叫ぶ心に戸惑い、そして安心する。6コメント

1 蟻 id:7953vHJ.

2012-07-06(金) 20:33:22 [削除依頼]

私は描いた
止めど無い雨のはじまり
煌びやかでいて、冷たく
柔い吐息の様な湿気に身を寄せ
  • 2 蟻 id:7953vHJ.

    2012-07-06(金) 20:50:09 [削除依頼]



    日が落ち街灯に灯りが灯る
    誰にも会わない様に顔をマスクで
    隠し、出来るだけ下を向いて歩いた
    駅から徒歩5分の距離が私を恐怖に包む


    「ゆかさん、おはようございます」

    「おはよう」

    黒いスーツを着た男に対し、小さい声で答えた

    開店まで少し時間が無かった
    私は出来るだけ急いでドレスに着替え
    巻いた髪を雑に整え、適当にグロスを塗った

    もう店内は開店前に備えた女が10人程居た
    そのほとんどが携帯に顔をうずめ
    今夜の客と連絡を取り合ってた
    無表情にタバコを咥え、愛をこめたメールを
    送る姿は、ああ、最高にブスだった
  • 3 蟻 id:7953vHJ.

    2012-07-06(金) 21:28:50 [削除依頼]



    背筋を伸ばし凛として見せた
    背は低いが、目は大きく力強い
    私の魅力は私が決める事ではない
    客が決める事だ
    だが見せたい世界を魅せ、
    言わせたい言葉を言わせるのがここの女の仕事


    私はそもそもこの世界に置いて空っぽなのだ
    特別、美しい訳でも無ければ口が上手い訳でも無い
    女達の上に立ちたい貪欲さがある訳でも無ければ
    男達を転がしたい訳でも無い

    もちろん、売上が上位にある訳が無く
    それにこだわる事も無い
  • 4 蟻 id:7953vHJ.

    2012-07-06(金) 23:48:05 [削除依頼]


    たまに真っ白で居たい自分が居る
    明るい光に身を置いて闇等何も知らず
    無知から来る恐怖を感じたい

    たまに闇にどっぷり浸かりたい自分が居る
    明るい光に当たれば溶けて消え
    暗闇の中で有意義に身を高めたい


    どちらも私の中に存在するが
    どちらかと言えば私は前者であり、
    この世界よりも興味深い世界を
    ずっと前から知っている

    私は昔から、自分の感情を
    表に出すのが苦手だった
    思春期の理不尽な苛立ちも自分自身を苦しめた
    何もかも不器用で不甲斐なく
    世の中が灰色に見え怖かった


    15歳の夏
    高校の体験入学で見た学芸会の中に
    ファッションショーがあった
    学生が一から作り自分で着て
    体育館に作られたステージを履き慣れない
    ヒールを履き、不安定ながらも
    満足気に歩いていた

    服等、全く気にしてなかった私が
    何故か興味を抱いた
    家に帰るなり、パソコンを取り出し
    インターネットを開く
    何か検索したかった
    彼等が特別素晴らしかった訳では無い
    が、私は観入ったのだから
    今日感じた事が何なのか知りたかった
    でも言葉が分からず、そのまま
    とりあえず"ファッションショー''と
    検索してみた

    "2007S/Sパリコレクション"

    一番最初に出て来たリンクを開いた
    それはシャネルやらD&Gやら
    なんとなく聞いた事のあるブランドから
    聞いた事のないブランドのコレクションの様子を
    まとめたものだった

    適当に流す様にそれ等の画像を見た
    正直、良く分からず
    もう辞めようとした時に一つのブランドの
    コレクションに目が止まった


    それは美しく、儚げでいて
    非現実的で、哀しく、愚かで
    優しく、ロマンチックだった

    15歳の私には知らない世界が
    多すぎて着いていく自信は無かった

    しかし、画面の向こう側には広がっていた
    私の中の叫びが、そこにはあった
    そのコレクションを見るだけで
    何故かデザイナーを感情に潜むものが
    感じとれた気がした

    あぁ、と呟くと私は涙が止まらなかった
  • 5 蟻 id:aI3x0f81

    2012-07-09(月) 02:48:20 [削除依頼]

    色がついた気がした
    その時の私が生き方に迷いがあったのか
    分からないけれど、確かに私はあの時
    私の生きる術が見えた気がした
    足元等見えなくても、それでも良かった

    しばらくパソコンと睨めっこしてから
    私は、服飾科のある高校を探した
    なかなか見つからず、次の日には
    担任の先生に相談した

    進路相談など振り払っていた
    私からの相談に担任の先生は驚いていたが
    そんな事、どうでも良かった

    早く探して、お願いだから
    お願いします

    先生はちゃんと探してくれた
    それから私は服飾専門の高校に受かり
    はじめて洋裁を経験した
  • 6 蟻 id:xTVqoJr/

    2012-07-12(木) 00:52:04 [削除依頼]


    私は手先が器用な方では無く
    単純作業が苦手で
    正直、洋裁なんて向いてなかった
    課題の作品の提出はいつもぎりぎりだったし
    やり直しだって毎回の事だった

    それでも毎日が楽しくて仕方がなかった
    私の手から物が生まれる事が新鮮で
    刺激的だった

    年に一度、集大成として
    ファッションショーもした
    三年生になる頃にはドレスを作れる様になっていた
    それはまさに学生のショーだったが
    涙が出る程嬉しいものだった


    私はこの道しか見えない

    当たり前の様に卒業後はファッション関係の
    専門学校へ進学を希望していた

    だが、私の家に専門学校に行くお金なんて
    どこにも無かった

    母は独り身でバイトをしながら
    家族を養っていた
    幸せな事にそれでも母は私の将来を
    私の思う様に叶えてあげようと
    必死に頑張っていたが、専門学校の額は
    そんな母の収入では辿り着くものでは無かった
    正直、アパレル関係の仕事に着くのに
    必ず専門学校に行かなければならない訳では
    無かったが、私はどうしても行きたかった
    何故なら私は何も知らない空っぽの人間だから
    空っぽの人間同士が集まり答えの無い場で
    共に未来を夢見たかったから

    私はバイトをはじめ
    その収入のほとんどを進学の為に貯めた

    自分で稼いだお金を自分の為に
    費やせるとは、本当に贅沢な事だと私は思う

    卒業迄にはそこそこお金も貯まっていた
    全日制の2年間の専門学校は
    行けなかったが、週3日一年間の短期の学校なら
    いける額だった

    短期だろうが、なんだろうが
    私は得たいものを得れるだろうと
    根拠のない自信を頼りに
    私は短期の専門学校へ進学を決めた

    期待が胸の中で暴れる

    抑えるのに必死だった
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