THE RED WORLDs39コメント

1 孫にあげるのはもちろん…… 脳砕スラ id:bk/x43h.

2012-07-22(日) 21:15:50 [削除依頼]
世界と世界の狭間……どうやってこんなところへ来たのか……宇宙のような背景の周りにはたくさんの本が浮いている。
「さあ、お好きな書物をお選び下さい」いきなり声がかかる。見れば年は70だろうか白髪で額に『老』をうかがわせるしわを持ち糸目で肌は茶色。低めの鼻に薄い唇。およそ170と老人にしてはいささか高い身長に黒い背広で姿勢よく立つ姿は何か威厳と言うものさえ感じられる……そんな老人が立っていた。
「……じゃあこれで」訳の分からぬまま、1番近くに浮いていた古くさい赤い本を老人に手渡す。
「そうですか、あなたはこの本を選びましたか」老人がそう言って語り始めたその本の表紙にはこう書かれていた。

THE RED WORLDs / 脳砕スラ
  • 20 発売日明日だった…… 脳砕スラ id:9Eo4Syu1

    2012-07-25(水) 16:12:09 [削除依頼]
    「もう私がこうして君に話しかける事が出来る時間も少ないから単刀直入に言おう。君は私の同対体というものなんだ」また疑問が容赦無く増える。
    「同対体というのは性別、身長、体重、体型、顔を除き人間としての本質的な能力や特徴が同じ人間同士の事をさす。体力や知力、性格や運動神経エトセトラ……そう、だから君にも妹がいて地毛は緑だろう? そして両目は黄色いはずだ」そう。俺には妹がいるしこいつの言うように地毛が緑で両目は黄色い。まあ髪の毛の色はわりとすぐに黒く染めたんだが……本人はいつも相当気にしていた。毛の色の事でからかわれるといつも泣いて帰ってきた。
    「それで? 俺がお前の同対体だから何なんだ?」……事実はよく飲み込めていないが話を進めてもらうしかないだろう。
    「……君に……これを託したい」俺を抱いていた両腕がはなれ裾をまくる。すると何だ……左手側に黒、赤、金、右手側は銀、無色、白、青と緑、透明な赤の石のようなもの、そして端に穴が空いている。多分もうひとつの色をもつ石のようなものがはまるのだろう。そんな腕輪がはめられていた。腕輪自体の色は木で作られたような明るい茶色。所々に彫られたような紋様が刻まれている。
    「……あと1つ足りないが君に託せばまた1つ目から集める事になるだろう、それともう1つ。メイを……どうかメイの事を見守ってやって欲しい。確かにあいつはもう大人だ。ただ危なっかしくてどうも1人にさせると不安で仕方がないんだ。私がいなくなれば面倒を見てやれるやつもいない、だから君に見守って欲しい」
    「俺が……あいつを? そ、そんなの無理だ。俺よりあいつの方がよっぽど自分の身を守れるだろ! というかお前はどうなんだ? お前があいつの事を見守ってやればいいんじゃないのか?」
    「言っただろう。私がいなくなればと。私はもうじき消滅する。存在しなくなる。君と出会ってしまい君に私の魔力を全て授けてしまったから」……話がちんぷんかんぷん過ぎる……
  • 21 いよいよ砕けて来やがった 脳砕スラ id:9Eo4Syu1

