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「杏奈ーバイバーイ」
「バイバーイ」
入学してからだいぶたって、この路地にも、
新しいまわりの環境にも慣れてきた。
｢あっ…まただ｣
黒いリムジン。
若い、スーツをビシッときめた背の高い男の人が車のドアを開ける。
そして、それに乗り込む黒木薫。
ほんと、何者なの?あの人。
それにしても…
｢なっがい車。あんなに長くしてどうするつもり?｣
そして、私は肩に鞄をかけ直して、大きな欠伸をしながら家に帰った。 -
｢あーちゃんおかえりぃー!｣
―ギュッ
廊下から走ってきた4歳の妹、美奈に
勢いよく足に抱きつかれた。
｢ただいま、美奈｣
｢あーちゃんきいて!きょおねみなのすきなハンバーグだよ!｣
｢そっか、じゃあ早く着替えてこなきゃだね｣
｢うんっ!あーちゃんはやくきて!｣
そう行って、また戻って行った。
元気だなぁ…美奈は。
さ!早く着替えて行かないと
私の家は和が中心で、洋の要素が少ない。
これは、おじいちゃんがあまり好まないからみたい。
だから、この家には階段がなく。上り下りがないの。 -
｢よしっ!ご飯ご飯｣
制服から私服に着替えたあたしは急いで食卓に向かう。
と、そこに
｢お。杏奈、帰ってたのか｣
｢うん。ただいま、おじいちゃん｣
おじいちゃんはいつも着物でいる。
今年でもう70歳だけど、50歳くらいに見える。
あたしも70歳でもこんな風に若さを保っていられればいいん
だけど…。
｢今日は美奈の好きなハンバーグらしいな｣
｢うん。すっごい嬉しそうだった!｣
｢はっはっは!おじいちゃんのとこにも来てな。目を輝かせて
おったよ。｣
｢じぃじ!あーちゃん!早く!!｣
噂をすれば!と思い、おじいちゃんと笑いながら
はいはいっと言って足早に美奈のあとをついて行った。
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1 ひなた id:Epg9q97.
2012-07-24(火) 14:53:05 [削除依頼]この学校の一匹オオカミさん
―黒木 薫。
普段は冷たくて、笑顔なんて皆見たこと無い
だけど、そんな彼があたしに素顔を見せた