眩暈散文46コメント

1 くらくら id:ez-kPvSd9b1

2012-06-02(土) 12:22:16 [削除依頼]

【種別名】未来
【原材料名】今まで
【内容量】寿命マイナス現在
【製造者】貴方を中心とした全世界
※保存上の注意:長時間保存していますと内容が変わってしまう恐れがあります。困難にはお早めに立ち向かうよう、ご注意ください
※危険ですので、死者には絶対に与えないでください

賞味期限:貴方次第


 こんな不味そうなモノ、誰が喰ってやるものかね。と、包装された箱に貼ってあるシールを見ながら林クンは思いました。
 そのまま投げ捨ててやっても良かったのですが、隣に座る自称天使から渡されたモノなので捨てはせず、やや乱暴に突き返してやります。なんだか随分軽い、何も入って無いような箱だったぞ。と、手が離れてからそんなことが気になる林クンです。
「あら貴方、要らないんですか?」
 自称天使は耳元で箱を振って中を確かめている様子。けれども何の音もしません。
「要るとか要らないとか、そんなモノじゃないでしょう。黙ってても勝手に来るんですよ。未来なんて」
「それ、昨日かも知れませんよ?」
 今日の次に昨日が来る?
 最早、林クンには自称天使の言っていることが理解出来ませんでした。そして何より、そんなに頑張って理解せんと試みる必要もないように感じてきてしまいます。

 何やってんだろう?

 いや、そもそもこの人生で何かやんなきゃいけない事でもあんの?

 ……無いかもしんない。
  • 27 くらくら id:ez-ORWgh.6/

    2012-08-02(木) 01:11:44 [削除依頼]
    >26 有難う御座いまーす。 なんか気に入ってもらえたみたいで。嬉しいでごんす。 最近更新遅い割に雑で申し訳ないですね。もう少し頑張ろっと……。
  • 28 くらくら id:ez-HTcoJGm1

    2012-08-04(土) 23:23:06 [削除依頼]
    「ア、アーッ」
     マイクテストの後、副校長は言葉を選びながら話し出しました。
    「本日の午前の授業中、我が校の校舎内で、えー……じ、事件が起こりました。場所は……」
     事件という言葉が出た途端、体育館内は大きくざわめき、副校長の声は途切れてしまいました。林クンの後ろでも西田クンが「な? 事件だったろ?」と少し得意気な様子。
     壁際に並んでいたセンセイ達が静まるように注意する中、充分な間を置いて副校長は続きを切り出します。
    「えー、事件が起きたのは武道場で、今は警察官の方々が現場を調べている所です。えー、詳しい事が分かるまで、事件については何も言ってはいけないそうなのでこの場では何も申し上げる事は出来ません。また、それを受けまして、本日は午後の授業を取り止め、これから皆さんには集団下校をして貰います」
     ここで再びざわめきが起こりました。
    「そ、れ、で、は! 教室に戻り、各クラスの担任の指示をよく聞いて、安全に下校して下さい!」
     生徒の声に負けじと副校長は声を張り上げ、半ば無理矢理に集会を終わらせてしまいました。暑さと緊急事態で早くも疲労感たっぷりな副校長の背中に「待たせといてそんだけか!」「分かるように言え!」と、不満な声がぶつけられます。
  • 29 くらくら id:ez-kWRbVvd.

    2012-08-05(日) 17:35:49 [削除依頼]



    「――はい、そうです。明日は休校、それ以降の事はまた明日連絡が行くようです。連絡は―…えぇ、アドレス登録している人にはメールで届くとの事です。はい、では次の方へ連絡お願いします。失礼します」
     受話器を戻しながら林クンはふぅと溜め息をつきました。彼は酷く疲れていました。
     全校集会の後、教室に戻った生徒達は再び待たされる事になりました。校内放送で住んでいる地区毎に呼び出され、名前も知らない生徒達と一緒になって下校させられたのです。何が起きているのか、そんな好奇心に駆られながらも集団の中には気まずい空気がながれ、それはもうストレスの掛かる下校だったのです。
     校内放送で自分の地区が中中呼び出されなかった事もあって、結局、林クンが家に着いたのは四時過ぎでした。
    「で、やっぱり休校なの?」
     連絡網の伝達を終えた林クンに、彼の母は声を掛けました。
    「うん、明日以降の連絡はメールで知らせるって」
    「そう」
     重い足取りで林クンは自室へと戻り、そのままベッドへと倒れ込みました。自宅謹慎。連絡網ではそんな令も回ってきたのです。いつも休日だってロクに外出しない割には、他人から謹慎勧告を受けるのは無闇に腹の立つ林クンでした。
     何が起きたのか知らないけど、このまま期末試験も潰れないかしら。
     誰かの不幸に便乗して自分の楽を願う、最低な高校生が此処におりました。何とも林クンらしい考え方であります。
  • 30 くらくら id:ez-pKFLoOR1

