神様の欠片19コメント

1 ゆーと id:hH2ysIh/

2012-05-23(水) 23:02:27 [削除依頼]

「ぼくたちはさ、」
ふいに、そんな声が聞こえた。
幼い――4、5歳くらいの少年の声。その声はこう続けた。
「ぼくたちは、ほんとは1人のにんげんなんだよ」
「どうしてそうおもうの?」
もう1人、今までとよく似た声が返した。
「だって、かおもこえもにてるし、いつもいっしょだし、それに、“才能”だって……」
最初の声は、そこで黙ってしまう。少し、静寂が続いた。
沈黙を破ったのは、2番目の声だった。
「ぼくは、いまのぼくと兄ちゃんがすきだよ」
本当に嬉しそうな声で、彼は言った。
「だから、しあわせだよ」
「うん……うんっ」
そして、何も聞こえなくなった。


作者・作品紹介
>2
  • 2 ゆーと id:hH2ysIh/

    2012-05-23(水) 23:03:17 [削除依頼]

    おはこんばちは、ゆーとです。

    誰がなんと言おうとこの小説の作者です。
    東京都在住の中学3年生、典型的なバレエ少女で若干オタクです。どうぞよろしく。

    中プチ日記で「あいあむ。」っての書いてます。
    ゆーとのことを知りたい人はそちらへどうぞ。
    「あいあむ。」では、この小説「神様の欠片」のプロット公開、あとがき、いろんな思いをぶつけていこうと思いますので、良かったら覗いてみて下さいな!


    「神様の欠片」――略して「かみかけ」のジャンルは、
    “学園異能もの”(ラブ、コメディ、バトルあり)です。

    厨2的妄想小説ですが、それっぽくならないように頑張ります……

    でも、これ結構気に入ってるんですよ!
    2章とか短編とか考えてますからね(笑)
    気が早すぎです、自分。。

    「“とある魔術の禁書目録”シリーズに似てる」
    と指摘されましたが、作者が熱狂的なファンなだけですのであしからず。


    1人でも多くこの「かみかけ」が読んでもらえますように……

    よろしくお願いします!!
  • 3 ゆーと id:hH2ysIh/

    2012-05-23(水) 23:04:10 [削除依頼]

    ということで。。

    次のレスから投稿してきまっせー
  • 4 ゆーと id:hH2ysIh/

    2012-05-23(水) 23:04:26 [削除依頼]
    ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ

    狭い部屋に、単調な機械音が響いた。
    学生寮に似た部屋で、実際学生寮だった。ドアには女子のセーラー服が掛かっていて、備え付けのベッドと机、クローゼットが置いてある。ベッドには、この部屋の主と思われる少女が眠っていた。
    年は中学生くらい。髪は焦げ茶色のボブショートで、わずかに汗がついている。ある程度整った顔立ちをしていて、10人中7人は彼女を美人というだろう。

    ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ

    しかし、少女はまだ起きない。
    否、目をつぶったまま起き上がると、強引に音を消そうとした。主を起こそうと奮闘していた目覚まし時計は、少女の寝起きとは思えない威力のチョップをくらい、呆気なく音を止めた。

    そして、少女はまた、寝息をたて始めた。
  • 5 ゆーと id:hH2ysIh/

    2012-05-23(水) 23:04:52 [削除依頼]

    「やべぇ! 遅刻だ!」
    「誰のせいだよー」
    「とにかくダッシュだ!」

    ドアの外から聞こえる騒がしい声で、少女は完璧に目を覚ました。
    大きな欠伸をして、布団の中で足首をぐるぐる回す。それから体を起こして、時間を確認した。
    といっても、寝起きの頭では数字がよく理解できない。覚えているのは、さっき聞こえた少年達の声で……

    「ってぇ! 遅刻じゃん!!」

    少女は飛び起きた。
    そしてドアに駆け寄り制服を着る。特徴的なセーラー服である。それからユニットバスに駆け込んでザバッと顔を洗う。髪の毛を整える(ハネてる……)。重そうな鞄を軽々と持ち上げ、机の下から保存食の菓子パンを取り出した。
    「朝ご飯。こんな時でも抜けません」
    少女はそんな独り言を言った。
    支度を終えた彼女は、最後に鍵をしめると、朝の街へと飛び出していった。
  • 6 ろまん id:ScGPGMG/

    2012-05-23(水) 23:25:19 [削除依頼]
    初めまして!面白いですねっ、更新頑張って下さい!
  • 7 ゆーと id:wlnHKic1

    2012-05-24(木) 16:01:36 [削除依頼]

    ろまんs

    うあああああああ!
    ありがとうごさいますっ!!v

    完結めざして頑張ります★
  • 8 ろまん id:yKCZ.iq.

