The story of his eternal12コメント

1 翔 id:QidaGEL/

2012-06-12(火) 20:26:15 [削除依頼]
短い(?)物語をいくつか書こうと思っています。
短くなるかはまだ分かりませんが、
楽しんでいただけると嬉しいです。
  • 2 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 20:30:44 [削除依頼]
    Prologue

    あぁ、どうしてこうなってしまったのだろう。

    枯れ果てた大地にひざまずいて、天を仰ぐ。

    大切なものは、全て失った。

    大切なものだけじゃない。

    それ以外も、全て、全て。


    そのとき、もう枯れたと思っていた涙が、

    そっと目から零れ落ちた―。
  • 3 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 20:42:34 [削除依頼]
    1.春休み

    明日から4月!
    今は春休みの真っ只中、
    次の学年に向けて、準備する期間だ。

    今月の最初まで小学6年生だった僕、
    鈴木 トーマは、昨日届いた中学生の制服に身を包んで、
    ウキウキしていた。

    昨日から、もう10回は着てるけど、
    カッコイイなぁ…。

    「あ、そうだ!セリにも見せてあげよっと!」

    セリっていうのは、僕の幼馴染の女の子。
    苗字は…なんだっけ?
    ずっと名前で呼んでたから、忘れちゃったなぁ。
    ま、そのうち思い出すかな。

    さて、セリの家に電話しよーっと。

    僕は自分の部屋を出て、
    1階のリビングにある電話を目指した。

    「電話、電話っと…」

    リビングに行くと、お母さんが
    電話を使っているのが見えた。
    どうやら相手は仲良しのママ友さんらしい。

    うーん、困ったなぁ。
    お母さん、電話長いんだよなぁ…。

    僕は仕方なく、制服はまた今度にして、
    単純にセリの家まで遊びに行くことにした。

    大体いつも、セリは自分の家にいる。
    ピアノの稽古が忙しいの!とか、
    勉強しなくちゃいけないから!とか言って、
    いきなりセリの家に行ったときは怒るけど、
    なんだかんだ言って、家にあげてくれる。

    「さーて、いってきまーす」

    電話に夢中になっているお母さんに向けて、
    僕は少し大きめの声でそう言った。
    きっと聞こえていないだろうけど。
  • 4 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 20:47:15 [削除依頼]
    すみません、誤字発見です;

    ○先月の最初
    ×今月の最初
  • 5 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 21:06:29 [削除依頼]
    家を出て、最初の曲がり角を左に曲がる。
    すると、双葉公園という、小さな公園が見える。

    いつも、セリや他のクラスメイト達と、
    キャッチボールや鬼ごっこをして遊んでいる公園だ。

    その公園を通り過ぎて、次の角は右。
    すると、横断歩道が見える。

    ここの信号はなかなかに待ち時間が長い。
    車もそんなに通るわけじゃないのに、
    なんでこんなに長いんだろう。

    僕は、赤信号で立ち止まりながらそんなことを思った。

    「あ、青だ」

    僕はまた歩き出す。
    すると、ものすごいスピードで、
    一台の車が通り過ぎて行った。

    僕が歩いていた側の道じゃなかったから良かったけど、
    こっちに曲がって来ていたら危なかったなぁ。

    横断歩道をわたりきって、そのまま真っ直ぐ進めば、
    セリの家がある。

    僕はそのままのペースで歩いていると、
    ドン、といきなり真正面で何かとぶつかった。

    「っ!…い、たた…」
    「…………」

    あれ、なんだろう?目の前が真っ黒だ。
    そう思って、上を見上げると、
    若い男の人の顔があった。

    別に悪そうな人じゃない…。
    でも、何だろう、何か違和感が…あ!

    目の色!目の色が…、赤い?

    僕は瞬きをして、再びその瞳を見つめた。

    「あれ、黒い…?」

    見間違いかな?

    「あ、いきなりぶつかってスミマセンでした!」

    僕はお辞儀をして、また男の人の顔を見た。
    よくよく見ると、かなりイケメンだ。
    モデルさんだと言われれば、
    なんだか納得してしまいそうなくらい。
    でも、この男の人、なんだかたくさん怪我してるみたいだ。
    そこらじゅうに傷跡や絆創膏がはってある。

    「僕、友達の家に行く途中なんで、
     失礼します!」

    そう言って、男の人の横を駆け抜けようとしたとき。

    「…君は、まだ何もしらないんだね」

    そんな声が聞こえた気がした。

    立ち止まって振り返ると、そこにはもう誰もいなかった。

    「足の速い人だなぁ…」

    あれ?そういえば、ぶつかる前、あの人、
    この道にいたっけ?

    ………。

    「ま、ままま、まさか、幽霊!?」

    で、でも、ぶつかったし!触れたし!あ、足もあったよね!?
    あ、だけどあの傷跡とかあ、怪しいかも…!?

    早くセリに教えてあげよう!