    2012-08-08(水) 10:33:56 [削除依頼]
     ――ん、ご苦労様。
     廊下から灯りが差し込むだけの静かで薄暗い部屋の中で、休み時間に言われた竹井センセイの言葉が浮かんできました。冬のコンクリート塀のように冷たく閉ざされた一言。余りの手応えの無さ、余りの軽さに愕然とします。
     こんなに簡単に、関係というのは絶たれてしまうものなか。
     「失って分かる大切さ」的みたいな? と、ブルー入っちゃってる割に冷静かつ的確過ぎて、気落ちする主人公としては今一つな林クンでした。いえ、今の彼は頭で分かっているだけなのです。心が追い付いた時には、きっと名前だけ聴いてもイメージ出来ないような深い深いブルーに染まる事でしょう。
     枕に頭を埋めたまま微睡みに身を任せている所で、彼の携帯電話がポケットの中で震え出しました。
  • 31 くらくら id:ez-o3Ug19./

    2012-08-11(土) 17:25:34 [削除依頼]
     液晶画面に表示されたのは「村人A」の文字。
     大儀そうに彼は電話に出ました。
    「おう、俺俺。愛しの西田だぞーっ」
    「……切るぞ?」
    「何故!? 悪い事言ってないのに謝りゃならんとは、なんたる理不尽……これが大人になるって事なのか……!」
     西田クンは何やらブツブツと言っています。
    「……切るな?」
    「ごめんなさい」
     電話の向こうで頭を下げたらしく、ゴツンと何かがぶつかる音と一緒に西田クンの呻き声が聞こえてきました。
     なんなのよ。そう呟きながら林クンは上体を起こしてベットに掛けます。
    「ホラ、夏休みに遊びに行くって話あったじゃない」
    「あったか?」
    「思い出作りの件だよ。あれさ、山でキャンプとかどうよ? 今からだともう場所無いかなぁと思ったらあったんだよ。地元に温泉すら無い、本当に山だけの所だけどな。四人で予約しといた」
    「オイ、まだ行くなんて言ってねぇぞ!」
     思わず林クンは声を荒げました。
    「で、後二人なんだけど、お互い一人ずつ誘って来るという事で」
    「誘って来るってもなぁ……」
     大方の予想通り、林クンはその様な事が大の苦手でありました。自然に話を持っていこうとして、いきなり自分でも知らないデカルトについて話を切り出した事がある程です。
    「難しいこっちゃないだろ。クラスのでも部活のでも何でも。……まぁ、心配無いと思うけど誘うのは男な。甘酸っぱい思い出は別に作ってね」
    「部活、辞めたんだ」
    「え?」
     林クンの声につられて西田クンのトーンも下がりました。
    「剣道部辞めたんだよ。今日の休み時間に退部届け出して来た」
    「え……っ、あの……ウンコの時?」
    「あぁ、ウンコの時だ」
     ここ一番のシリアスボイスで頷く林クン。
    「なんで辞めちゃったんだよ……でも、別に一緒に遊んじゃいけない分けじゃないだろ?」
    「そうだけどさー…まぁいいや、誰か誘ってみるよ」
    「おう、頼んだぜ。退部の話、テントでちゃんと聴かせろよ。じゃあな」
     そう言い残して西田クンは電話を切りました。
     携帯電話を枕の上に放り投げ、林クンは目を閉じます。キャンプに行くならお金が必要だ。両親に頼めば出してくれないことも無いだろうけど、部活も辞めたし、アルバイトでも始めようか。
     金欲とはいえ、珍しく意欲的な事を考えたかと思いきや、林クンはそのまま眠りに落ちて行くのでした。
  • 32 まゆ id:OecKqj/1

    2012-08-11(土) 18:33:00 [削除依頼]