    2012-05-24(木) 16:10:08 [削除依頼]
    頑張って下さいっ!o(^▽^)o
  • 9 あゆ id:FpzqNSy/

    2012-05-25(金) 16:00:29 [削除依頼]
    ゆーとぉー

    お久ー!

    頑張ってねぇ
  • 10 ゆーと id:HP4BsfF1

    2012-05-25(金) 23:06:19 [削除依頼]

    虹雨学園。
    それなりに有名な私立の学校で、中等部と高等部、大学まである。それぞれの敷地は別々で、全寮制。
    虹雨学園は、他とかなり違う校風を持つ。特に違うのは、生徒、先生、学校主事までが全て学園出身の“才能者”だということだ。

    “才能者”とは、生まれつき特別な力を持つ者のこと。その力は様々あり、まだ全て分かっている訳ではない。
    初代才能者はその強大な力を恐れられ、自分の生まれた一族に殺されたとか。
    その一族は今でも大きな権力を持っていて、家族親戚に1人いるかいないかくらいの確率で生まれてくる才能者が、代々続いているとか。
    虹雨学園はその一族の者が創った学校で、一族には逆らえないとか。

    いろんな噂があるけれど、まぁそれはそれとして。

    少女――香山七里(かやまななり)も、そんな学園中等部の2年生。勿論才能者で、その力は『どんなに重いものでも軽々と持ち上げられる』こと。

    しかし、不思議な力を持ち、不思議な学校に通っていたって、根本はただの女の子。
    友達とくだらない話で盛り上がったり、成績が悪くて落ち込んだり、寝坊して遅刻だってする。
    時には、そう――恋だって、するのかもね?
  • 11 ゆーと id:IdwWCZn0

    2012-05-27(日) 15:54:57 [削除依頼]

    七里は朝の街を走っていた。
    といってもそこは虹雨学園中等部の敷地内。中等部の生徒約100人ほどのためだけに作られた小さな商店街のようなもので、店を出している人全てが元学園の生徒である。朝買い物をしていく子供のために、既に店は開いている。
    寮から校舎に行くまでは、この街を突っ切らないといけないのだが……

    「……恥ずかしいッ」

    遅刻寸前の七里を、大人たちは温かい目で見守っている。それが恥ずかしい。

    「こーゆー時に、ちぃちゃんみたいな才能があれば良いのにな……」
    クラスメイトを思い浮かべてみる七里。そういえばこの裏を通れば近道だったかな、と思い出す。そして走りながら角を曲がる。
    と、その時、

    ドッテーン★

    正面衝突。誰かとぶつかったらしい。
    「いたぁ……」
    そんな声を聞きつけて、七里は慌てて体を起こした。
    「だ、大丈夫?」
    そう言いながら、ぶつかってしまった相手を見る。

    その瞬間、時が止まった。

    生徒の少ない虹雨学園では見たことのない人だった。しかし、年齢的に生徒だろう。髪の毛はサラサラで、顔周りだけ長く残したショートヘア。大きくて丸い目。淡いピンクの唇。透き通るほど白い肌。面倒くさそうな、かったるそうな表情がピタリとはまっている。
    女の子の七里でもキュンキュンしてしまうような……“美少女”だった。

    (なっ、なんてベタなシチュエーションなの! でもこれじゃあたしが男子側じゃない!)

