.嘘に口づけ182コメント

1 虎辻 凪 id:GZyWJci1

2012-06-29(金) 22:30:19 [削除依頼]


「例え生まれ変わっても、俺を愛せ」
  • 163 優* id:7skWufS.

    2012-07-21(土) 14:22:33 [削除依頼]
    >162 わかったよ!!

    更新 楽しみにしてるね
  • 164 虎辻 凪 id:3.YvWs2.

    2012-08-05(日) 00:24:22 [削除依頼]
    *.間に一休み

    あげもかねて。

    私は来年受験生なので、もうすぐここを一旦卒業します。
    受験後にまた帰ってきて、地道に書きたいと思います。

    今読み返すと、誤字脱字が半端ないですね。恥ずかしいです。
    完結したら改訂版でも出そうかな……。まだまだ先の話だけど。
    誤字脱字直したいなあ、改訂したいなぁ。
  • 165 虎辻 凪 id:3.YvWs2.

    2012-08-05(日) 00:31:39 [削除依頼]

    22.


     …………。


     朝、七時。眩しい陽光が差し込み、体が温かい。私の好きな、この時間。
     でも、今日はパチッと目が覚めてしまった。勿論、いつもはこのひと時に酔いしれてベッドの上でごろごろしているのだけれど、今日は違かったのだ。普段より断然早く起きてしまった私は、機械仕掛けのように起き上がり、朝食を食べる。母はリビングにはいない。この家に帰ってきているのかも分からない。そんなこと私にとってはどうでもいい。
    顔を洗い、操られながら机に向かう。では無い。人形になってはダメだ。
     机の横にある洋服箪笥を開けた。四段あるものの、洋服は全然入っていない。元々あまり買っていないのもあるけど、ほとんどは母に売られた。
     ――どうするか。ピンチだ、ピンチ。服が無い。
     今夜はあの可愛過ぎる天使、歩ちゃんとディナーである。お金は小一から中三まで紫雨さんと八王子さんから貰っていた、お年玉がまだ残っている。母からは貰えなかった。生活費払っているんだから我慢しろ、ということだと思う。
    しかし服だ、服。そのお金を使って買ったら、ディナー分のお金が無くなる。仕方ない。ここにある服で頑張ろう。
     
     悩み悩んだ結果。二時間後、やっと決まった。紫のブラウスに黒のカーゴパンツ、黒紐のサンダル。どれも古着屋で買ったセール商品である。これが今の私の、最大の切り札だ。
    決まったことにホッと胸を撫で下ろし、心中のドキドキを抑えるために、勉強をする。最初はあまり頭に入らなかったけど、やっていくうちに段々と集中してきた。数学の計算問題をひたすら解く。全身から炎が舞い上がってくるようだった。
     
  • 166 虎辻 凪 id:3.YvWs2.

    2012-08-05(日) 00:33:22 [削除依頼]
    >165 *  午後四時。携帯の着信音が鳴った。天使との待ち合わせ時間の一時間前である。  私は問題解き中の手をすぐさま止め、携帯を耳にあてた。心臓が激しく上下する。別の意味で痛かった。 『もしもし? 美羅ちゃん?』 『あ、は、はいっ』  携帯越しから聞こえた甘い声に、背筋がピンと張った。携帯を握る手が汗ばむ。 『あはは。ウチなんかに緊張しないでよ。ところでさ、喫茶店“ケレン”の場所って知ってる?』 『う、うん。行ったことないけど……』 『ならよかった! バスとか使って来てくれるかな? 本当は妃虎とかに迎えに行かせたかったけど、妃虎バイク壊れて鷽二市の隣の市にいるんだよね。さっきいのじも行っちゃったし』  歩ちゃんの話では、妃虎は一昨日、鷽二市の隣の市にいる途中にバイクが壊れて、そこで修理して貰っているらしい。直るのが終わるまで、その市にいるそうだ。それを知ったいのじくんが、歩ちゃんとのデート後に呆れながらも様子を見に行ったとか。 『うん、全然いいよ。すぐ行くね』  この近くなら無料バスがあったから、と付け足す私。携帯ごしの歩ちゃんは申し訳なさそうに声を落とした。 『ごめんね。どうせなら私が迎えに行きたかったけど、生憎今は持ってなくてさ。こんなことなら捨てなければ良かったなぁ』 『え、何を?』  車では無いことは当然だから、私は不思議に思って聞き返す。 私の疑問に、歩ちゃんは平然と答えた。その言葉は夢にも思わなかったモノだった。 『バイク。ウチのバイク、結構性能良かったんだよ』
  • 167 虎辻 凪 id:3.YvWs2.