     いっきに読みましたww

     ちょっと怖いけど世界観はとてもすきです^^

     林クンの考えることがなんだか色々と共感できてしまって、、、w


     クールにウンコとかいうところ面白いですww

     続き楽しみにしています!
  • 33 くらくら id:ez-o3Ug19./

    2012-08-11(土) 23:11:52 [削除依頼]
    >32 そうですね。林クンは共感出来る阿呆……じゃないや、主人公を意識してます。人の弱い、少し卑しい考え方を象徴してるんです。 怖いとこと阿呆なとこを緩急つけれればと思います。 コメント有難う御座いました。
  • 34 くらくら id:ez-/eXt9CO0

    2012-08-12(日) 00:33:16 [削除依頼]



    「大変な事になりましたね」
    「え?」
    「大変な事、ですよ」
     気がつくと彼、林クンは自称天使の隣に座っていました。
     ぶらぶらと足を遊ばせている彼女を見ながら考えると、その「大変な事」について思い当たる節があることに林クンは気付きました。
    「それって、もしかして学校の事件?」
     意味有り気に口の片端を持ち上げ、自称天使は彼の眼をじっと見詰めます。林クンは二秒しか耐えることが出来ず、わざと難しい顔をして俯いてしまいました。それが自称天使の笑みを更に大きなものにします。
    「詳しくは……言えません。しかし結論だけ言いますと、貴方の知っている方が不幸に遭いました」
    「不幸って、あれってそんな大事件だったのかよ。誰のことだよ? 何があったのさ!」
    「だから、言えませんって。神様から禁じられてるんです」
    「……まさか、まだカミサマだのテンシだの言うつもり?」
     口の前で人差し指を立ててウインクする彼女に苛つき、林クンは冷めた目で言います。
     反応の悪さに自称天使は「アラ?」っと首を傾げました。
    「まだも何も、事実だから仕方無いじゃない」
    「あー、あっそう。ハイハイ」
    「……その目は信じてませんね?」
     頬を膨らませる自称天使。
    「そんなだから、そんな昨日と変わらないよーな、ぷーたらした毎日過ごしてるから未来は変わっちゃうんですよ。悪い方へ悪い方へとね!」
     なんでそんな事を言われねばならんのか。なんでこんな不信な輩に、人生そのものを否定されるが如きことを言われねばならんのか。大体ぷーたらした毎日ってなんだ。怒りの余り、林クンは歌舞伎ッシュな顔をしてしまいました。
    「あ!? な、に、をぅ!?」
  • 35 まゆ id:H.HDiNr.

    2012-08-14(火) 17:08:51 [削除依頼]

     続きが待ち遠しいです><
  • 36 くらくら id:ez-dZvU2sX/

    2012-08-22(水) 06:39:09 [削除依頼]
    「……巫山戯けてますね?」
     やや醒めた自称天使は、口をへの字にして林クンにジト目をくれてやります。
    「怒り心頭だよ!」
    「私にはそうは見えませぬ」
    「……それは僕もだよ」
     前後に構えた、その道に精通する者が見たら腹を捩る事請け合いな、歌舞伎風ポージングを解いて林クンはベンチに落ち着きました。
     夢の中では珍しく持ち前の生真面目な表情が戻っています。
    「僕には、その天使だの神様だの言ってんのがまともには感じられない。……なぁ、どうしてお前は僕の夢に現れるんだ? 変じゃないか。よく知らないけど、夢ってのは寝ている間に脳味噌が記憶を整理してるとかナントカで見るもんだって聞いたことある。だったら、現実で会った事もないお前が夢に出るなんて変じゃないか」
    「その人の心理状態が夢に投影される事もあります。助平系男子の十八番、枕下にグラビア写真を忍ばせ夢の中でイチャイチャパァァラダイス。というのも、写真を忍ばせる事によって枕が非科学的な力を発揮してる訳では勿論なく、『あの娘とイチャイチャしてぇ』というエロスな精神力がそれを可能にしている。みたいです。助平って恐い」
    「恐怖心煽るつもりは無いけど男は皆往々にして助平だからね。大体、信.仰心も無いのにどういう心理状態なら夢に天使が頻発するんだよ……つか助平系男子ってなんだ」
    「天啓、とは取らないんですよね、貴方の場合。だったらもう白髪美少女とイチャイチャしてぇ。ってことでは? もうそれでいいじゃない」
    「……」
     それは君の身体を差し出すって事なのかい? と聴きたくなりましたが、大分白熱してきたジェンガよりも揺らぎ易い紳士的精神が、今回だけ何故か役に立って彼が質問するのを控えさせました。というのは嘘で、単に林クンにはそんな大胆な質問は出来なかったのです。鶏的精神力というのか、ピュアというのか。
    「お前自身は、僕の夢に現れてる理由が分かってないのか?」
    「モチのロン、ですよ。でもその理由を喋っちゃ意味ないって、神様がそう言うから仕方無いじゃない」
    「……意味?」
     林クンは眉をひそめます。自称天使はまたも意味深長に微笑みました。
    「そう、意味です。……ん、目ぇ醒めるなぁ。ほな、また会えるのを楽しみにしてまスわー。サイナラ」
    「なにその関西弁」
     夢が暗転しました。
  • 37 くらくら id:ez-dZvU2sX/

