ホシゾラ町の魔法使い12コメント

1 M・M((β応援団副団長 id:BkjGonN.

2012-07-14(土) 16:10:12 [削除依頼]
夜中、街の広場に行くと
ポストがあるんだって。

そこに「〇〇に会いたい」って書いた紙を入れると
次の晩。みんなが寝静まった夜明け前に
”魔法使い”が届けてくれる。


―でもね…
  • 2 M・M((β応援団副団長 id:BkjGonN.

    2012-07-14(土) 22:45:50 [削除依頼]
    大雪が降った。


    窓から見る景色は、
    真っ白で他は何も見えなかった。

    こんなことは、めずらしくはない。
    何しろこの町は、
    雪が降り続ける街として有名だからだ。
    夏でも、気温が25度を越すことはそうそうない。

    そして、毎年冬になると雪が町銃を埋め尽くす現象
    通称「スノーレイク」が起こる。
    始まると、最低2週間は途切れることはない。
    毎年の事、町に住む人々は
    その時期になると店も閉めて
    仕事や学校も投げ出し、
    家に籠る。
    そのため、1か月前は食料品店が大いににぎわう。


    しかし、今年は少し早すぎた。
    まだ冬の始まりかけの、
    本来ならば少し雪がちらつき始めた頃だ。
    こんな時のために非常食は各家庭に
    常備してある。

    それも、昔これと同じ事が一度あったらしいからなのだ。
    何十年…いや、もしかすると何百年に一度の出来事。
    その年の冬の”ある出来事”を告げる―


    魔法使いが、
    町に降りてくるのを知らせる
    合図なのだ。
  • 3 M・M((β応援団副団長 id:BkjGonN.

    2012-07-14(土) 23:54:13 [削除依頼]
    「あら… 早いわねえ
    もうそんな時期かしら…」

    母さんが、窓の外を見て言った。
    永遠と続く雪を。

    人々は一斉に家の中へ入って行った。
    ここから見ると、まるでアリのようだ。
    大粒の雪は、僕を不安にした。
    今年も越せるだろうか。
    雪も、僕の体も…
    早い分、いっそう不安だ。

    「母さん、こんな事ってあるの?
    まだ冬が始まったばかりだけど…」

    「そうねえ…」

    母さんが悩んでいると、
    横から編み物をしていた祖母の声が聞こえてきた。

    「昔ねえ、ばあちゃんが子供の頃もあったのさあ、
    もう70年前になるかねえ…」

    ばあちゃんは、延々と話し続けた。
    その間も、雪が降り止むことはなかった。
  • 4 M・M((β応援団副団長 id:L7NYSPt0

    2012-07-15(日) 00:10:42 [削除依頼]
    「その年のスノーレイクも、
    今頃やってきた。

    想定外だったからねえ、
    みんな驚いてあわてて家へ帰ってったのさ。
    もちろん食料も用意してねかったかんなぁ
    少し静まった時に行こうとしたんさ。
    ばあちゃんもねえ、
    弟妹達のために
    なんでもいいから食べもんをもって帰ろうって
    行ったのさ。」

    「へえ…昔もあったのねえ」

    母さんが、感心したようにうなずいた。

    しかし、不思議だ。
    なぜこんなことが…

    「でもなぁ…
    ちと甘かったんじゃ。

    ばあちゃん達は、
    帰る途中に…
    広場でスノーレイクに巻き込まれた。

    もうあれは死ぬかと思ったよお。
    だけどな…」

    「だけど…?」

    僕は、続きが気になり始めた。
    いつもは長くてダラダラしたばあちゃんの昔話だが、
    この話には興味がわく。
  • 5 °*☆レイラ☆*° id:wTNe.xR/

    2012-07-15(日) 00:14:52 [削除依頼]

    何なに何コレー!?
    なんでこんなに面白いのが書けるのー!?
    ファンになった!!すごい!!

    …あ、ソラの友達の、レイラです♪
    Mちんって呼ばれてますよね…(苦笑
    頑張ってくださ〜い☆
  • 6 M・M((β応援団副団長 id:L7NYSPt0

    2012-07-15(日) 02:07:38 [削除依頼]
    レイラさん>
    ありがとです^^

    ソラの友達ですか!
    Mちんでもなんでもおkなので;

    頑張りマッスル!!
  • 7 M・M((β応援団副団長 id:L7NYSPt0

    2012-07-15(日) 02:27:43 [削除依頼]
    「その時!その…時…
    はて…?なんじゃったかのう…」

    「えええーーー!?
    気になるじゃん!!」

    なんでこんないいとこで忘れんだよ!
    もう気になって眠れないこと確定だ…

    「すまんすまん。
    ばあちゃんもボケてきよってな…
    …あ!」

    「何!?
    なんか思い出したの?」

    僕は、急にばあちゃんの方へ振り返り、
    耳を傾けた。

    「いや…
    なんかなあ…
    蝶が舞って空から人が降ってきよって…

    いんや、その前に何かを見た気が…
    真っ黒な…ポストだったかのお

    ま、今わしがここに居るっちゅー事は
    なんかあったんだろうよ
    きっと今年のもなんかの前ぶれじゃろうて。
    そんなに気になるんなら、
    また確かめてみなぁ
    さ、もう寝んしゃい」

    母さんはばあちゃんに便乗し、
    無理やり僕をベッドに押しつけた。
    まだ物足りなかったけど、
    眠たかったのでその日はいつもよりも
    すぐ寝れた。
    息苦しさもなかった。


    確かめる、か…
    僕が?