    2012-07-25(水) 19:25:38 [削除依頼]
    「……時間が来たようだ」モノは腕をさげる。それと同時に俺が振り返り目が合う。同対体……確かにそこには黒髪で右目だけが黄色い女性がメイと同じローブを着て立っている。
    「メイのこと……腕輪のことは君に頼んだ。どうかあいつのそばに居てやってくれ……でないとあいつは……メイは……」そういいかけた瞬間モノは無数の光の粒となり辺りに飛び散った。俺は傍観するしかなかった。理由のわからない涙を流しながら……
     真っ白な空間には黒いローブと茶色の腕輪だけが残った。腕輪を拾い上げ試しにはめてみる。つけてみたが腕に何もはめていない時の感覚と同じだっち。そして腕輪に付いていた石のようなものが輝き出し少し熱を帯始めた……と思ったら小さい水晶を落としたかのような音をたてて石のようなものは砕け散った。溜め息まじりにローブを拾い上げ羽織ったところで目が覚めた。
    「夢……」烏丸が鳴いている。朝らしく窓から日射しが照りつける。妙に暑苦しく思い自室のベッドから飛び起きる。するとどうだ……俺はあのローブを羽織い腕輪もきちんと両手についていた。
    「……じゃないのな」次に日付を確認。メイにT-02に連れて行かれた日から2日経っていた。俺はまる1日寝ていたらしい。……まだ学校には間に合う。顔をださないとな……誰もいないこの家で簡単に朝食を済ませ学校へ足を運ぶ。
     俺が通っているのは“自由”がモットーの進学校なのでもちろん私服登校。その点でこのローブと腕輪には問題が無いがやはりこの格好は浮く。SHRきっちり5分前、3-Eに入って来た俺を待っていたのは質問の嵐だった。
    「ねぇ、“ちみどろ”で帰って来たって本当?」
    「謎の女性ってどんなやつだった?」
    「どこに連れて行かれたんだ?」
    「というかなんでお前そんな格好してるんだ?」等々くだらない事ばかり。押し寄せる群衆を渾身の眼差しで睨み付ける。さすがに怖じ気づいたのか1人、2人と抜け群衆は解散した。ちょっとしてからチャイムが鳴り担任が入って来るなり俺に聞く。
    「お、晶我枝。昨日はどうした?」
    「具合が悪かったので寝てました。連絡も出来ずすみません」
    「いや、そうか。もう大丈夫か?」
    「はい」うん、よしと担任が呟き朝のSHRが始まった。

     昼休み。俺は例の中庭へと向かった。あそこへ行けばまたメイと会えるはずだ。思ったが俺はモノに生きる意味を与えられたんだ。この腕輪を完成させなおかつメイを側から見守る。俺の壊れていた人生が変わるかもしれない。俺も変われるかもしれない……と俺は初めて持った『生きる意味』を噛み締めながら中庭へと走った。
  • 22 いよいよ砕けて来やがった 脳砕スラ id:9Eo4Syu1

    2012-07-25(水) 20:04:28 [削除依頼]
     中庭には既に先客がいた。緑髪の髪をそよ風に揺らしながらそいつは木に持たれかかって眠っていた。
    「おい、起きてくれないか?」少し体を揺する。その体はとてもちっぽけで簡単に壊してしまえそうだった。
    「ん……ぁ……お姉……ちゃん?」寝ぼけている。完全に寝ぼけている。
    「俺だよ。起きろメイ」目を擦りながらおはよぅと呟きメイはまた眠りに落ちる。
    「起きろ!」
    ……思わず怒鳴ってしまった……
    「ぅわあ! え? 何? 何なの?」メイは飛び起き異常な数の瞬きをしてから俺に気がつき我に帰る。
    「巳碕君……そるなに怒鳴らなくても……ってそのローブ……どこで?」
    「モノから……な腕輪ももらったよ」それを聞くとメイはまた悲しそうに遠くを見ているような目で話した。
    「そう……夢であったんだね、お姉ちゃんと……」
    「あのな、メイ」話す時が来た。俺の人生を……俺を変える為に……
    「お前、魔術師……だな?」
    「……そうなるね」
    「なあ、俺も魔術師にしてくれないか?」
    「え?」そう、これが俺の答え。メイを見守る為にはこいつと同じ職に就くのが1番手っ取り早い。
    「それは……出来ない事は無いけれど……どうしていきなり魔術師になりたいなんて言い出すの?」
    「俺が変わる為だ。このまま普通に生きていてもよっぽどの出会いがない限り俺は変われない。そんなのは嫌なんだ! 変わりたい、変わって壊れた人生を直したい! 生きる意味を持ちたいんだ!」緊張漂う沈黙……メイは視線を落として話す。
    「そっか……でもいいの? 魔術師になったらもうここへ戻ってこれる保証はないよ?」
    「……この世界は……俺がいなくても大丈夫だろう」
    「妹さんはどうするの?」……知っているのか。俺に妹がいることを。
    「由稀なら……心配ない。俺よりしっかりしてるし、叔父さんも叔母さんもいるんだ何とかなる」
    「そう……」メイはまた視線を上げ俺の目を真っ直ぐ見る。その目には光る液体で溢れていた。
    「……俺とモノが重なって見えるか?」
    「そんなことない! お姉ちゃんの方が……ひゃっ!」俺は無意識にメイの頭を撫でていた。体が自然と反応したのだ。
    「さあ頼む」
    「うん……わかった」メイが目を閉じまた神に祈るように両手を合わせる。やはり無数の光が手のひらから溢れ出す。光が辺りを包み込む前……俺は呟いた。
    「父さん、母さん、高校……卒業出来なかったよ。悪い」
  • 23 ?帽子屋? id:IH6.qgy1