    そんなことを思いながら立ち上がってよく見ると、
    「あれ?」

    セーラー服の妙に薄っぺらい胸元に付いているのは、七里のリボンと違う小さめのネクタイ。
    脚はスラックスで覆われている。

    (男の子!? 嘘!! こんなに可愛いのに……)
    プチショック。七里が貧血に近い状態に陥っていると、“美少年”が口を開いた。

    「ねむ……」

    「こんなことがあったのに!?」
    思わずツッコミをいれてしまう七里。
    「ていうか、大丈夫? 怪我とかない?」
    「眠いけど、これは怪我かな」
    「怪我じゃないよ!」
    ツッコミ2回目。どうやら相手はとことんマイペース、ユルい人らしい。でも七里は、
    (可愛い……!)
    まんざらでもない様子。そんな時、

    キーンコーンカーンコーン

    遠くの方で、ロンドンのビッグベンの鐘が鳴った。
    それは、虹雨学園中等部校舎のチャイムだった。
    それは、登校時間の終了を意味するチャイムだった。

    「うあああああ!! 忘れてたあああ!!」
    叫んでも、時既に遅し。
    しかし喘ぐ七里は、少年に
    「ち、遅刻だよ、君も急いだ方が良いよ、あたしは先に行くよ、何かあったら2年の香山七里って人呼んでね、あとぶつかってごめんね」
    とまくし立て、一目散に走り去った。裏に入らず商店街を真っ直ぐと。
    そしてやっぱり遅刻寸前――否、遅刻決定の七里を、大人たちは温かい目で見守り。
    あとに残された女の子みたいな男の子はこう呟いた。

    「急ぐったって、学校までの道が分かんないんだけど……」
  • 12 ゆーと id:IdwWCZn0

    2012-05-27(日) 15:59:47 [削除依頼]

    結果。
    七里は遅刻した。
    “あの少年”がどうなったかは分からないが、七里が遅刻したからには彼も遅刻しただろう。
    担任に遅刻の理由を問われ
    「怪獣にとおせんぼされてて」
    とごまかした彼女は、教室の真ん中の席についた。朝のホームルームが始まる。

    きりーつ、きょーつけー、れー、なんていうやる気のない声に合わせてとりあえず挨拶をする。みんなが座り終えるか終えないかくらいで、教師は話し始めた。
    「今日は普通の1日だけどー、落とし物に寮の鍵が届いてるからー、215号室の小倉は後で職員室に来るようにー」
    その話し方もいちいちやる気がない。
    「あとー、転入生がいるんだがー」
    その一言で教室の空気が変わった。何かの発表会の前のような雰囲気。すごく楽しみだけど、ちょっぴり緊張しているような、あの感じ。つまり転入生とは、それ程のイベントなのだった。しかも才能者が集まる虹雨学園は、転入生が少ない。それ故転入生に対する憧れは強いのだ。
    (全然普通の1日じゃないッ)
    誰しもそう思っていた。
    「で、先生。男、女?」
    主語が無い簡潔な言葉で誰かが聞いた。
    「一応、男なんだけど……うん」
    一応ってなんだ、という疑問はさておいて、担任は爆弾発言をした。

    「その子、まだ来てないんだ」
  • 13 ゆーと id:IdwWCZn0

    2012-05-27(日) 16:00:12 [削除依頼]

    虹雨学園は生徒が少ない。
    それは才能者の為の学校ということのせいで、1学年30人くらいしかいない。そのため1クラスで、クラス替えがない。
    七里達は2年生で、このクラスは2年目だ。しかし才能者というのは基本的に自由人ばかりなので、みんなで団結することがほとんど無い。精々運動会や学園祭などの行事くらいで、それも競う相手がいないからあまり燃えない。
    だけど今、2学年の生徒は団結した。担任の先生に、そして、先生を通して、顔も名前も知らない転入生に、一言言った。

    『駄目じゃん!!』

    ツッコんだ。
    ピタリとハモって。
    その後自由が戻る。
    「来てないって、遅刻ってこと?」
    「てゆーかこの時期に転入生? まだ4月だよ」
    「転校初日から遅刻とか……ないわー」
    「ん、転入と転校って、使い分け難しいなぁ」

    ざわざわざわざわざわざわ。
    わざわざわざわざわざわざ。

    と、担任がキレた。
    「知らないもん! 先生は悪くないもん! ちゃんと教えたもん!」
    「せんせぇ……もん、て」
    ドン引き七里。1人で落ち着いている。それは、
    (転入生って、さっき会った子かも。わくわく)
    という思いがあったからだ。

    「あのー」
    興奮がさめきらないクラスにやってきたのは受付の主事さん。何故か後ろを気にしている。
    「迷子を連れてきたんですけど」
    「まいごぉー? 香山、引き取ってあげてぇ」
    担任さえもテンションがおかしいクラス。仕方がないので1人まともな(しかし脳内では妄想爆発中)七里が廊下へ向かった。
    「誰ですか? って、あぁ!」
    主事さんの陰に隠れるようにしていたのは、ひっそりと咲くスミレの花。
    そこにいたのは、

