崩壊のドルチェ15コメント

1 蒼緯 id:9LmhzJE0

2012-06-29(金) 11:11:48 [削除依頼]

さぁ、始めましょうか。
  • 2 蒼緯 id:9LmhzJE0

    2012-06-29(金) 11:18:46 [削除依頼]

    プロローグ

     彼は最初から大切な『感情』の一つが抜け落ちていた。
     欠陥品。
     ある人間は言った。
     一つでも喜怒哀楽がなければ、その者は欠陥品だと。
     ――可哀想に、可哀想に、可哀想に。
     そうやって同情されながら彼は育った。
  • 3 蒼緯 id:9LmhzJE0

    2012-06-29(金) 11:25:50 [削除依頼]


    初めまして。
    蒼緯と言う者です。
    見ての通り、文才が全くないので支離滅裂な文章を書き綴る事しか出来ない無能な人間です(汗
    何とか完結まで持って行ける様、頑張りますのでよろしくお願い致しますm(__)m
  • 4 蒼緯 id:rGVBhzD1

    2012-06-30(土) 11:43:55 [削除依頼]

    一章

    其の壱


    「あーくん、おはよ」
     話し掛けて来なくても良いのにクラスメイトの春日野結衣は空気を読まずに俺の席までやって来る。
     百五十あるかないかの身長にツインテールと言う彼女――春日野は今日も飽きずに笑みを浮かべ、座っている俺を見下ろす。
    「ね、今日ね、転校生が来るらしいよ」
    「へえ」
     心底如何でも良い話だった。
     さっさとどっかに行けと言ってしまいたかったが、何とか堪えて俺は春日野の話を聞く。
    「女子らしくてね、すっごい可愛いって噂何だよ」
    「そうなんだ」
    「あーくんもやっぱり可愛い子の方が好き?」
     『好き?』で首を傾げる春日野。
     狙ってやっているのか否か。
     ただ、俺はこう言う人間が嫌いだ。媚びを売る様な素振りを見せ、こっちが嫌だと空気で示しているのにスルーして尚も続ける奴。
    「あーくん?」
     返事を急かして来て、俺は嫌々返事する。
    「あ、うん。別に人は顔で判断しないから、可愛い子だろうが如何であろうとどっちでも」
    「流石あーくんだね」
     見直した、かの様に春日野は笑う。
     何がおかしいのかさっぱり理解出来ない。
     もういっそ、今まで演じて来たキャラ等全て捨てて素で抗議してやろうかと思った時、突如本鈴が鳴った。
    「じゃ、またね」
     春日野は別れを惜しみながら席に着いて行った。
     その後ろ姿を見て、俺は大きく溜め息を吐く。
     
     今日も変わらない日常だった。
     この時までは。
  • 5 蒼緯 id:rGVBhzD1

    2012-06-30(土) 11:49:12 [削除依頼]

     六時間目終了のチャイムと共に俺は教室を飛び出す。
     あのままのろのろと帰る用意をしていたら春日野に捉まえかねないからだ。
     過去に何度が春日野に捉まったが、ろくな事がなかった。長々と話を聞かされ、最終的には春日野の家の前まで送らないといけないオチだ。
     もうあの女には関わりたくもない。
    「黒宮くん」
     廊下を数歩歩いた所で誰かに引き止められる。
     声と呼び方から、春日野じゃない。
     振り返ると、見覚えのない女子生徒がプリントが溢れ出しそうなファイルを抱えて立っていた。
    「な、何?」
    「七組の黒宮くん、だよね?」
    「そうだけど」
    「初めまして。あたしは三組の見境ハルカ。悪いんだけどちょっと時間良い?」
     見境。
     如何やら、今日は厄日らしい。
  • 6 蒼緯 id:rGVBhzD1

    2012-06-30(土) 12:14:57 [削除依頼]

