どうして振り向いてくれないかな34コメント

1 lei id:NaMrowN/

2012-05-31(木) 20:42:20 [削除依頼]
 
 君への気持ちに気づいたのなんて
 
   ずっと昔のことだった。


 幼いころに村の祭りで、
一緒に巫女さんの舞を観たり
 勝手に神社の裏口で
持ち寄ったお菓子を半分こにしながら
 夜まで一緒に遊んだ。

たったそれだけ
 でも
それだけでも十分に私は
  気づいてしまったんだ
  • 15 lei id:WtGKogj.

    2012-06-03(日) 21:08:27 [削除依頼]
    水無瀬に勉強を教えてもらった。

    ・・・・・・。上手い、上手すぎて理解できない。
    こいつの頭どうなってやがる!

    「ここに動詞を応用してだな・・・」
    「――・・・うん、うん」
    「わかるか・・・?」
    「わかるけど、わからない」
    「だろうな」

    あーむかつく。
    しれっとした顔で頭の悪さを馬鹿にしやがって。

    「優ちゃん、咲月ちゃんをいじめないの!」
    「・・・姉さん」
    (ナイス!睦姉ちゃん!)

    内心やっぱ睦姉ちゃんは優しいなぁと
    感激していながらも水無瀬の謎の圧力によって
    妨害されるが屈しない。
  • 16 lei id:WtGKogj.

    2012-06-03(日) 21:29:44 [削除依頼]
    ここで一息・・・☆
     ふぅ・・・。

    文章書くのって難しいですよね(^.^)
    だからこそなのか自分自身飽きやすくて・・・。
    でも、頑張っていきます。


    ここでちょっと補足&説明

    主人公は勿論、霜月咲月(しもつき さつき)

     水無瀬姉弟とは幼いころからの付き合い。
    優夜を好いている一面もあるが幼馴染の腐れ縁という
    今の関係に満足している部分がある。
    軽い喘息を患っている。

    水無瀬 優夜(みなせ ゆうや)
     
     眉目秀麗、頭脳明晰の医者の息子。
    双子の姉を溺愛している節があるが姉以外の女子には
    興味がなさげ・・・だが?

    水無瀬 睦 (みなせ むつみ)

     愛称は睦(むつ)姉ちゃん
    弟である優夜からは懐かれている。
    持病持ちで心疾患を患っている。・・・割に元気な人。
    咲月の優夜への片想いは幼いころから気づいていた。
  • 17 lei id:WtGKogj.

    2012-06-03(日) 21:44:45 [削除依頼]
     
     「優ちゃん・・・」

     小さな私の声がする。

     「優・・・ちゃん」

     再度繰り返されたその声は涙を含んでいて

     「怖いよ、どこ・・・なの・・・」

     暗闇の中でその泣き声だけが反響して突き刺さる。
    ただ、純粋で、無垢で、闇を知らない、少女。

       ただ内側をみつめて。
     
      ただ、あなただけをみつづけて。

       ただ 幸せになりたくて

      
       決して手に入らない夢をみつづけて。


         [はじめの告白]
  • 18 lei id:.q7oEih.

    2012-06-05(火) 23:30:30 [削除依頼]
     そういえば、告白したのは何時だったかな・・・。

     ああ、そうだ、中3最後の冬の「奉鐘祭」だ。
    多くの人たちが村の大鐘を鳴らし、一晩中村を歩き回り奉納する儀式。
    その儀式の最中にこっそり抜け出して水無瀬に、・・・優夜に告白した。


    冬の塩を含んだ風が頬を突き刺すように触れて、遠くからは未だ祭の
    お囃子が聞こえてくる。こっそり大事な儀式を抜け出した私は
    あいつも抜け出すことを信じて明星神社の裏屋敷前で待っていた。