    僕は、彼がすれ違い様に言った言葉なんて、
    すっかり忘れて、セリの家へと向かった。

    彼の言葉の意味さえ、理解出来ずに…。
  • 6 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 21:09:47 [削除依頼]
    2.夢

    「セーリーっ!」

    僕は、セリの家のインターホンを押しながら、
    大声で叫んだ。

    いつもならセリはすぐ出てくるのに、
    今日は遅い。
    もしかして、留守とか?

    そう思っていた瞬間、ガチャリとドアが開いた。

    「あ、セ―」

    セリ。そう名前を呼ぼうとした瞬間、
    いきなり視界は真っ暗になって、僕の意識は途切れた―。
  • 7 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 21:18:06 [削除依頼]
    …………。

    「…?」

    妙に頭が重い気がする。

    僕はゆっくり目を開け、

    その身を起こす。

    「んー、よく寝たなぁー」

    何か、変な夢を見た気がするけど、なんだっけ?

    そうだ、セリの家に遊びに行こうとする夢だ。

    お母さんが長電話してて、
    横断歩道をものすごいスピートで車が走ってて、
    目の赤い幽霊の人とぶつかる夢!

    いつもならこんなに覚えてることないのに、
    今日の僕って冴えてるかも!

    「…っと、今日は何日だっけ?」

    夢のせいでちょっと記憶が曖昧だなぁ。
    えーと…4月1日かぁ。
    ん?…待てよ、今日ってエイプリルフールじゃーん!
    去年はセリに嘘つかれたから、
    今年は僕がセリに嘘をつく番だよねー!

    よーし、じゃあ今日はセリの家に遊びに行こう!

    セリの家に電話しとこうかな。
    あ、でも、ドッキリでいきなり遊びに行くのもいいかも。
    んー、でも、セリっていきなり行くと
    怒るときがあるからなぁ…。

    電話しようかな?

    僕はパジャマを着替えて、下のリビングにある、
    電話を目指して階段を降りた。
  • 8 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 21:22:43 [削除依頼]
    「お母さん、おはよー」

    そういって、リビングに入ると、
    お母さんは楽しそうに電話をしていた。

    相手は…誰だろう?近所のママさんとかかな?
    僕は邪魔しちゃ悪いな、と思って、
    テーブルに置いてあった朝ごはんを食べる。

    そーいえば、どっかでこんなことあったっけ?
    んー…、あぁ、夢か。
    じゃ、あの夢はマサユメってヤツだったのかな?
    だとしたら、僕、超能力に目覚めたのかも!
    あ、でも、夢の通り行くと、
    またあの幽霊に出会うのかぁ…。

    それは嫌かなぁ…なんて思いながら、
    朝食を平らげた僕は、
    そのままセリの家に遊びに行くことにした。

    「お母さーん、僕、セリの家に行ってくるからー!」

    お母さんは、きっと電話に夢中で聞こえてないだろうけど、
    一応言っておかないと、心配させちゃうしね。

    僕はそうして、家を出た。
  • 9 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 21:29:36 [削除依頼]
    家を出て、最初の角は左。
    公園を抜けて、次の角は右。

    そうすると、赤信号の長い横断歩道。
    でも、今日は幸い青信号だ。

    このまま行こう。

    僕はさっさと横断歩道を渡ってしまって、
    早くセリの家に行こうと考えた。

    そうして、横断歩道を走ってわたる。

    夢では、ここで猛スピードの車が…。
    なーんてね。
    いくらなんでもそれはないよね。

    そうして、横断歩道をわたりきった僕は、
    一気にセリの家まで走って行った。

    幽霊に会いませんように!!

    と、何度も心の中で唱えながら。
  • 10 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 21:53:54 [削除依頼]
    「はぁ…はぁ…」

    息を切らしながら、セリの家のインターホンを押す。

    すると、すぐにガチャリとドアが開く。

    「あれ、トーマ?…どしたの、そんなに息切らして」
    「え?いや…あの…な、なんでもない…」
    「ふーん、そう」

    セリはそっけなく言って、ドアを閉めようとする。

    「えっ、なんで!?」
    「だって、なんでもないんでしょ?だったら帰りなさいよ」
    「そ、そういう意味じゃなくて…」
    「じゃあ、どういう意味?」

    セリに詰め寄られて、上手く言葉が出ない。
    幽霊が怖いから、なんて言ったら、
    セリはきっとからかうに決まってる。

    「いやー…今日はいい天気だなぁ…」
    「閉めるわよ?」
    「ごごご、ごめんなさいっ!え、えーと、
     なんていうか…その…」

    僕が言葉に詰まっていると、
    セリはフッと笑って見せた。

    「もういいわよ。今日は公園に行かない?
     そういう気分なの」

    セリは何事もなかったかのようにそう言って、
    靴を履いて僕の隣に立った。

    「ほら、行くわよ」
    「あ、うん!」

    セリが走り出したのを追って、僕も走る。
    だけど、さっきも走った僕はすぐにバテてしまった。

    「何よ、だらしないわね。そんなんじゃ、
     この先生きていけないわよ?」
    「そんな大げさな」

    僕は苦笑いしてそう言った。

    「大げさじゃないわよ!
     そんなんじゃ、大人になったら、
     もっと体力のない人になっちゃうでしょ!」

    セリは結構真剣っぽい。

    「セリは妙なところで真面目だなぁ」
    「何それ。けなしてんの?褒めてんの?」
    「うーん、どっちでもないかなぁ」
    「あんたねぇ。そういうのは、お世辞でもいいから、
     褒めてるっていうところでしょ?」
    「じゃあ、褒めてる」
    「…バカ」