    2012-08-05(日) 00:36:40 [削除依頼]
    >166  …………。 『え?』  数秒遅れで、間の抜けた声が出た。  耳を疑った。聞き間違えたかと思った。というか、間違えであってほしかった。でも、私の小さな希望は刹那に大きい音を立てて崩れることとなる。次の歩ちゃんの言葉によって。 『ウチ、元ヤンキーなんだ』 『……』  黙りこくる私に、歩ちゃんはさらなる追い討ちをかける。 『勿論いのじも元ヤンだよぉ。中学時代は荒れてたの。でも、ウチら幼馴染三人、違う市の中学校だったから高校ではそういう噂は無いんだよねぇ』  ……ま、まじで? あの可愛い天使の歩ちゃんがヤンキー? 穏やかなしっかり者の好青年いのじくんがヤンキー? 妃虎はいいよ、妃虎は認める。でも二人はないでしょ、無い無い無い無い。  心の中で必死に否定していると、歩ちゃんの甘い声が鼓膜を揺らした。 『美羅ちゃん? もしもし?』 『は、はいっ!』  ハッと我に返る私。携帯を落としてしまいそうになった。 『まあ……いきなり信じられないよねぇ。そーゆう話もしてあげるから、早く来なよ』 『すぐ行きます!』 『あはは、面白い。“ケレン”で待ってるね』  そして、通話は切られた。私は少しの間、動くことができなかった。
  • 168 ひろか id:ZyREhal/

    2012-08-05(日) 10:09:46 [削除依頼]
    凪s♪ ひさしぶり!

    更新マッテマス♪♪
  • 169 虎辻 凪 id:3.YvWs2.

    2012-08-05(日) 19:47:41 [削除依頼]
    ひろかさん>

    久しぶりです^^
    いつもいつもありがとうございます、嬉しいです。

    もうすぐ受験生なので一年半程更新ストップですが、受験後にまた完結にむけて頑張りたいと思っておりますので、宜しくお願いします。
  • 170 虎辻 凪 id:3.YvWs2.

    2012-08-05(日) 20:28:16 [削除依頼]

    23.


     お馬さん?


     バスから降りる時に見上げる午後五時の空はもうすっかり夕焼け状態で、青空に浮かぶ雲が夕日に照らされて薄橙色になっていた。
     “朽津町”と活字で書かれたバス停留所の看板を、私は左に通り過ぎる。ただでさえ地味な格好で目立つのに、人が少ない場を通るのは少し恥ずかしかった。
     朽津町は凄く広く、沢山の人が行き交うも、ほとんどの人は右に行く。右の方が商店や住宅が多いからだ。確か、妃虎の家も右奥の住宅街にある。あいつ、“ケレン”の近くにあるって言ってたのに嘘じゃんか。

     不良が溜まりそうな薄気味悪いコンビニやスーパーマーケット。人いないんじゃねぇのって思うぐらいの静けさを漂らせている。
     店が何軒かある中、半分を占めるのは空き地。草が所狭しと生えたところや、草野球ができそうな何も無い地面があちらこちらにあった。
     段々と不安になる私。進む足が、無意識に遅くなっていく。本当にこっちであっているのだろうか? もしかして、喫茶店“ケレン”って右じゃねぇの? 
     思えば思う程心配になってきて、どんどん冷や汗も垂れてくる。耐え切れずに引き帰そうかと思った、その時。

     道の行き止まりに建つ煉瓦の家の前に、“ケレン”とかかれた看板が見えた。

     声が出そうな衝動をおさえ、一気に走り出す。僅かに息を切らして見上げたその家は、まさしく目的の場所。看板の文字の横に描かれた、冠と雲を重ねたマークが特徴で、店外はレトロな雰囲気に包まれた喫茶店。こうしてみると、先ほどのコンビニやスーパーマーケットなどとは比べ物にならないほど、存在感がある。
     私はゴクリと唾を飲みこむ。入ったことないお店に入るのって、結構勇気がいる。というか、喫茶店自体初めてかも。

     意を決して、扉を開けた。手が汗ばみ、ドアノブに滑る。
     カランコロンと軽やかな鈴の音が耳に入ると同時に、視界が広がった。
    「え?」
     目に映った光景に、私は肝を潰した。
  • 171 ひろか id:sitTw5m/

    2012-08-05(日) 21:05:44 [削除依頼]
    一年間半もストップしちゃうんですか??!!

