俺が殺した少年は“神”でした。44コメント

1 虎辻 凪 id:murz6Tn.

2012-07-29(日) 02:48:12 [削除依頼]


 
 虹色の瞳の少年は、首を絞められながらも、嬉しそうな笑みを浮かべていた。
  • 25 虎辻 凪 id:murz6Tn.

    2012-07-29(日) 18:00:59 [削除依頼]
    >24  “天使”といわれても、俺はあまり驚かなかった。何せ、隣には“神”がいるのだ。シェンが神様だということは、あの絞殺の跡のおかげですっかり認めた。 でも“神”ってのはもっと、白髪の爺とか某漫画に出てくる触角生えた宇宙人とかはたまたいるわけもないとか思っていたから、まだこいつが神様だという実感が無い。その証拠に、俺はシェンに対して普通に接している。  一つ気にかかることは、天使がバニーガールだったってことだが。……まあ、可愛いから別に良い。  三人でちょっとした会話を交わし、唐突にシェンが言った。 「あ、そうだ、日喜。父さんに暫く下界で暮らすっていっといてくれない? 悪はなるべく消すし、学ぶためにもって」 「……畏まりました。直ちに行って参ります」 「終わったら日喜も来ていいからね。たまには気分転換しなよ」  シェンの発言に照れながらも、深々と頭を下げる日喜。音もなく立ち上がった。そして兎耳を揺らしながら、窓辺に近づいていく。ガラスの破片が飛び散った布団を前にすると、突然彼女の足が止まった。 「一生様、少し宜しいでしょうか」
  • 26 虎辻 凪 id:murz6Tn.

    2012-07-29(日) 18:02:35 [削除依頼]
    >25  遠慮がちにそう言い、日喜は手招きをした。俺はハテナマークを浮かべながらも立ち上がり、即彼女の傍に行く。その間のシェンはいうと、あのカップラーメンの食品成分表などじっくり見ていた。    肩を竦めながら、日喜は「申し訳ありません」と小声で言った。ポンと脳内に考えが浮かんだ俺は、すぐさま口に出す。 「あ……、ガラスの破片なら別にいいよ。俺片づけるか――」 「当たり前だろ」 「え?」  突如遮られた言葉に、俺は目を剥く。強く張った声を出したのは――――何と、目の前にいる日喜だった。  唖然とする俺に、彼女は黒い影に染まった顔を向け、どすのきいた低い声でそっと耳打ちをした。 「てめぇ、シェン様に無礼な態度とってんじゃねぇぞ。たかが人間のくせに」  …………。 「日喜? どうかしたの?」 「いえ、何でもありませんよシェン様。では、行って参りますね」  ニコッと明るく微笑んで、窓から飛び降りたバニーガール姿の天使。  俺は数秒の間、動くこともできなかった。  
  • 27 虎辻 凪 id:murz6Tn.

    2012-07-29(日) 19:55:42 [削除依頼]
    6【セレブな幼馴染は“神”を気に入りました】


    「日喜、可愛いよね。あの子、元は兎でさ。死んでから天使になったんだ」

     まるで噂話でもするように、無邪気な顔をキラキラさせてシェンは言う。
    俺は彼の隣に座りながらも、ピクリとも反応せず、俯いていた。人には――天使だけど――裏が必ずあるとはいわれているが、やはり目の当たりにすると辛い。

    「一生さん……?」

     シェンが不思議そうに呟き、小首を傾げる。その時だった。

     ――――ピンポーン。

     本日二回目の悪魔のお誘い――否、奇妙なインターホンの音が部屋に響いた。
    その不愉快なノイズが混ざった音は、ぼっーとしている俺の耳にも伝わる。「出なくていいの?」とシェンに囁かられ、俺の体は言われるがままに動いた。
     重すぎる腰を上げ、未だ立ち直れない心のまま、俺は錆びたドアノブに手をかける。
     ――面倒臭い。誰だよ、また神とか天使とかそういう系列じゃねぇの。

     その考えは瞬時に砕けた。同時に、顔が膨張するのが分かった。

    「カズちゃん、久しぶりだね」

     聞き慣れた甘い声が俺を洗脳する。思わず息が詰まった。
  • 28 虎辻 凪 id:murz6Tn.

