35コメント

1 ・ id:Va5aoMR/

2012-07-05(木) 18:11:22 [削除依頼]
よし、はじめよっか。
  • 16 ・ id:uZI0TXy1

    2012-07-07(土) 19:25:41 [削除依頼]
    これから家の家計がどうなるか分からない、
    ということで、
    俺は中学を卒業すると同時にその学校をやめ、
    公立の高校を受験した。
    毎回の定期テストで、
    常に学年トップを維持している俺の成績は、
    幼い頃から母さんと積み上げてきたものだ。
  • 17 ・ id:uZI0TXy1

    2012-07-07(土) 19:30:24 [削除依頼]
    そんな教育熱心で
    近所の母親同士の付き合いも大切にしていた
    俺の母さんは、
    たくさんの心残りを残していったんだろう。

    一番大きいのは「子供たち」だと思う。
  • 18 ・ id:uZI0TXy1

    2012-07-07(土) 19:32:10 [削除依頼]
    どうやら題名は
    「プロローグ」になりそうです。
    今はまだ小説っぽくはないですが、
    よければ、どうか末永くお付き合いください。
  • 19 エーラ id:AZZ5j6D.

    2012-07-07(土) 20:28:25 [削除依頼]
    すごく面白いです☆

    頑張ってくださーい(*´∀`)
  • 20 伊東 甲子太郎 id:Nss4Brb0

    2012-07-07(土) 20:31:10 [削除依頼]
    そうですか^^
  • 21 ・ id:wKbbi3p.

    2012-07-08(日) 18:44:19 [削除依頼]
    皆様、温かいご声援、誠にありがとうございます。
    今後とも、どうぞよろしくお願いします。
  • 22 ・ id:sbPhWJ.0

    2012-07-09(月) 01:30:48 [削除依頼]
    Episode1を、近日書き始めようと思います。
  • 23 ・ id:C0tVHZb.

    2012-07-10(火) 21:03:14 [削除依頼]
    Episode:1
    「いっせぇのーでっ!」

    篠田家でケンカを起こす者といえば
    俺たち三つ子と、2つ年上で高1の姉ちゃん、
    という組み合わせが一番多い。
    姉ちゃんの口癖は

    「あたし、自分より年下のガキって大嫌い!」

    で、
    毒舌しか出てこない姉ちゃんの口からその言葉が飛び出したとき、
    俺たちの脳にケンカが始まる警報が鳴り響く。
    3人のうち誰か一人が捕まっても、そのうち必ず3人集まって応戦する。
    一人では姉ちゃんに立ち向かえない。
    俺たちの姉ちゃんはすごく怖いんだ。
  • 24 ・ id:C0tVHZb.

    2012-07-10(火) 22:01:50 [削除依頼]
    姉ちゃんはどんなときも携帯電話を手放さない。
    着信音がひっきりなしに鳴り、
    メールが来ると必ず1分以内で返信する。

    「絢花、食事中に携帯をいじるのは
     やめろって言っただろう。
     行儀悪いぞ」
    「うるさいな」

    こんな会話は毎日のことだ。
    姉ちゃんは最近「反抗期」ってヤツなんだ
    って兄ちゃんが言っていた。
    姉ちゃんを本気で怒らせたら
    どうなるかわからない。
    だから姉ちゃんとのケンカはいつも3対1。
    ちなみに、それでもかなわない。

    でも、そんな組み合わせじゃないときだってある。
    今日、篠田家でケンカを繰り広げているのは
    三つ子だ。
    長男の翔と末っ子の桃、対、
    他でもない俺、颯だ。
  • 25 ・ id:EhD1KGM.