    セリがツーンとそっぽを向く。
    でも、僕は知ってる。
    こういうとき、セリは楽しんでるんだ。
    本当に怒ったときのセリは、
    死んだ魚のような目で僕を睨んでくるから。

    そうして、あの横断歩道にさしかかる。
    今度は、来たときと反対側の歩道。
    信号は赤だ。

    「ここの信号長いのよねー」

    セリが不満げに言った。

    すると、すぐに青にかわる。
    どうやら、結構前から赤だったみたいだ。
    と、僕が思っていると。

    「ねぇ、すごくない?私って超能力者かも!」
    「あはは、そんなわけないよ」

    ………僕もそんなこと言えないけど。

    僕は苦笑いしながら、歩道をわたった。

    「トーマ!!」

    セリの声に振り向いて止まる。
    すごく深刻そうな顔だ。
    なんというか、悲しそうな…。

    僕が首をかしげると、その瞬間、
    耳を裂くような音が、僕のそばで聞こえた。
    僕の意識は、また闇に落ちた―。
  • 11 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 22:12:22 [削除依頼]
    3.また

    「っはぁ…はぁ…」

    今の、なんだったんだろう。
    すごく、リアルな夢…?
    あの耳を裂くそうな音は、きっとブレーキ音…。
    僕は、車に轢かれた…のか?
    でも、痛みは何もない。
    そうだ、今は何日だろう。

    「…4月、1日…」

    1年経っているのかと思って、
    年も確認する。
    が、あの夢で見た日から、1日たりとも変わっていない。

    僕は、不気味に思って、リビングへ向かった。
    お母さんが、近所の人と電話しているかもしれない!

    階段を駆け下りる。

    「お、お母さん!」

    リビングの電話の前を見ると、お母さんの姿はなかった。

    「どうしたの?トーマ。そんなに急いで」

    ふと振り返ると、お母さんが朝ごはんを作っている。
    僕は安堵して椅子に座った。

    「うん…、ちょっと変な夢を見てさ」
    「そう。大丈夫?」
    「全然平気!そうだ、今日、セリの家に行こうと思うんだ」

    僕がそう言うと、お母さんは朝食を持ってこっちに来た。

    「そう。いいんじゃない?
     でも、ちゃんとお電話しなくちゃダメよ」
    「うん、分かって―」

    言いかけた瞬間、電話が鳴る。

    「あら、電話だわ」

    お母さんがそう言って、電話に向かう。
    僕は出来たての朝食をほおばりながら、
    その様子を見ていた。

    「もしもし。あら、小川さん?…えぇ、そうですよ」

    ………あたたかいご飯を食べながら、
    僕は一瞬ヒヤっとした。

    まさか。まさかまさかまさか。

    「はい、あぁ、そのことでしたら…」

    お母さんが楽しげにしゃべりだす。
    小川さんはお母さんのママ友だ。

    まずい!

    僕は、頭の中でそう思った。

    そうだ、時間!
    日にちにとらわれ過ぎてて、
    時間を忘れていた。

    最初見た夢…みたいなのは、
    リビングに下りたのが11時ごろ。
    今日見た夢は、確か10時半。
    今は…、10時だ…。

    もしかして、そのせいで、僕は、
    今日見た夢で死んだんじゃ?

    最初の夢は、11時にすぐに家を出て、
    あの猛スピードの車を見た。

    今日の夢は、10時半にリビングに降りて、
    朝ご飯を食べてからセリの家まで行って、
    それからまたあの横断歩道をわたったとき…。

    そう、夢の内容がかわったんじゃない。
    僕の行動がかわったんだ。

    でも、なんで何度も同じ夢を見るんだろう。

    すごく不気味だ。

    僕は、朝食を食べきって、
    また自分の部屋に戻ることにした。
  • 12 翔 id:QidaGEL/

    2012-06-12(火) 22:18:44 [削除依頼]
    今日は、セリと遊ぶのはやめよう。
    というか、外に出るのはやめておこう。

    僕はそう決心して、自分の部屋の
    テレビゲームの電源を入れた。

    「へへー、最近かったばっかのソフトがあって助かった!」

    その名も、ゲームマスター伝説!
    これがなかなか難易度が高くて面白いんだよなぁー。
    しかもハイクオリティ!

    これさえあれば、今日一日くらいなんとかなる!
    そう思って、スタートボタンを押す。

    それから、しばらくして。

    「あーっ、やられた!!!
     せっかくいいとこまでいったのに!」

    あーあ、セーブしてなかったのになぁ…。
    そんなことを思って、ふと時計を見ると、
    もう12時半だ。

    「結構やりこんだなぁ…」

    そう思って、一旦リビングに下りることにした。
    お母さんの長電話も、さすがに終わっているだろう。
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