言ノ葉理論29コメント

1 @ id:UPLrfoO/

2012-05-01(火) 00:11:33 [削除依頼]

        カドウ キョウ
──────私、華堂 杏には、ふたつ嫌いな言葉がある。「可哀想」と同情される言葉。「どうして?」と投げかけられる疑問の言葉、このふたつだ。どっちにしろ、私のことをなにも見ていないような気がするから。否、気がするではない。誰だって、私のことを見ようとなんて実際していないのだ。別に、それで拗ねている訳でも凹んでいる訳でも捻くれている訳でもない。というかそれは私自身に限った事ではなく、この世界の皆に共通することだと思う。日本から出たことのない私には少なくとも、日本人は他人を人間だなんて思っちゃいないように感じられる(この場に置いての他人っていうのは、文字通り゙他人゙だ。見ず知らずの人どころではなく、クラスメートも含まれれば友達、恋人、すなわち親も含まれる)。だってどんなに相手を分かろうとしたって、結局相手の本当に考えている事なんて想像の範疇でしかないのだから。その事実を受け止めたからといって捻くれるようなことはないけれど、でもまあ、露骨に「分かろうとしない」行動をとられるのが嫌なのは私が人間だからということで許してほしい。あと、「どうして?」という言葉が゙どうしで「分かろうとしない」に繋がるかといえば、「どうして?」という言葉はその人について考える事を止めたという意思表示以外なんでもないからだ。自分で考えているのならば、その場で疑問形の言葉はなかなか出てこないだろう。要するに、「どうして?」という言葉を無駄使いして答えを貰う準備だけ万端にしているという事だ。図々しいにも程がある。


さて、私の独白の前置きはとりあえずこんなところにして。


「ねえ、もう一度聞くわよ?ねえ、どうして貴方はこういう可哀想な行動しかとれないの?ねえ、どうして?」

一度のセリフで私の嫌いな言葉ふたつを一度に使ってくるこの女教師をぶっとばしたいと思う。


────────

ヌルっと新しくスレ立てさせて頂きます。あれ、これって許可とか必要でしたか…?いるようでしたら言って下さい><;
長続きが苦手なので亀更新で頑張ります。えいえいおーー。
  • 10 @ id:yRxXiAY1

    2012-05-09(水) 00:12:54 [削除依頼]
    どう見ても空と成った自分の弁当箱を見つめ、はあ、と一つ溜め息を吐く。時間は来てしまった───行くしかないのだ。いや、呼び出したのは私なんだけれども。 ガタッと席を立つと、いつも一緒に昼食を共にしている゙クラスメート以上友達以下゙の人達が不思議そうに私を見上げた。 「何処か行くの?」 「あ、はい。ちょっと用事がありまして…」 「ふーん…行ってらっしゃーい」 一応返事はしたものの、対して興味も無さそうだし目は携帯の画面に向けたままだ。まあ、そんな事は分かり切っていることだけれど。言ってしまえば、腹 立たしさはやはり否めない。 「はい、行ってきます」 だけどそんな事を口に出す訳にもいかず、これも営業スマイルの内に入るのだろうか、そんな笑顔を顔に貼り付け私は教室を後にした。 ───── 「せーんぱーい!こっちでーす!!」 屋上のドアを開けると、すぐさま彼の声が辺りに響いた。(屋上には時々お弁当を食べている人も見かけるが、幸いにも今日は風が強かった為か誰もいない。) 「ああ…待たせてしまいましたね、すみません。呼び出した私の方が早く来るべきなのに…」 「あーもーそんな事気にしなくていいですってば!!」 篠原君は手を真っ直ぐ私の前に突き出し何故か照れたように首を振った。 「…有難うございます。それで…用件というのはですね…」 少し口籠りながらも、意を決し、もちろん嫌われるのは承知の上で「もしかして篠原君は二面性の有る方なんですか?」などという失礼極まりない質問をしようとした、その時だった。 「……別に、二面性の有る人間なんて俺だけじゃないと思いますけど」 「……………え?」 ………今、一体彼は、何と言った? 虚を突かれ過ぎて一瞬何を言っているのか理解出来なかった。というより、脳味噌の思考回路という思考回路が全てショートしてしまったかのように真っ白になったという方が正しいだろうか。当たり前だがその位に衝撃の有る言葉だった。 そんな風に靄の掛かったような頭だったが、時間が驚く程ゆっくり流れていくのと同時に、彼の口から出た言葉と、私の口に出そうとした質問がゆっくり重なっていった。何故、彼が私の質問の先を越したのだろう───? 「……まあ、先輩は割と冷静な方かな。最初は皆そんなモンですよ」 「………は、へ。…え」 よく状況が飲み込めないままに、何処となく雰囲気の変わった彼に間の抜けた返事しか出来ない。そんな中で分かることは唯一つ、 (あー…やっぱり篠原君は二面性有る子なんだなあ……) という、今更ながらの結論のみだった。 ────── 今日はここまでー。次は篠原君が質問の先回りをした理由とか書いてきます。わー楽しみ。 >9 ayumiさん きゃー嬉しい感想がきてる…! ayumiさんのレス最初に見たの真夜中でめっちゃ眠くて意識が朦朧とした中ではちゃめちゃ喜びました。ほんとーー!に!有難うございます。更新めっちゃ頑張ります!
  • 11 @ id:z5dloXB/