    生きていられるかわからないじゃないか。
    この前も…
    聞いてしまったんだ。


    冬は嫌いだ。
    雪が、僕を不安にさせるから。
  • 8 M・M((β応援団副団長 id:L7NYSPt0

    2012-07-15(日) 02:43:21 [削除依頼]
    僕は、
    生まれつき体が弱かった。

    死んだ父さんがそうだったらしい。
    父さんの病気が遺伝したのだ。
    父さんも病気で死んだ。

    この病気のせいで
    外で遊んだことなんて一度もない。
    学校へ行ったことも。

    今は自宅で療養中だが、
    いつ悪化してもおかしくない。
    毎晩、突然の発作に襲われる。
    特に冬はなりやすいのだ。

    度々遠くの病院に入院する。
    そこは、何もない
    ただ冷たい壁に挟まれているだけの
    窮屈な場所だった。
    家で寝ている方がよっぽどいい。

    いつか家の外へ出て
    友達と思いっきり遊びたい…


    だが、そんな願いは叶うはずもない。
    なぜなら、この前聞いてしまったからだ。

    母さんと、先生の会話を―


    『あと1年生きられるかどうか。
    今年の冬を越すのも難しい。』

    目の前が真っ暗になった。


    後一年しか生きられない?
    冬も越えられるかわからないだって?

    母さんは、
    その場で号泣した。
    泣きたいのはこっちだ。

    それなら僕は、
    こんな体にした父さんを恨むだろう。
  • 9 M・M((β応援団副団長 id:L7NYSPt0

    2012-07-15(日) 02:51:58 [削除依頼]
    「…。」

    僕は、夜明け前に起きてしまった。
    時計を見ると、
    針は4時25分を指していた。
    外を見ると、
    まだ雪はやんでいなく、
    真っ暗だった。
    でも、少し収まっているようだった。


    そこで、僕は思いついた。
    ここから脱走しようと。

    母さんもばあちゃんも眠っているのを確認し、
    僕は玄関のドアをゆっくり開けて外へ出た。

    街灯はまだついていて、
    雪と重なってきれいだった。

    もう何か月も外に出ていなかったので、
    嬉しさとわくわくで胸がいっぱいになり、
    とび跳ねながら広場へと向かった。
  • 10 M・M((β応援団副団長 id:L7NYSPt0

    2012-07-15(日) 03:04:23 [削除依頼]
    「そう言えば…
    ばあちゃんが言ってたやつって何なんだろう?
    ポストが何とかかんとかで
    人が降ってくるって…

    ありえないよね!」

    僕は、笑いながら歩いて行った。
    広場に着いた時、
    僕は目を疑った。

    だって、そこには…


    『―真っ黒なポスト』

    ばあちゃんが言った通り
    ポストがあったからだ。

    部屋の窓からここまでは、かろうじて見える。
    でも、こんなところにポストなんて無かったはずだ。
    見落とすわけがない。
    毎日眺めていたんだから。

    「ほ…ホントにあった…」

    僕は、驚きを隠せなかった。
    横には、立て札が置いてあって、
    読むと、

    ”逢いたい人 紙に書き
    ポストに入れるべし。
    次の晩、届けに申す”

    「は…?
    なんだこれ」

    そう言った瞬間、
    すごい音とともに
    雪が僕に降りかかってきた。
  • 11 M・M((β応援団副団長 id:L7NYSPt0

    2012-07-15(日) 03:16:30 [削除依頼]
    死ぬ…!!


    ―その時だった。

    蝶が舞った。
    光が螺旋状に差し込み、そこから
    輝く黄金色の長い髪をひらひらさせた
    女が雪を一瞬で消し去った。

    何が起こったのか分からなかった。


    『蝶が舞って 空から人が…』


    ウソじゃなかったんだ…!!
    ばあちゃんの話…!


    …それより、この人誰!?
  • 12 M・M((β応援団副団長 id:L7NYSPt0

    2012-07-15(日) 19:05:05 [削除依頼]
    「おぬし
    何者だ」

    その女は、美しい声で
    僕に問いかけた。

    黒いシャツの上に黒いコートを着て、
    下は黒いホットパンツ。
    黒いマリンキャップに似た帽子をかぶり、
    さらに黒いブーツをはいていた。
    全身黒ずくめに
    金色に輝く長い髪の毛と
    真っ白な肌が映えていた。
    又、深い青の瞳も綺麗だった。
    美麗な顔。
    これが完璧とでもいうのだろうか。

    「おい
    聞いているのか」

    「お…お前こそ誰なんだよっ!
    いきなり雪の中から現れて…
    訳わか…」

    そう言った途中、
    一瞬で体中に汗がつたった。
    雪も降っている中で。
    なぜなら、それは冷や汗だったからだ。

    気づくと頭の横に、
    銃口がむけられていた。
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