    「はぁ、寒いなぁ・・・」

    手を擦り合わせたり息を吹きかけたりしながら寒さを凌いでいた。
     来るかな、なんてちょっぴり乙女っぽく思っちゃったり。
    来ないなんてこともありえるのに、それ以上にずっと沸騰しそうな
    想いが私を留めていた。


     私たちは、もうすぐ別々の道を歩いていく。
    あいつは島を出て、東京の大学へ行くし、私はこの島に残って島から
    都内の高校まで毎朝船で通うことになっている。

     同じ道から枝別れした進路は少なくとも私にとっては寂しいものだった
    だから、今言えること。幼いころから募ってきた恋心とはもう
    到底言えないが、せめて腐れ縁のよしみで言わせて欲しい。
     

    いつもきつい暴言にも似た口調であたって来たし、当然中身も
    暴言だったり不満だったり、とても女の子みたいな印象はうけないもの
    ばかりだが・・・、「好き」なんて言うのもなんだかずっと
    らしくないと思えて言わなかったし・・・。

    たくさん、たくさん、たくさん・・・言い訳があるし

     でも想いは一つだったのだ。

    それ以上に、以下もない。
  • 19 lei id:.q7oEih.

    2012-06-05(火) 23:46:10 [削除依頼]


     「え」


    なんて、たまたまだ。

    きっと、そう。 たぶん。


    あいつが、水無瀬が、来た。

     私の目の前で寒い、なんて言いながらお気に入りの
    青いマフラーを首に巻いて体をあっためて。
     訝しげに私を見つめるそいつは間違いなく水無瀬で。
    約束を守って、来てくれたことがなによりも・・・
      嬉しくて。

    「水無瀬・・・?」

     聞き返せばなんだと言わんばかりの顔で。
    私は、・・・・・・浮かれていいのだろうか。


    「で、なんだよ」
    「・・・・・・え、あ・・・うん」
    「・・・うん、じゃわからない」
    「・・・うん」

    帰る、とか言って踵を返そうとした水無瀬のマフラーを
    思わず引っ張ってしまう。
     ぎゅう、と首が絞まりそうになって
    咄嗟に手を引っ込める。

    「ご、ごめん!・・・ま、待って!」

    なんだ、今日は。

     わたし、変だ。
     
    いつも以上に、いつもの軽口が出なくなってる・・・。

    いつもなら、こんなとき、冗談だって
     笑い飛ばせるのに・・・。

    「・・・なんだよ。早く言え」
    「・・・」

    思い切ってだ。言ってしまえ、後のことなんか

     気にするな。

     気にしてたまるもんか。


    「・・・わたし、・・・っ」

     振り絞って、声を張った。

    「私、・・・実はっ・・・ずっと――」

    もう少し、最後まで――!

    「ずっと・・・っ」

    お前が、お前のこと・・・

    「水無瀬が・・・好きだったんだ――!!」


       

              


             目の前が白くぼやけた気がした。
  • 20 lei id:b4wNdk81

    2012-06-06(水) 00:00:13 [削除依頼]
      頬が熱い

     体が全身、熱くて、このまま融けていきそうだった。

    胸が動悸して息苦しくて、それでも立っていられるのは
     目の前の男の返事を聞くまで耐えようなんていう
    小さな目標があるからだろうか。


    「・・・霜月。」
    「・・・―――っ」

    恥ずかしすぎて、水無瀬の顔が直視できなかった。
     
    一息間を置いて、水無瀬が、再度口を開いた。

    「・・・どう、答えたら・・・いいんだ」
    「・・・・・・、みな、せ。」
    「・・・俺は、・・・言っていいのか・・・?」
    「・・・何、を・・・?」

    言うことなんて一つに決まっているはずだ。
     他に選択肢は無い、はず。
    なのに水無瀬は、・・・ある、というのか。

    いいや、水無瀬なら、水無瀬だからこそあるだろう。
    ・・・絶対、・・・はじめから、わかっていた、はずだ。
  • 21 ジョン・タイター id:0XIyOA8/