    2012-05-11(金) 23:50:03 [削除依頼]

    二人の間に、長い沈黙が訪れる。篠原君はただこちらをあの時───一週間前、あの夕日が差し込む公園のブランコの時───のあの冷めた目でじぃっ…と私の事を見つめるばかりだった。つまり、篠原君から口を開く事は絶対に有り得ないのだろうという事を冷静さを取り戻し始めた頭で理解した私は、仕方なく自ら喋り出す事を選んだ。もちろん、一定の混乱と不信を孕ませたままではあったが。

    「………篠原君」
    「……今のは、トリックでも手品でも、心理学でも無いですよ」

    ………また、だった。私が聞こうとした事を先回りされてしまったのだ。しかも、その答えは私の想像していた選択肢を全て否定する物で。

    「………じゃあ、何なんですか?その…人の思考を予測すると言いますか…」
    「予測なんていう曖昧な物じゃありません」

    きっぱりと。彼は真っ直ぐな、そしてやはり冷めた目でそう言い放った。

    「…じゃあ…一体…」
    「……分かりませんか?…まあ、常識に縛られる様なら何時まで経っても理解する事なんて出来ませんよねえ」
    「…?」

    常識に縛られない考えとは何なのだろう、馬鹿にされているのはとてもよく分かるのだが。
  • 12 @ id:w/6aayq0

    2012-05-13(日) 23:06:02 [削除依頼]

    「…いいですよ、先輩にはお教えしましょう」

    何処か自重染みた笑みを浮かべながら篠原君は語り始めた。

    「言ってしまえば、人の考えている事が分かるんですよ。…俗に゙心を読む゙って奴です。分かりますか?」
    「……分かりませんよ。そんな…信憑性の低い話を信じろと言う方が無理が有るのでは?」

    そう口では言う物の、正直心の中では激しく心臓が脈を打っていた。言葉にした通りの信憑性の低さと、今までの篠原君の゙先回り゙の二つの矛盾し合う事実が私の頭の中の思考回路を駆け巡る。

    「今までの結果をもうお忘れですか?先輩其処まで馬鹿には見えませんでしたが俺の勘違いでした?」

    彼の陰険な嫌味も全て頭の中をすり抜けて行く。きっと動揺が顔に出ている事だろう、でも今の私にそれを隠す事が出来る程余裕が有る筈も無く。

    「わ…分かりました…。…では…貴方に本当に他人の思考を理解する能力が有ると仮定しましょう。…何故、私にその話をしたんですか?」
    「……何故…ね…。……先輩、何か変なんですよね、俺的に」
    「…は?」

    震える声で絞り出した私の問いに、彼は遠い目をして答えた。気持ちが本当に其処に有るかも分からない上に、その答え自体もかなりいい加減な物だった事に若干憤りを感じるのは仕方ない事でもないだろう。


    ────

    はい、そろそろ亀更新の本領発揮です←
    てかこれ下書き機能とかあればいいのにな、ちゃんと書け自分。

    遅いうえに短くてごめんなさい。
    頑張ります、終わり見えないけど…(´・ω・`)
  • 13 @ id:NzxVM4M.

    2012-05-16(水) 23:14:45 [削除依頼]


    更新停滞します。
    理由は魔のテスト期間なうだからです。テストこの野郎。
    テストは24日に終わるので終わったら書こう。
    その間に下がりまくって無くなっていないといいな(´・ω・)
  • 14 晴嵐(seiran) id:BCeXfJf1

    2012-05-17(木) 01:32:36 [削除依頼]
    初めまして。晴嵐(晴嵐)といいます。

    まず最初に、
    あなたには才能があるでしょう。

    深夜一時半の私のぼけた頭でも文章を目で追うだけでパッパと情景が浮かびます。正直感動です。

    中学2年の時から現在(大学4年)まで断続的にキャスフィを覗いてますが、多分、あなたが一番上手です。

    頑張って下さい。

    それと、私は「戦争短編集」っていうちょっと詰めの足らない小説を書いているので予科ったら見に来て下さい。
  • 15 @ id:qwzWtuB.

