姫の旅8コメント

1 奏音 id:9mwqhhb0

2012-06-09(土) 20:33:56 [削除依頼]
奏音です。
よろしくお願いします^^
この話が気に入った方はコメントくださいね?
待ってます。
更新遅いし上手ではないのですが、そんな僕に付き合える方は付き合ってください^^
  • 2 奏音 id:9mwqhhb0

    2012-06-09(土) 20:45:36 [削除依頼]
    0.プロローグ

     次々と転がり落ちてくる岩。
     鳴り止まない地響き。

     そこは恐怖に包まれていた。

     うつ伏せに倒れたままピクリとも動かない者。
     怪我で動けず助けを求める者。
     親がいなくて泣き叫ぶ子供。
     暗い暗い闇の中、土砂によってわきあがった炎を頼りに逃げようとする者。
     いくら待っても助けは来ない。そして泣き叫び助けを求める声は止まない。
     そんな中、1人の少女が一点を見つめたまま固まっていた。
     周りの人とは違い、ひと目で高価だと分かる服を着て、栗色の長い髪を腰まで流していた。しかし、少女の瞳はきらびやかな衣服とは対照的に暗く、絶望に染まっていた。
     まだ幼い少女の視線の先には3人の人間――少女の父、母、兄が横たわっていたのだ。
     少女は涙を流すこともなく、ただただ3人を見つめていた。

     この日から、少女は笑うことも泣くこともできなくなった。
  • 3 奏音 id:1FiIlae.

    2012-06-15(金) 19:03:14 [削除依頼]
    1.砂の国

     「姫様っ!」

     自分を呼ぶ声にセーシェルは思わず振り返った。
     しかし、そこには誰もおらず、代わりに自分を呼ぶ声だけが何度も聞こえてきた。

     (アルのやつ……また私を探してるのね)

     アルことアルベルトは3年前からセーシェルの世話役になった青年。その前はアルベルトの祖父であるフォルケンが世話役をしていた。
     アルベルトは180くらいのすらりとした長身で、顔は鼻筋が通っていて、唇は薄く、少しつり目。セーシェルがアルベルトを見て最初に思ったことは、かっこいいお兄さんだなぁだった。その光景を今でも覚えている。

     (アルはあの時から全然変わってないなぁ)

     3年前からずっとセーシェルのことを1番に考えてくれているアルベルトをセーシェルは信頼していた。王宮内で1番というほどに。
     セーシェルは不安定な足場にふらつきながら、自分が今まで座っていた枝の上に立った。葉と葉の間から射す光がまぶしい。ああ、もう昼間か、とセーシェルは思った。
     ということは2時間くらい木の上で暇を潰していたことになる。午後からは姫としてレッスンがあるが、午前は自由なので、セーシェルはよく木の上で暇を潰していた。
     セーシェルはここから見る景色が好きだった。国1番の高いところから見る景色はとても美しかった。石で造られた家が赤や橙などの色に染まり、国の周りは青々とした木々が囲っている。その色合いが好きなのだ。

     (ああ…………)

