美しい君と25コメント

1 葵 id:YiRdtSi.

2012-05-31(木) 17:12:29 [削除依頼]
初めはどんなことがあっても人を殺すなんてこと許されないと思っていた…

それでも今なら美しい君の為ならどんなことでもする。

それが何度生まれ変わり、死んでも許されないとしても…
  • 6 葵 id:mAduoA..

    2012-06-02(土) 18:02:48 [削除依頼]
    パカパカと馬の蹄の音が響く。君は頬杖をついて流れゆく景色を見つめる。先ほどまで五月蝿く鳴っていた心臓の音はもう聞こえないほど小さい。
    落ち着いて考えれる様になると,様々な疑問が浮かび上がる。解決しやすそうな物から君に答えを求める。
    「…おい。お前,名前はなんていう?」
    君は俺に視線を向ける。桜色の唇から零れでた声は何処となく悲しそうで…
    「名前など無い。私はとある男の愛玩品でね。直接会った事はない。僕の写真を召使い達が毎日そいつに送っている。男は金持ちだから生活には困らないが… 昨日も今日も同じ事の繰り返しだ。」
    だが,と君は続ける。
    「明日からは楽しくなりそうだ。」
    微かに微笑む君はまるで女神の様だった。その美しさに一瞬忘れそうになったが,美しいのはおいといても名前がないのは困る。なんと呼べばいいのだ。
    「じゃあなんて呼べば良い?さっきの奴らみたいに“姫様”とでも?」
    「それでも構わないさ。僕にとって名前など取るに足らない物だからね。」
    嫌味にも動じない。さっきは女神の様だ,などと思ったがこれでは悪魔。中身は真っ黒の様だ。
    (ん?悪魔…,あくま…,あくまこ…,まこ…,眞子!)
    「決めた,お前の名前は“眞子”!」
    血塗れの少年が朗らかに笑う。単純な少年は,100もあった疑問をその時にはもう忘れていた。
    黒い少女“眞子”もまた笑みを浮かべていた。 不幸までのカウントダウンが始まる…
  • 7 葵 id:4tsz3XN/

    2012-06-03(日) 12:27:27 [削除依頼]
    馬の蹄の音が聞こえなくなる。馬車の扉が音もなく開く。
    「着きました,姫様。どうぞこちらへ。」
    若い男の召使いが眞子に手を差し出す。眞子はそれに応え,男の手に自分の手を重ねる。眞子は男に誘導されながら歩き出す。馬車の中には俺,一人になってしまった。はぁーと溜息をつき自分で降りようとした時,声を掛けられた。
    「お初にお目に掛かります。わたくしは、華奈と申します。今から貴方さま付きのメイドでございます。どんな事でもお命じになって下さいませ。」
    深々と頭を下げているのは,長い丈のスカートを身につけているメイドさん。身長170cmの俺と同じくらいの身長。角度的に顔は見えないが声的には凄い美人だと思う。
  • 8 葵 id:4tsz3XN/

    2012-06-03(日) 18:39:51 [削除依頼]
    「えっと…どう言う事ですか?俺,眞子…じゃなくて姫様に連れてこられただけで,別に傅かれる様な事は何もしてないんだけど…。」
    本来なら俺は奴隷として連れて来られただけで,こんな綺麗なメイドさんが着く立場じゃない。メイドさん,もとい華奈さんが顔をあげる。声の通り華奈さんはやっぱり綺麗で…。
    「わたくしは,姫様に貴方様をお護りするよう命じられました。わたくしは,姫様の為に生き,死ぬ存在ですので姫様に命じられた事は絶対です。」
    なんの迷いも無い声で答える。華奈さんは長い髪を後ろで編み上げていて,清潔感100%みたいな人だ。そんな人が俺みたいなやつに仕えるなんて…正直あり得ない。
    「あの,お名前を教えてくださいませ?いつまでも《貴方様》と言うのも…。」
    華奈さんが,黙っている俺に声を掛ける。
    「…えっ?ああ。《楓》だよ。女々しい名前だよな。」
    「楓様,ですね。では楓様,ひとまず入浴を。血を落としましょう。」
    華奈さんがにっこり笑う。俺の前に立って華奈さんが歩き出す。俺は,眞子はどうしているだろうかとぼんやり考えながら華奈さんについて行った。
  • 9 葵 id:4tsz3XN/