    2012-05-19(土) 10:48:17 [削除依頼]
    「私が…変、とは一体どういう意味ですか?」 先程よりも若干語尾を強めにして新たな質問を問いかける。 「えーっと…。…先輩、ミス霧乃夢コンテストに出場して、優勝してステージに立った時の自分の気持ち、覚えてます?」 「え……優勝、した時…?」 「ええ」 ミス霧乃夢。さっき言った通り去年周りに流されてなんとなくで出場してしまい、結果いま大変な苦労をすることになった原因の根源。そして、あれは── 「……そんな、よく覚えてません。いちいちその時その時の気持ちなど………」 「またまた。いま、一瞬あの時のこと思い出しましたよね?心が読めるとか言ってる人の前で嘘なんてつけないですよ、先輩」 「………」 彼に私のどこが変なのかを聞いて、どうして彼の言っている言葉に確信が持てていくのだろう。不信が確信に、疑問が納得に変化していく。 「そう…先輩はあの時のことなんて忘れる事が出来るはずなんてないんです。だって……普通は優勝すれば誰もが優越感ばかりの気持ちで溢れるというのに、先輩はあの時、言葉で言い表せないような恐怖を感じていましたよね?……」 「っ!…」 核心を、つかれた。 ──── >14 晴嵐(seiran)さん そんな…!そんな嬉しいこと言わないで下さい…!ほんとに嬉しいです!嬉しさ余って勉強放棄してきました← はい、頑張らせて頂きます! そんなこんなで結局小説UP。 漢字の勉強だーとか言って無理矢理漢字使ってましたが読みにくかったので廃止。これからも更新頑張ります。でもやっぱり短くてごめんなさい…;
  • 16 晴嵐(seiran) id:bmVkm/11

    2012-05-19(土) 15:58:43 [削除依頼]
    いやいや、勉強頑張って下さい!!
    自分は勉強頑張ってこなかったことに後悔してるんですから!!

    と、言いつつも更新頑張って!
  • 17 ぽさぬ id:Vea6XSh/

    2012-05-19(土) 21:01:22 [削除依頼]
    すごく面白かったのでブックマークさせていただきました。
    応援してます!
  • 18 @ id:g9kT3hf0

    2012-05-20(日) 00:02:14 [削除依頼]
    私の視界の端っこで、蒼い空に白い雲が悠々と流れている。…はずなのだが、今の私にはこの世の全ての万物は時を失くしたかのように見えた。もし動いていたとしても、それは人の眼では認知出来ないかのような低速度であっただろう。私の視界には、そう映った。 つまり何が言いたいかというと、時が止まったように感じているのである。 篠原君は私の動揺を知ってか知らずか(恐らく知っているだろうけど)言葉を続けた。 「…ですよね?せーんぱいっ」 「………」 嫌な汗が私の頬を伝ってゆるりと流れる。 「……無視は俺好きじゃないんですけど…。……まーいいや、続けます。あいや、俺そーゆー他の人より上に立てた人の心境とか普段はあんまり見ないんですけど。う ざいんで。でもまぁなんとなくそん時は気になったんですよ。そんでちらっと見てみたら先輩、まさかの恐怖で狂っちゃいそうでしたよねぇ…?」 「……て…」 「んで、うわーなんでだ?って気になってもっと先輩の心の中覗き見してみたらビックリしましたよー!そんな考え方でそこまで追い込まれる人なんているんだーって」 「…めて……」 「……先輩、人に選ばれて褒められて羨ましがられて……。……妬まれるのが、どーーしてそこまで嫌なんですか?」 「やめて下さい!!!」 感情が抑えられず、思わず大きな声をあげてしまった。私のあまりの大声に、辺りにいたカラス達がざわめいて木の上から飛び立つ。 「……うるさ。…いいじゃないですか、こっちは質問してるだけですよ?」 「………人には聞いて良いことと、…駄目なことの、二つがあるのを、貴方はご存じでないんですか……っ?」 ケロッとして微笑む篠原君に、言いようのない怒りが込み上げてくる。私にとって、今彼が言ったことは絶対のタブーなのに。やめてくれと、何度も言ったのに。それなのに、彼はそんなことは露知らずと言わんばかりに踏み込んできた。断りもなく、しかも土足で踏み荒らしてきたのだ。それに彼は心の中が読めると言う(この段階でそれが虚偽であるというのはもはや有り得ないだろう)。それなら、彼は私が今こうして考えていることも、ソレについて触れられることがどんなに嫌かということも、全てが見通せるはずなのに。それなのにあんなにも簡単に触れてきた。それが、どうしようもなくイ ラついた。 「んー知ってますよ、一応。でも、だからなんだって言うんですか?貴方が言う、聞いて駄目なことを本当に聞くか聞かないかは他人である俺の自由ですよ?別にタブーだからといって聞いちゃいけないっていう法律はありませんし。…ねぇ?」 「だからって……!」 抑えようとしても、どうしても全ての台詞を強めて発してしまう。こんなに感情が抑えられなくなったのは、いつ以来だろう。 ───── ほぼ会話文でした。いや、今日よく来ますけど勉強は一応してます、一応…。 だって>17みたいにまた嬉しい報告来てたら書いちゃうじゃないですか(*´・ω・`*) >17 ぽさぬさん そんな…面白いと言って頂けている上に「すごく」もついてる…!しかもブクマて…!ありがとうございますっ!いやもうほんとに嬉しい…!もう更新頑張りまくっちゃいます!!頑張りますので、お付き合い頂けると幸いです(*´∀`)
  • 19 @ id:T8amwVQ0