    2012-07-27(金) 00:22:14 [削除依頼]
    おぉー、魔術師とかかっこよすぎですよw
    ファンタジー系キャス少ないから余計はまりますw
    更新待ってますね(*´∇`*)
  • 24 すーぱー弾丸論破2に嵌まった 脳砕スラ id:k5lf7IG0

    2012-07-28(土) 18:55:09 [削除依頼]
    φ帽子屋φさん
    >ありがとうございます。
    現在とあるゲームに嵌まってしまい更新が遅れると思いまする。
  • 25 脳砕スラ id:k5lf7IG0

    2012-07-28(土) 22:10:33 [削除依頼]
    辺りが光に包まれメイの輪郭すら確認できない状況がもう何分続いているのだろうか。目はいっこうに周りの光に慣れる気配が無かった。
    「ねえ巳碕君、いくつか質問していい?」近くでしたメイの声。少し質問の中身を気にする俺。
    「いいぞ。それで何だ? 質問って」
    「あ、うん。それはね……どうして『私が魔術師だ』って君が断定することが出来たの?」なるほど……確かに俺はあの時何の根拠も提示せず『お前魔術師なんだろう?』と言った。
    「まずは格好だな。黒いローブ。いかにも魔術師が着てますって感じだろ。次にお前の不思議な力だ。辺りを光で包み込んだり塵になって消え去ったり……ホログラムだとしてもT-02の消えた玄関の説明がつかない。最後はモノの言葉からだな。俺は夢であいつに『全ての魔力を〜』ってな。そう『魔力』だ。魔力なんていったら普通に考えて魔法使いだとか魔術師だとかを想像するだろ」
    「……なるほどね、じゃあ次。眠ってもいい?」
    「はぁ?」あまりにも突然の質……質問……か?  眠っていいか……いや……断る理由はないが今こいつが眠ったらどうなるんだ?
    「……ごめん不可抗力……眠ぃ……おやふみ……」ドサッと何かが俺によしかかる。それがメイであると判断するのにはあまり時間が掛からなかった。
    「お、おい! お前が眠ったらこの術はどうなるんだよ!」メイの安らかな寝顔が見える……ん? 『見える』? 光が薄れている。周りがどんどん漆黒へと変貌していく。どうなるんだ、俺。周りが完全に漆黒になるまで俺は放心状態だった。
  • 26 脳砕スラ id:5IhbBLz.

