君の隣を走り抜けたら28コメント

1 ミルクティー id:SqBrRGW/

2012-06-19(火) 21:07:15 [削除依頼]
今日も風を切って走る。 春の風を身体いっぱいに浴びながら、日差しで温められたグラウンドを駆け抜ける。 ゴールとなる白線を踏むと同時に、手に持っているストップウォッチを止める。 ストップウォッチが示したタイムは……よし、自己ベストだ。 >>2 登場人物紹介 >>3 作者挨拶
  • 9 ミルクティー id:QX47Nx1/

    2012-08-08(水) 10:59:09 [削除依頼]

    #

    一人物思いにふけっていると、佳奈と悠香が不思議そうに眉の形を変えてこちらを見ていることに気がついた。
    私はふっと小さくスタッカートをきかせて息をつくと、二人に「なんでもないよ」と笑いながら言い、気持ちを測定の方へ切り替えた。

    今悩んだって仕方が無い。このもやもやした気持ちはしまっておくことにしよう。

    気づけば周りには大勢の陸上部員が集まってきていて、短距離の人も長距離の人も高跳びの人も皆測定についてざわついている。
    私はその集団を一瞥すると佳奈と悠香に視線をうつす。

    「じゃ、そろそろ並ぼうか」

    集団に足を向けて歩き出すと、二人とも「はーい」と軽く返事し、両隣に一人ずつ位置して歩き出した。
  • 10 ミルクティー id:QX47Nx1/

    2012-08-08(水) 18:59:25 [削除依頼]

    #

    私たちが集団に溶け込んで、他の部員たちと再開させたおしゃべりが盛り上がりを見せてきたとき、場の空気を変える声が飛んできた。

    「はい、みんな集まった?じゃあ測定始めるから、適当でいいから2列に並んで」

    ざわつきを掻き分け私たちの耳へと入ってきたその声は薫先輩のものだ。
    よく通る薫先輩の声で、少しふざけたこの場がピリッと引き締まるの肌で感じる。

    周りを見渡しても個々の表情から緊張感が読み取れる。

    __測定が始まるんだ。
  • 11 ミルクティー id:nJS0CqC0

    2012-08-11(土) 23:43:49 [削除依頼]

    #

    先ほどまでとはまた違うざわつきをみせている部員たちはお互いに一緒に走ろうなどと声を掛け合って2列に並んでいく。
    大抵の場合佳奈と悠香が一緒に走り、私は薫先輩と走る。

    列の後ろの方を陣取り、指示を終えた薫先輩が来るのを待つ。

    前には入部したばかりで測定にあまり慣れていない1年生が。
    後ろには夏の引退までにあと数えるほどしか測定の機会が残っていない3年生がそれぞれ2人組で並んでいた。

    どちらも仲こそ悪くないが、わざわざ話しかけるにはやや躊躇する。
    私はひとりで薫先輩が隣に来るのを待つことにした。
  • 12 ミルクティー id:qpZVFBJ1

    2012-09-06(木) 17:32:09 [削除依頼]

    #

    薫先輩が指示を終えてこちらに来ようと体の向きを変えたときに、私たちの列の後ろ側から声がした。

    「間中、もう測定始める?」

    私たちのものより大人びた女性の声。
    私を含めた何人かが後ろを振り向くと、陸上部の顧問の原田先生が灰色のバインダーと高機能そうな黒いストップウォッチを持って歩いてきていた。

    「あ、先生。これから始めようとしてたとこです。測定よろしくお願いします。」

    あぁ、来た来た。というような表情で現状を伝えた薫先輩は、後のことを先生に任せてタタッと小走りで場所を空けておいた私の隣まで来た。
  • 13 狐 id:e6xLnNz0

    2012-09-06(木) 17:43:25 [削除依頼]
    初めまして!
    題名に惹かれて読みに来ました。
     
    陸上部良いですよねぇ(∀) 私、走るの好きなんです。風を切って進むときの感覚が……と、話が違う方向へ行ってしまった;
    この小説はまだまだ序盤のほうで、余計に続きが気になりますね。測定の結果も気になりますし、登場人物紹介に出ていた直人くんと遥ちゃんの関係も気になりますし……!!!
    続き楽しみにしています(´`*)
    更新頑張ってください!!
  • 14 ミルクティー id:qpZVFBJ1

    2012-09-06(木) 17:47:29 [削除依頼]

    #

    「いよいよですね」

    隣で体育座りをしている薫先輩に声をかける。
    緊張からか、少し口調が堅くなってしまった。

    そんな私とは反対に薫先輩はけろりとしていて、私の言葉に笑顔で返してくれる。

    「いよいよだね。遥ちゃんはトップだもんね、緊張する? やっぱ」

    遥ちゃんはトップだもんね。
    薫先輩からの一言で私はさらに緊張の糸を張る。

    先輩の言うとおり、私は陸上部の女子の中で一番足が早い。
    薫先輩を差し置いてトップなので少し申し訳ない気もするが、反面誇りにも思っている。

    でも、誰よりも早く走らなくちゃいけないような、そんな責任感ものしかかる席だ。
  • 15 ミルクティー id:qpZVFBJ1

    2012-09-06(木) 17:49:43 [削除依頼]

    >>狐様

    コメントありがとうございますっ!

