俺とお前と君の夏5コメント

1 梅原 安都子  id:pQXWyDY0

2012-07-01(日) 12:45:02 [削除依頼]

〜プロローグ〜

「忘れ物しちゃったぁ〜。」

豊原麻里が、にこっと笑って、梅雨の
ムシムシした教室に入って来た。麻里
のキラキラの笑顔は、僕達をとりこに
する。心臓にぐさっとささって、顔が
赤くなって、ふらふらする。

「どうしたの。二人とも?忘れ物?
そんな、訳ないかぁ。」

麻里は、一人で、ヘラヘラと笑った。
翔太も僕も、驚いた。なぜなら、ちょ
うど、麻里の事をしゃべっていたから
だ。不自然に感じた、麻里は、首をか
しげた。僕と翔太は、顔を見合った。

「でも、ちょうどいい所にいた。
家に帰ってから、しょーたとし
ょーがに、電話をしようと思って
たんだ。」

麻里は、また、愛しい笑顔で、にこっと笑った。

「何で?」

翔太は、はっとした。僕は、少し顔を上げた。

「今度、神社で、お祭りがあるでしょ。
去年、一緒に行けなかったから、今年こ
そ、一緒に行こう。私は、予定、空いて
るけど、二人とも、空いてる?」

もちろん、空いけている。
去年は、麻里が、急に熱を出して三人で、行けなか
ったから、今年は絶対三人で、行きたかった。

「うん。空いてるよ。」

僕は、麻里のくりくりした目をじっと
見つめながら、言った。

「俺も空いてるよ。」

翔太も、もちろんこの日は、誰
とも約束せずに三人で行くつもりで、予定を
空けていた。

「良かった。浴衣で、行くから、楽しみにしててね。」

「はいはい。」

僕は、内心、嬉しいけど、だるそうな返事を返した。

「何?菖芽の返事!翔太、楽しみにしててね。」

僕は、麻里の冷たいレーザービームを視線から、感じた。

「あーはいはい。分かったよ。分かったよ。」

翔太は、鼻で、笑った。

「二人とも、ひっどーい。」

「帰ろーよ。」

麻里は、忘れた、水筒を首からかけた。

「ごめん。俺ら、運動場で、ゆーちゃん達と
野球する約束してるから。」

これは、嘘だ。今から、翔太としゃべらないと
いけない事があるからだ。

もし、今、麻里に「二人でしゃべらないといけな
い事がある。」なんて、言ったら、怪しむかもしれ
ないから、嘘をついたんだ。

翔太は驚いた顔で、僕を見る。僕は、目で
合図を送った。

翔太は、僕に合して、
「だから、ごめん。先、帰っといて。用意も
してないからさ。」

「分かった。じゃあね。バイバァ〜イ。」

麻里は、細く綺麗な手で、僕達に手を振った。

僕達は、改めて、向かい合って椅子に座った。
  • 2 梅原 安都子 id:Il2aRaB.

    2012-07-01(日) 13:07:49 [削除依頼]

    「菖芽、嘘、つくの上手いよな。将来が非常に心配。」

    翔太は、非常にだけを強調して、言った。
    それが、むかつくんだ。

    「何でだよ。お前に何で、将来、心配されないと
    いけないんだよ。」

    僕は、口をとがらして言った。

    「お前、将来、麻里と結婚したいんやろ?」

    僕は、グーで、翔太の頭を殴った。

    「はっ?意味、分かんねぇーよ。」

    「この、ツンデレ野郎。」

    翔太は、ニヤニヤと笑う。
    でも、翔太だって麻里のことが、好きなのに。

    「ツンデレは、翔太だろ。そんな事いいながら、
    お前だって麻里が好きなんだろぉ。」

    僕は、ニヤニヤと笑った。

    「はぁ?俺のどこが、ツンデレな訳?
    ツンツンしてねぇよ。デレデレしてねぇよ。」

    翔太は、ひじをついて、悪そうな顔で、笑った。

    「ほら、今、ツンツンしてるじゃん。
    翔太が、怒っても可愛いぞぉー。」

    僕は、一人で、大爆笑した。

    「・・・・・可愛くねぇよ。」

    「まぁまぁ、ツンデレ翔太君、落ち着きなさい。」

    「絶対、菖芽の方が、ツンツンしてるし
    デレデレしてるじゃん。」

    「落ち着けぇ〜翔太ぁ〜」

    「意味分かんねえよ。ツンデレ翔太は、
    麻里のどこが好きなの?」

    「知らんし。つーか、麻里ってたぶん、
    菖芽のことが好きだと思う。」

    真面目な顔で、翔太が、僕を見る。

    「何で?」
    そんな訳ない。麻里が僕を?

    「麻里、見てたら、分かるし。」

    「いつも、見てる系ですか?」

    僕は、手をグーいにしてマイク風に、
    翔太の顔に向けた。

    「あーはいはい。違いますね。」

    翔太は、目は笑ってるけど無理から真顔に
    して、答えた。

    「嘘は、いけませんね。」

    僕は、吹き出したい気分だけど、真面目な顔で、言った。

    「はいはい。そんな事は、どうでもいいけど絶対、
    菖芽と麻里は、両想いだよ。」

    「違うよ。絶対に違う。麻里は、誰も好きじゃない
    だろ?それに、俺より、翔太の方が、麻里は、好き
    だと思う。」

    「・・・・・・・じゃあさ!なぁ、今度の夏祭りで、
    告ろう?」

    深刻な話をするような表情が重い気がする。

    「?・・・・・俺も告るん?」

    僕は、口をポカリと空けて動作を止めた。


    「もちろん。俺も告るし、菖芽も告る。」

    「強制な感じ?」

    「誰かに麻里、取られたらどうする?幼なじみで、
    いつも一緒にいるのに他の誰かに取られるって俺は、
    絶対、嫌だ。」

    翔太が顔をつきだして、くる。

    「確かに、俺も嫌だ。」

    「だろ。じゃあ。」

    「・・・・お前も告る?」

    「菖芽が、するなら、俺もするけど。」

    「じゃあ、俺、告るから、翔太も告れよ。」

    「分かった。約束やぞ。」

    「うん。約束するわぁ。」
  • 3 梅原 安都子 id:Il2aRaB.