    2012-08-22(水) 06:46:34 [削除依頼]
    やっと書き込めた……「エロス」がセーフで「信.仰心」ですか……。 >35 ちょっと時間空きましたね。すみません。コメ有難う御座います。 いい加減、話の顛末を考えなきゃなぁっと少し練ってました。が、イマイチまとまらないので強行して書き込みです。未来の私よ、ゴメン。なんとかまとめて! ガンバ!
  • 38 くらくら id:ez-0x0b0Rp.

    2012-08-23(木) 07:07:54 [削除依頼]

    【3】


     試験前だというのに林クンには焦りはありませんでした。かと言って余裕があったわけでもありません。彼にあったのは「危機感のなさ」です。「なさ」が「ある」というのは、ウィークポイントしか見当たらないもんだから言い回しを変えてチャームポイントに聞こえるような錯覚を期待する、残念な人々の常套手段です。皆さんも、「彼は緊張しない」とか「猜疑心がない」などをチャームポイントにしている人には注意しましょう。きっと彼は緊張しないというよりは「緊張感がない」だけだし、猜疑心がないというか「頭を使ってない」だけなのです。
     そんな容赦「ない」解説をされていることなど露知らず、十時過ぎになって林クンはリビングへ降りてきました。
    「おはよー」
    「……おはよう」
     寝癖満載な我が子を見て母は顔を強ばらせます。
    「……ねぇ」
     母は電話の子機を大事そうに握りながら、少し上擦った声を発しました。
     何か様子が何時もと違うのを感じ取った林クンは、牛乳パックを持ったまま台所から出て来ました。母の顔を覗き込むと、彼女も自分が動揺していた事にやっと気付いて我に返ったようにハッと顔を上げ、子機を元に戻し、椅子に浅く掛けました。
  • 39 アシベ 新!停滞し日々回転す id:Q3LMifx1

    2012-08-23(木) 18:41:08 [削除依頼]
    文章自体が面白いです
    登場人物の仕草がきちんと書かれていてとても魅かれます
    小説書くのめちゃくちゃ上手ですね・・・

    更新お疲れ様です

    ではのすい
  • 40 くらくら id:ez-mTie4ZV1

    2012-09-13(木) 19:42:42 [削除依頼]
    >39 アリガトゴザマース。 勿体無き御言葉。いや、でも物語の組み立ては苦手です。苦手過ぎて二十日も放置しちゃいました。 アハハ……( ̄∀ ̄;)
  • 41 くらくら id:ez-A0MMdzG1

    2012-09-16(日) 11:20:16 [削除依頼]
     ふぅ、と浅く息を吐き出し、母は「谷口サンから聴いたんだけどね」と前置きをしてから切り出します。
    「昨日の事件、アレってもしかしたら……さ、殺人事件じゃないかって噂になっているらしいのよ」
    「殺人!?」
     勿論、林クンにとって十分驚愕な話ではあるのですが、殺人事件と言われて十二分に驚愕しない自分にも、林クンは少し戸惑いました。誰かに前もって知らされていたような……。しかし詳しい記憶は霧が掛かって思い出せません。
     谷口サンはどこからそんな情報を得るのだろうか。オバサンネットワークに機密情報を流す裏組織の存在を想像する林クン。
    「事件って、武道場で起きたのよね? もしかしたら、あんたの……知り合いの子が」
    「……」
     母は敢えて友達とは言いませんでしたが、林クンはその可能性まで汲み取っていました。今から連絡先を知ってる全員にメールしてみようか? と思うも、退部したばかりで気まずいなぁと、今一歩勇気が出ません。
     とてもご飯等食べる気分にはならない所ですが、妙な部分が図太い林クンは白米をしっかり二杯お代わりしてお腹を満たします。
  • 42 くらくら id:ez-kPTvn/G1