    2012-05-22(火) 13:34:38 [削除依頼]

    「……いいじゃないですか、俺の秘密を知った代償だって思えば。俺、ポロッって言いましたけど、普段は他人どころか親にさえ言ってないんですよ?いやまあ当たり前ですけど」
    「秘密を知った代償って…!貴方が勝手に喋ったんじゃないですか…っ」
    「でも、気にはなってたでしょ?あの、公園での出来事…。出来事って言う程のものじゃありませんけどね」
    「それは…っ!」

    それは、こんな代償があったとは知らなかったからだ。私はそこまでして、彼の本質を知りたかったわけじゃない。どうせなら、飾っているのであろう普段の他人に見せている表面上だけの篠原蒼志ではぐらかしてくれれば良かったのに。どうして私は彼のことを知ろうとしたのだろう、どうして知ろうと思ってしまったのだろう。悔やんでも悔やみきれないとは、このことか。

    「そっ…んなに嫌なんですか、自分が知られるのが。……どうして?どうしてそこまでして、知られたくないと願うんですか? …先輩」
    「貴方には…っ!関係ありません……っ!!」
    「……関係はないかもしれませんけど、俺のこの力っていうんですか、能力?を使えば正直、どうしてかなんてすぐ分かっちゃいますよ…? いいんですか?」
    「…っ!いい訳ないでしょう!!」

    彼の挑発をするような言葉にカッと頭に血が昇る。ああ、この怒りの気持ちはあの女教師の時とは比べ物にならない。
    篠原君はといえば、私の震えるような声から突然口調を荒げたことに驚いているようだった。

    「……何を、驚いているんですか?」

    彼は人の心が読めるというのに。ここに来て、まさかあれは全てペテンだったのかという疑いが頭をよぎる。

    「あ…いや……」
    「…?」

    どうも彼は歯切れが悪い。何があったというのだろう。


    「……その、すみません。ちょっと、やり過ぎだったかな…なんて」
    「……え」

    篠原君は明後日の方向を見つめながら、耳を澄まさなければ聞こえそうにないか細い声で、私に詫びをいれた。私は私で、突然彼が謝り始めたことに驚き過ぎてうまく言葉が出てこなかった。

    「……先輩?」
    「…………あ、いえ…。その……私も、声を荒げてすみませんでした」
    「いえ、先輩は悪くないですよ…。ごめんなさい、いつも俺、やり過ぎちゃうんですよね……。…本当に、すみません」

    急に彼が本当に子供のように謝るものだから、つい私もさっきまでの怒りをすっかり忘れて彼を許してしまう。もしかしたらこれも人の心を読む彼の計算の内なのかもしれないが、今はそういった打算的なことはなにも考えたくなかったのも事実だった。

    「……貴方に興味を持ったのは事実です。いつも自分を取り繕っているのも、それからもちろん、人の心が読めるのも。ただ、この人の心が読めるというのはそんなにアバウトなものではなくて、また万能という訳でもないんです」

