咎人は祈りを忘れない8コメント

1 鬼灯 id:/cAKVAv1

2012-06-02(土) 17:17:47 [削除依頼]


――忘れたい記憶ほど、厄介なしみとなってこびり付いたままになる。
  • 2 鬼灯 id:/cAKVAv1

    2012-06-02(土) 17:19:38 [削除依頼]
    コメント厳禁でお願いします。
    コメント厳禁でお願いします。
    大事なことなので二回言いました。
    つまりは書き込まないでくれ、と。
    sage進行で進めるから来る人もそもそもいないと思うけど。
  • 3 玄冬 id:/cAKVAv1

    2012-06-02(土) 17:20:29 [削除依頼]

    人生は思っていたほど楽なものではないことを、嫌というほど思い知った。
    荊ならまだ潜り抜けられそうなものだが、目の前に続いていく道に敷き詰められていたのは剣山だった。
    今よりも少しだけ若かった俺は、先に待つ未来にあるものが――苦難であればよく言う荊のような――劇的なものばかりなのだと信じていた。なんて愚かで馬鹿らしい。
    世界の主人公は自分であると勘違いしていたのだ。
    天に矛先を向けた針の群れを歩く俺の足裏は、何歩目かですでに血まみれになっていた。漏らしそうになった泣き言を、ちっぽけなプライドで噛み殺した。
    苦しいことも辛いことも大嫌いな俺はさっさとその道を通り過ぎてしまいたかった。
    流れていく景色から目をそらし、耳を塞いで駆け抜けた。
    走れば、針はより深く突き刺さる。
    それでも俺は駆け続けた。
    臆病者の俺は、終着点を自分で作り出すという選択を放棄した。
    駆ける。駆ける。見えない終わりを目指し、ただひたすらに。
    痛みが俺を殺していく。傷みが俺を犯していく。悼みが俺を壊していく。
    ――英雄は短命というが、端役はどうなのか。
    信じてもいないが、もし本当に居るのなら――神よ。
    俺を、早く死なせてくれないか。

                      ***咎人は祈りを忘れない***
  • 4 玄冬 id:/cAKVAv1

    2012-06-02(土) 17:21:24 [削除依頼]
    第一話

    蕭々と降る雨は枯草を濡らし、曇天に暗澹とした街に活気はない。
    明るい表情はゴミ箱に詰まっているのかと思いたくなる程に、道行く人々は虚ろな目をして各々世界を見つめている。などと、偉そうに言う俺の目も死んでいる。ショーウィンドウに映る自分の顏は思っていたよりも酷いものだった。毎日洗うものの、石鹸しか使われていない哀れな頭髪は傷みごわついている。必要以上にものを食べないせいか、顔色は不健康。唇は割れ、固まった血がこびりついていた。舌で舐めればぴりりと刺激が走り、少しだけ鉄の味がした。
    ナルシストでもないのに自分の顏を見ながら歩いていた罰か、足元で不快な水音がした。虚像の俺から目を離し、下を見る。俺の右足は水たまりに突っ込んでおり穿き古し伸びたズボンの裾が濡れでいた。厄日か。衣料品店はないだろうか。濡れたズボンを穿いたまま家まで帰るにはまだ先は長い。丁度ズボンも捨て時、買い替えるいい機会だ。俺は財布がまた軽くなるなと思いながら辺りを見回した。
    しかし、目に入るのは武骨な武具屋や怪しい雑貨屋、露天だった。それらの店に衣料品など売っていない。駅前までは我慢するかと思い直し再び歩き始め――愛剣イヴァンの刃を拭く布が切れていたことを唐突に思い出し、俺は足を止めた。
    からん、と客の来店を告げるベルの音とともに雑貨屋へ入店する。
    「拭布、一箱」
    支払所で煙草をふかす店主に言う。
    「一万五百ダラだ」
    「ぼったくりじゃないのか」
    法外の値段だ。俺がそういえば、店主は面倒臭そうに煙草を灰皿に押し付ける。
    「文句言うなら買うな。お前以外にも客はいくらでもいる」
    そこで、ある考えが浮かんだ。ここは裏の店なのだ。やましいことがある客が、万一のときも足あとが付くことがないように使用する店。それならば布十二枚ごときにつけられた異常な値段も納得出来た。
    長居するのは避けたい。俺は値切ることを諦め、素直に購入することにした。別の店で購入することも出来るが、それはそれで面倒だった。
  • 5 玄冬 id:/cAKVAv1