    2012-07-29(日) 20:01:30 [削除依頼]
    >27  目の前には、幼馴染の女――姫宮芙嵐ひめみやふらんがいた。三か月ぶりだろうか、また前より色っぽくなっている。 長い左サイドポニーテールは日光に反射して、燈色のストレート髪が星屑のように輝いている。浅く被った黒いハット帽や黄緑色のトレンチコートといい、セレブな雰囲気は変わっていない。流石は大手企業会社のご令嬢だ。 「カズちゃん?」 「……あ、いや、急だったから驚いただけだ。珍しいな、もう来ないと思っていたよ」  あくまで平然を装うとする俺。芙嵐は気にもせず、柔らかい笑みを浮かべて言った。笑顔は昔から変わっていない。彼女は笑う時に細い眉が下がるのだ。 「ははは、カズちゃん放っておく訳ないでしょ。あたしがカズちゃんのところに来るなんて、お爺ちゃんの看護しにいくと同じようなものなんだから」 「ふっ、何だよそれ」  芙嵐の言葉に、俺はつい微笑する。いつのまにか緊張も解けていて、鼓動も通常だった。   「でも良いのか? 旦那さん、普通は怒るだろ」 「全然良いわよ。あの人凄く優しいし、カズちゃんの現状はちゃんと理解しているから。お爺ちゃんの看護って言ってるしね。あの人今日は一日中仕事らしいから、久しぶりに来てみたのよ」  彼女は穏やかに微笑み、調子の良い声を出す。俺の心がズキッと微かに痛んだ。
  • 29 虎辻 凪 id:murz6Tn.

    2012-07-29(日) 20:03:56 [削除依頼]
    *訂正 >28 × 姫宮芙嵐ひめみやふらん ○ 姫宮芙嵐(ひめみや ふらん)
  • 30 虎辻 凪 id:murz6Tn.

    2012-07-29(日) 20:04:07 [削除依頼]
    >28  俺と同じ年の芙嵐は、二年前に金持ちの男と婚約した。出会いは親からの見合いだったらしいが、詳しいことは知らない。結婚式は盛大に行われ、それに俺も出席することができた。そこで見た相手の男は、いかにも紳士的な優しい風貌をしたイケメンで、芙嵐の横にはぴったりだった。 「それより十二時過ぎてるわ、お昼食べた?」 「……え、もうそんな時間かよ」  目を見開かせたまま低い声で言う俺を見て、芙嵐はフッと頬を緩める。白い歯が見えた。 「そういえばカズちゃん。タケくんから聞いたけど、引っ越しのバイトやめたんだってね。もう、無理しちゃって」 「あ、まあな。そのおかげで筋力ついたよ。それに新しく仕事も……見つかったんだ」 「え! そうなの!? どんな仕事?」  案の定くいついてくる芙嵐。顔を覗き込まれて、上目遣いで見てくる。グッと俺はこらえた。 そして間をあけた俺が、口を開いた刹那。背後からあどけない声がした。威圧感も感じる。 「僕の下で働く仕事だよ」  シェンだった。少しの間忘れていた、こいつの存在。
  • 31 虎辻 凪 id:murz6Tn.

    2012-07-29(日) 20:06:13 [削除依頼]
    >30   藪から棒に出てきた第三者に、当然芙嵐は目を剥く。俺の後ろから現れたシェンを見て、彼女は言った。 「何この子、可愛い! え、だれだれ?」  綺麗な顔を輝かせる芙嵐。俺は一瞬フリーズしながらも、無愛想に言った。 「こいつはシェン。なんつーか……そうだ。俺のいとこだ」 「いとこ!? 初めて知った! あたし姫宮芙嵐ひめみや ふらん、カズちゃんの幼馴染。できればおねえちゃんって呼んでほしいな」  芙嵐は嬉々した表情で、大きく澄んだ黒目をシェンに向ける。 シェンは一ミリも引きつらず、むしろニコッと可愛らしく笑って言った。 「よろしくね、芙嵐おねえちゃん」 「きゃあ、可愛い!! 気に入った!!」  こんなキャラだったけ……。と俺は心底引きながら、呆れ声を出す。 「三人分作るのもあれだし、ちょっと買ってくるぜ」 「あ、あたしもいくよ」  知らぬ間に芙嵐の横にシェンがいることに俺は驚きながらも、俺たちは芙嵐の車で近くのショッピングセンターに行くことになった。
  • 32 虎辻 凪 id:murz6Tn.

