癒えない傷跡 ―君に出逢って―11コメント

1 凛々架 id:Z97xKZ/1

2012-06-09(土) 19:52:22 [削除依頼]

友情や愛や永遠の幸せなんて、
存在しないと思っていた。

友達も家族も、恋人も必要ないと思っていた。

そんなもの、馬鹿らしいだけだと。


でも、本当はずっとそれを求めていた。
求めても自分が傷つくだけだと思うと
怖かったから、存在しない、必要ないと
思い続けてきたんだ。

虚勢を張りながら、他人を傷つけた。
そして、自分自身も傷つけた。

そんな私を助けてくれたのが、
あなただった。
あなたのおかげで私は……――
  • 2 凛々架 id:Z97xKZ/1

    2012-06-09(土) 19:57:31 [削除依頼]

    はじめまして、凛々架(リリカ)と
    言います。

    この小説は、恋愛ものとして書いて
    いきたいと思っていますが、
    どうなるかわかりません……。

    更新は遅いだろうし、どうなるかわからない
    小説なので、読みづらかったりも
    するかもしれませんが、頑張りますので
    よろしくお願いします!

    色々矛盾点とか出てくると思うんですけど
    ある程度は大目にみていただけると
    嬉しいです。
  • 3 凛々架 id:Z97xKZ/1

    2012-06-09(土) 20:13:59 [削除依頼]

    車の助手席に一人の少女が座っていた。
    整った顔立ちのきれいな女の子で、
    白い肌と長い黒髪がよく目立つ。

    「あ、結ちゃん。
    もう少しで家に着くからね」
    運転席に座って車を走らせている
    女性が言った。
    その女性の表情は明るく、朗らかな笑みを
    浮かべていた。

    しかし、結と呼ばれた少女は無表情のままで
    女性の言葉に少しの反応も見せなかったが
    それを気にすることもなく、女性は続けた。

    「私の家はね、私と夫と息子の
    三人暮らしなの。
    私、ずっと女の子が欲しいって思ってたから
    結ちゃんが来てくれて嬉しいわ」
    そして、見えたわよと言って、前の方を
    指差した。
  • 4 凜々架 id:Z97xKZ/1

    2012-06-09(土) 20:22:58 [削除依頼]

    女性は車を車庫に止めると、車を
    降りたので、結もそれに続いて車を
    降りた。

    女性がトランクから、黒い旅行バッグを
    取り出して、結に渡した。
    それは結のような女の子がもつにしては
    シンプルだったし、
    中身が少ししか入っていないことも
    よくわかった。

    「さあ、今日からここが結ちゃんの家よ」
    その声で結は顔を上げて、目の前に
    建つ家を見た。

    綺麗な家だった。
    特別大きいというわけではないけど、
    おしゃれな造りで、庭は丁寧に手入れが
    されているのだろう。
    色とりどりの花がたくさん咲いていた。

    「じゃあ、入って?」
    促されるまま、結は女性の後に続いて
    家の中に入った。
  • 5 凜々架 id:S7oB4Is.

    2012-06-10(日) 13:45:57 [削除依頼]

    家の中に入ると同時に、結の隣に立つ
    女性は
    「優真ー優真ー」
    と声を誰かの名前を呼んだ。
    「今行くー」
    すると、男の子の声が聞こえてきた。
    ドアの開く音とダダダダと階段を下りる音がして、
    結より頭一つ分くらい背の高い
    男の子が現れた。

    「紹介するね、結ちゃん。これが私の息子、優真」
    「西原 優真です! よろしく!」
    優真は、結の隣に立っている女性、つまり優真の母と
    そっくりな微笑みを浮かべて、手を差し出した。

    握手を求めているのだろう。

    そのくらいの事は、結にも分かったが、
    その手を一瞥しただけで、優真の手を取ることはなかった。

    すると、優真は結の手をすっと取って優しく握った。
    結が驚いて目を見開いて、優真を見ると
    初めて視線が重なった。
    そこで再び、優真がにこりと微笑む。

    ハッとしたように、結は優真の手を振り払うと、
    優真を睨むように見つめた。

    そんな結の様子をとがめるわけでもなく、
    優真の母は言った。
    「優真、こちらは結ちゃん。優真と同じ中学二年生。
    ……さて、玄関先で話し込むのもなんだし、
    結ちゃんの部屋、案内しようか」
  • 6 凜々架 id:S7oB4Is.

    2012-06-10(日) 23:07:11 [削除依頼]

    結は靴を脱ぐと、優真の母の後ろをついていこうとした。
    すると、横から優真の手が伸びてきた。
    そして、その手は結が持つバッグを掴んだ。

    少し驚いて、自分より少し高い位置にある
    優真の顔を訝しむように見つめて
    バッグをさっきより強く握った。

    触らないで、という拒絶のつもりだった。

    でも、優真は表情を変えることなく、
    むしろさっきよりも笑顔で言った。
    「バッグ、俺が運ぶから」
    「……結構です。
    このくらい、自分で運べますから」
    結は少し戸惑いのようなものを感じたが
    淡々とした声音で返す。

    「いいから、いいから。
    こういうのは俺の仕事なんだから」
    そう言って、半ば強引にバッグを手に取ると、
    階段を上がって行った。
  • 7 凜々架 id:S7oB4Is.