    髪の毛はサラサラで、顔周りだけ長く残したショートヘア。大きくて丸い目。淡いピンクの唇。透き通るほど白い肌。面倒くさそうな、かったるそうな表情がピタリとはまっている。

    朝出会った“美少女”――否、“美少年”だった。

    どうやら本当に転入生らしかった。
  • 14 ゆーと id:IdwWCZn0

    2012-05-27(日) 16:00:36 [削除依頼]

    「さっきの……!」
    七里はお行儀悪く、目の前の少年を指差した。
    彼は、相変わらず可愛らしく首を傾げて、七里の方を不思議そうに見ている。
    「なにー、お前、香山の知り合いなの?」
    いつの間にか主事さんと入れ替わっていた担任が聞いた。
    数秒間のタイムラグがあったあと、少年は答えた。
    「覚えてません」
    「あんなに強烈な出来事を!?」
    七里はまたツッコんだ。
    「さっきぶつかったじゃん!」
    「眠くて」
    「そーゆー!? さっきもそんなこと言ってたけど!」
    「ボク、人のこと覚えるの苦手で」
    「でも流石に覚えてるでしょ!」
    「あ、そういえば」
    「思い出した!?」
    「教室の場所、ここだぁ」
    「今更! ユルい!!」
    この2学年クラス全員を集めても到底及ばないような自由でマイペースでユルい少年だった。
    そんな少年と七里は、担任に促されて教室に入った。少年が入った瞬間、いきなりみんなは静まり返った。七里が居心地の悪さを感じつつ席につくと、少年が黒板に字を書いているところだった。画数が多いらしく、時間が掛かっている。読みにくい名前なのか、振り仮名も振ってあった。書き終えると、彼はこちらに振り返った。それだけでまた教室の空気が張り巡らせる。それはきっと“転入生”という未知の単語のせいだけではない。少年の静かで、でも圧倒的な存在感のせいだろう。
    黒板に書かれた文字を、七里は目で追った。

    黒澤流輝

    その横に、平仮名で

    くろさわるき

    「黒澤、流輝」
    ひとつひとつ、噛みしめるように七里は呟いた。何故だかとても神聖な名前に思えた。
    転入生、黒澤流輝はこう言った。

    「黒澤流輝です。転入生です。黒澤って呼ばれるのは嫌なので、流輝って呼んで下さい」
  • 15 ゆーと id:IdwWCZn0

    2012-05-27(日) 16:00:56 [削除依頼]

    「ねぇ、流輝くんって可愛いね」
    ホームルームが終わると同時に、クラスメイトが七里に話しかけてきた。
    「顔がねー、女の子っぽいよね」
    「“美少女”だよねっ」
    どうやら彼女も七里と同じ感想を持ったらしい。
    「最初女の子だと思ってたから、制服見てびっくりしたよ。先生が言ってた“一応”の意味が分かったね」
    「うん……」
    七里はなんとなく流輝を見た。転入生ということで、窓際一番後ろをゲットしている。群がるクラスメイト達を適当にかわしながら、ぼーっと窓の外を眺めている。
    第一印象は「可愛いっ!」だったが、今の印象は
    「変なヤツ……」
    「へ? なんか言った?七里」
    声に出てしまったらしい。七里は慌ててごまかすと、また流輝を見た。

    「よし! 話しかけてみよう」
    いきなりクラスメイトの女子が立ち上がった。七里はびっくりして後を追った。
    「ねぇ、流輝くん!」
    女子は早速媚び声で話しかけている。しかし流輝は気づかないようで、まだ窓外を見ている。
    「流輝くん!」
    2度目で流輝はやっと振り向いた。その目の焦点がゆっくりと定まっていく。そして、
    「さっきの……七里、っていう人」
    周りの人間が一斉に七里を見た。
    「あたし? 覚えたの……?」
    「3回目だから。なんとなく? あと、良く見たら朝の人だった」
    クラスメイト達はジト目で七里を見たが、七里は嬉しさと恥ずかしさ、くすぐったさが入り混じったような気持ちを抱えていて、何も気にならなかった。
    「でも、上の名前が分かんない。七里でいいよね」
    流輝は半ば強引に言った。
    「か、香山。香山七里」
    「七里でいいよね」
    七里に決定したらしい。男子に下の名前で呼ばれるなんて初めてだった。
    「ね、ねー、流輝くんのさぁ、才能ってなにぃ?」
    さっきの女子が割り込んで聞いた。七里は少し憤りを感じたが、自分も知りたいことだったので我慢した。
    「才能?」
    流輝はぼんやりしながら聞き返した。
    「そっ、才能」
    「才能、か……」
    流輝は何故か悲しげな表情をした。しかし、また面倒くさそうな顔をして言った。