    2012-06-06(水) 00:04:15 [削除依頼]
    なんか凄い感動しました。ありがとうございます。
  • 22 lei id:b4wNdk81

    2012-06-06(水) 00:11:16 [削除依頼]

    「俺は・・・」


      睦が好きなんだ。


      「え」

    世界は暗転・・・――なんて
     ことは絶対ない。
    これは現実、ただ目の前に広がるのは真実だった。
     しかし、わたしも人間だ。

     人間だからこそ、今、本当に、何が、
     なんていったらいいか、本当にわからない。

    まさしく、それが、予想外の出来事だったからだ。

    たとえ、予想できたとしてもだ。

     この男、水無瀬優夜という・・・仮にも告白した相手には
    複数の上下問わずの周りの人間が恋愛という
    範疇内には存在する。存在するが、だが・・・
     
     ましては、姉弟、しかも双子の姉という
    選択肢まであってもよいのだろうか。

    そしてそれが上手く消化できずにいる私は、
     なんて答えを返せば良いのか・・・。


    「水無瀬・・・。」
    「・・・・・・、ああ」


    「・・・―――私も、なんて言ったらいいかわかんない」
  • 23 lei id:b4wNdk81

    2012-06-06(水) 00:15:26 [削除依頼]
    ジョン・タイターさん>

    感動だなんて、ありがとうございます!
     
     すごくまとまり方も話の筋としても
    消化不全になりそうな駄文です。
      本当に読んでくださってありがとうございます!
  • 24 lei id:b4wNdk81

    2012-06-06(水) 00:37:06 [削除依頼]
     きっと、狂い始めてた。


    「水無瀬、本気だったんだ」
    「・・・・・・」
    「あはは、ご、ごめん」

    茶化す場面じゃない、と自分で釘をさす。
     
     ・・・・・・、とても重い空気が、私たちの間を
     漂っていた。

    なんとかしようと打開策を練るが
     どれもこれも結局は相手を茶化す言葉しか
    考えつかなかった。

     なんだ、自分。馬鹿か、自分。
    でも、茶化さないと、茶化して、誤魔化さないと。

       自分が保てそうになかった。

    「寒いのに、呼び出して、ごめんね。お祭りの最中・・・
     だったし・・・。」


    やっぱり、ショックだ。

      好きじゃない、とか好き
    とかをはっきり想像なんてことはしなかったけど・・・
     「答え」を貰えないことのほうが、すごく響いた。

    結局、「睦姉ちゃん」には勝てなかったのだ。

     今も、昔も。変わらずして。

    今も、水無瀬の内を占めているのは

      「睦姉ちゃん」で

     今さっき、告白した私なんか

    一瞬すらもなかったにちがいない。

    それで初めて、失恋したのかなぁ、とか。
    心中を駆け巡る答えがなにより、痛々しくて。

      認めてしまうのにはすごく、惜しかった。
  • 25 lei id:b4wNdk81

    2012-06-06(水) 00:47:26 [削除依頼]
    すっかり私は怖気ついてしまった。
     もともと臆病者の私なのだから、
     そんなに、驚かないで欲しい。

    「ほんっと!ごめんね!・・・わざわざ・・・。」
    「まったくだ」
    「・・・・・・。睦姉ちゃんのことは誰にも言わないよ。
    それだけは絶対に。―――、今日のこと、さっきのは
    忘れて、しまっていいから」

    このまま、去ってしまいたかった。
     早く、早く。

    水無瀬に、実は振られたのがショックで

    泣いている顔なんて・・・・・・見せたくなくて。


    でも、最後の一言で、私は完全に崩れてしまった。

    「俺さ・・・」
    「・・・――なに?」
          振り返らずに、足早に草を踏み分けながら

       