    2012-07-29(日) 20:20:41 [削除依頼]
    */独り言でした

    単なる休憩みたいな雑談です。

    最近勉強が疎かになってます、緊急事態です。塾のテストでやばい結果だったし、ワーみたいな。
    一応一日に二時間程度は勉強しようと思ってるんですよ、でもできないんです。どうしよう。
    一次関数が苦手で仕方ない。なんかもう数学嫌だ。理数系だから得意にはしたいけど、嫌いだ。

    来年受験生でしょ、いわゆる地獄じゃないですか。
    だから今年の夏ぐらいは天国いこうかな、とおもって! 凄く遊んでるんです、尋常じゃないくらい。あ、でも夏休みの宿題は終わらせました☆ミ
    お祭り三連続、カラオケに映画。お金が……。
    でも大丈夫! 「来年は使わないんだからいいでしょ!」はいこれ言い訳ww
    今年は見たい映画が沢山ありすぎてやばい。とにかくやばい。

    まあいろいろあるんですけど。
    最初にいったとおり、この小説書き終えたら一旦卒業します!
    一年も好きな小説見れないなんて凄く悲しいけど。死神のバラ
    ードとか斬血のフィニトリアとかA happy end doesn't laughと
    か、もう続き気になり過ぎて妄.想しちゃうかもね←

    でも、まあ、受験無事終わったら戻ってきます。そして即好きな小説読んで長ったらしいコメントして、自作の小説書きます((
    やばいなー。勉強しないと;; 
  • 33 虎辻 凪 id:5/R.vpf.

    2012-07-30(月) 08:52:45 [削除依頼]
    7【俺は“神”と契約することになりました】


     ショッピングセンターは日曜日ということもあり、賑わっていた。
    駐車場もいっぱいだったが、芙嵐が運転するメルセデスは楽々と入れた。高級車だからか、ご令嬢だからか。どちらにしても、俺から見れば凄すぎることだけど。
     四階建ての巨大なショッピングセンターには、家族連れや学生が多くみられ、会社員らしき人はあまりいない。その中で俺たちは結構目立っていた。何せ、草臥れたシャツとジーパンのボサ毛な男とセレブな美女、そして虹色の目をした白ローブの金髪少年。さっきからチラチラと視線を感じる。
     本当のことをいうと、レストランにでも行きたかった。だが、金が無い。芙嵐に料理を作ってもらうのはまだ我慢できるも、やはり女に金を払わせるのは辛い。俺にも男の仁義ってものがある。

    「あ、そうだ。ちょっと衣服見てもいいかな」
     
     店が立ち並ぶ通りを歩いている中、視線を大量に注がれているにも構わず、シェンは淡々と言った。
     俺は誰とも目を合わせぬよう、そっぽを向いてポケットに手を突っ込んで歩く。いわば他人のふりだ。
    喫茶店のチェーン店や宝石店、寿司屋にバイキング。人は盛り沢山。バイトをしていた時期以来、久しぶりのショッピングセンターだった。しかも芙嵐と一緒だ。ほんと人生ってのは何が起こるかわからねぇ。

    「いいよいいよ! 何ならあたしが買ってあげようか? シェン君のなら喜んで払うよ」
    「ありがとう、芙嵐おねえちゃん」

     芙嵐はセレブな服装に似合わず、無邪気な声を出す。顔は十分大人なのに、内面は昔と全く変わっていない。
    そんな彼女に相変わらずの子供らしい笑みを浮かべるシェン。こいつが“神”って知ったら芙嵐はどうするだろう。……多分、凄い凄いと言って燥ぐのがオチだな。
  • 34 虎辻 凪 id:udeoMcX0

    2012-07-31(火) 00:44:52 [削除依頼]
    *訂正

    × 7【俺は“神”と契約することになりました】

    ○ 7【“神”は腹黒でした】
  • 35 虎辻 凪 id:udeoMcX0

    2012-07-31(火) 00:46:14 [削除依頼]
    >33 「わあ、いっぱいあるね」  虹色の瞳を大きく見開かせて、シェンが言った。  目の前にはドレスやジャージ、着物にスーツ、普通の服まで色々な種類の衣類が並べられている。一階にあるこの衣服フロアは、このショッピングセンターの目玉でもあるので、様々な年代の客が大勢いた。  中でも目立つ格好をしたシェンは、感激したように辺りを見渡している。こんな天真爛漫な顔を見ると、本当にこいつが“神”なのか俺は疑いたくなった。 「一生さん、こっちこっち」  ぼんやりと立っていた俺に、シェンが弾んだ声で手招きをした。隣には芙嵐もいる。  俺は足早にシェン達の場所へ向かった。そこは、スーツ売り場だった。堅苦しい黒のスーツやストライプのスーツが視界を覆い尽くしている。俺には遠い存在だ。そう思うと吐き気がした。  それなのに、シェンはニコニコと不気味ともいえる雰囲気を漂わせる。俄かに彼が口を開いた。――あるモノを手に握って。 「うん、一生さんにはこれがいい!」 「…………は?」  シェンの手に持っていたのは、黒いスーツだった。アニメや漫画で執事が着るようなもの。しかも――――。
  • 36 虎辻 凪 id:udeoMcX0