    「ボク、才能者じゃないんだぁ」
  • 16 ゆーと id:IdwWCZn0

    2012-05-27(日) 18:07:13 [削除依頼]

    長ッ! 読みにくッ!

    携帯で書いてからこっちに書き込んでるんで、もうどうしようも無いです。
    でも、なんとか頑張って読みやすいように工夫しますorz

    中プチ日記 あいあむ。に、ちょろっと裏話的なものを書いたので、良かったらどうぞ。
  • 17 ゆーと id:OxhMlbB0

    2012-05-30(水) 14:23:46 [削除依頼]

    給食が終わって、昼休み。
    七里は半日、流輝の方をちらちら見て過ごした。彼は真面目に授業を受けている訳では無いらしく、窓の外を見ているか目を閉じているかだった。
    そんな流輝は、昼休みになると七里に近づいてきた。
    「七里」
    「な、何よ」
    流輝はやっぱり面倒くさそうな表情で、
    「学校案内して」
    と頼んだ。

    「ここは1年生の階」
    「ここは3年生の」
    「音楽室とか、美術室とかがある棟」
    「家庭科室とか、技術室とかがある棟」
    「屋上は、基本立ち入り禁止」
    「体育館。上は格技室」

    七里は一通り説明を終えると、最後に外に出た。
    「校庭。以上。全部廻ると日が暮れちゃうからまたね」
    そう締めくくった。流輝は何も言わずについてきたが、最後に嬉しそうな声で、
    「うんっ」
    と言った。
    何がうんっ、なんだか……

    「ところで」
    七里は一呼吸おいた後言った。

    「才能者じゃないって、どういうこと?」

    「そのまんまの意味だよ。ボクには才能がない」
    「じゃあ、どうしてここにいるの? 才能者じゃないと入れない筈だよ?」
    「それはまぁ……家の権力と事情で?」
    流輝はおどけたように答えた。
    「で? じゃないよ。ふざけないで」
    七里は若干キレかけている。
    「本当だよ。ボクは才能者じゃないんだ。ただ……」
    「ただ? ただ、何?」
    流輝が口ごもったことを良いように、七里は質問を浴びせた。流輝はちょっと迷った素振りを見せたが、七里の視線に負けて口を開いた。

    「ただ……ね。ボクは、どんな才能でも受け流す“体質”なんだ」

    「体質……? そんなの聞いたことないよ!?」
    七里は怪訝な顔をして言った。
    流輝は黙って、苦笑いを浮かべていた。
  • 18 ゆーと id:OxhMlbB0

    2012-05-30(水) 14:24:15 [削除依頼]

    「だったらさ、七里の才能、ボクに使ってみればいいじゃん?」
    流輝は軽く言った。
    「……ッ、分かったよ……」
    七里は半信半疑で流輝の後ろに廻った。動きながら説明する。
    「あたしの才能、重いものをなんでも持ち上げられることなの。だから、こーやれば……」
    七里はそう言って、後ろから流輝を持ち上げた。いや、持ち上げようとした。しかし、

    「重ッ!?」

    流輝を持ち上げることはできなかった。
    「ほらね? ボクに才能は効かないんだって」
    「嘘、でも、あたし……」
    「“持ち上げよう”と思った、よね。ボクは何にも考えてないよ」
    流輝はちょっと得意気に言った。

    「才能っていうのは、意識して使うものなんでしょ? ボクのこの力は、意識しなくても勝手にはたらいちゃうから」

    「だから、体質……」
    「うん、そゆことー」
    七里は呆然とした。自身の才能に気づいて以来、いろんな不思議なことを調べてきたけれど、今更こんな未知の力に出会うなんて予想外だった。
  • 19 ゆーと id:4CflIkT0

    2012-06-04(月) 01:26:58 [削除依頼]

    とりあえず運動会終わったので書いてきます。
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