    ぽつりぽつりと、彼は自分のことを話し始めた。

    「心が読めるというのは、本当にそれだけなんです。記憶を覗くことが出来たり、感情を読み取ったりというのは出来ません。まぁ、感情の方については感受性豊かな人がこの能力を持っていればまた話は違ってくるんでしょうけど…。それから、記憶に関しては対象者が自分の過去について考えていれば知ることは出来ます。……とにかく、先輩が自分の過去を振り返らない限り、俺は先輩の過去を知ることは出来ませんから安心してください。もちろん、オン・オフは出来ますし」


    ───


    説明難しいよう…(´・ω・)
  • 20 @ id:dbDC7Cz1

    2012-05-24(木) 13:58:33 [削除依頼]

    彼は自らの能力についての一通り説明をし終えると、「…信じてもらえますか?」と、不安そうに私に尋ねてきた。

    「え…ええ、まあ。…貴方のその能力に関しては、今さっき十分に見せつけられましたしね…。一応、先程よりは信憑性が増したと思いますよ」
    「……そう、ですか…。…良かった」

    彼は心から安心したというように表情を和らげた。先程までの嫌味な彼は一体どこへ行ったのだろう。それとも、こちらの方が素なのだろうか?いやでも、あんなにも人を嫌悪感に溢れさせる人格を装ったことで、得る物など何もないと思うが……。

    「……華堂先輩。…ちょっと…聞いてもらいたい……。…えっと、昔話があるんですけど…。…いいですか?」
    「え…。……私は、構いませんよ」

    彼は自ら私にそう告げたものの、なかなか決心がつかないのか話し始めるのを少し躊躇った。しかし、遂に意を決したかのように彼が口を開きかけた瞬間、無情にもチャイムの音が学校中に響き渡った。

    「あ…」
    「…………じゃあ、この話は放課後でお願いします。…放課後、予定とかありますか?」
    「ああ、いえ。大丈夫ですよ」

    私の了承を得た彼は、私に軽く会釈をしたあと、どうも表情を翳らせたまま私を残し屋上をあとにした。きっと、教室に着く頃にはいつも通りのおどけた彼がいて、いつも通りのふざけた表情を浮かべているのだろうけど。

    ……篠原君はきっと、昔話という名のトラウマを私に話そうとしたのだろう。たぶん、彼にも「篠原蒼志」を演じなければならないような、重大な何かがあったのだ。それが何かは、今日の放課後に分かることである。

    空を見上げれば、忌々しいほどに青が広がっていた。いつもなら晴れる気分も、頭をよぎる何かがそうさせない。もやもやした気持ちを抱えながら、私も自分の教室へ歩みを始めた。


    ────

    テスト期間終了ぅぅ。なのに短くてすみません。

    篠原君は、悪い子じゃないんですよ(´・ω・)
  • 21 @ id:TYyabtS.

    2012-05-28(月) 23:18:16 [削除依頼]

    午後の授業は、歴史と化学という退屈なものだった。
    化学はともかく、私は正直歴史はあまり好きな教科ではない。過去からしか未来を学ばず、過ちを犯してからしか平和を知ることが出来ないということを学ぶ教科だからだ。゙失敗は成功のもどとは良く言ったもので、つまりば失敗しなきゃ成功しない゙ということ。どうして人には予測し予想する頭脳があるのに失敗するんだろう。・・・・・・それが人間だからだ、と言われてしまえばそれっきりなんだけど。
    そう考えると、歴史と化学は真逆の存在なのだろう。歴史は過去から未来を創り、極端な話化学は未来から未来を創っていく。どちらも進歩するにはなんら変わりのない科目なのだが。

    (退屈・・・だな・・・)

    好きじゃない歴史の授業を聞き流しながら、篠原君は今頃、どんな心境でいるのだろうと考えてみる。想像すれども、もちろん彼の様な力があるはずのない私にとってそんなこと分かる筈もないけれど。(彼の能力の詳細は未だ全てを知ったわけじゃないが)

    ─────

    やべえ短い((
    更新しなくてごめんなさい。
    親うるさいんで土曜日更新にしようかなって思ってます。土曜親いないんで(∀)

    いくらなんでも全然書いてないやばいって思ってちょっとでも書こうと思ったら本当にちょっとでした。次はもうちょっと頑張ります。
  • 22 夢咲 id:.f9bDbM.