    2012-07-29(日) 20:04:58 [削除依頼]
    辺りは漆黒……と言ったがそうでもない。漆黒とは違う。確かに周りは黒いのだがメイの寝顔や俺の黒いローブまではっきりと見える。単に周りが暗い訳ではなさそうだ。考えるに周りには【無】が広がっているのだろう。ここは世界と世界の狭間なのだろうか。実際手のひらから光が出たといっても世界を移動しているかどうかなんかはメイしか分からないだろう。
    「おい、メイ! 起きてくれ、メイ!」と言って体を揺さぶってもメイはいっこうに起きる気配を見せない。むしろ揺りかごの中で眠る赤ん坊のように安眠している。よっぽど疲れていたのだろうか。俺はローブを脱ぎそれを枕にしてそっとメイを寝かせた。
     それからしばらくしてメイが寝返りをうった時だ。音がする。何かがさまよい歩きつづける足音がぺたぺたと。遠くにいるのか音は小さい。ぺたぺたぺたぺたあっちこっちにさまよいながら確実に近づく音……ただし姿は見えない。突然右目の視界が黄色く変化した。そこにはやつがいた。形は恐らく人だ……だが異常なまでに肌が黒く四つん這いで這うように地を進み輪郭はかげろうのように揺らいでいる。顔には黄色に光る目が2つぽつりとついているだけだった。そしておかしいことに左目ではそいつの姿が見えないのだ。……これがモノが言っていた魔力というやつだろうか……
  • 27 脳砕スラ id:5IhbBLz.

    2012-07-29(日) 20:49:04 [削除依頼]
    だとしたら俺も魔術が使える? そんな事を考えて少し気がゆるんでしまう。
     不意に目が合ってしまった。やつは俺の目をじっと見つめている。俺も目をそらすと殺られるような気がして目をそらせない。嫌な予感を感じ額に汗をうかべている俺とは対照的にメイは安眠から戻って来ない。そんなメイが俺の足首を掴みそれと同時に俺の指先に激しい痛みと赤い稲妻が走った。あまりの痛みに思わず悲痛な声が漏れた。やつがとびかかるのとそれはまたも同時。
     ……ここから断片的にしか覚えていない。やつとびかかられ体がぶつかり酷く痛んだ体……朦朧とした意識……必死に抵抗する俺……目の前に落ちた赤い閃光……やつの焼死体ができすぐに塵となる……そんな映像が頭に残っているだけで真実はうやむやで……
    「まだ気にしてるの?」あのあとすっかり放心状態だった俺を勢いよくメイが叩き起こし、また手のひらを合わせ世界が光に包まれた状況でメイは聞いた。
    「そりゃあ……気になるだろ。俺が何をしていたのか……全く覚えてないんだから……」
    「……そんなに気にする事かな?」と俺を不思議に思いつつもメイは俺が薄々予測していた事をけろりと言い切った。
    「巳碕君は多分魔術を使ったんだよ。『赤い稲妻』は上級魔術の1種だからね。でも凄いね、初めて使った魔術が『赤い稲妻』なんて」……よく分からないが俺がその『赤い稲妻』とやらを使いやつを倒した……というところだろう。
  • 28 いいなと思うとそれは早死にする 脳砕スラ id:7B15z8j0