    2012-06-03(日) 22:20:08 [削除依頼]
    華奈さんは一定のテンポを崩さず歩き続ける。華奈さんは歩きながら俺に声を掛ける。
    「楓様,楓様は何故あの場所に居たのですか?」
    素直な人だ。いきなり確信をつく。
    「別に。気づいたら居ただけ。正直パニックになってたけど。」
    何時の間にかタメ口になっていた。そうさせるのは華奈さんの柔らかな雰囲気。
    「そう…ですか。実は姫様に命じられていたのです。楓様があの場所に居た理由を探るようにと。」
    それは言ってしまっていいのだろうか。華奈さんはなので,と続ける。
    「曖昧じゃだめなのです。あの場所の前はどこにいらっしゃったのですか?詳しく教えてください。」
    何となく“姫様命”な人だ。俺は,華奈さんに言われた事をよく考えてみる。
    「最初は学校に居て…。次に友達と図書館に行って…?あれ?次は…。」
    どんなに考えても出てこない。図書館の記憶の次は,あの赤い場所の記憶…。その間が無い。
    「あの,無理しなくても良いですよ?お風呂に着きましたから,ゆっくりお考え下さい。」
    華奈さんがお風呂の戸を開ける。豪奢な作りの風呂。
    「お召し物は,用意しておきますので。」
    と言い残し,華奈さんは出ていく。俺はやっと一人になれた時間を活用し,今までの事を整理する事にした。
  • 10 葵 id:WYhLd3/0

    2012-06-04(月) 22:43:31 [削除依頼]
    確か始めは,いつも通り学校に登校したはずだ。そして図書館で友達と勉強してた…。

    「おい,楓〜。この問題マジ意味わかんねー。そもそも問題文からわかんね〜よ。」
    俺の友達が机に突っ伏して,俺に尋ねる。
    「ん?あぁ,これは…ほらこの公式を使ってやれば簡単だろ。」
    優しく教えてやる。
  • 11 葵 id:v0F5CvP.

    2012-06-05(火) 07:10:28 [削除依頼]
    優しく教えると,あぁ!と声を上げシャーペンを走らせる。もう出来る様なので自分の勉強に戻る。
    しばらくは,同じ様なペースで続けていたが,自分に出来ない問題があった。友達に聞いてもわかるはず無い。せっかくここは図書館なのだから調べて来ようと立ち上がる。
    「どこ行くんだよ〜?ずっる〜。」
    「調べ物だよ。ずるいって言うならお前が教えてくれよな。」
    「分かった,分かった。行って来い。」
    少々投げやりに追い出される。溜息を吐きながら歩いていると,声を掛けられた。
    『☆%♯♪?,?●??♭???。?★♪?%?♯……。』
    聞き取りにくい言葉。でも不思議な魅力があって--。


    それからの記憶は無い。気づいたらあの場所にいた。そして眞子に出会った。
    『震えなくていい,何を怖がっている。心配するな。』
    何の事だろう?俺は,怖がっていた……?ふと,鏡に映る自分を見ると血だらけの顔に涙の跡が付いていた。あぁ,これで俺が怖がっていると思ったのか。
    バシャッと顔にお湯をかける。血は若干残るもののだいたい落ちる。

    血を見ているとあの死んだ男を思い出す。赤い世界に引き込まれる気がして体を洗う作業に熱中する……。どこかから人の視線を感じる様な気がした。
  • 12 葵 id:2dpt4d21

    2012-06-07(木) 20:54:40 [削除依頼]
    「楓様?楓様,大丈夫ですか。」
    外から華奈さんの声が聞こえる。そう言えば,風呂に入ってどれくらい経っただろうか。華奈さんの声がかなり慌ててきたから急いで返事をする。
    「あっ!あぁ,大丈夫。心配させたならすいません。」
    「そう…ですか。何も無いなら良かったです。お召し物は,籠にいれておきますので。失礼致します。」
    華奈さんの声はいつになくほっとした様子だった。華奈さんが出て行った事を確認した後急いで風呂を上がり,服を着る。服は今まで着た事も無い様な高価な物だった。
  • 13 葵 id:4mF2Eiz0