    2012-06-02(土) 17:59:01 [削除依頼]

    放課後の時間も、嫌という程に早く訪れた。しかしようやくここで私は、篠原君と時間の約束はしたものの場所の指定はしていなかったことに気付くわけだが、その問題は篠原君の姿が私のクラスの廊下に見えたことで解決された。

    「場所を指定するのを忘れていたので、先輩の教室に来ちゃいましたー!」

    篠原君は、屈託のない笑顔で私にそう言った。・・・ここは人の目が多いから、ということだろう。

    「いえ、私も失念していました。ごめんなさい、わざわざここまで来させてしまって・・・」
    「いやいやそんな!じゃ、帰りながらでも話の続き、お話しますよ」

    笑顔でそう告げる彼に、わかりました、行きましょうと私が言ったところで篠原君の知り合いだろうか、私の見知らぬ男子生徒が篠原君に話しかけた。

    「お、よう蒼志!なになに、話の続きって何の話?」

    謎の男子生徒は軽いノリで興味津々といった風だ。そんな彼に篠原君はやんわりとした笑顔で、

    「はは、お前にもこの前話しただろ?あれ、お前じゃなかったっけ?俺のとっておきのこわ〜い話の続きだよ!」
    「あーあれか!!アレすっげー怖かったよな!いやでもなんで蒼志とミス霧之夢が顔見知りなん?」
    「この前帰り道ぐーぜん一緒になってさ、そん時ちょっと仲良くなっちゃった!」
    「へええー!いいな〜。あ、俺井ノ島ユウっていいます!覚えておいてくださいねーミス霧之夢!」

    目の前で繰り広げられる怒涛の会話と突然振られた話題に、私は「え、えぇ・・・」といった当たり障りない返事しか返すことが出来なかった。

    「じゃ、行きましょうか先輩!じゃーなユウ。また明日!」
    「おー。じゃーな!」

    ・・・こうしていると、ただただ普通のありふれた高校生なのに。彼は、どこで何を間違ったというのだろう。その場の雰囲気に流されながら、ふと、そんなことを思った。


    ────

    夕焼け差し込む静かな帰り道。私たちはオレンジ色の小道に影をふたつ並べ、会話という会話もせずにただ道を歩いているばかりだった。私は篠原君が話を振ってこない以上、私から声をかけるといことはしづらい為、篠原君が話題を振ってくるまでただじっと耐えることしか、今はすることがない。篠原君は篠原君で、話し始めるのも容易なことではないことを、私自身よくわかっているつもりだ。だから、彼をせかすということも出来るはずがないまま時間だけが過ぎていく。


    「・・・・・・俺、昔すごい仲の良い・・・良いと思っていた、人がいたんです」
    私がそんな思考を働かせていると、心を読んだのかは知らないが(そうじゃないと信じては、いたいけど)、ぽつり、篠原君は話を始めた。

    「俺、本当にこの力がいつついたかなんてよく覚えてないんです。生まれた時からあったのか、そうじゃないのかもよくわかんなくて・・・。でも、他の人がみんな俺みたいとは思っていませんでした。見てれば分かりますよ、なんとなくですけど」
    「・・・・・・そんなものなんですか」

    私が不思議そうに尋ねたところ、彼はどこか自嘲気味に笑い、「そうですよ」と話を続けた。

    「でもまぁこの力を使うことなんてあまりしなくて、その頃は。特に使おうなんて思わなかったんですよね。でもその頃俺、すんげーー性格嫌な奴で!・・・ホント、笑っちゃうくらいに嫌な奴だったんですよ。さっき屋上で先輩のこと追い詰めたでしょう?アレ、アレが俺の本性なんです。・・・嫌な奴でしょ。・・・で、その俺にとっては・・・親友だと思っていたそいつに、一回、使ったんです。ほんと、ほんとにただただ好奇心で・・・・・・」

    彼はたどたどしい日本語を使いながらも、トラウマとルビを振れる昔話を私に伝えている。私は夕焼けに、きらりと彼の目元あたりで何かが反射したのに気付いたが、それを無視して黙って話を聞き続けた。

    「・・・そいつ、俺のこと・・・。・・・・・・大ッッッ嫌いだったんですよ。笑顔で俺の話を聞きながら、心の中には俺に対する罵詈雑言でいっぱいでした。・・・・・・その時のことは、あとはよく覚えてません。・・・たぶん、それぐらいショックだったんでしょうね、俺なりに」笑顔だったが、その笑顔は私にでも分かるほどに悲しさで溢れていた。そんな彼に、心のどこかがちくりと痛んだ。


    ────

    投稿量多すぎってなんや。
    てか今日やっと漢字検定終わって欲しかったもの買いにいったら全部売り切れでした。泣きました。
  • 23 @ id:.f9bDbM.