    受験生は大変ですね・・・。

    更新マッテイマス
  • 172 虎辻 凪 id:3.YvWs2.

    2012-08-05(日) 21:30:03 [削除依頼]
    ひろかさん>
    はい、勉強に集中したいので。
    受験が終わったら、また更新します。
  • 173 虎辻 凪 id:85Now631

    2012-08-09(木) 16:30:49 [削除依頼]
    >170  人が、いない。  目の前にはモダンなテーブルがきっちりと並べてあって、それはもう喫茶店っていう感じだった。奥には厨房もあり、全体が落ち着いている。  でも、静か過ぎた。微かな衣擦れの音も、声も、物音も、何も聞こえない。つまり、客も店員もいないのだ。  ガラーンと効果音でも出てそうな雰囲気に圧倒され、茫然と立ち尽くす私。  ……“ケレン”っていったよね? 待ってるっていったよね? え? 誰もいなくね?  徐々に不安を帯びていき、鼓動が早まってきた。顔が引きつる。とりあえず帰ればいいのかな、と自問自答した――その時だった。 「いらっしゃいませ!!」 「――っ!!?」  唐突に耳に入った甲高い声に、私は声にならない悲鳴を漏らす。ビクッと肩が勢いよく上がって、鞄を落としてしまった。ドサッとまるで人が倒れたかのような音が、広い部屋に伝わる。鞄が落ちただけの音なのに、やけによく響いた。 「美羅ちゃん待ってたよ! 準備に時間かかっちゃった」  まん丸の目に映ったのは、厨房から出てきた歩ちゃん。白とピンクのエプロンドレスを着ていて、これまた一段と可愛い。ふんわりとしたスカートの端には勿論フリルがついていた。  未だに心臓は大鐘を鳴らしながらも、心の底でホッとする自分。軽く息を吸って呼吸を整え、冷静を装った声を出した。 「ううん大丈夫。それより、歩ちゃん……お客さん……」  いざ言おうと思うと、やっぱり口籠る。何となく言いづらい。  そんな私の様子にピンときたのか、歩ちゃんはニコッと微笑み返した。柔らかい声だった。 「ああ、お客さんは今日いないよ。いつもは沢山いるけどね。今日だけは店長さんに言って、定休日ってことにしてもらったんだ。つまり、ウチと美羅ちゃんの貸切」 「え?」 「ウチね、ここでバイトしてるの。いのじも一緒だよ。妃虎は誘ったんだけど、断られちゃったんだ」 「へー」  初耳のことに私は素直に驚く。  こんな場所の喫茶店でバイトしていることは不思議だったけど、このお店が繁盛しているのは、歩ちゃんたちのおかげでもあると思うから黙っておいた。お客さんの大半は歩ちゃんといのじくん目当てで来ているに違いない。  妃虎がバイトを断る姿は簡単に想像できた。そういう柄ではないし、第一あのお方のお父様は有名なお医者様である。お金には一生困らないだろう。 
  • 174 虎辻 凪 id:85Now631