    2012-07-17(火) 02:01:39 [削除依頼]
    俺と翔はよくケンカをする。
    まれに見る三つ子の長男と次男として生まれたのに、
    俺たち2人は気が合わないことがよくあるんだ。
    翔は「翔」と書いて「ひろ」と読む。
    長男らしく俺たち3人の中では大人な発言をすることが多い、
    しっかりもので頼りになるやつ。
    でも正直で冗談きかなくて頭固い、たまにヤなやつ。
    そんなところが俺とは合わないんだ。

    ケンカは昨日の朝から始まった。
    今回もケンカの原因はいつもと同じ、
    他愛も無い言い争いから。

    「颯、冷蔵庫の扉、開いたままだったぞ。
     気をつけろよ」
    「あ、ごめーん」

    「トイレ電気つけっぱなしだぞ、颯!
     お前、さっきも…「あーハイハイ、ごめんごめん」

    「颯!!
     いい加減にしろよ!!
     先、行くからなッ!!」

    最後の今朝の寝坊で完全に翔を噴火させたらしい。
    真っ赤なマグマがあれほど流れ出たのに
    なぜか翔は玄関で俺を待ってくれていたが、
    俺たちは登校中、一度も言葉を交わさなかった。
    学校に着いても、いつものようにはおしゃべりしないで
    お互いにさっさと教室に入り、
    俺は忘れた教科書も桃に借りた。

    ケンカ中だけど、いつも一緒にいるやつが
    急に隣にいないとやっぱり心に隙間風が吹く。
    一日経てば翔の噴火もおさまると思った。
    いつもはそうだから。

    でも今回は、そううまくいかなかった。
    思ったより大規模な噴火だったようだ。
  • 26 ・ id:oVnnQBX1

    2012-07-24(火) 08:33:08 [削除依頼]
    部活でも、帰り道でも、家に帰っても、
    俺と翔は口をきかなかった。

    お前が話しかけてくれなきゃ、
    俺が自分から謝るのイヤだって知ってるくせに。

    いつまでたっても許してくれない翔に
    俺はイライラしてきた。
    毎週3人で見ている連ドラも全然おもしろくない。
    桃まで俺を避けているようで
    翔とばかり話している。

    どっかーん

    俺もついに大噴火をおこした。

    「絶対謝らないからッ!!」

    幼稚園児みたいな捨て台詞を残し、部屋に走って
    自分のベッドに盛大にダイブした。
    翔たちの笑い声が再び響く。
    どうでもいいんだな、俺は。

    「どうした、颯。
     大丈夫か?」

    兄ちゃんが驚いて駆けつけた。
    ドアから覗いた端整な顔立ちの兄ちゃんに
    クッションを投げつけて追い返した。
    こういうときのうちの兄ちゃんは、
    翔と違って本当に物分りがいい。
    こりゃだめだ、って顔になって静かにドアを閉めた。

    兄ちゃんが廊下を歩く足音。
    翔と桃がリビングでお笑い番組を見る笑い声。
    急に目の奥がじゎっと熱くなって、
    涙が一粒落ちた。

    ごめん。

    その一言が、俺はいつも言い出せない。
    悔しくて、寂しくて、
    まくらに顔をうずめる。
    翔の笑った顔が、脳裏に浮かんでは消えていた。
  • 27 ・ id:5dXzDm81

    2012-07-25(水) 18:14:34 [削除依頼]
    どれくらい経っただろう。
    そう思って時計を見ると、23時25分。
    すっかり時間が経っていた。
    家は静まり返っている。
    兄ちゃんと姉ちゃんはもう寝ただろう。
    父さんは今日も出張で帰ってこない。

    ふと部屋を見渡すと、両隣のベッドで寝ているはずの
    翔と桃の姿がない。
    俺と顔を合わせるのがイヤで、ふたりとも違う部屋で寝たのか。
    しばらくボーッとしていると部屋のドアがそぅっと開き、
    桃が顔をのぞかせた。

