。
    自分の自分に対しての劣等感は、
    増していくばかりだった。
  • 14 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 13:58:32 [削除依頼]
    …そして、決断をしたのはある秋の日。
    この日は確か、楓の葉が
    地面を埋める程降り積もっていた時だった。
    私は静かに宣告した。
    「大人気詩作者『藍』は私。
    題材はずっとあなただったの」
    と。
  • 15 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 14:00:35 [削除依頼]
    彼は私に何も言おうとしなかった。
    でも、泣いていた。
    それはそれは静かに、綺麗に。
    その日から私は、詩の投稿をやめた。
    理由は簡単、彼を泣かせてしまったから。
    題材を失くした私は詩を書く力さえ失い、
    投稿休止に至ってしまった。
  • 16 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 14:02:41 [削除依頼]
    そして、ある冬の日。
    降り続けた雨が、雪に
    変わりかけていた時だった。
    圭介は言ってくれた。
    「君を傷つけた事は後悔している。
    でも、詩を書くのはやめないでほしい。
    君を待っている人が沢山いる。」
  • 17 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 14:04:20 [削除依頼]
    彼は続けた。
    「それに、僕は一度見てみたいんだ。
    ネット上の『藍』じゃなく、
    今目の前にいる『愛』が書いた
    詩が見たいんだ」
    瞬間、私は圭介に抱きついた。
    「圭介…圭介ぇっ…」
  • 18 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 14:05:57 [削除依頼]
    涙で顔はぐしゃぐしゃ。
    でも私は笑っていた。
    それは、嬉し涙だという象徴だった。

    イルミネーションが静かに輝く並木道で、
    二人は誰にもばれないように
    静かに、そっと、永遠を誓った。

    fin
  • 19 サンド id:fWbXv960

    2012-08-05(日) 14:29:36 [削除依頼]
    続きがあるって知ってるよ
  • 20 yukari id:fzYPpSF1

    2012-08-05(日) 14:38:00 [削除依頼]
    …?
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