      
       「お前のこと、――嫌いだ」


           私は、大沼に足を滑らせてしまった。
  • 26 lei id:b4wNdk81

    2012-06-06(水) 18:53:12 [削除依頼]
    うそだ、・・・うそ・・・。


      嘘だ、・・・。

    なにかの、間違いだと、聞き間違いだと・・・私は笑いながら水無瀬を見た。


    胸が、痛くて、これはもう熱に苛む苦しみじゃない。
     理解しよう、理解しなければ、・・・・・・言い聞かせて
    涙声になりそうな声を振り絞った。

    「え・・・?なに・・・」

    水無瀬はいつもの冷めたような顔付きでただ黙ったままだった。
     そして漸く口を開いたかと思えば、出たのは呆れた溜息。
    それで、やっと、・・・やっぱり私は――。
     確信を得ることができた。

    「ううん、なんでもない」

    昏い夜に浮かぶ月のようには成れなかった。
     でもどうせなら、私は、沈んでいきたかった。
  • 27 lei id:b4wNdk81

    2012-06-06(水) 19:49:41 [削除依頼]
     水無瀬睦/


     私には双子の弟がいる。
    簡単に言ってしまえばそれだけのこと、なのだけれど。
    切っても切れない関係に少し複雑な心境で生きている。


    「・・・神社に先に用があるから、姉さんは先に行ってて」

    優夜は黒いジャンパーに私が去年のクリスマスにあげた
    青いマフラーを首に巻いて、玄関のガラス戸に手をかけた。

    「なにか、あったの?」
    「・・・うん、霜月に・・・来てくれって言われて」
    「――そっか」

    きっと、「告白」するのだろう。
     こそっとさっちゃんが私に教えてくれた昨日の夕方。
    学校からの帰り道。二人で村の商店まで立ち寄って
    焼き芋を分けあって食べた。

    寒いけど、あったかくて。美味しい焼き芋を頬張りながらさっちゃんは
    いつものようにはにかみながら話してくれた。

    「明日・・・水無、・・・優夜に、――告白する」
    「!・・・突然、だね」
    「うん。でもさ・・・今日で学校は終わったし、年が明けたって、受験だし?」
    「うん」
    「だから告白するなら今かなって」

    そっかそっか・・・。
    やっと、決心付いたんだ。
    心底応援していたし、なにより好きな人が幸せになることのほうが
    幸せ・・・だから。
    私はすごく嬉しかったんだ。

    「うん!さっちゃんなら大丈夫だよ!」
    「ありがとう」

     さっちゃんが笑ってる。
    それだけで私はいつも救われていたの。
  • 28 *・花音です☆FT大好き×∞   id:pGn6g/W/

    2012-06-09(土) 20:04:38 [削除依頼]
     こんちは
     評価に来ました!花音です

     
     ケータイ小説風ですね!!
     ケータイ小説好きです!  
     この小説うちのリアともがよみたがりそう
     (くもんにいかなくてPC一か月禁止)
     
     いいと思います! 
     普通に魔法のらんどとか野いちごとかにでてそうでうまい!!
     
     具体的なことは…分の改行もうまいしいうところはありませんね 
     コメが来てないのは引っかかりますが
     
     結論!!
     話や構成はOKなので
     これからもっとクオリティを上げていきましょう!

     
     以上小6女子でした
     
     
  • 29 lei id:0zzrk93.

    2012-06-13(水) 22:17:29 [削除依頼]
    コメントありがとうございます!
     今現在、話の方向性をどうするかと悩んでおりまして。
    試行錯誤で頑張って参りたいと思います。
  • 30 lei id:0zzrk93.

