大切な失くし物20コメント

1 若奈 id:eYIJezv/

2012-05-26(土) 17:11:38 [削除依頼]
時は1945年、3月10日。東京大空襲真っ只中。
ひゅー…どーんっ! ひゅー…どーんっ!
あちこちに爆弾が投下され、私達は炎の囲まれた。
「結衣子、大丈夫か?」
「うん…わたし…まだ死にたくない!」
「僕も、もっと結衣子と一緒にいたかった。結衣子と一緒に大人になりたかった…!」
「勇…わたし…」
結衣子が勇に何かを言いかけたその時、
ひゅー…どーんっ!
B−29が投下した爆弾によって2人の未来は暗闇の中へと消えていった。
  • 2 若奈 id:eYIJezv/

    2012-05-26(土) 17:50:55 [削除依頼]
    さかのぼること2年。結衣子と勇が初めて出会った日だ。結衣子は親の都合で中等学校への入学と同時に東京に引っ越してきた。
  • 3 若奈 id:ez-GreyLxB0

    2012-05-26(土) 19:39:37 [削除依頼]
    結衣子の父親は、第二次世界大戦が始まって南米に出兵したとき、他国の戦争に巻き込まれて命を落としたのだ。
  • 4 T id:Z/iLH1T.

    2012-05-26(土) 22:30:15 [削除依頼]
    すげ〜時代の違う小説だ!頑張ってください!
  • 5 若奈 id:IbJcEMm.

    2012-05-27(日) 10:24:09 [削除依頼]
    Tさん、ありがとうございます。
    これからも読んで頂けたら、うれしいです♪
  • 6 若奈 id:IbJcEMm.

    2012-05-27(日) 10:39:09 [削除依頼]
    結衣子は心細かった。鳥取の小等学校では、男子学生も少々いて雰囲気も明るかった。しかし、東京では中等学校だということもあるせいか男子生徒は兵役が義務付けられ女子生徒も家では家事に負われていて、なんだかピリピリとした異様な雰囲気だった。
    声をかけてくれる人もいなければ、話し声ひとつ聞こえてこない。欠席者も多く、そのほとんどの理由が『家事が大変』というものだ。本当にこの学校に馴染めるのか…。昨日、結衣子の心の中にあったはずの期待は消えていた。
    なんとか1日が終わり、家へ帰った。
  • 7 若奈 id:IbJcEMm.

    2012-05-27(日) 11:47:55 [削除依頼]
    家に帰ると母は次男・弘幸の世話をしていた。
    「あら、結衣子おかえりなさい。学校はどうでした?」
    「…静かだったよ。なんか、家事とか忙しそうだった。」
    「あら、そうなの?やっぱり向こうとは色々違うのね。ま、手を洗っておつかいに行って来てちょうだい。」
    「はい。」
    そう結衣子は返事をすると、言われたとおりに手を洗った。
    「あっ!」
    結衣子はふと思い出したかのように声を上げて居間へと上がった。そして、父の仏壇の前で静かに手を合わせた。朝・帰宅後・寝る前、結衣子が必ず行うことなのだ。心の中で、中等学校1日目の報告をし終えたところで、母に渡された金とカバンを持ち、出かけた。
    家から少し離れた商店街へ行くと、まだ慣れない光景が広がる。
  • 8 若奈 id:IbJcEMm.

    2012-05-27(日) 15:14:17 [削除依頼]
    道の端には、金が無くて物も買えず今にも飢え死にしそうな子供が
    「食べ物を恵んでください。」
    と、嘆いている。なかには、まだ5歳に満たない幼い子が小さな小さな手を差し出している。そんな光景を見るのはとても辛い。自分の家も生活は苦しいが、まだ全然良いのかもしれない…。そんなことを考えながら歩いていると…「ドンッ!」
    ボーッとしていた結衣子は男の人にぶつかってしまった。
    「てんめぇ何ぶつかってんだよ」
    ボロボロの衣服で身を包んでいる、その男は結衣子をにらみつけた。
    「す…すいません。」
    「ケッ」
    なんとか事体は悪化せずに済んだものの結衣子は転んだ衝撃でヒザをすりむいていた。
    「大丈夫か!?」
    結衣子に声をかけてきたのは、見知らぬ少年だった。
    「えーっと…あなたは?」
    「僕は小山勇太郎っていうんや。…血出てるやん!大丈夫なんか!?」
    「あ、本当だ。」
    さっきまでなんとも無かった痛みでも、血が出ていると分かった途端なんだかヒリヒリしてくる。
    「あそこの水道で洗わへんと!」
    勇太郎に誘われ、水道のあるところまで歩いた。
    「足、出して。」
    言われたとおりにもんぺをめくり、ヒザを出した。
    「ひどい傷だ。水で洗うとしみるかもしれんな…。」
    「大丈夫よ。わたし、こういう傷には慣れてるんや。」
    「プッ!そうなんか!」
    そういうと、勇太郎は蛇口をひねり水を出そうとした。…が、水が出てこない。
    「あれっ?おかしいな…」
    「そういえば、このあいだの空襲で水道管が破裂してもうたんや。」
    「そうなん?」
    「あれ?知らへんの?」
    「うん。わたし、昨日鳥取から引っ越してきたばかりなんや。」
  • 9 若奈 id:FaZtHZt0