    2012-07-31(火) 00:47:15 [削除依頼]
    >35 「何でネクタイが虹色なんだアア!!」  気のせいか前もこんなことあったような気がする。  俺の叫びに周りの客がうっとおしそうに痛い視線を向けてくる。中には舌打ちをしているオジサンもいた。  シェンは当然の如く、一切顧慮せず泰然とした声で返した。 「何で? 僕の下で働いてくれるんでしょ? 契約の印だよ。はい、これも」  落ち着いた顔で、シェンはもう一つのモノを俺の前に差し出す。片方だけの、白いレザーグローブだ。ロックンローラーやキザな野郎が身に着けているような、格好いい指出し手袋である。  意味が分からず何回目かの思考停止状態に陥った俺の耳に、出し抜けに甲高い声が通った。芙嵐だとすぐに気づく。 「カズちゃんに似合うわよ! 新しい仕事の衣服なんでしょ? 喜んであたしが買うわ」 「ほんとっ? 一生さんも喜ぶよ」 「……おいおいおいおい。勝手に話進めるなよ」  屈託がない顔をした二人に、無機質な声で突っ込む俺。えぇー、と芙嵐が頬を膨らませている。二十九歳にも関わらず、この表情を似合わせる彼女は凄いと思う。かくゆう俺も、つい目を背けてしまうのだが。  視線を移した先に、いつのまにかシェンがいた。ビクッと俺の肩が上がる。悪寒が走った。
  • 37 虎辻 凪 id:udeoMcX0

    2012-07-31(火) 00:49:03 [削除依頼]
    >36 「これ、見せてもいいの?」  無表情のシェンがそう言いながら、首元に手をそえた。軽くローブを動かし、俺にだけあの傷が見えるようにする。俺は思わず小声でシェンに怒鳴った。 「お、おいっ! 止めろよ」 「えー? だって一生さん僕の言うこときいてくれないんだもん。どうせならいっそ隠さないでこのままにしておこうかなー。そしたら一生さんも素直になってくれるよね」    こいつ悪魔だ。バニーガール姿の天使――日喜と同様だ。何だよ。天界の奴は皆腹黒いのかよ。  シェンの首にしっかりとつけられた絞殺の跡は、赤紫色に変色していて、見ているだけで嘔吐しそうだった。……この傷をつけたのは俺なのだけども。 「分かったよ、言うこときくから。すぐに隠せ」 「嫌だ」 「……は?」 「いつ一生さんが反抗するか分からないでしょ。このまま見せつけてたら、トラウマになること間違いなし」  悪戯っぽく白い歯を見せて笑うシェン。“神”なのか。こいつ本当に“神”なのか。世界大丈夫か、オイ。
  • 38 虎辻 凪 id:udeoMcX0

    2012-07-31(火) 00:50:28 [削除依頼]
    >37  何を言ってもシェンは絶対に考えを変えなさそうだったので、俺は溜息を吐つくように言葉を吐き捨てた。  「あー、分かったよ。見せていいから、マフラーしろ」 「真夏にマフラー?」 「勘弁してくれ。マフラーしとけば俺は十分トラウマになる」  というかもうすでにトラウマになっている。とは口にせず、俺はシェンの反応を見る。彼は不貞腐れた顔をしながらも、仕方なく承諾してくれた。ひとまず胸を撫で下ろす俺。 「ちょっとー。二人で何話してるの? カズちゃん着てみてよー」 「だって。はい、どうぞ」  口を尖らせた芙嵐の言葉に、シェンが微笑む。そして俺に虹色のネクタイと黒スーツ、片方の白い手袋を渡した。  俺は微かに舌打ちをした後、乱暴にそれを受け取り試着室へ行った。心の中には腹立たしい思いしかなかった。  だが――――。 「カズちゃん、凄い似合ってる! カッコいいわ!」  試着した後、昔からお世辞は必ず言わない芙嵐にそういわれ、俺の心は一気に有頂天になった。
  • 39 虎辻 凪 id:udeoMcX0

    2012-07-31(火) 00:52:53 [削除依頼]
    *訂正 >38 × 吐つくよう ○ 吐(つ)くよう
  • 40 虎辻 凪 id:udeoMcX0

    2012-07-31(火) 15:23:00 [削除依頼]
    8【生クリーマーに流石の“神”も困りました】


     その後、スーツなどを芙嵐に買って貰い、俺はシェンに安物の黒いマフラーを買ってあげた。俺は、芙嵐が支払うことを酷く反発したものの、芙嵐が「あたしからのプレゼント」とウインクまで添えて言ってきたので、俺は何も言えなくなってしまった。
     そして今、二階の食品売り場に向かっている。俺は黒スーツに虹色のネクタイ、右手に白い手袋をはめている。シェンの首には黒いマフラーが巻かれていて、どちらともかなり目立っていた。俺のほうは異様だし、シェンは夏にする格好ではない。