    2012-06-02(土) 18:13:48 [削除依頼]
    「まいどあり」
    一枚の紙幣と五枚の硬貨と引き換えに、俺はひとつの箱を手に入れる。財布にはもう紙幣がなかった。なんということだ、これではズボンが買えない。夕飯の金もなくなったが、まあ、それは気にしなくてもいい。
    そんなことよりも、また金を稼がなくてはいけないことに気分が大暴落した。俺は定職についていない。必要になれば単発の依頼をうけ、金を稼ぐ。依頼を受けるためには街の中心部にある集会所へ行く必要があった。報酬の発生する依頼ごとは公的機関を介さなければならないのだ。
    箱をかばんに押し込み、扉に手をかけた。
    ちりん、とベルが鳴る。しかし俺はまだ扉を押していない。
    急に開かれた扉に引っ張られるようにして、前に倒れこむ。
    「っ、と」
    一体なんなんだ――受け身を取ろうと前に伸ばした腕が、なにか暖かく固いものに触れた。
    そのまま俺はその物体にぶつかり、倒れるかと思いきや、それは意外にも激突に耐えたらしい。
    額を抑えてすぐさま体勢を立て直し、見やれば、その物体は人間だった。割れた腹筋を惜しみなく晒しだす戦闘服を見、その衣装が北方の少数民族特有のものだと思い出す。エ族といったか。俺は男の顏を見上げた。興味の無さそうな目が、俺に向けられている。
    異色の双眸に、うしろでひとつに纏められた銀糸の髪。――俺はその男がエ族だと確信した。しかもおそらくは純.血だろう。
  • 6 玄冬 id:eUdjkEP0

    2012-06-02(土) 23:26:46 [削除依頼]
    前髪を降ろし、口元を首まで下ろした額宛で隠しているために全貌は見えないが、かなりの男前だろう。エ族は、総じて美形だ。
    「……金と、黒、か」
    思わず口をついた言葉に、エ族の男は額に一筋の皺を寄せた。
    あ、興味を持ったか、と、よくわからない歓喜が背筋を走り抜ける。
    関心のない視線は意外と堪えるものだ。――それに、後から思えば。
    最強の戦闘部族として指折り数えられるエ族の男に、認識されたというその事実がただ単に嬉しかったのかもしれない。無意識下、本能が、そう仕向けたのかもしれない。
    俺とて、戦闘部族の出だ。エ族ほどで有名ではないにしろ、同じ闘師の本能を持って生まれている。
    堕落した生活を送っていようと、俺は――流血の中に生きる闘師に、間違いないのだ。
    「――そこを退け」
    男が言う。俺は脇に避け、道を譲った。
    「……ぶつかって、すまなかったな」
    軽く低頭するものの、男からの反応はない。
    男は真っ直ぐに、店主のもとへと向かって行った。すれ違いに見た横顔は、やはり奇麗なものだった。この世の生き物だとは思えない、神の愛し子とでも言われそうな整い様だ。
    なにやら長い包みを受け取っている男の背中を眺め、俺は店を出た。名残惜しいが、もうそろそろ行かなければ、帰宅前に日が落ちてしまう。
    ちりん。
    ベルが音をたてて、閉まった。
    雨脚が強まっている。
    俺は外套のフードを被り、道に一歩踏み出した。
    人の生活音は雨音に?き消され、まるで世界にただ一人しかいないような錯覚に陥る。
    ――腰の愛剣に、手を這わせた。
    「――ひとりに、なれる訳がないのにな」
    呟かれた言葉がどこに行ったのか、俺は、知らない。
  • 7 玄冬 id:eUdjkEP0

    2012-06-02(土) 23:28:33 [削除依頼]
    書き下ろし上等。ただの趣味小説。
  • 8 玄斗 id:dHv5gai.

    2012-08-09(木) 21:43:23 [削除依頼]
    コメント厳禁なのは貶されるのも褒められるのも嫌だから
    趣味で、好きで書いてるからとやかく言われたくないのですよ
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