     見境。
     ほとんどの人間は珍しい名前だとしか思わないだろうが、“裏”ではかなり有名な家柄だ。
     何せ、代々引き継がれている陰陽師の家柄だから。
     そんな奴に声掛けられた俺はもう既に普通の人間ではない。
    「ホント、知らなかったわ。あなたが」
     連れて行かれた屋上で見境は大きく空を仰いだ。
    「吸血鬼、なんてねぇ」
    「……」
    「聞いてる?黒宮梓くん」
    「……ああ」
    「あたし、如何すれば良いかしら。あなたを滅する?それとも放置しとく?」
    「それは見境さんの家次第じゃないか」
    「良く分かってるじゃない。でもね、今うちはもっと他の“獲物”の事でいっぱいいっぱいなのよ」
    「酷い言い様だな」
    「そうかしら。でも、結局の所、人間が一番最強なのよ。吸血鬼は日光に弱くて昼間は活動出来ないって言う弱点がある。けれど、あなたは普通に学校に通っている。如何してかしらね」
     分かってる癖に聞いて来る見境。
     性格悪い奴だ。
    「答えようか、陰陽師」
    「どうぞ、吸血鬼さん」
     俺は溜め息を吐いて、彼女の問いに答えた。
  • 7 蒼緯 id:rGVBhzD1

    2012-06-30(土) 12:20:37 [削除依頼]

     「悪いけど。あなたの事は保留させて貰うわ。“まとも”な吸血鬼でもないしね」
     「有難い、って喜ぶ所か、これ」
     「さあ?逆に哀しめば?」
     ガチャンッと大きい音をたてて開いたドアの方を反射的に見る。
     「え、えーと、その、此処にいたんだ……あーくん」
     ドアと壁の隙間から顔を出したのは春日野だった。
     顔が何時もよりも青白くなっている。立ち聞きしていたのだろう。
     「最悪ね。あなた、分かってたの?」
     「誰かがいるとは思っていたけど」
     「言いなさいよ。あたしはあなたとは違って気配とか感じられないんだから」
     「俺はそんなに優しくないんだよ」
     「……っ」
     見境は俺を睨み付け、舌打ちする。
     呆然と立ち尽くしている春日野は肩を震わせて一歩後退した。
     「す、すみません。わ、私、何も聞いてない、ですから」
     「逃げないで、春日野結衣」
     「ひっ……如何して、名前、」
     「春日野さん、ちょっと時間良いかしら」
     無言で逃げ出した春日野を見境は無表情で追い掛ける。
     明日にはきっと春日野は何も覚えていないだろう。
  • 8 ハマグリ id:36ltOcq/

    2012-06-30(土) 17:21:33 [削除依頼]
    続きが気になるぅ〜
    更新がんばれ!
  • 9 蒼緯 id:ZLuCgUU/

    2012-07-01(日) 11:45:05 [削除依頼]
    >8 コメントありがとうございます!
  • 10 蒼緯 id:hoiZpav0

    2012-07-03(火) 14:45:24 [削除依頼]


    其の弐


     それから数日。
     俺は在り来たりな毎日を過ごしていた。
     変わった事と言うのなら、それは、
    「おはよう、黒宮くん」
     春日野の性格が若干大人しくなったくらいだ。
     何時もなら、此処から長々と話し込んで来る所なのだが、あれからはこうやって挨拶だけして席に着いて行く。
    「おかしい事?」
     振り返ると廊下の真ん中に見境が仁王立ちしていた。
    「良いじゃない。ちょーと、記憶改竄をやり過ぎちゃっただけで」
    「お気の毒にな、春日野」
    「そうかしら。逆にあれで良かったのかも知れないわよ」
     あなたもざまーみろって思ってるでしょう?
     と、俺の心が読めるのか、見境はニコリと笑って言った。
  • 11 蒼緯 id:hoiZpav0

    2012-07-03(火) 14:46:36 [削除依頼]
    >7 改行と言うか「」がズレてますね。すみません。一個空いてない事にして下さい。
  • 12 蒼緯 id:hoiZpav0

    2012-07-03(火) 14:54:19 [削除依頼]