    2012-07-01(日) 13:32:12 [削除依頼]

    『西村』

    新築なので、表札は、太陽の光を浴びて、輝いている。

    「ただいまぁ〜。」

    「おかえりなさぁ〜い。」

    陽菜子の声がリビングから聞こえてくる。

    「あれっ?萌生は?」

    僕は、洗面所で、手を洗いながら、言った。

    母は、近所の中華料理屋の厨房に立っている料理人。
    父は、東京に主張中のサラリーマン。
    としごの妹の陽菜子は私立の小学校に通っている
    お嬢様モドキ。

    末っ子の萌生は、幼稚園の年長で保育園で、
    預けているのを学校の帰り陽菜子が、むか
    えに来てもらって、帰っている。

    「萌生は、寝ちゃってるよ。お兄ちゃんが
    帰ってきたら、二人で公園行く約束してたのになぁ。」

    陽菜子の声が、聞こえてくる。

    「ふぅーん。」

    僕は、二階に上がった。

    「何?」

    陽菜子は右手に鉛筆を持って、
    階段の一段目の所で言った。

    「べつにぃ。」
    僕は、階段を駆け上がり、陽菜子と僕の部屋に入った。

    二段ベッドの上の段が僕の寝る場所だ。僕は、ベッドの
    上で大の字になって寝転がった。クリーム色の天井
    をぼーんやーり見つめる。麻里の顔が、頭に浮かぶ。
    麻里と翔太と僕は、赤ちゃんの頃からの幼なじみで仲が
    良い。

    だけど、男二人で、女一人というのは、不味く
    ないか?

    しかも、その女が美系でそうとう可愛かったらもっと、
    不味くないか?

    二人で、一人を取り合わないといけなくなるなんて、
    もっと、もっと、不味くないか?

    不味い。

    最悪のパターンだ。

    この前暇だったから読んだ、陽菜子の少女漫画の内容
    みたいだ。
    少女漫画は最後は、めでたしめでたしで、終わるが
    現実は、そう甘くはない!

    「ピンポーン」
  • 4 梅原 安都子 id:Il2aRaB.

    2012-07-01(日) 13:36:09 [削除依頼]
    誰だろ。

    窓から下をのぞくとチャイムの前で立っているのは、
    麻里と麻里の親友の森野愛美と辻本美咲がいた。

    「お兄ちゃーん。麻里お姉ちゃん達、来てるよ。」

    陽菜子が、下から、声が聞こえる。

    「分かった。陽菜子、出て!」

    僕は、階段を急いで、下りた。
    でも、出る気にもなれずキッチンの所の角に隠れて、
    話を聞いていた。

    「陽菜子ちゃん!久しぶりだねぇ。」

    麻里が陽菜子の頭をなでている。

    「西村って、妹さん、いるんだね。陽菜子ちゃん
    っていうの?」

    社交的な森野と美咲は、陽菜子にしゃべりかける。

    「西村陽菜子と言います。お兄ちゃんがお世話に
    なってます。」

    家にいる時とは、態度が大違いだ。

    「陽菜子ちゃん、しっかりしてるよね。
    いいなぁ。西村は、可愛い妹がいて。」

    森野は、陽菜子の頭をなでている。

    「陽菜子ちゃん、お兄ちゃんいる?」

    「二階にいるから、呼んで来ます。」

    陽菜子でも、敬語、使えるのか・・・・。

    「お兄ちゃーん。麻里お姉ちゃん達が、来てるよ。」

    「うん。」

    二階から下りてきたフリをしてキッチンの角から
    ひょいと姿を現した。
  • 5 梅原 安都子 id:Il2aRaB.

    2012-07-01(日) 13:40:13 [削除依頼]

    「あっ!西村!」

    女子一同が、はっと顔を上げた。

    「何?」

    僕は、麻里がいてドキドキしてるけど、照れ隠しに目
    をさらして冷たく言った。

    「何じゃないわよ!帰りの挨拶の時に先生、言って
    たじゃない。思い出して!」

    辻本が突然、キレてきた。

    「何の事だよ?何か、大事な事言ってた?」

    意味分かんない。僕は、先生の話を聞くような真面目で、
    真ともな奴じゃない。

    「言ってたわよ!もしかして、話、聞いてなかったの?」

    森野が、口をぽかりと大きくあけた。でも、実際、森野は、小柄で、パーツ一つひとつが小さい。

    「・・・・はぁ?」

    僕は、何の事やらと首をかしげた。
    要件があるなら、早く言ってほしい。
    麻里の顔は見たら赤くなって感の鋭い
    森野と辻本ばれる。だから、目線は森野と辻本
    だけしか、入れないようにした。

    「転校生が、くるって言ってたじゃない。」

    麻里が、ため息まざりにゆっくり言う。

    「あー。そう言えば、名前は、忘れたけど
    くるとか言ってたような。」

    僕、結構、聞いてたんだ。
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