    2012-06-10(日) 15:42:57 [削除依頼]
    「では,こちらへ。」
    華奈さんが風呂を出た俺を眞子の所まで連れて行ってくれるという。歩き出した華奈さんをを追いかけ俺も歩き出す。入り組んだ廊下はまるで迷路のよう。二人の間には只々沈黙が漂っていて……。
    「あ…,華奈さん。あの,死んでいた男って誰?本当に俺が殺したのかな……。」
    沈黙を破りたくて口に出した言葉。思いつきで言った言葉だけにそれは本心だった。華奈さんは少し動揺した後曖昧に笑いながら答えた。
    「わたくしは,全てを知ってるわけではありませんのでよくは分かりません。ただ敢ていうなら彼は敵対する組織の幹部だったそうです。詳しくは姫様にお聞き下さい。」
    敵対する組織?どういうことだろう。眞子もまた,どこかの組織の一員なのだろうか。そのことを素直に口に出す。
    「いいえ。姫様はどこの組織にも属しておりません。姫様の持ち主である旦那様が組織の当主でして,間接的に権力を得ているのです。」
    『旦那様』,そして『持ち主』?何だか本当に眞子は人形の様な言い方だ。
    「華奈さん,眞子は人間なのに……。そんな言い方おかしい。眞子は人形なんかじゃ無いんだ。」
    「存じておりますわ,楓様。姫様は人間です。でも旦那様の持ち物,奴隷なのですよ。姫様の目の下にある刺青は奴隷の時の番号を消すものです。姫様の本当の名前は【No.25】であり《眞子》では無いのです。」
    華奈さんの声が冷たい。華奈さんはそれに…,と続ける。
    「わたくし達も同様です。わたくしも,楓様も姫様の物。つまりは旦那様の物でしょう?」
    自分が人の物。そう簡単にいえる華奈さんが恐ろしい。着きましたよ,と言って華奈さんが眞子のいる部屋の戸を開けるが,俺はどうしても顔をあげる気になれなかった。
  • 14 乱舞輪舞 id:c4hFvPe1

    2012-06-10(日) 22:07:57 [削除依頼]
    すごい。恋愛物かと思ったら……
    ってか、マジで中1?
    ハンパないよ!!
    あたしみてーなもんは愛玩品の発想すらないから(^_^;)
    どうなるのか全く読めない。
    だから楽しみに読みにくる!
  • 15 葵 id:tUvZAcg1

    2012-06-11(月) 20:58:10 [削除依頼]
    乱舞輪舞さん,こんばんわ〜。
    いやいや,自分で読み返すとここ書き忘れてた〜!ていうとこが多すぎて……。本当悲しくなります。
    一応中一ですよ。つい三ヶ月前までランドセル背負ってました(笑)。

    まぁジャンルは悲劇物ですかね。これからどんどん私だけの世界に入って行くので,頑張って下さい。((何が?
    また来て下さいね?
  • 16 葵 id:/xT7RBf1

    2012-06-12(火) 05:52:07 [削除依頼]
    少し音を立てて立派な扉が開けられる。開いた瞬間に部屋の奥から俺に視線が注がれた。その視線の主はおそらく眞子だろう。元奴隷である眞子の。
    「どうした?楓。そんな所に立ったままで。そこの椅子に座れ。 華奈,僕にミルクティーを。」
    華奈さんはかしこまりました,と頭を下げ部屋を出て行った。俺はのろのろと椅子に向かう。俺が座ろうとするとショートヘアのメイドさんが椅子を引いてくれた。