    2012-07-31(火) 17:58:30 [削除依頼]
    まず1つ目の謎はクリア。そして2つ目……『あれは何だったんだ?』という疑問。突如漆黒渦巻く【無】という空間の中に表れたやつ……その正体。だがメイ曰く“姿形が残らないくらい散り散りになってしまっていて何なのかは判断出来ない”だそうだ。『赤い稲妻』とやらはよほど強い魔術なのだろう。2つ目の謎は解けない物となった為思考から排除。最後に3つ目、これが重要だったりする。
    「お前……熟睡していたにも関わらず正確に俺の足首を掴んだよな」
    「え?」聞こえていなかったようにメイが聞き返す。俺はそんな様子を無視して続ける。
    「とぼけるなよ。熟睡していた人間が正確に人の足首なんか掴めるわけないだろ」
    「そ、そんなことを言われても……」メイは困惑を呟く。まあ本当に偶然ならいいんだがメイの熟睡辺りから何か作為的な物が働いているような気がしてならない。たった今思い出したが『赤い稲妻』は激しい轟音と共にやつに落ちたのだ。その音のせいでしばらく耳が使い物にならなくなった程に壮絶な音……いくら熟睡しているとはいえ飛び起きてもいいくらいの音だった筈だ。なのにメイはそんな音などしていなかった様に眠っていた。
    「なあメイ、本当の事を教えてくれ。本当に偶然ならそれでいいんだ」
    「……偶然……だよ」泣きそうな声で低く呟いたメイ。何か気まずい。これ以上探ってはいけない問題のようだ。
    「そうか……偶然か……それならそれでいい」これで3つ目も除外……ということにしたかったがとりあえず保留にした。
    「ねえ巳碕君、私からも1ついい?」メイはもう調子を取り戻したのか口調はいつもと変わっていなかった。
    「なんだ?」
    「うん、あのさ……私達って普通に会話してるよね?」出てきた突拍子のない質問。当然俺は困惑へと陥る。
    「……は? 何が言いたい?」
    「……巳碕君変わったね、って思ったの。だってね最初はあんなに私の事を恐れていたのに今はこうして普通に会話が出来てる……これって君が変わったって事だよね?」言われてみればそうだ。初対面の時に感じた恐怖はすっかり消え今ではこいつといると落ち着くくらいだ。……何故今まで気がつかなかったのだろう……今ではそれが当たり前になってしまったからか……
  • 29 夢でたぁぁかくぅ飛んだぁぁああ 脳砕スラ id:.82UYW4.

    2012-08-04(土) 06:48:51 [削除依頼]
    俺が疑問の霧に付きまとわれ惑っているうちに光が消え風が頬を撫でる。辺りに表れたのは漆黒の【無】ではなく緑の群れがなすただっぴろい草原と遥か先にそびえたち先が蒼空に浮かぶ雲を突き破っている1本の……鉄串? のようなもの。
    「ここが魔術師達の拠点M-237Kだよ」俺の左隣で誇らしげにメイが語る。
    「まあ正確に言うとここはM-237Kセクター1なんだけどね。それで奥に見えるあの塔がM-237Kセクター0……まあ居住区を兼ねた指令本部だね。それで……」
    「セ、セクター?」たまらずそこから質問する。話を遮られたからか少しムッとしたメイが答える。
    「このM-237Kはあんまりにも広いから“セクター”って単位で区分けされてるの。まあ基本的にセクターの後につく数字が高くなるにつれてその区域は危険って事になるんだけどね。それでいい? 分かった? 続きを話してもいい?」……怒ってる……そんなに話を途中で遮られたことが酌にさわったのか?
     しばしメイからこの世界についての説明を受けた。建界(※メイ曰く建世界の略称。俺達の世界でいう建国のような使われ方をするようだ)は俺達の時代区分で言えば西暦1500年ごろ、つまりこの世界は出来てからまだ500年程しかたっていないのだ。建てたのは現在魔術師の最高の位『アルティマ』の称号を持つ“ミクナル”という女性でかの有名な魔女狩りの生き残りだそうだ。彼女は世界が複数存在する事を証明した第1人者であり世界間を移動する魔術を考案し開発した人物でもあるそうだ。この世界は0を除くそれぞれのセクターでとある“研究”がされていて上級の魔術師になるとその研究に参加出来るらしい。現在特に戦争や問題もなくM-237Kはいたって平和だそうだ。
     長い長い説明の間草は風に揺れ波のようにうねり擦れ会う音と独特の草の匂いが辺りに充満していた。
  • 30 脳砕スラ id:.82UYW4.

