あのねちょう-The boy can predict death17コメント

1 希罪 id:F2UhdyU/

2012-07-15(日) 16:56:32 [削除依頼]
~prolog~

とても綺麗とはいえないが、1文字1文字丁寧に綴られたこのノート。何度も消して、書き直して、形が残ってしまっている。
大きなマスにはみ出さんばかりの大きな字をゆっくりゆっくり、鉛筆を動かしながら書く、子供達の姿が目に浮かぶ。
このノートには、児童達の嬉しかったこと。楽しかったこと。悲しかったこと。悔しかったこと等、様々な感情が溢れ出している。
それを私に必死に伝えようとしている子供達を見ると可愛いくて可愛いくて……。
さぁ、『小波陸兎(さざなみ りくと)』と書かれたノートを開けば
ーー。
そしてページを一枚と捲る。


“せんせいあのね、ぼく、きょうしんじゃうんだ”
  • 2 希罪 id:F2UhdyU/

    2012-07-15(日) 17:03:54 [削除依頼]
    作者挨拶

    こんにちは。
    初めてましてといっておくべきでしょうか。
    希罪です。
    本当に完結した小説は数少なく、挫折した小説の方が多いのではないでしょうか。
    それでも、執筆し続ける希罪w
    この話はミステリーの分野に属するのかなと思います。
    それなので皆様が頭を抱えてしまう。
    急展開に戸惑う。
    そういった、興奮してしまうような小説になればと思っております。
    私は中学2年と、部活にテストに忙しく、更新がなかなかできないときもあるかもしれませんが、
    完結目指して、自分で納得のいく作品を作り上げたいです。
    未熟なもので読みにくいこともあるかと思いますが、
    読んでいただけると光栄です。
    では。
  • 3 希罪 id:F2UhdyU/

    2012-07-15(日) 18:16:22 [削除依頼]

    第一章 ?#01

    青い空には無数の雲が優雅に漂っている。風は人々の背中を押しながら世界を巡り巡っていく。
    高浜舞嘉(たかはま まいか)は住宅地のアスファルトを踏みしめながら、職場へと歩んでいた。
    「先生、おはようございます」
    甲高く、優しく可愛らしい声、若干呂律が上手く回ってないように聞こえる。
    その声の方向、下を向いてみると、体に合わない真新しいピンク色のランドセルを背負い、マシュマロのように柔らかい頬を上げて、天使の笑みを見せる少女が、舞嘉の服の裾を引っ張っていた。
    「あら、おはよう」
    舞嘉も笑顔で挨拶をする。
    そして着く。舞嘉の職場である、市立虚空(きょくう)小学校に。
  • 4 希罪 id:2VHVLW31

    2012-07-17(火) 06:47:38 [削除依頼]
    #02

    「はい、皆立ってー」
    舞嘉がそう声をかけると、まるで筍のように小さな頭が上に上がっていく。
    まだ朝の8時30分。窓側の子は暖かい日を浴びて、眠たそうに目を擦っている。
    「あれ? ご挨拶のときは手はどこだった?」
    舞嘉の隣に居た、副担任である中嶋和津(なかじま かず)が一歩前に出て、言った。すると、小さな子供たちは、手の指をピシッと揃え、足に沿うように腕をつけた。
    「高浜先生……!」
    和津は舞嘉に今ですよと言わんだかりに小声で呼んだ。舞嘉は軽く会釈をすると、「おはようございます」と教室いっぱいに響き渡る声で挨拶をする。
    すると、子供たちは軽くお辞儀をしながら、声を揃えてゆっくりな口調で、
    「おはようございます」
    と挨拶を返す。
    「じゃあ、皆座って」
    こんな、起立さえも通じない小学1年生、1-3が舞嘉の担当学級だ。
  • 5 希罪 id:CzM02IK/

    2012-07-25(水) 15:41:43 [削除依頼]

    #03

    「はい! 先生ちょっと来て」
    授業中教室の真ん中から、小さな腕が上がった。
    「何かしら?」
    舞嘉がそちらの方へ行こうと、机と机の間を縫うように歩いていく。すると、唐突にひょいと右の方から細い足が出て来た。その足は舞嘉の道を阻んでい、舞嘉はそれを咄嗟に避けようとし、転けてしまった。
    机と机の間に並行になるように仰向けに倒れた舞嘉を見て、教室はどっと湧いた。
    「先生、ドジだっ」
    児童達は、未だケラケラと面白おかしく笑いその賑わいはなかなか止まない。
    すると、和津が教卓を掌で叩き、注目を集めた。それから一息置いてから、
    「人の失敗を笑わない! みんなだって笑われたらいやでしょ?」
    と優しい口調で言った。
    その言葉で、笑いは一気に止み、口々に舞嘉に謝る声が聞こえだした。
    それから和津は、舞嘉の元に駆け寄る。そして少し微笑んでから手を差し伸べた。
    「ありがとうございます。ドジは昔からなんですけど……。早く見習わないといけませんね」
    舞嘉はそう言ってから和津の手を掴み、再び起き上がってきた。
    和津と舞嘉は同い年だが、先生歴でいうと、和津の方が一つ上であり先輩。舞嘉はこの学級を持ってから3ヶ月間、和津に頼りっぱなしであった。舞嘉は迷惑をかけないように努力しているようだが、内心は和津に惚れているのかもしれない。
  • 6 希罪 id:CzM02IK/