    2012-06-02(土) 18:02:02 [削除依頼]
    >22 私です。詩投稿の方で使ってる名前ですね。間違えました。 隠してるとかじゃなかったんですけど、名前考えるの好きなんです(( ちゃんと使い分けたかったなー。ってかほんとに投稿量多すぎって何事。なので最初よりちょっと削りました、すみません。あと会話文少なくしたい。説明文書きたい(´・ω・)
  • 24 @ id:3/8XMQI1

    2012-06-09(土) 22:09:00 [削除依頼]

    胸の奥でズキズキとした何かを抱えながら、たぶんきっと、ここで話を聞くのをやめてはならないのだろうと思いそのまま話を聞く。

    「・・・その日から、俺の日々はただのご機嫌取りですよ。・・・色んな人に好かれるように、誰にも嫌われないように・・・。・・・そんな毎日を過ごしているうちに・・・・・・」

    あのみんなから好かれるおどけだ篠原蒼志゙が形成されました。・・・そう篠原君は静かに言った。

    「・・・・・・しのはら、く・・・」
    「俺の゙昔話゙はこれで終わりです。・・・長々と付きあわせてすみませんでした」

    私の言葉を遮るかのように、篠原君は早口で早々に話を切り上げた。私はその後に続ける言葉が思い浮かばず、ただ時間だけが過ぎていった。
    慰めの言葉をかければいいのか、優しい言葉で諭せばいいのか、いっそのこと酷い言葉で傷つけてしまえばいいのか。だけど、どの言葉も今の彼には似合わなかった。それこそ、その場限りの言葉でさえも。

    「・・・どうして、私にその話をしたんですか?」

    だから、私は疑問の言葉を投げかけることにした。この言葉なら彼を間違った方向へ導いてしまうこともないし、傷つけることもない。それに結局のところ、私自身がすごく、とても気になっていたからだ。つい先日あったばかりの人にそんな重い話をするなんて普通ではない。
    確かに彼は普通ではないのだけど。

    「・・・・・・言ったでしょう、先輩が変だったから、って。・・・本当にそれだけですよ」
    「・・・じゃあ、私に貴方の゙昔話゙をしてどうするつもりなんですか?なにか、私にしてほしいことでもあるんですか?」

    してほしいこと、というセリフにピクリと反応を示す篠原君。

    「・・・先輩、案外カンがいいんですね。そうです。してほいいことが、あるんです。それと、一応言っときますけど、俺そのしてほしいことっていうのさっき言いましたからね?」

    彼の言葉に、私は首を傾げた。


    ───

    うん、場面運びがおっそい私にしては割と進んだ。・・・はず((
    前回書き過ぎたんで、今回は少なめ。わたし極端。
  • 25 @ id:PBfP0qr/

    2012-06-16(土) 16:58:56 [削除依頼]

    ゙俺そのしてほしいことっていうのさっき言いましたからね?゙

    篠原君のその言葉を頭の中で反芻し意味を咀嚼してみるが、彼のしてほしいことの記憶がまったく思い当たらない。そもそも、いちいち一つ一つのセリフを覚えているはずがないのだ。覚えている方が考えてみれば驚異である。

    「…いえ、そんな考え込まなくてもいいですよ。俺は……先輩に教えてもらいたいだけです。先輩が…どうしてそんな異常なまでに゙恥ずかしがり屋゙なのか。…どうしてそんなに脅えるんですか?」
    「………………………」

    あぁ、そのことなのかと。何かが冷めていくような感覚と、あまりに高度な要求でなくて良かった(いや、高度といえば高度なのだけど)という思いと同時に、こんな改まって訊ねるほどにどうして篠原君は知りたがるんだろうと思った。゙恥ずかしがり屋゙などとふざけたような言い方なのは少しでも私が話しやすいようにとでもいうことなのだろうか。

    「………やっぱり、駄目なんですかね?……どうしても?」

    こうやって、自分の便利な能力も使わず、私の心を開いてから訊こうとするあたり、彼が本気でそのことを知りたいのだろうと察しがつく。
    ……私の゙昔話゙を聞く為に、自分の゙昔話゙を心苦しいながらも私に話した。そして、自分の人格の全ても私に見せた。ここまでさせてしまったのだから、私は彼に゙昔話゙を話さなきゃいけないというおかしな義務感も生まれてきた。