    2012-05-28(月) 17:37:49 [削除依頼]
    「そうなんか!じゃあ、この辺案内したろうか?」
    「あ…でも、わたしおつかい頼まれてて。」
    「そうか。じゃ、僕もついてっていいか?」
    「うん。助かるわ」
    「そういえば、名前聞いてなかったなぁ」
    「あ…ごめんなさい!わたし、坂野結衣子って言います!」
    「可愛い名前やな。」
    「えっ!?」
    「結衣子って呼んでいいか?」
    「うん。じゃあ、わたしも勇太郎でいい?」
    「勇って呼んでくれ。周りにもそう呼ばれてるから。」
    「あ、わかった。」
    そう言って、二人は歩き始めた。
    これが、結衣子と勇太郎の出会いだった。
  • 10 若奈 id:qQyibGK1

    2012-05-30(水) 00:30:12 [削除依頼]
    店へ着くと、まず驚いた。品数が少ないのだ。イモ・乾パン・水の供給所など、最低限のものしか無い。
    「鳥取もこんな感じやったんか?」
    「そこまで良いって訳でもないけど、こっちよりは全然平気やった。」
    「じゃあ、引っ越してきていろいろ慣れないやろ?」
    「そやな。いつ空襲が来るかわからんし、気が抜ける時なんて1秒もないわ。」
    「…なら、困ったことがあったらいつでも言うてくれ!僕でよければ、助けになる」
    「えっ…!じゃあ、任せるわ…」
    そう言った時、結衣子の心の中には今まで感じたことが無い思いが芽生えていた。
  • 11 若奈 id:qQyibGK1

    2012-05-30(水) 21:09:20 [削除依頼]
    「ゆ…勇は青年学校に通ってるんか?」
    「うん。毎日毎日武器の使い方を伝授されたりするんや。」
    「そうなんか。大変やな。」
    「大変やけど、仕方のないことなんだ。全ては、お国のため。」
    「強いな、勇は。」
    「僕は、まだまだ半人前や。青年学校の通っている者の中には、家族が一人もいないのにも関わらず、ひとりでたくましく生きている奴もたくさんおる。」
    「でも、わたし、勇はただ強いだけじゃないと思う。心の奥底から、優しさが溢れ出している。本当は、東京に来てすごい不安やったけど、勇と話してると不安なんて消えていく…。」
    「僕も不安だよ。」
    「えっ!?」
    「僕は、たくましくなんてないんだ。本当は、不安だらけ。こんなことを言ったら処刑されてしまうかもしれんけど…正直、この戦争は勝てる気がしないんだ。もちろん、この日本国のために全てを捧げるつもりだが、日本国の未来は決して明るいものではない。そんな思いが頭をよぎるんだ。だから、たくましくない。ただの弱虫さ。」
    「…。弱虫なんかじゃないよ、勇は。多分、国民のほとんどがそう思っている。それが、アメリカとの戦いで、自分との戦いでもあるんやないかと思うんや。」
    「元気が出るなぁ。結衣子といると。」
  • 12 まーちゃん id:bMqabeo0

    2012-05-31(木) 21:58:13 [削除依頼]
    若菜さん、とっても面白いよ〜(*^_^*)
    ”学校BBS”で、分かるかな?向こうじゃ、遼真だけど。
    戦争系の小説、すごいイイっ!!応援してるよっ!
  • 13 若奈 id:FvNG7Xh0

    2012-06-01(金) 18:08:43 [削除依頼]
    まーちゃん、読んでくれたんだね!!!
    すっごく嬉しいです☆

    これからも読んでもらえたら嬉しいです♪
  • 14 若奈 id:FvNG7Xh0

    2012-06-01(金) 22:47:12 [削除依頼]
    …才能無いかなぁ…
  • 15 基督 id:ZmPdwy6.