    2012-09-25(火) 23:14:26 [削除依頼]
     もし仮に殺人事件であったとして、と、林クンは自室の勉強机の椅子でくるくる廻りながら仮定します。
     最早、学校は定期試験なんてやっている場合じゃないぞっ。警察がセンセイ達から事情聴取して、この間まで竹刀を振っていた道場にはKEEP OUTのテープが張り巡らされているに違いない。トレンチコートを纏った定年前の刑事が難しい顔で勘を働かせるのだ。鼻の利くマスコミは今日の午後には嗅ぎ付け、明日には校門前に警官がいないと収まらない程の騒ぎになっている。登校してきた生徒へ目を付けた美人報道官の質問に僕はこう応えるのだ。
    「まさか、身近でこんな事が起きるとは思いもしませんでした……」
     仮定していたのが、ドラマなんて大して観ない癖にそれらしい妄想へと転換しておりました。この場合の仮定と妄想の明白な境界線は、残念ながら発見されておりません。
     時は金なり。と人は言います。試験中止の告知がされてない今、時価も相当高まっている筈の林クンの「時」は、こうして流れて行くのでした。
  • 43 くらくら id:ez-vY5E9Yu.

    2012-09-26(水) 15:08:57 [削除依頼]
     未だに空は青いにも関わらず時刻的には夕方である時間になって、林クンの携帯電話に着信がありました。
     漫画を置いて携帯電話を開いてみると、既に五回目の着信だったことに、林クンはギョッとします。
    「またかよ村人A。切るぞ?」
    「まだ何も言ってないのに!」
     西田クンはプリプリ怒ります。
    「事件の話だよ。何か情報回って来てない?」
     この手の話への興味が人一倍強い西田クンのことだから、色々な方面へ連絡を取って情報収集に励んでいたのだろう。と林クンは思いました。まさか全く誰からも連絡が無いなんて寂しい告白が出来る筈もなく、「殺人事件らしいな」と、母からの情報を言いました。
     興奮気味に西田クンは応答します。
    「じゃあ俺の方が知ってるな。殺人事件ってのはマジな話。しかも……殺されたの、六組の榎本だ」
    「……は?」
     耳から入ってきた情報を、脳は理解してくれませんでした。まるで中々反応しないバーコードのように、言われた言葉は何度も反芻して、ようやく林クンは理解します。
     殺人事件の被害者が、友人。
     紙面に載った何処かの話のようです。まるで現実味がありません。
    「林? 大丈夫か?」
     うろたえる西田クンの声。
     母の不安が的中してしまった。何故嫌な事柄は的中するのだろう。そんな在り来たりな考えしか浮かんで来ず、それさえもすぐに沈んでいきました。
     何故? 何が? どういう事なんだ?
     どこから質問すれば理解出来るのかすら、林クンには分かりません。それ以前に、誰に質問すれば答えが返ってくるのかすら分かりません。混乱する林クンに対して、突き付けられた事実は恐ろしくシンプルです。昨日、誰かが、友人を殺した。
    「林? 聞こえてるか? オイッ」
     不安一杯な西田クンの声で、林クンは少し我を取り戻します。
    「あぁ、ごめん。大丈夫……」
    「いや大丈夫な分けねぇーよ。同じ部員だったんだしさ。もう少し気使うべきだった。ごめん」
    「うん……」
    「……」
     普段は漫才さながらなテンポで続く二人の会話も、今度ばかりは流石に途絶えました。
  • 44 玄斗 id:O4J/6dB0

    2012-11-19(月) 21:02:59 [削除依頼]
    見つけたのであげときます。
  • 45 アシベ 新!停滞し日々回転す。 id:0YoNCBt1

    2012-11-20(火) 02:30:08 [削除依頼]
    二人の会話だけでなく小説まで途絶えてしまうとは・・・。
    サーバー火災、本当に残念です。本当に。

    上げます。火災前と変わらず応援させていただきます。
  • 46 あたりめ(アシベ) id:qsI2fLT/

    2013-08-13(火) 04:37:08 [削除依頼]
    あげます・・・くらくらさんが帰ってくるのを待っています。
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