    2012-08-04(土) 21:02:41 [削除依頼]
    「う〜ん教えたい事はまだまだたくさんあるけど、これくらいで切らないと疲れるし飽きちゃうよね」来たときには蒼空だったが、メイの長い長い説明が終わる頃にはもう紅空と化していて、心なしか草までもが紅く染まっていた。そんな紅の世界でこいつは『あっと驚くため五郎』とあっと驚くでは表現しきれず、俺といういたって真面目な人間が思わず冗談でため五郎をつけたくなるほどの事をさらりと言う。
    「今日はここで野宿ね」凍り付いた世界。暖かかった抱き枕が急に氷と化したような感覚。
    「は? セクター0に宿とかはないのか?」メイは苦笑いで答えた。
    「あ、あるには……あるけど……さ。まずセクター0に入る為には“M界共通市民権”っていうのが必要なんだよね」M界市民権。また変な単語が出てきたもんだ。
    「なんだそれ?」相変わらずの苦笑いでメイは説明を続ける。
    「平たく言えばM-なんたらかんたらっていう世界に住む人達に与えられた権利かな。でも巳碕君がいたのがT-03Kだから……」だいたい事情は把握出来たが、その解決法が知りたい。セクター0には住まずこれからずっと野宿とかそういった話でない事を祈る。
    「……解決法はあるんだよな?」次に出たのは『ため五郎』を超える言葉だった。
    「えーと……結婚……かな」
  • 31 何か憂鬱…… 脳砕スラ id:TGx5P5N/

    2012-08-07(火) 22:02:25 [削除依頼]
    メイの顔は赤くなっていた。それは恥ずかしさから来ているのか、それとも俺に本気で好意を? いやまさか、そんな筈は……。お互いの間を流れる妙な空気に耐えきれなくなったのか
    「と、とにかく、その話は今は置いておいて。詳しい話は明日するから。き、今日はもうお休み!」とメイは強引に話を打ち切った。
     そのまま紅の絨毯に倒れ込みふてくされた子供のように寝転がるメイ。そこにはモノが言った『不安』の要素が感じられた。確かにこういった姿を見ると普通に接している時には表に出てこないメイの『子供っぽさ』が露呈されているようで……。それが彼女はまだ弱いということを表しているようで……
    「こりゃ確かに心配するわな」ふぇ? とメイが小声で呟くがそんな彼女の疑問は後にあがる彼女の安らかな寝息にかき消されてしまうのだろう。
     俺はまだ起きて考え事を続ける。ここに来るまででも色々な疑問が有り、ちゃんと解決したものなんて半分にも満たない。しかしいくらあーだこーだ考えても、ただいたずらに紅い草が黒く染まりながらゆっくり揺れ続けるだけで……結局どの謎も解けないまま、辺りは安らぎの闇に包まれた。
  • 32 帽子屋 id:dflR4bl.

    2012-08-07(火) 23:32:26 [削除依頼]
    以下、無視結構。

    「紅い草が……」のくだりが綺麗ですねー。
    常日頃僕を虐めてる人だとは思えn((殴
    とか言いつつも、盛り上がってる所無駄に賞賛尊敬コメ書いちゃうと邪魔になるんですよね←
    という訳なんで返信コメ要らないですよ。
    是非ガン無視で更新しまくってください。
    影で僕はニタニタしてますんで、ええ。
  • 33 オマエラ愛してるぜ! 脳砕スラ id:ccrbEYx0

    2012-08-08(水) 05:42:06 [削除依頼]
    φ帽子屋φさん
    >キターーーい。
    ん? ぜぁふぉあの事なのかな? ぜぁふぉあの事なのかなぁ〜? フフフ。
    賞賛コメありがとうございまーす。
    ガン無視なんか出来ませんよww
    てかここはまだ盛り上がってないんで大丈夫b
  • 34 蒼穹 id:Vf8R9Gc1

    2012-08-11(土) 09:13:33 [削除依頼]
    脳砕スラ様、評価終わりました。
  • 35 頑張るぞぉぉおおお! 脳砕スラ id:UYBw7YH.