    「入っていい?」

    おそるおそる、という感じで聞いてくる桃に
    俺はイラッとして

    「お前の部屋でもあるんだから当たり前だろ」

    と声を荒げた。
    桃はうん、と言って少し笑った。
    そして何かを決意したように表情を引き締めると、
    俺にずんずん近づいてきた。
    こんな桃を見るのは初めてのような気がした。
  • 28 ・ id:gXi8m4k1

    2012-07-27(金) 08:20:07 [削除依頼]
    桃は自分のベッドに座り、俺の方へ体を向けた。
    さっきの、見たことのない桃の表情はどこかに行って
    足もくずし、

    「あのさぁ、」

    と俺に語りかけ始めた。
    先ほどから行動が意味不明の桃に
    俺はまだイライラしていたから、
    そっぽを向いていた。
    桃は気にするふうでもなく、続けた。

    「颯は翔がきらい?」

    俺は思わず桃の方を向いてしまった。
    予想していた質問とはあまりにも的外れだったんだ。

    「別に…嫌いじゃないよ。
     そういう時もあるってだけで…」
    「そっか」

    桃は微笑んでいる。
    なんだ?
    なにが言いたいんだ。

    「お母さん、言ってたよね。
     ずっと前。
     覚えてる?」

    …母さん?
    この状況におよそ意外な人物が登場した。
    2年前に死んじゃった母さん。
    美人で優しくて、
    ときに父さんより逞しかった俺らの母さん。

    …!?
    思い出した。
    あのときも俺と翔がケンカしていた。
    二人とも負けを認めたくなくて、
    泣きじゃくっていた。
    最後に母さんが言ったんだ。

     
  • 29 ・ id:gXi8m4k1

    2012-07-27(金) 08:24:09 [削除依頼]
    「あなたたちは三つ子でしょう。
     世界の誰よりもお互いのことを分かり合える、
     素晴らしい存在でしょう」

    …母さん。

    「ケンカするから、
     前より相手のいいところを発見できるし、
     前よりもっと仲良くなれるよね」

    あぁ、母さん。
    そうだったよ。忘れてた。
  • 30 ・ id:l0FfxNa1

    2012-08-04(土) 00:59:14 [削除依頼]
    「でも、まずは相手を認めてあげなきゃね。
     謝って、笑いあって、で、
     新しい二人になれるんだよ」

    まだ幼かった俺と翔は、
    たぶん言葉の意味をちゃんと理解できていなかったと思う。
    でも俺たち二人は、そのとき仲直りできたんだ。
    それは、母さんのあの言葉が俺たちの中に響いたから。
    まだ幼い俺たちにも響いたからなんだ。

    翔との関係が悪くなりだした頃のことを振り返って見る。
    翔の言葉を途中で遮ったり、
    わざわざ遠い桃の教室まで行って教科書を借りて
    翔と話そうとしなかったり。
    俺たちは歩み寄ろうとはしなかった。
    でもお互いに相手が悪いと譲らない。
    謝ろうかな。
    俺の「ごめん」は翔の中に響くかな。

    (なんか笑っちゃうことやってんな、俺ら。)

    そう思った。
    あふれそうで、でも桃が来たから慌ててひっこめた涙。
    窓を全開にして空に向かって叫びだしたい心。
    そんなものはいつしか消え去って、
    自然に笑みを浮かべていた。

    桃を見ると、俺をみてにこにこしていた。
    ありがとう。桃と母さん。

    「翔のとこ、行ってくる!
     どこにいる?」

    桃は笑いながら言った。

    「いつものとこ!」

    向かいの公園だな。
    分かりやすいやつだ。

    俺と翔はよくケンカをする。
    まれに見る三つ子の長男と次男として生まれたのに、
    俺たち2人は気が合わないことがよくあるんだ。
    長男らしく俺たち3人の中では大人な発言をすることが多い、
    しっかりもので頼りになるやつ。
    でも正直で冗談きかなくて頭固い、たまにヤなやつ。
    そんな翔が俺は好きだ。