    2012-08-09(木) 17:37:50 [削除依頼]
    >173 「美羅ちゃん、ほら、ここ座って」  不意に歩ちゃんが口を開いた。窓際の四人掛けテーブルに色白の手を置いている。  私はハッとして頷き、歩ちゃんの真向いに座った。その前に咄嗟に拾っておいた 鞄も、隣の椅子に置く。  店内は本当に私と歩ちゃんの二人だけしかいなくて、ドキドキした。静かで新鮮 で、気持ち良くて。二人で話してお食事なんて初めてだった私は、泣きたくなるほ ど嬉しかった。  気持ちを抑えるため、微かに俯く私に、ニコニコ顔の歩ちゃんが言う。透き通っ た声は私を和ませた。 「もしかして、元ヤンってきいて引いちゃってる?」 「え」  思わず顔を上げた私は、戸惑う。言葉が見つからない。  ていうか、満面の笑みで言うことじゃないと思うし。まだ元ヤンて信じきれてな いし。  心の中の私が焦る中、頬杖をついている歩ちゃんは唇を動かす。あどけない可愛 さに、酔うような色気が混じっていた。 「冗談だよ。ウチ、ヤンキーっていってもそんなに喧嘩してた訳じゃないんだ。強 くなかったし。まあ、外見はそれなりだったけどね。あのころはとにかく、強くな りたかった」  それを聞いて、少し安心する私。歩ちゃんの喧嘩してる姿なんか想像したくもな いし、第一想像できない。 「ヤンキーのときはね、三人で行動してたの。チームとかは入らなくて。妃虎とい のじが喧嘩して、ウチは……情報収集役だったかな」 「情報収集?」 「うん。自分でいうのもなんだけど、ウチ、かなりの情報持っててね。いわゆる情 報通かな」  そう言って、意地悪そうに歯を見せる歩ちゃん。そんな顔さえ可愛いと思う私は 、たとえ彼女に嫌なことをされても、絶対恨めないだろう。 「というか、ウチのことなんかどうでもいいよ。話したいのはそんなことじゃないの」  静寂に歩ちゃんの調子の良い声が響く。オルゴールのような綺麗な音だった。  ついついウットリとしてしまっている私に、続けて歩ちゃんが言う。 「話したいのは、妃虎のことなんだ」  その言葉で、私の中でフワフワ浮いていた風船が破裂した。
  • 175 虎辻 凪 id:85Now631

    2012-08-09(木) 17:39:26 [削除依頼]
    */訂正 >174 改行がものすごいおかしい、読みにくい。 何でこうなったんだろう。一旦直します。
  • 176 虎辻 凪 id:85Now631

    2012-08-09(木) 17:40:38 [削除依頼]
    >173 「美羅ちゃん、ほら、ここ座って」  不意に歩ちゃんが口を開いた。窓際の四人掛けテーブルに色白の手を置いている。  私はハッとして頷き、歩ちゃんの真向いに座った。その前に咄嗟に拾っておいた 鞄も、隣の椅子に置く。  店内は本当に私と歩ちゃんの二人だけしかいなくて、ドキドキした。静かで新鮮 で、気持ち良くて。二人で話してお食事なんて初めてだった私は、泣きたくなるほ ど嬉しかった。  気持ちを抑えるため、微かに俯く私に、ニコニコ顔の歩ちゃんが言う。透き通っ た声は私を和ませた。 「もしかして、元ヤンってきいて引いちゃってる?」 「え」  思わず顔を上げた私は、戸惑う。言葉が見つからない。  ていうか、満面の笑みで言うことじゃないと思うし。まだ元ヤンて信じきれてな いし。  心の中の私が焦る中、頬杖をついている歩ちゃんは唇を動かす。あどけない可愛 さに、酔うような色気が混じっていた。 「冗談だよ。ウチ、ヤンキーっていってもそんなに喧嘩してた訳じゃないんだ。強 くなかったし。まあ、外見はそれなりだったけどね。あのころはとにかく、強くな りたかった」  それを聞いて、少し安心する私。歩ちゃんの喧嘩してる姿なんか想像したくもな いし、第一想像できない。 「ヤンキーのときはね、三人で行動してたの。チームとかは入らなくて。妃虎とい のじが喧嘩して、ウチは……情報収集役だったかな」 「情報収集?」 「うん。自分でいうのもなんだけど、ウチ、かなりの情報持っててね。いわゆる情 報通かな」  そう言って、意地悪そうに歯を見せる歩ちゃん。そんな顔さえ可愛いと思う私は 、たとえ彼女に嫌なことをされても、絶対恨めないだろう。 「というか、ウチのことなんかどうでもいいよ。話したいのはそんなことじゃないの」  静寂に歩ちゃんの調子の良い声が響く。オルゴールのような綺麗な音だった。  ついついウットリとしてしまっている私に、続けて歩ちゃんが言う。 「話したいのは、妃虎のことなんだ」  その言葉で、私の中でフワフワ浮いていた風船が破裂した。
  • 177 ひろか id:8p.o2/W1

    2012-08-09(木) 21:47:14 [削除依頼]
    アー! 今更だけど
    ひろかは  元 優*
    ですよ!
    あれ?言ったっけ?
  • 178 虎辻 凪 id:unZh5Ye0

    2012-08-11(土) 23:00:43 [削除依頼]
    ひろかさん>
    知ってますよw
    言っていませんでしたが、雰囲気でそうだなと思いました。
  • 179 ひろか id:KPnP0xd1

    2012-08-12(日) 15:14:50 [削除依頼]
    凪s ふいんきで

    分かっちゃったんですか!!!!!