    「だから虹色のネクタイが嫌だったんだ。これじゃまるっきり執事のスーツじぇねぇか」
    「僕だって夏にマフラーは嫌だよ。それにこれ、毛玉が沢山出来てる」

     俺は睨み目で見下ろし、シェンはしかめっ面で見上げてくる。二十九歳の大人と、見た目は十六歳位の少年が何をやっているのか。自分の心がそう呆れているも、やっぱりここは引き下がれない。
     広い道で通り過ぎる人たちは、ポカンとしながらも微笑ましく、俺たちを見ている。それが逆に、俺を引くに引けなくする。
     そんな中、シェンの隣にいた芙嵐がフッと笑う。その笑みは、店内に飾られているどんなに輝く衣服よりも、数段に美しかった。勿論、周りの野郎どもは頬をほんのりと染めて彼女をチラ見している。

    「仲良いね、二人とも」
  • 41 虎辻 凪 id:udeoMcX0

    2012-07-31(火) 15:25:03 [削除依頼]
    >40 「はっ!!?」  予想外の言葉に、俺とシェンの声が重なる。その刹那、食品売り場についた。  先ほどの衣服フロアよりは規模が小さいものの、普通にスーパーと同じように商品がずらりと並んでいる。昼ごろとあり、人も結構いて、商品もその分なくなっていけさた。 「カップラーメン食べたいっ!」  突然シェンが大声を出した。左右にいる俺と芙嵐の鼓膜が揺れる。  “神”が何を言っているんだよ。カップラーメン好きな“神”って何だよ。そう思いながらも、芙嵐の誘導で俺たちはインスタント食品コーナーにいた。 「シェン君カップラーメン好きなの?」 「うん。あっさり塩味の、麺が伸びたやつが良い」 「はは、それって時間経って食べたやつのことだよね。普通は嫌だっていうのに、珍しいなぁ」  芙嵐の問いにシェンは生真面目な顔で答える。芙嵐は彼に緩やかな笑みを返しながら、あっさり塩味のカップラーメンを手にとった。今朝、シェンが食べたのと同じモノである。  彼女はそれを数秒間見つめ、シェンに渡すときに驚きの言葉を発した。しかもニコニコ顔で。 「これに、生クリームかけてみたら?」
  • 42 虎辻 凪 id:udeoMcX0

    2012-07-31(火) 15:26:11 [削除依頼]
    >41  え、と開いた口が塞がらない“神”シェン。  そうだ、そうなのだ。すっかり忘れていた。芙嵐は昔から大の生クリーム好きで、何にでも生クリームをかける習性がある。幼い頃は俺のご飯などに生クリームをつけるのは勿論、学校の給食時では「生クリーム食べないと、あたし……っ!!」とか言って家の権力も使って、給食に生クリームをつけるのを無理矢理認めさせた。高校の弁当時は思い出したくもない。つまり、彼女は極度の生クリーマーなのだ。 「あたし、生クリームつくるし。塩とマッチして美味しいと思うよ?」 「……えっ……と」  おお、流石の“神”もこれには困っている。俺の小さい頃はこのパターンが繰り返されたんだ。一度は経験してみやがれ。  シェンがおろおろとしながら、何とか言葉を見つけて口を開いた、その瞬間。  キリッとした顔をした芙嵐が、彼の横を通り過ぎた。  インスタント食品コーナーの隅で見ていた俺も、唐突のことに目を見開く。なんだなんだと思うのもつかの間、芙嵐はズンズンと歩いてお酒コーナーにいる野郎どもに近づき、その中の一人の男の手をパシッと握った。その間、三秒。 「万引きはいけないわ」  凛とした姿で、芙嵐は告げた。  お酒コーナーの野郎ども六人が、鬼の形相のような顔を彼女に向けたのは言うまでもない。
  • 43 音羽 id:7vgW3151

    2012-07-31(火) 17:13:37 [削除依頼]
    こんにちは。
    小説、すごく楽しいです。
    大変かも知れませんが、頑張ってください。
    応援します。
  • 44 虎辻 凪 id:udeoMcX0

    2012-07-31(火) 18:10:20 [削除依頼]
    音羽さん>

    はじめましてこんにちはノ

    凄く嬉しいお言葉ありがとうございます!
    はい頑張ります^^
    応援感謝します、励みになりました。
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