    少しして,華奈さんが眞子にミルクティー,俺にコーヒーを運んで来る。カチャカチャと静かな部屋に準備の音が響く。それが一段落すると,眞子はミルクティーを片手に口を開いた。
    「さて……,楓。ここでお前に頼みがある。それがお前をここに連れて来た理由となる。」
    眞子はミルクティーをすすり一旦話が途切れる。俺もコーヒーを飲もうとした時に眞子の話が再開される。
    「僕の持ち主である伯爵はね,毎日僕の写真を伯爵に送る事で僕の幸せを保証してくれている。だが最近僕だけではなく,誰かと写っている写真も欲しいといい出してね。楓と僕が普通に暮らしていれば,使用人達が勝手に写真を撮ってくれる。奴隷だとか言ったが僕はお前がここで暮らしてくれればいいわけだよ。」
    次々に話が入れ替わる。俺の頭は混乱していて眞子の言葉の意味が分からなかった。
  • 17 葵 id:e2VLcKi1

    2012-06-14(木) 20:53:52 [削除依頼]
    混乱している俺に華奈さんが更に付け足して説明してくれる。
    「ですから、楓様には姫様の写真の小道具としてここに住んで頂きたいのです。旦那様に命じられた事をこなすには姫様を姫様と崇めない方が必要なのです。謝礼として楓様が人を殺めたという事実の隠蔽と永遠の幸せを約束いたします。」
    俺は、今日一日で一体どれほどの事を理解しなければいけないのだろう。しかも誰にも相談出来ない事ばかり。脳はもう疲れ果て考える事を拒否する。
    何かを言おうと立ち上がった俺の身体は重力に従い倒れていく。頭は真っ白でそれに逆らう事は出来なかった。


    「 」ガタンッ!
    何かを言おうとした楓が倒れた。すぐさま華奈をはじめとしたメイドや執事が駆け寄る。……何故そんなに慌てているんだ?倒れたとはいえ頭も打っていなかった様だし死にはしない。たとえ死んだとしても代わりはいくらでもいるだろうに。
    「僕は部屋に行くよ。楓が起きたら呼んでくれ。」
    後ろから姫様!と呼ぶ声がするが無視する。ただ1人僕の後ろについて来た様だ。おそらく琴葉だろう。この屋敷のメイドの者でとしが近いせいもあり、懐かれている。
    「どうした、琴葉。楓の世話はいいのか?」
    こくん、と頷く。僅かに琴葉のショートヘアが揺れる。
    「……うん。華奈さんがいるから。私いなくても大丈夫。」
    相変わらず無口な奴だ。
  • 18 葵 id:Xiq82/u0

    2012-06-23(土) 18:17:47 [削除依頼]
    僕は自分の部屋へと歩く。その後ろを琴葉がついてくる。琴葉は少し茶が混じった黒髪でいわゆるおかっぱだった。華奈とは作りの違うメイド服でフリルで溢れかえっている。僕なんかよりも無表情な琴葉のほうがよっぽど人間らしい。
    「……姫さま?私、顔に何かついてる?」
    まじまじとみすぎて不審がられる。
    「いや……、何故ついて来たのかと思ってね。 楓が嫌いか?それとも僕がそんなに好きか?」
    無表情の琴葉では顔から何かを知る事は出来ない。それならば口に出すしかない。
    「……ついて来ちゃダメだった?」
    琴葉は質問に答えず無表情のまま首をかしげる。僕が少し不快な顔になるとやっと質問に答えた。
    「……楓さまの事は嫌いじゃない。でも、好きじゃない。だって……血の臭いがした。楓さまのものではない誰か他の人の。」
    血?洗い落としたんじゃなかったのか。少なくとも僕は気付かなかったが。

    知らず知らずのうちについていた自室の扉を琴葉が開ける。その向こうに見えるのは朝と全く変わっていない自分の部屋。靴を脱がないままベットに横たわる。微かにベットが音を立てた。
    「……姫さま?もう寝るの?ご飯、どうするの?」
    「琴葉、下がれ。少し休むだけだ、一人にしてくれるか。」
    ……分かった、と言うと琴葉は静かに部屋を出て行った。何となく一人は久しぶりだ。
    「楓はどうしているだろうか。」
    朝ならば決して発したはずの無い言葉が口から漏れた。
  • 19 葵 id:9cdJAtm.