    2012-06-10(日) 23:22:17 [削除依頼]

    「ここが結ちゃんの部屋よ」
    そう言って、案内された部屋は、
    主に白と黒で統一された、
    落ち着いた雰囲気の部屋だった。

    「このベッドとか、勉強机とかは、
    昔、私が使ってたものなの。
    大事にとっておいてよかったわ」
    こんな風に使えるときが来るなんてね、
    と呟いた。

    「それじゃあ、結ちゃんも荷物とか
    整理したいだろうし、私は、下に行くわね。
    何かあったら、優真か私に言って」
    そう言って、優真の母は部屋を出た。

    部屋に残ったのは、優真と結。

    優真が運んだ旅行バッグはすでに、
    ベッドのそばに置いてある。

    それなのに、出て行こうとはしない
    優真を見て、結がついに声をかけた。
    「何しているんですか?
    まだ、何か用事でも?」
    「んー別に。でも、せっかく一緒に
    住むわけだし、なんか話さないかなー
    って思ってさ」
    「あなたと話すことなんて、ありませんけど」


    どんな相手とでも敬語で、
    淡々としゃべれば、みんな自分を避けた。
    拒絶する態度をとれば、
    私にかかわろうとする人なんていなかったのに。
  • 8 凜々架 id:S7oB4Is.

    2012-06-10(日) 23:35:30 [削除依頼]

    優真はアハハハッと声をあげて、
    笑った。

    今までになかった反応に、
    結は思わず優真の方を見た。

    「結ってさー、結構クールだよな。
    まだ会ったばっかだけど、
    一緒にいて、楽しいや。
    これから、よろしくな!
    まあ、よく考えてみると、俺がいると
    荷物の整理もしづらいよな。
    俺の部屋、隣だからなんかあったら
    すぐ言ってよ」

    そう言って、結の部屋を出る優真を
    訳が分からないといった様子で
    見つめた。

    初対面なのに、敵対心むき出しで
    接する結に笑顔で話しかけてくるし、
    面白いなんて言うし、
    突然、「結」と呼び捨てで呼んでくるし
    理解できなかった。

    胸が少し暖かくなったような気がした。

    しかし、すぐ結はハッとしたように
    顔を上げると、さっきまでの考えを
    消すかのように、頭を左右に振った。

    暖かいなんて、嘘だ。
    どうせ、すぐ、私のことを嫌になるに
    違いないから――

    結はそう考えて持ってきた旅行バッグの
    チャックを開けて、中身をクローゼットに
    入れ替えた。
  • 9 凜々架 id:S7oB4Is.

    2012-06-10(日) 23:41:17 [削除依頼]

    10分くらいで荷物を整理した
    結は、ベッドに倒れこむように
    横になった。

    ふかふかして、気持ちがよかった。
    太陽のにおいがして、
    綺麗に掃除をしてくれたことが
    すぐに分かった。

    その心地の良さを感じている内に、
    結は眠ってしまった。
  • 10 凜々架 id:Eq1Dj2p.

    2012-06-11(月) 21:57:25 [削除依頼]

    「おーい、結。起きろってばぁー」
    ちょっとのんきな感じの声が聞こえて、
    結はパッと目を開いた。

    目の前には、優真の顔。

    「ひっ……」

    本当に目の前にあった顔に驚き、
    思わず結は小さく悲鳴をあげた。

    そんな様子を見て、優真は少し笑って、
    「夕飯の時間だよ。
    父さんも帰ってきたし、結の歓迎会みたいなのを
    しようって言ってるから、行こう」
    と言った。

    そうして、優真とともにリビングに降りると、
    優真の母と、父らしき人がすでに椅子に
    座っていた。
    テーブルの上には豪華な食事が並んでいる。

    結に気付いた優真の父は、
    「初めまして、結ちゃん。
    さぁ、座って座って」
    と椅子を指差した。

    無言のまま、椅子に座ると
    「それでは、結ちゃんがうちに来たことを
    祝して……いらっしゃーーい!」
    優真の母の言葉に、三人がクラッカーを鳴らした。
    パンパンパンと、音が鳴り、
    煙の臭いが辺りに広がる。
  • 11 凜々架 id:Eq1Dj2p.

    2012-06-11(月) 22:08:32 [削除依頼]

    「じゃあ、せっかく家族4人そろったし、
    結ちゃんに改めて紹介するわね。
    西原家の母、優奈と父、真。
    それから、息子の優真」

    それから、優奈は家族3人の話を
    続けた。

    玄関でも聞いたが、
    優真と結が同い年で、同じ学校に
    通うこと。

    優奈は、専業主婦で料理が
    とても得意だということ。

    真が勤めている会社は、出張が多く
    滅多に家に帰らないこと。

    にこやかな様子で話す、彼らは
    とても幸せなんだと結は思った。
    同時に、自分の家族のことも
    思い出した。

    永遠の幸せなど存在しないと、
    教えてくれた、結の家族のことを。

    昔は、私の家族もこんな感じだったのに――
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