    2012-07-25(水) 16:00:55 [削除依頼]
    #05

    放課後。舞嘉は空調の効いた職員室の自分の机で、昨日の宿題のチェックをしていた。舞嘉からは自然に笑みがこぼれていた。
    「高浜先生、何かいいことでも?」
    ふと、後ろからコーヒーカップを持ったベテランの教師に聞かれた。舞嘉は一瞬戸惑ったものの、相変わらず笑顔のまま答えた。
    「私、このあのねちょうを見るのが好きなんです。なんか元気を貰えるっていうか……」
    その反応を見たベテラン教師は無言で舞嘉の背中をトンと叩いてから、職員室から去って行った。
    舞嘉はその教師の態度が気になったものの、再び机の上に開かれたノートに目を向ける。
    舞嘉が見ている『あのねちょう』とはいわゆる、日記帳である。その日の出来事を担任に聞かせる。嬉しかったこと、悲しかったこと。それを丁寧に丁寧にノートに書く姿を思い浮かべると、楽しくてしょうがなかった。
    「次は小波陸兎くんね」
    舞嘉は表紙に書かれた名前を確認してから、1枚、1枚とページを捲っていく。そして宿題を出した日付の書かれたページを見つけ、読み始めた。
    「えっ……!?」
    舞嘉はその文を読み終えると、いや目に入った瞬間、自らの目を疑った。しかし、何度見返しても、たった1文の内容は変わらなかった。
  • 7 希罪 id:CzM02IK/

    2012-07-25(水) 16:18:31 [削除依頼]
    #06

    「先生あのね、僕、今日死んじゃうんだ」
    舞嘉はその文を自分で口にして見た。恐ろしくて若干、声が震えている。
    そんなこと、あり得るのだろうのか。舞嘉の頭の回路は完全にショートしていた。
    小波陸兎という児童は、一際明るい性格だった。体つきはクラスで1番華奢だというのに、とても活発に行動をしていた。
    授業でも頻繁に挙手し発言をしていた。休み時間でも大きく見えるボールを抱えて、ドッヂボールをしに、校庭へ駆けて行くのも何度も目撃した。
    風邪を引いて、熱が出ていても心配かけないよう笑顔を絶やさなかった。舞嘉自身、そのときは次の日、昨日から熱があったと知らされるまでは分からなかったぐらいだ。
    そんな児童が自らの死を宣告するかのような文を書くとは、到底思えなかった。
    舞嘉はそのノートに『冗談はほどほどにね☆』と書き、ノートを閉じてしまった。そして、また次のノートを開ける。

    次の日の朝の職員会議。職員室にはきつくなってきた朝日が差し込み、なんとも清々しい朝を迎えていた。
    しかし、教頭先生の口から最悪の事態が放たれる。
    「1年3組の小波陸兎くんが、息をお引き取りになりました」

    第一章 ?終
  • 8 ひー id:EBXOjU8/

    2012-07-25(水) 16:32:24 [削除依頼]
    おもしろいです。

    応援してます。
  • 9 希罪 id:CzM02IK/

    2012-07-25(水) 20:48:08 [削除依頼]
    >8 おぉ! コメント第一弾っ! ありがとうございます
  • 10 PUMA@流ろん id:H9Py/O.1

    2012-07-25(水) 22:52:22 [削除依頼]
    今までと違う雰囲気で新鮮ですな。
    更新がんばってください!
  • 11 希罪 id:Gt3Pc0z0

    2012-07-26(木) 06:28:48 [削除依頼]
    >10 PUMAさんお久しぶりです! ありがとうございます。希罪は頑張る
  • 12 ひろか id:qEkJIiz0

    2012-07-26(木) 07:31:23 [削除依頼]
    更新 楽しみにしています。
  • 13 希罪 id:Gt3Pc0z0

    2012-07-26(木) 11:26:14 [削除依頼]
    >12 はじめまして ありがとうございます(●´艸`)
  • 14 ?帽子屋? id:j70gIaK0

    2012-07-26(木) 17:52:07 [削除依頼]
    こんにちは、希罪サン(⌒∇⌒)ノ"
    小説すごく面白いですねー!
    舞嘉の次の行動が気になります!Σ( ̄□ ̄;)
    ってことで更新待ってますねー♪
  • 15 希罪 id:OuyPTaV1

    2012-07-27(金) 06:26:06 [削除依頼]
    >14 あっ、見つかったw ありがとうございます(●´艸`)
  • 16 希罪 id:txzRtlN0

    2012-07-30(月) 11:41:22 [削除依頼]
    第二章
    #06

    職員室がざわめく。先生たちがここまで混乱してしまうのは、珍しいことだ。
    すると、職員室の入り口付近でガタッと何かが落ちたような音がした。職員たちが、一斉にそちらを振り向くと腰を抜かして僅かに震えている舞嘉の姿があった。
    「私……私のせいだ」
    舞嘉はその言葉を何度も繰り返しながら、子供のようにボロボロと涙をこぼしていた。
    近くにいた和津は、舞嘉に寄って、
    「教頭先生に詳しい話を聞きましょう」
    と舞嘉を立ち上がらせ、すっかり静まった職員室から出て、教頭の元へと向かった。
  • 17 希罪 id:low6ZGZ.

    2012-09-16(日) 21:01:22 [削除依頼]
    放置すいません。
    しばらくしてから、更新します。
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