    2012-06-24(日) 06:21:41 [削除依頼]
    僕のいるこの部屋は黒や緑、赤などが多い。家具などは全て美しい高級品だった。
    そう言えば初めてこの屋敷に来た時に案内されたのはここだったな。使用人がいる事に慣れなくてよく一人にしてもらっていた。もう……あれから何年たっただろう。
    彼女の記憶が遠い昔へと戻っていく。


    【十年前】
    死にそうだった。もう今にでも。
    三日ほど前から何もいれていないお腹が抗議の声を上げる。秋らしい冷たい風がろくな服を来ていない少女の体温を奪う。
    少女はもう限界に達していた。ふらつく身体、霞む視界……。死んだほうがいっそましなのではないだろうか。そう考えた少女は地面に横たわる。そして、ゆっくりと目を閉じる。
    その時。
    「美しいね、君は。もう限界なのかい?もう少し生きてみたくはないかい?」
    軽い口調の男の声が耳に入った。でも言葉を学習しきれていない少女は、言葉の半分ほどしか理解出来なかった。男の声はなおも続く。
    「小生について来れば……そうだね。伯爵クラスの方の家にご案内できるよ。」
    伯爵?それは誰かの名前だろうか。少女には分からなかった。ただ一つ分かるのはもう自分に返事をするほどの体力は無いという事。薄っすらと開けていた目を閉じていく。
    「あらら……、死んじゃうのかい?勿体無いよ、せっかく美しいのに。でも君なら……死体でも良いかなぁ。ま、とりあえず連れてくね。お店に着くまで生きてたら看病してあげるよ。」
    男はそういうと少女を抱き上げた。少女の身体は驚くほど軽くて……。

    次に少女が目を覚ましたのは男の家のベットの上。服は真新しいもので、少し良い香りがする。
    「あぁ、生きてたんだ。良かったよ。価値は四倍かな。ん、ご飯食べれる?サンドウィッチだけど。」
    またも耳に入ったのはあの男の声。正直、もう喋り方さえ忘れていた。でもサンドウィッチは食べたかった。僅かにこくん、と頷いて見せる。
    「よしよし。じゃあ、口開けて?ほらあーん。」
    口の中に入った冷たい食べ物。味を感じるほどの余裕は無かった。ただ冷たいとしか分からなくて。
    「ご飯食べたら元気になるよ。じゃあ、一通り説明するね。小生が君を連れて来た理由とか。」
    理由?確か伯爵がどうこうって言ってた事だろうか。
    「小生はね、商人なんだ。人間の。それで路地裏にいた君を売ろうと思うんだ。ん〜、大体200万かな。いや、もっといけるか。」
    『売る』? 人間を?何のために、どうして。200万ってどれくらい?ねぇ分からないよ。
    様々な疑問が少女を支配する。混乱する少女みて男はまるで楽しんでいるかのように微笑を浮かべていた。
  • 20 葵 id:9cdJAtm.

    2012-06-24(日) 14:09:10 [削除依頼]
    「混乱しなくて良いよ。 簡単な事だと思わないかい?小生が君を助けた、だから君は小生の物。」
    男は人懐っこく笑う。少女は横暴な理屈に頷きそうになる。それでも。
    「でも……私人間だよ。物違うよ。助けて、言ってない。」
    言葉がかたことなのは誰も教えてくれなかったから。誰とも話す必要が無かったから。
    「君は面白いね。誰かの物になったほうが、路地裏の生活よりはきっとましだよ?…… !君に刻印をつけなきゃ。君が飼われているという印としてね。」
    話がどんどん進んでいく。少女を取り残したまま。
    「……待って!話、聞いて?私分からないよ……。教えてよ、ゆっくり。」
    終始笑顔だった男の顔が曇る。何故分からないんだ、とでもいうように。
  • 21 葵 id:Q6PS2/k1