    凄いですね♪!!
  • 180 虎辻 凪 id:priQUcJ1

    2012-08-19(日) 14:15:23 [削除依頼]
    ひろかさん>
    ひろかさんからは結構コメントがもらえるので、何となくわかったんですw
  • 181 虎辻 凪 id:priQUcJ1

    2012-08-19(日) 14:44:59 [削除依頼]
    >176 「え……、と……」  半ば放心状態。脳に疑問の波紋が浮かび、だんだん広がる。  妃虎のことというと、やっぱり……恋関係? いつかの取り巻きガールズみたいな? いやいや、相手は歩ちゃんだぞ。しっかりしろ、私。妄想膨らませるな、私。  私が自分自身と葛藤している中、クスッと軽く微笑む歩ちゃん。そんな彼女の雰囲気はいつかの取り巻きガールズのような刺々しいものではなくて、むしろカイロのように温かかった。知らず知らずのうちにホッとしてる自分がいる。  訳が分からずポカンとなってる私に、歩ちゃんは滑らかな口調で言った。 「美羅ちゃんは、妃虎のこと好きなの?」  いつのまにか頬杖をついていて、その状態でニコッと笑みを浮かべる歩ちゃんには、大人の妖艶さが漂っていた。まるでバーにいるお姉さんみたいなそんな感じで、とても同じ年には思えない。 「……」 「あれ?」 「……」 「美羅ちゃん?」 「……」 「主人公とは思えない顔になってるよ?」  平然と私の顔を覗き込む歩ちゃん。上目遣いが堪らない。男だったら一撃だ。  その姿にノックアウトされた私。一気に体中の血が膨張し、心臓が激しく連打する。顔が赤くなってきたのが分かった。 「――っ」  心臓発作とは違う痛み。よく分からない、変な感覚。 「え、な、なんで、そう思ったんですか……?」  必死に平常心を保って、歩ちゃんに尋ねる。でも、声はやっぱり掠れてた。 「なんでだろうね。んー、そうだなぁ」  歩ちゃんは何食わぬ顔で言い、一旦言葉をきってもう一度言った。 「妃虎の、ためかな」
  • 182 虎辻 凪 id:priQUcJ1

    2012-08-19(日) 15:12:00 [削除依頼]
    >181    歩ちゃんの言葉の意図が分からなくて、無意識に口を噤む私。その間も、動悸は高鳴ってる。 「で、美羅ちゃんはどう思ってるの?」  取りまきのきつい口調とは違う、優しすぎる囁き声。言葉とかみ合ってない、柔らかな表情。私は俯きながらも、自然と口を動かしていた。 「……分からないんです。何も感じないわけじゃないけど……。なんていうか、あーゆう人と接したことって今までで一度も無いし、好きっていう感情が分からないっていうか……」  徐々に口と声が小さくなっていく。それでも、歩ちゃんは相槌をうって真剣に聞いてくれた。こんなことは初めてで、凄く嬉しかった。 「妃虎のこともよく分からないし……素の自分で話せるのは楽だし楽しいけど……。――ごめん、やっぱりわかんないです」  私は限界のあまり口を閉じた。チラリと歩ちゃんを見る。すぐに目を剥いた。 「もう、可愛いっ!!」  そう叫ぶ歩ちゃんの目は、星屑よりキラキラ輝いていて、口元を隠した手が小刻みに震えていた。 「妃虎なんかやめて、ウチのとこにきなよ!」  え、と唖然とする私。どう答えたらいいのか分からない。  そんな私の心情にいち早く気付いたのか、歩ちゃんはハッとして苦笑いをした。 「あ、ゴメンゴメン。ついキャラ変わっちゃった」  流石の歩ちゃんも恥ずかしかったらしい。テヘと舌を出す動作がぎこちない。勿論可愛いけど。
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