    …………でも。


    「……貴方、家はどこですか?」
    「………………え?」
    「家です。この辺りなんですか?」
    「え……えぇ、まぁそうですけど……」

    素直に答えながらも、怪訝な顔をする篠原君。当たり前だ、話の前後が全く視えないのだから。それでも私は彼の答えに満足そうに笑ってみせ、

    「では、調度良かったです。…これから、一緒に登下校でもしましょう」
    「……………は?」

    もちろん、彼の反応は予想の範疇だった。私が篠原君の立場でも同じ反応を示すだろう。

    「いえ、これから長い時間を共に過ごしましょう。……貴方が、本気で私の過去を知りたいのはよくわかりました。とても。……それでも、私は貴方みたいに自分のトラウマを最近知ったばかりの人にすぐ話せるほどの勇気を、持ち合わせてはいないんです。ごめんなさい。…だから、一緒にいましょう。何も付き合おうと言っているわけではありません。私が貴方を心から信じられて、私からトラウマを話そうと思えるだけになったら。……その時に私は自ら話を切り出す事を誓います」
    「……先輩」
    「………‥私にもまぁ、色々ありました。……色々、考えました。で、分かったことがひとつ。人っていうのは、本と似てるんですよ?」
    「…本、ですか?」
    「ええ、本です。本にも好き嫌いがあって、万人受けする本はどこにもありません。その代わり、誰にも愛されない本も、どこにもないんです。それと同じで、万人受けする人間もどこにもいない代わりに、誰にも愛されない人間もいないという事です。それに、その本の主人公と同じように私たち人の人生の重みも、きっと一緒なんです。…そうじゃないと、今の私はやっていけませんよ」
  • 26 @ id:E4yOnR9/

    2012-06-23(土) 18:07:43 [削除依頼]

    私が馬鹿みたいなことを言っている間も、篠原君は黙って静かに私の言葉の続きを待っていた。

    「…今、私は正直クラスに友達と言えるような方はいません。でも、それでいいと思っています。…出逢いとは、出遭うべくして出会います。偶然という奇跡が重なって出会いはあると、私は思っているので。…私がとりあえず今まで生きてきた中で見つけた答えは、こんなところです。説教染みていて、ごめんなさい」
    「……いえ」

    篠原君の表情から彼の心情は読み取れなかった。唇を優しく噛み締めたまま何かを考えているようではあったけど。

    「……じゃあ、俺が先輩に出遭ったのは、偶然が奇跡のように重なった出会いだと、思いますか?」

    おもむろに、篠原君が疑うように私に問いかけてくる。今度ばかりは彼の目から、それとなく彼の欲しがっている答えには察しがついた。…だけど、その彼の欲しがる答えと、私の正直な感想は少し違う物で。
    彼は(当たり前だけど)他の人とは私にとって少し違かった。だから、答えと感想、どちらを言うかなんて私の中ではもう決まっていた。

    「……さあ、貴方のことは私にはわかりません。もし私にも貴方の様な力があったとしても、未来は見通せないんでしょう?だったら、なおさら私にはわかりません」

    そう、キッパリと私は篠原君に告げた。
    篠原君はさっきよりも唇を噛む力を強めたのか、彼の口元からきゅっ、という音が聞こえてくるようだった。
    私はそんな篠原君を力強く見据えたあと、頭の中で言葉をまとめてセリフを続けた。

    「…ですが、少なくとも私にとって貴方との出遭いは、特別な出会いだと。…そう思いますよ」


    ────

    どうですか、短くまとまってますか。まとめすぎたかな…。
    がちがちにいつも書いちゃうのでぱっぱっとした文章を目指して練習中(´-`)
  • 27 @ id:yjUYYUu/

    2012-06-28(木) 00:24:07 [削除依頼]

    はい、テスト期間につき停滞します。
    あああテスト…。
  • 28 @ id:TEEePlB1

    2012-07-06(金) 18:20:22 [削除依頼]

    わたし今すっごい思っているんことがあるんですけど、
    「言ノ葉理論」書き直そうかと。

    ちゃんとプロット作成して、きちんと物語の骨組みを立ててからもう一度って思っていて。

    もうすぐ夏休みなんで、頑張ります。突然すみません・・・;
  • 29 晴嵐(seiran) id:0RIlXcA/

    2012-07-27(金) 04:36:41 [削除依頼]
    ご無沙汰してます。戦争短編集ひさしぶりに更新しました。
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