    2012-07-01(日) 13:05:23 [削除依頼]
    「……何が分からないのかな。印っていうのはいわゆる刻印だよ。君が誰かの物、《奴隷》だって事を表すね」
    男はベッドに座っていた少女の頬に手を伸ばす。男の手が頬に触れた。
    「この、赤い目。君が特別な証……。生き残りの証だよ。 この目の下に印をつけよう。そうだね、順番的には《No.25》。 君の名前はNo.25だ」
    男の目が妖しく光る。男はまっすぐ少女の目を見ている。その紫の瞳に吸い込まれそうになる。
    「分かって来たみたいだね」
    男がまた人懐こく笑う。少女はまだ分からない事があると男に問いかける。
    「全てを知ろうとするのは傲慢な事だよ?No.25。君が、売られる事の理由に満足してくれれば結構。明日の夜、市場がある。そこでNo.25と小生はさよなら、だ」
    男は後ろ手にドアを開けながら少女に笑う。じゃあね、と少し冗談目化して男は部屋から出て行った。
  • 22 奈々子 id:dZT.k29.

    2012-07-05(木) 22:03:07 [削除依頼]
    きました!

    評価は・・・天才!です!
    こんなおもろいの、見たことない!
    って・・・完璧に自分の思ったとおり・・・
    すいません><
    個人的にすごい!と、おもいましたもので。
  • 23 葵 id:s2o2D4J1

    2012-07-06(金) 17:18:54 [削除依頼]
    奈々子さん、こんにちは〜。
    て、天才ですか/// お世辞がうまいですね←
    キャスフィの小説準備版で【葵のおしゃべり♪】というスレたててます☆
    よかったら遊びに来てくださi((宣伝禁止!
  • 24 葵 id:s2o2D4J1

    2012-07-06(金) 17:52:11 [削除依頼]
    少女は豪華な部屋に一人取り残された。何もする事がなくてとりあえずベッドに横たわる。ふかふかなベッドは始めてでその感触に少し驚く。
    それと同時にお腹が鳴ってしまった。今思えばさっきサンドウィッチを少し食べただけ。お腹が満たされているわけなどない。
    でも少女は空腹を満たす術を知らない。ただ空腹がおさまる事を待つ事しか出来ない。何度も鳴るお腹を不思議そうに少女は見つめる。
    そんな時、扉が開いた。
    「……あら、これは可愛いお嬢様。お腹の音が聞こえたましたもので。何か持ってきたほうがよろしいですか?」
    にっこり笑うのは清潔感100%みたいな綺麗な女の人。優しそうに笑いながら少女に返事を促す。
    「だれ?私お嬢様違う。何か持ってくる、どういう意味?」
    かたことな言葉とお金持ち風な見た目が合わずに女性は少し驚いた。
    「私は華奈と申します。明日の市場で買い物を命じられました者です。何か持ってくるとは……そうですね、食べ物は必要か、という事です」
    そういってまた笑う。
    「必要。欲しい、さっきパン食べただけ。持って来てくれる本当?」
    「ええ、では今持って参りますね。少し待っていてくださいませ」
    華奈といった女性は上品な仕草で部屋を出て行った。
  • 25 葵 id:PiTaRAI1

    2012-07-08(日) 17:24:39 [削除依頼]
    華奈は本当にすぐに戻ってきた。手には銀色のトレーを乗せて。
    トレーの上のお皿から湯気が立ち上っていた。
    「先程、パンを食べたとおっしゃっていたので他の物にしました。グラタンはお好きですか?」
    「グラ……タ、ン?」
    少女は何も知らない、分からない。華奈はそれを予測していたのかもう驚かなかった。
    少女の座るベットに腰掛けグラタンをスプーンにとる。
    「ふぅっ〜。 お口をお開けくださいませ? 少し熱いですけれども……」
    少女の口の近くにグラタンを乗せたスプーンを寄せる。
    少女は口を開け、グラタンをもきゅもきゅと咀嚼する。
    「どうですか?熱くありませんませんでしたか?」
    少女はふるふると首を振る。
    「……美味しい。ありがとう、華奈」
    少女は笑う。何年ぶりかに使った筋肉はうまく働かず歪な笑いではあったが。
    「どういたしまして」
    華奈も笑った。

    笑う二人の運命が少しずつ交わっていく。
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