    初コメ嬉しいな((喜びの舞

    あれ、目から水滴が……。←
  • 16 ミルクティー id:qpZVFBJ1

    2012-09-06(木) 17:59:21 [削除依頼]

    #

    がんばらなくちゃ……。

    私はほぐれない緊張をほぐそうと愛想笑いで薫先輩と会話を続けようとする。

    「か、薫先輩だって。早いじゃないですか」

    そんな風にお互いを褒めあっても、隣にいる彼女はライバルだ。
    しかも私の次に早い。

    私は不安げにグラウンドの砂で汚れた白いスニーカーを見つめた。
  • 17 ミルクティー id:GoUvKRW0

    2012-09-07(金) 17:19:38 [削除依頼]

    #

    あっという間に自分たちの順番がやってきた。

    スタートラインからはみ出ないように注意をはらってクラウチングスタートの体制をとる。
    右では薫先輩も同じようにスタートの合図を待っている。

    「遥ちゃん、今だけはライバルね」

    薫先輩はちらりとこちらを見ると、ニッと笑ってそう言った。
    ライバルという言葉にごくりと唾を飲み、頷いて私も笑い返す。

    「位置について」

    スタートの合図をしている悠香の声に2人は前を見た。

    「用意」

    ぐっと腰を上げ、静止する。

    ひょおひょおと風の音が聞こえてくる。
    この風は私に味方する風だろうか。

    「ドン! 」

    力いっぱい、グラウンドを蹴り出した。
  • 18 ミルクティー id:xb5cTHW1

    2012-09-09(日) 21:20:45 [削除依頼]

    #

    ただひたすらに前を目指して走ってゆく。
    今ならなんでも追い越していけそうに感じる。
    空も、空間も。

    勢いにのって走ると、まるで翼が生えて飛んでいるかのように身体が軽かった。
    視界に入る周りの景色は早送りをしているように流れていく。
    普段は揺れが鬱陶しいポニーテールの髪も走りについてきて、スッと素直に揺れを止めている。

    私は、風のようだ。
    風のようにグラウンドを走り抜けていく。

    風は……私は、100メートル先の白線を踏んだ。
  • 19 ミルクティー id:xb5cTHW1

    2012-09-09(日) 22:05:20 [削除依頼]

    #

    「竜胆、11秒62。 前回と同じね」

    原田先生の声で、ゴールした私は風ではなくなった。
    前回と同じかぁ、とつぶやいてポケットからタオルハンカチを取り出そうとしたときに、もう一度原田先生の声が聞こえた。

    「間宮、11秒86。 前回より速くなったじゃない」

    ドキリとひとつ心臓がはねた。
    ゆっくりと後ろを振り返ると、にっこりと笑った薫先輩がピースサインを向けてきた。
    私は笑い返すのを一瞬ためらった。
    確かに薫先輩のタイムが上がったのは喜ばしいことだし、ここは私も笑って拍手をするべき場面だろう。
    でも、考えとは裏腹に手は動かなかった。
    手が動かない分必死に口角を上げて「おめでとうございます」と言おうとするが、どうもぎこちないものになってしまう。

    ただ、私の頭の中には
    「前回と同じね」
    「前回より速くなったじゃない」
    のふたつの言葉がぐるぐると巡っていた。
  • 20 ミルクティー id:OWV5wAT1

    2012-09-17(月) 00:23:33 [削除依頼]

    #

    最近伸び悩む私に対し、薫先輩はこつこつと順調にタイムをあげている。
    私が今の自己ベスト、11秒62を出したときは薫先輩は確か12秒台の頭らへんだったはずだ。
    なのに今はたったの0.2秒ほどしか差がない。

    このまま私が伸び悩み続ければ、きっと部内トップの座は薫先輩に渡さなければならなくなる。

    それは、悔しい……。

    私は表面に笑顔を貼り付けてその場をやり過ごし、頭の中では悔しさ、喜ばしさ、妬ましさ、もどかしさなどのたくさんの感情がそれぞれぐるぐると混ざり合っていた。
  • 21 ミルクティー id:OWV5wAT1

    2012-09-17(月) 10:23:16 [削除依頼]