     「姫様」
     「うわぁっ!?」

     突然かけられた声に驚いてバランスを崩してしまった。

     「いったぁ〜」
     
     思ったより強い鈍痛が体中を支配する。
     そして、セーシェルを落とした声の主がどんどん近づいてきた。

     「姫様、地面に転がって楽しいですか? それに木の上で立つのは危ないので止めてくださいと言いましたよね?」

     矢継ぎ早に自分の言いたいことを言っていくアルベルト。しかも、妙な威圧感を感じる。どうやら怒っているらしい。

     「別に好きで転がっているわけじゃないわよっ! アルの声にびっくりして落ちたのっ! あなた見てなかったのっ!? でも……」

     セーシェルもそれに応じるように怒気を含んだ声で矢継ぎ早に言い放つ。
     しかし、途中で口を閉じる。そして顔をうつむけ、また口を開く。

     「…………でも、言うことを聞かなかったのは私が悪かったわ」

     その一言を聞いて、アルベルトは優しく微笑んだ。

     「そうですか。分かってくださったのならいいのです。……姫様、昼食の用意ができております」
     「わかった」

     そういうと、2人は食堂へと歩き出した。
  • 4 奏音 id:es79/9t/

    2012-09-21(金) 14:35:35 [削除依頼]
     市街を一望できる庭から去り、宮殿に入る。
     白を基調とした爽やかな壁や床、天井に、等間隔に設置されたダークブラウンの扉が映える。扉は全て中庭を向き、中庭からどの部屋にも入ることができる。
     この宮殿で迷う人はいないのだろうな、と思えるほど簡単なつくりに加えて、扉の横にはパネルまで取り付けてある。そんな宮殿をキョロキョロと見ながら、セーシェルはアルベルトと中庭をつっきった。
     中庭には通路として石畳があり、その周りには色とりどりの花が咲いている。
     その花の匂いがセーシェルの鼻をかすめた。いろいろな花の匂いが混じり、どの花の匂いかよく分からないが、良い匂いであることは分かった。
     石畳を通ってすぐ目の前に食堂がある。セーシェルは周りと同じダークブラウンの扉の横の『食堂』と黒色で書かれた二文字を目で追う。
     金色に光る取っ手に手をかけ、ゆっくりとアルベルトが引く。キィーと音をたてながら開く扉。この宮殿も古くなったかななんてことを考える。
     食堂の中には、使用人の女性が1人居て、あとはブラウン調の家具があるだけ。いつもと同じ静かな空気が漂っている。電気はついていなくても、窓から射す陽の光だけで十分明るい。
     アルベルトは食堂の真ん中にある長机の1番端を引いてセーシェルを座らせる。
     椅子に座ったセーシェルは正面に飾られている花を見た。いつも違う花が飾られており、じっくり見てみたいと思っているのだが、花瓶は長机の真ん中にあり少し遠い。手を伸ばしても届かないので、最近は遠目で眺めることが定着している。

    「カイーザ!」

     キッチンからシェフの呼び声がした。どうやらセーシェルの側にいる使用人の女性を呼んでいるらしい。
     女性は柔和な笑みを浮かべ、軽く礼をした後、キッチンへと向かった。

    「…………」

     沈黙が二人を包む。
     セーシェルは花瓶から視線を動かし、アルベルトを見た。

    「ねぇ、アル。今日の昼食はどんなメニューなの?」

     アルベルトは考えるように目を逸らし、そして少し困った顔でセーシェルを見返す。

    「…………そう、ですね……美味しそうなもの? ですかね」
    「…………」
    「ひ、姫様、そんな目で見ないでください」

     そんなことが聞きたかったんじゃないという目を向けられ、視線を逸らすアルベルト。

    「私は料理の類には疎いのです」
    「……それでも材料ぐらいは答えられるでしょう?」
    「……」

     言い訳もせず、口ごもるアルベルト。いまだに目を逸らし続けている。
     セーシェルは盛大に溜息をつき、言葉を続ける。

    「まあ、いいわ。元々期待してなかったもの」

     大体、料理の話を持ち出したのが間違いだったのだ。あの静かな空気を打破しようと話題を探し、1番最初に見つけたのが今日の昼食のことだったが、言葉にしてから思い出した。アルベルトはクリームシチューを美味しそうななカレーですね、と言い放った過去のある男だった。
  • 5 かぜよみ id:Q2IMiJr.

    2012-09-21(金) 19:33:16 [削除依頼]
    面白いです!
    頑張ってください^^
  • 6 奏音 id:es79/9t/

    2012-09-21(金) 20:13:51 [削除依頼]
    ありがとうございます^^
    頑張りますよ!
    更新遅いと思いますが、これからも見てやってください(笑)
  • 7 かなこ id:RgklzxO/

    2012-09-21(金) 23:55:10 [削除依頼]
    かなこです。

    なんか読んでみたら超面白かったので
    これからも読み続けたいと思います。

    更新頑張ってください
  • 8 奏音 id:x6QPay01

    2012-09-22(土) 14:24:44 [削除依頼]
    ありがとうございます^^
    超おもしろいなんて………すっごい嬉しいです!
    更新が遅いと思いますが、長い眼で見てやってください(笑)
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