    2012-08-11(土) 15:33:46 [削除依頼]
     この世界には驚く事に月が無く、一度辺りが闇に包まれてしまうと目が慣れても3,4m先が見えない。真っ暗な草原の中、何が出てくるかも分からないまま、ここが本当に安全なのかも分からないまま眠るのは怖かった。1人で未知の惑星へと送り込まれたように怯えていると、出てくるのはここに来る時とは矛盾した思い。

    『家に帰りたい』

    ただ帰りたい。安息の場を得たい。俺は無意識の内に震えていた。そんな俺の情けない姿が見えていたのか声があがった。
    「大丈夫、私がいるよ」ただのクサい綺麗事。それが何故か無性に嬉しくて……。まるで未知の惑星に希望の光をもたらす太陽のように俺を励ましてくれて……。
     少し確信した事がある。メイは俺に好意を持っているかどうかはわからないが、少なくとも俺は彼女へ好意を持っているようだ……
    「……これも俺が変わった証か」
    近づいて確かめたメイの寝顔には微笑が浮かび上がっていた。
  • 36 alpha id:FJrG3t30

    2012-08-12(日) 18:36:33 [削除依頼]
    最初から読もうとしたんですけど、
    鬱蒼←の使い方が間違っていたので、
       止めました。

    鬱蒼は、
    樹木の青々と盛んに茂るさまを表している言葉です。

    もし、中庭が鬱蒼としていることを示したいのなら、
    池のある←が間に入ってくると非常にわかりづらいです。
    「鬱蒼とした木々と、池のある中庭の端」とかなら
    わかりますが、これだと池が鬱蒼としているように
    感じます。

    失礼しました。頑張って下さい。
  • 37 グリード id:dvFWPSo.

    2012-08-12(日) 19:18:27 [削除依頼]
    おはこんにちばんは!

    小説よみました!
    これからも頑張ってください!!
  • 38 脳砕スラ id:bp0yrjC/

    2012-08-12(日) 19:21:39 [削除依頼]
    alpha様
    >{『鬱蒼』としているのが『池』なのか『中庭』なのか迷った}
    ……という解釈でよろしいのでしょうか?
    お見苦しい所をお見せしてすみません。
    『鬱蒼』としているのは『中庭』です。

    間違いを指摘することは全然失礼な事ではありませんよb
    むしろ『真剣に読んでくれてる!』と喜びの種になりますぜ! 

    指摘ありがとうございました!
  • 39 ゆbeat:えvans研究会会長 脳砕スラ id:WHDJFkS1

    2012-08-29(水) 20:30:26 [削除依頼]
     空が少しずつ、少しずつ藍へ藍へと染まっていく。朝が来たのだろう。結局俺は眠れないままだったが、何だろう、言葉にし難い暖かさが胸の中で渦巻いていて……不思議と笑っていた。
     こいつと出会ってまだ1週間程、だが俺かなり変わった。何よりこいつを……こいつを……。そう考えると頬が熱を帯びてくる。すぐに頭を激しく振ってその考えを捨てようとするが上手くいかない。
     俺がそんな想いを抱きつつ藍が群青へと変わる頃、1つの黄色い光の粒が空へと上がった。そのまま空をゆっくりと旋回する光。すると何処からか同じ黄色い光がどんどん集まっていく。何かを型どるように光は集合し、1つにまとまっていく。
     光は1つになり輝きを消して実体を持った。俺は唖然とするしかない。もちろん光が実体を持ったからでもあるが、その実体が問題なのだ。
     
     こちらに蒼い目を向ける白い竜

    雪のような鱗を纏い、その大きな翼で旋風を巻き起こす。巻き起こされた風は俺の体に容赦なくぶつかり今にも地平線の彼方へと飛ばそうとする。メイを起こそうとするも風に阻まれ歩く事すらままならない。そのまま白い竜はこちらへ滑空してくる。その大きさと迫力は飛行機などの比ではない。あたれば即死ものだ。竜との距離は詰まる。ただ足は動かない。
    「どこが安全なんだよ!」
    そんな必死の叫びも風に消され、竜は既に俺がどう動こうがあたる事を避けられない距離にいた。
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