    2012-06-13(水) 22:55:28 [削除依頼]
     水無瀬優夜/

    滲んだ血が口元を伝って雪の上を染めた。


    「姉、さん・・・・・・」

    冬の寒空が、潮を含んだ風が、肌に染みて傷が痛んだ。
     頬をには先ほどの痛みが未だ残り
    これが夢ではないことを教えてくれていた。
    怒号の後に平手打ちをお見舞いされたのだ。

    そっと痛みと滲んだ血を指で拭いながら俺は姉の睦を
    一瞥する。
    彼女は未だに顔を赤くしながら唇を噛み締め震えていた


    「姉さん」
    「・・・・・・っまさか・・・こうだとは思わなかった」
    「なんで・・・こんなこと?」

    全く身に覚えのないことだ。
    俺は姉さんに対して非道なことは一切したことはない。
    それなのに
    平手打ちで制裁を下される意味がわからなかった。

    「なんで?!・・・・・・呆れた・・・」
    怒りや悲しみが入り混じっていて
    感情が制御できないのだろう。
    姉の顔は引き攣っていた。

    「・・・・・・さっちゃんが・・・。優夜のせいだよ」
    「・・・え」
    「・・・、さっちゃん、振ったんだって?」
    「・・・」
    「ずっと、ずっと好きだったのに。「嫌い」
    とか言っちゃって・・・。最低だね。見損なっちゃった」
    「・・・ねえさん」

    今まで見たことのないほどに冷え切った姉の瞳。
    軽蔑が浮かんだその表情は身震いするほどだった。

    「優夜。・・・私、優夜のいうような
    【良いお姉ちゃん】なんかじゃないよ。
    きっと幻想なんだよそれは。
    私は、・・・ううん私たちは
    禁忌を渡り歩いているんだと思う」

    俯いた陰には雪の白さが灰色に染まっている。
    これが、そうだというのか。

    「前に言ったよね?私が好きって。優夜。
    あれさ・・・いまなら完全に答えが出せるとおもう。」

    微かに微笑みながら睦はぼかしながら答えた。

    「一生後悔しないために。
    ・・・・・・私、さっちゃんが好きだから」


    その答えに、俺は漸く、あいつの苦悩を悟った。
  • 31 lei id:kX7IBXF.

    2012-07-30(月) 01:09:57 [削除依頼]
     道が凍っている。
    目の前の延々と続く果てのない道が闇に埋まっていて
    いくら目を擦っても変わらなかった。
    そして一歩を踏み込めば、つるりと滑る氷上に足が竦む。
    ずっとそうしているわけにもいかず、震える体を叱咤しながらも
    立ち止まらないようにゆっくりと帰路につく。


     胸の内は未だ棘が刺さったままでヒリヒリと焼けるように痛みを
    伴っていた。そして、つい先ほどの出来事が断片的に浮かんでは
    繰り返していたものを振りかぶって、要点だけを捉えるようにする。

    (・・・告白、したんだ。告白した。・・・勇気をだして、優夜に。)

    味を確かめるように咀嚼する思考を一つ一つを繰り返す。

    (・・・・・・でも、・・・振られた。嫌い、だなんて言われた。
    一番言われたくなかった言葉なのに)

    心の中心核を突かれた気がして、鼻がつーんとする。
    喉元まで気持ちがつっかえた感じがして、また泣き出しそうになった。

    (・・・なにが、いけなかったんだろう)

    彼に、一体何をしたのか。【嫌い】と思われるほどのことを私は
    やってしまったのだろうか。ならば大失態だ。
    それが本当ならば私は、私を悔やんでいくしかできない。
     
    だが今の私には、胸の痛みを堪えることしかできなかった。
     涙混じりの嗚咽と悔恨の念を零さないように。
    ただ、時が過ぎてゆくことを祈るばかりだった。
  • 32 lei id:xRCRcDy1

    2012-07-31(火) 03:24:45 [削除依頼]
    「夢は終わった」

    奉鐘祭が静かに冬の風に紛れていくように私の記憶も消されていけたなら
    よかった・・・なんて、あれからの日々は黒を白に塗り替えるように消せない日々となった。

    冬休みは最後の追い込みで受験に向けての毎日。
    失恋で不合格になるなんて笑えない話にも程がある。
     私は今まで以上に勉強に身を入れて冬を過ごすことにした。
  • 33 lei id:xRCRcDy1