     本鈴が鳴るまで後十数分ある。
     さっさと教室に入ってしまいたかったが、見境はまだ用があるらしい。踵を返して三組の教室に戻る様子がない。
    「ねえ、知ってる?」
    「何がだよ」
    「あなたね――なんて言うか、キャラがブレてるわよ」
    「は?」
    「ブレブレよ。あたし、あなたの事、結構気に入ってたのに」
     初耳だ。
    「ニコニコと愛想笑いを浮かべる優等生。そんな奴、今時いないでしょ?希少な存在だと思うのよね。まあ、猫被ってるって事は最初から気付いてたわよ。如何見ても、無理があったしね」
    「話を元に戻すが」
    「そうね。時間もない事だし、パパッと終わらすわ」
     肩の辺りで跳ねている茶色の髪を見境は鬱陶しそうに後ろに払い、溜め息を吐いた。
    「あなた、死.神って知らない?」
    「……知らない」
    「即答しないのが怪しいわね。けれど、本当に知らないかしら」
    「知らねーって言ってるだろ。大体、そんな都市伝説みたいなのいるのかよ」
    「吸血鬼がいるんだから、死.神だっているでしょう」
     そう言われたら、何も言い返せない。
     陰陽師が言うのだから、いるのだろう。
  • 13 蒼緯 id:hoiZpav0

    2012-07-03(火) 15:00:21 [削除依頼]

    「それで、死.神がいるとしてなんだ?」
    「七日間の白ウサギ計画なんて物が死.神の間で行なわれているのよ。七日間の間に指定された白ウサギ――人間を狩るって言う」
     俺とは全く無関係そうだ。
    「今、この町でその計画が見事に開催中ってわけ。分かるかしら。要するに今、凄く死.神が大量に人間を狩っているのよ」
    「あーあ、大変だな」
    「そうよ。全く、無駄な仕事を増やしやがって」
     心底嫌そうに見境は舌打ちする。
     丁度、俺等の横を通って行った何も知らない男子生徒がビクリと肩を震わせた。
     見境の外見があまり毒を吐いたり舌打ちをする様に見えなかったからだろう。
    「お前、もうちょっと声を落とせ」
    「はぁ?何であたしがそんな事をしなきゃいけないのよ」
     コイツを怒らすと春日野より面倒な事になりそうだ。
  • 14 蒼緯 id:hoiZpav0

    2012-07-03(火) 15:07:31 [削除依頼]


     大きくもう一度見境は息を吐いて深呼吸する。
    「あなた、死.神を見掛けたりしたらあたしに知らせなさいよ」
    「知らせるも何も俺はお前の連絡先知らねーし」
    「ああ、そうだったわね」
     慣れた手付きで見境はスカートのポケットからメモ帳を、上着の胸ポケットからシャープペンを取り出し、サラサラと数字の羅列を書き、無造作にそれを千切って俺に手渡した。
    「はい、あたしのケータイの番号」
    「――どうも」
     真っ白な紙にはガタガタな字で数字とハイフンが並んでいた。
    「字、きたな」
    「煩いわよ」
     言い終わる前に睨まれる。
     如何してコイツはこんなに喧嘩越しなんだ。

     キンコンカンコーンッ

     そうしてる間にチャイムが鳴る。
    「分かった?見掛けたら直ぐに電話何だからっ」
     大声で言って見境は廊下を走って行く。
    「元気な人だねぇ」
     声がして振り返ると、つい最近このクラスに来た転校生が猫の様に笑っていた。
  • 15 蒼緯 id:hoiZpav0

    2012-07-03(火) 15:16:03 [削除依頼]

     転校生の名前は三日月椿。
     春日野と同じツインテール。春日野とは違って結っているのはゴムではなく、白のリボンで結んでいる。
    「はははっ、急に話し掛けちゃって驚いたりしちゃった?」
     彼女と話すのは初めてで知らなかったが、変な喋り方をする奴だ。
    「言葉的におかしいと思うな」
     ぎこちなく笑って見せると、向こうも合わせる様に笑みを浮かべる。
    「そうだね。けどさ、おかしいのはあーくんの方でしょ」
     あーくん――俺の事か?
     黒宮梓だから、あーくんとか。
    「ね、ねっ、僕と友達にならない?」
     僕。
     コイツ――女子、だよな。
     改めて見直すが、何処から如何見ても男ではない。
    「まー、話は中に入ってからしようよ」
     黙っているままの俺の手を勝手に掴んで、三日月はスキップに近い軽い足取りで教室に連れて行く。
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