    #

    その後の練習は、あまり実にならなかった。
    気分を変えて明るく振る舞おうとしてはみるものの、薫先輩を見るとどうしても陰りが出てしまう。
    ぼーっとして何度も指示を聞き逃したりスタートが遅れたりした。
    自分でも、そんなずるずるした状態は嫌だった。

    「気をつけ、礼。ありがとうございました! 」

    結局ずるずるとしたまま部活の時間は終わった。
    みんなが次々に帰り支度を整えてグラウンドを後にする中、私はまだジャージ姿で朝礼台の近くに立ち、グラウンドを見渡していた。
  • 22 レン id:jJ8kM8a1

    2012-09-17(月) 11:02:50 [削除依頼]
    私も走るの大好きです!
    中学入ったら陸上部入ろうと
    思ってマス☆
    小説頑張ってください♪
  • 23 ミルクティー id:OWV5wAT1

    2012-09-17(月) 17:42:30 [削除依頼]

    >>レン様

    陸上部いいですねぇ^^

    ありがとうございますっ!

    (か、書いてる本人が運動嫌いとは……言えない←)
  • 24 木住未環 id:8dnuLj1/

    2012-09-23(日) 16:00:45 [削除依頼]
    てってれー(^∀^)/


    どもー、木住(またの名をこめむー)です。


    私は「作詞家への道」で生きています←


    暇だったら、「見てやってもいいぜ!」という気持ちでもいいので覗いてみてねー。


    小説の更新、待ってるよ〜(・∀・)/
  • 25 ミルクティー id:Rmn903m/

    2012-12-21(金) 16:06:12 [削除依頼]

    お久しぶりです。
    放置してたわけは飽きたからじゃなく忙しいからってことにしといてください←
    こう見えても受験生なので(^_^;)

    >みわちん

    どももー。
    行ってみたよ、だいぶ前に((キラッ

    更新したいんだけどさ、話の進め方忘れた←
  • 26 ミルクティー id:Rmn903m/

    2012-12-21(金) 16:31:44 [削除依頼]

    #

    とうとうグラウンドに陸上部員はいなくなった。
    悠香と佳奈が一緒に帰ろうと声をかけてきたが、ほとんど上の空で断ってしまった。
    陸上部員のいなくなったグラウンドはそこだけ静かで、遠くの方からサッカー部が活動している音が聞こえる。

    「もう少し、走ろうかな」

    ジャージの袖をガッと捲り、軽く伸脚をしてからスタートラインに立つ。
    さっきのような緊張感はない。

    心の中で「位置について、用意」を唱え、クラウチングスタートの体制をとる。

    そして「どん」の合図でグラウンドを駆け抜けた。
  • 27 ミルクティー id:Rmn903m/

    2012-12-21(金) 22:18:24 [削除依頼]

    #

    「はぁ……、ふぅ」

    100mを1本走り終え、軽く息を整える。
    流すように走ったので大して息は上がっておらず、すぐに呼吸が元に戻った。
    そして部活動という縛りがないためか、本気は出さなかったものの少しすっきりした気がした。

    さ、そろそろ帰ろう。

    グラウンドに吹く風は測定のときに感じたものより幾分冷たくなっていて、気温も下がってきている。
    私は肌寒さを感じて、捲った袖をおろしながら体育倉庫まで荷物や制服を取りに歩き始めた。

    そのとき、どんと誰かにぶつかって身体が斜めによろめいた。

    「あ、ごめんなさい」

    ハッとして顔を上げ謝ると、目を向けた先にはよく見知った顔があった。
  • 28 ミルクティー id:Rmn903m/

    2012-12-21(金) 22:48:09 [削除依頼]

    #

    「あれ、直人!?」

    「おー、遥!」

    私がぶつかった相手は幼馴染で隣の家に住む直人だった。
    相手が直人だとわかると、完全に緊張を解いてけらけらと笑いかける。
    直人もニッと笑い返してくれる。

    でも帰宅部であるはずの直人が部活終了時刻に学校、しかもグラウンドにいるのは普通に考えておかしい。
    服装は制服なので、運動をしに来たわけではないと思う。

    「直人、こんな時間にこんなところでどうしたの?」

    私が問いかけると、直人は少し言葉に詰まったように目を伏せ、それからすぐにヘラっと

    「いや、部活見にきてやったんだよ。 でももう終わってんのな」

    と答えた。
    そして、せっかくだから一緒に帰ろうと繋げた。

    中学のときは同じ陸上部だったためよく一緒に帰っていたが、高校に入ってからはめっきり会わなくなっていた。
    じゃあひさしぶりに……と思い、着替えてくると伝えて体育倉庫に走り出した。
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