    これからはもっと翔と仲良くしよう。
    母さんの言うような「素晴らしい存在」、大事にしよう。
    ずっと「いっせぇのーでっ」で進んでいこう。
    三人で進む。誰もおいていかない。
    声を合わせて、三人で。
    これ、いつまで続くかわからないけどね!
  • 31 ・ id:l0FfxNa1

    2012-08-04(土) 01:01:54 [削除依頼]
    Epiode:1、連載終了
  • 32 ・ id:J7wmn8t0

    2012-09-03(月) 20:49:57 [削除依頼]
    Episode:2、はじめます。
  • 33 ・ id:J7wmn8t0

    2012-09-03(月) 21:24:03 [削除依頼]
    Episode:2
    「はじめまして、お母さん」

    朝、
    まだひんやりとしている篠田家。
    今日は天気が悪いのか
    外はまだ薄暗く、雪がちらついている。
    篠田家ではリビング・ダイニング・キッチンは
    仕切りはなく、ひとつながりになっている。
    今は一番奥にあるキッチンだけが灯りを灯され、
    家中で誰よりも早起きの晃一が
    6人分の朝食を作っていた。

    朝から変な夢を見たな、と晃一は思った。
    今日は天気も悪いようだし、
    なにか事件が起こるのだろうか。
    飛び起きてからずっと、悶々と考えている
    少なくともまだ答えの出るはずのない問いを
    繰り返そうとしたとき、
    晃一の他の住人がまた一人降りてきた。
    篠田家の末っ子、桃だった。

    桃はリビングのドアを開けるなり
    おはようも放り出して言った。

    「うそぉ晃兄ちゃん、
     ストーブつけてないのっ!?
     寒ッ!!」

    桃に言われて晃一は
    やっと今の季節とこの時期の朝の気温を思い出した。
    そしてようやく自分も「寒い」と思っていたことに気づいた。
    桃はぶつぶつ言いながらストーブを点けている。
  • 34 ・ id:J7wmn8t0

    2012-09-03(月) 21:25:56 [削除依頼]
    Episode:2は、
    「プロローグ」の続きです。
  • 35 ・ id:umhN54g/

    2012-09-19(水) 16:28:51 [削除依頼]
    桃の羽織っているカーディガンは
    生前、薫が桃に買ってやったものだ。

    ――――――――――――――――――――――――
    注・「薫」晃一ら6人兄弟の母親。
      長男である晃一が15歳、末っ子の桃が10歳の年に
      病気で他界。
    ――――――――――――――――――――――――

    桃はそのカーディガンをとても気に入っていて
    袖口や裾が傷んできても、自分で縫って
    ずっと愛用している。
    薫が亡くなった年、桃はまだ小学4年生。
    家中で数少ない女手として今では随分大人になった。
    でも晃一は、
    カーディガンの懐かしい温もりに包まれている桃を見ると
    泣き虫だったあの頃の桃を重ねてしまう。

    「そういえば今日は、お父さんが帰ってくるんだよね」

    あぁ、と晃一は我に返った。
    桃は父親が好きだ。
    この年になっても「お父さん、お帰りーっ」
    と駆けていく桃は、やはり幼い。

    「昨日電話でお父さん、言ってたよ。
     今回は桃たちがみんな喜ぶすごいお土産があるよって。
     なんだろね。
     あたしたち6人、けっこう好み違うのに。」
    「さぁ?
     また帰ってきてすぐ、焼肉いくぞーとか
     いうんじゃない?」

    前回帰ってきたときはそうだったのだ。
    夕飯も父さんが帰ってくるから多めに、と作っておいた
    のに、晃一としては慶介への怒りを抑えるのに苦労した。

    「えー、だめだよ。
     お姉ちゃん、ダイエット中って言ってたもん。
     またケンカしちゃう。」

    ――――――――――――――――――――――――
    注・「慶介」晃一ら6人兄弟の父親。
    ――――――――――――――――――――――――  
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