    2012-06-01(金) 22:56:46 [削除依頼]
    才能は誰にでもある
    ただ、未知数の才能をひたすら信じ、どこまでも追求していく勇気を持ち合わせている人は極めて稀である。

    がんばって下さい。
  • 16 若奈 id:l6SviWe0

    2012-06-02(土) 14:33:43 [削除依頼]
    ありがとうございます…(泣
    もう少しがんばってみます!!
  • 17 若奈 id:l6SviWe0

    2012-06-02(土) 15:48:24 [削除依頼]
    勇と別れた結衣子は、家へ帰る途中あることを考えていた。勇に助けてもらったときに心にあった、今までに経験したことの無いあの気持ちのことだ。あの気持ちは一体何だったんだろう…?結衣子は気付くことが出来ずにいた。
    家へ帰ると母が夕飯の支度をして待っていた。夕食といっても、蒸かしたイモだけ。それも、薄暗い部屋で。もし、アメリカ軍が着たりでもしたら灯りをつけていたら居場所がばれてしまう。そういう目に遭わない様、障子や窓には黒い幕を張り、電球にも黒い布をかけるなどして居場所をばらさないように、どの家も努めているのだ。
    結衣子は、夜が大嫌いだ。よるが一番怖くて、切なくなって、悲しくなって、暗くなって、寂しいから…。結衣子の父親が戦地で亡くなったのも、夜の12時34分だった。鳥取で最後に受けた空襲も真夜中だったのだ。夜になるたび、あの日の記憶がよみがえる。
     今年の3月9日。小等学校の卒業式を目前に控えていた頃のこと。結衣子が、裁縫を終えて寝付こうと布団に入ったその時…「ううぅーーー…ううぅーーー…」真夜中の町に空襲警報が鳴り響いた。
    「きゃーーーっっ!」
    「押さないでよーー!!!」
    「お母さん、どこ!?」
    しーんとしていて、静かだった町は一瞬にして混乱した。結衣子たちも非常食と、布団の脇に置いてあった防災頭巾、それから父の写真を持って家を飛び出した。外へ出ると、辺りは炎に包まれていた。
    人の流れにそって、結衣子・母親・次女の佐江子も避難場所へと向かった。
    しかし、
    「あれっ?お母さん!?佐江子!?」
    さっきまで一緒にいたはずの二人がいない。
    必死に探そうとしたが、炎がどんどん迫ってきたため自分の安全を最優先させた。
    やっとの思いで避難場所に着くと
    「結衣子?結衣子よね!?」
    「お…お母さん、佐江子!!!よかった、会えて!」
    先に避難場所に来ていた母と佐江子に会えたのだ。
     それ以来、夜が来るたび憂鬱になる。そして、とてつもない不安に追われるのだ。
  • 18 若奈 id:ccLe9mX0

    2012-06-03(日) 13:51:17 [削除依頼]
    読んでいる方、コメントくれたら嬉しいです。
  • 19 凛蘭 id:hDNH1r.1

    2012-06-03(日) 17:03:04 [削除依頼]
    こんにちは
    一気読みしました

    すごく感動しました

    更新頑張ってください(><)
  • 20 若奈 id:gmoh1lM/

    2012-06-06(水) 18:47:05 [削除依頼]
    凛蘭さん、ありがとうございます!
    頑張ります!!!!!
コメントを投稿する
名前必須

投稿内容必須

残り文字

投稿前の確認事項
  • 掲示板ガイドを守っていますか?
  • 個人特定できるような内容ではありませんか?
  • 他人を不快にさせる内容ではありませんか?

このスレッドの更新通知を受け取ろう!

ログインしてお気に入りに登録すると、
このスレッドの更新通知が受け取れます。

最近作られた掲示板

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません

閲覧履歴

  • 最近見たスレッドはありません

キャスフィへのご意見・ご感想

貴重なご意見
ありがとうございました!

今後ともキャスフィを
よろしくお願い申し上げます。

※こちらから削除依頼は受け付けておりません。ご了承ください。もし依頼された場合、こちらからの削除対応はいたしかねます。
※また大変恐縮ではございますが、個々のご意見にお返事できないことを予めご了承ください。

ログイン

会員登録するとお気に入りに登録したスレッドの更新通知をメールで受け取ることができます。

お気に入り更新履歴設定

お気に入りはありません
閲覧履歴
  • 最近見たスレッドはありません