    2012-07-31(火) 03:59:17 [削除依頼]
     声を掛けたらきっと


    水無瀬睦/

     受験という壁は高く、そして厚くかたい。
    でもそれはあくまでも途中過程であって終点ではない。
    スタートラインより少し手前の整列する段階に過ぎない
    通過儀礼、というやつだろう。
     だから正当なルールも実はないのかもしれない。
    道が別れて、違うところで芽吹いて花を咲かせる。
    レールに敷かれた上を歩くこともないと、・・・私は思う。


    「・・・就職・・・って、どういうことだよ?!」

    弟の怒号が夜の食卓に響いた。
    父も母も呆れているのかもしくは興味がないのか
    怒ることも宥めることもしなかったというのに。
     この弟だけは私を離そうとはしなかった。

    いつも余程の事がなければ動じないような男の顔は
    動揺と怒りの感情を露に顔を赤くしていた。

    そして、いつまでも返事がない私に痺れをきらして
    再び怒りに打ち震えた声音を発したのだった。

    「なんで、あんなに・・・東京に行きたいって
    言ってたじゃないか。今更、・・・っ諦めるのかよ!」

    拳を固く握り締め机を、一度、二度、と打ち付けたところで
    父が気を害し、やめろと言わんばかりに一瞥した。

    「・・・優夜。おかしくはないのよ・・・確かに風当たりは辛いけれど
    認められないことではない」
    「わかってる。・・・けど、なにも不合格通知を貰ったわけでもないし
    頭が悪いはずもないのに・・・」

    母が怒りを沈めようと理由を述べようとするがやはり
    優夜には認められないらしい。

    「・・・私はこの島で生きていくことにしたの。
    島で島の事業に携わりながら島と共にいきていく。悪くなないでしょ」

    なぜ、だとか問われたら、答えられない。
     でも島を出て生きることは幼いころから恐怖に感じられた。
    いつまでも巣立ちできない鳥のようだけど、そういう人生もなんだか悪くない、と
    つい、最近思い始めた。
    人生を棒に振るな、と言われることもあるだろう。
    なにも掠めなくたっても、人生が人生なだけにもう自分自身がわかってしまっている。
    これで、いいのだと。
    納得のいかない結果よりは性に合っていたほうが懸命だとも思う。

    きっと、それが、・・・彼と彼女からの別離だとしても。

    ああ、そうだ。
    私は昔から、優夜が嫌いだったんだよ。
    好きと嫌いは表裏一体で捲っただけのカードだけど、
    その通りで、・・・咲月が嫌いな優夜を許せないだけだと。


     
  • 34 lei id:xRCRcDy1

    2012-07-31(火) 04:16:48 [削除依頼]
    涼しい風が頬を撫でてゆく。

     春の陽気が眠気を誘って思わず欠伸が出た。
    この窓から見上げる空を見るのはもう何度目か。

    以前よりは少し痩せたと思う。
    細くなった指が窓の手摺りを握る。

    ここには都会の喧騒さも無数の世界は広がっていない。
    それがとても心地よく、浮き輪で浮いている安心感があった。

    とても殺風景な部屋だと、来る人々は花を見舞ってくれる。
    色とりどりな花々は嬉しいが、ここには飾っていない。

    緑の大木がそびえ立つ窓からの景色には味気こそないが
    それが当たり前で励みであった。


    ゆっくりと車椅子を動かして、外に行こうかとも思ったが、
    どうもこの細い腕では、もうダメだな、と痛感せざるを得なかった。

    そして今日も、諦める。
     車椅子は少し錆びていて年季が入っている。
    レバーが固くて、傾けさせるのにも一苦労だ。


     そして・・・、今日も来てくれる。
    もう、こなくていいのに、とか毒づいて。
    お互い笑いながらさして気にせずいつものように繰り返す。


     「さあ、続きを聞かせてください」
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