お狐様の午後三時11コメント

1 キョーヤ id:J5WjXU30

2012-04-23(月) 01:41:30 [削除依頼]
小説は初挑戦なんで至る所が多々あると思いますが
そこらへんは長い目で許してください^^;

なるべく日を開けずに更新するようにしますので
おつきあいをお願いします
  • 2 キョーヤ id:J5WjXU30

    2012-04-23(月) 02:25:22 [削除依頼]
     ここは人があまり寄り付かない神社。
    そこで守り神として住み着いたのが俺、銀二。
    妖狐だ。
    昔は崇拝者が何人もいた神社だったんだけど
    今じゃ…

    「うっく、ひぃっく・・・」

     小さな小さな少女しか来ない。
    少女は午後三時になるとこの神社に来て泣き出す。
    だから少女が来たら自然にもう三時かと空を仰ぐ。

     基本守り神は人間に干渉をしてはいけない。
    それ以前に守り神は普通の人間には見えない。
    中には妖力の高い人間が生まれることがあると聞いたが、
    俺は一度も出会ったことがない。
    まぁ、見えるにしろ見えないにしろ、人間の前に俺が現れなかったら
    何の問題もないんだが。

    「うぇぇぇぇぇっ」

     少女の泣き声が大きくなる。
    知らんぷりを決め込もうと思っていたが
    何時まで経っても大音量で泣き続ける少女が気になり
    ついに口を開いてしまった。

    「何泣いてんだよ。いつもより泣き声うるせーし」

    「え?だれ?狐???」

     まじか。

      どうやら少女には俺の姿が見えているらしい。

    「なんてこった」
  • 3 キョーヤ id:l8FKtY80

    2012-04-25(水) 16:11:43 [削除依頼]
     面倒なことになった。
    こんなことなら多少妖力を使うが
    人間に化けとくんだった。
    俺程の妖力の持ち主ならバレることはないだろう。
    でもバレてしまったからには仕方がない。

    「で、なんで泣いてんだよ?いつも三時になるとここ来て泣きやがって」

    「いつも?いつも見てくれてたの?」

    「バッ、バカか。俺はそんな暇じゃねーよ…で、なんで?何時もよりヒデェ顔だ」

     俺がそういうと少女はバッと腕で顔を隠し、袖で涙をこすっている。
    それを腕を掴んで止める。

    「赤くなるじゃねーか。あ、もうなってるな。ちょっと待ってろ」

     俺は近くにある蛇口を捻り自分の着物の袖の端をちょこんと濡らす。
    そして少女の顔を拭いてやる。

    「手ぬぐいとか洒落たもん持ち合わせてねぇんだよ。我慢しろ」

    「うん。優しいね。狐さん」

    「狐じゃねェ。まぁ、狐だが…ここの神様。銀二だ」

    「銀二!!!」

    「呼び捨てかよっ!まぁ良いけど。お前…は?」

     少女の眼を拭いていて気付いた。
    少女の双眼は赤色だった。

    「…この目…変なものが見えるんだ」

    「成程なぁ、その目の御蔭で俺が見える訳だ」

    「こんな目…潰しちゃえばいいって何度も思ったけど…潰したら銀二に会えなくなるね」

    「…そーだな。でも見えちまうもんは仕方ないさ」

     少女の頭に手を置いてかき混ぜる。
    少女は嫌だ嫌だと言いながらも笑っている。

    「そういえば、名前言ってなかった!!!俺、坂木鷹!!!」

     へっ!?今俺って言わなかった?それに名前…鷹って…まるで
    ――――男みたいな・・・

    「お前…男か!?」

    「そうだよ!」

     訂正、少女は少年でした。
  • 4 なり id:5MT6FSi/

    2012-04-25(水) 16:29:28 [削除依頼]
    かわいい男の子ってなわけですね!いい!すごくいい!!
    つずき、楽しみにしてま〜す^^
  • 5 キョーヤ id:l8FKtY80

    2012-04-25(水) 16:30:18 [削除依頼]
     どうやら鷹はその赤色の双眼の所為で苛められていたらしい。
    変な物…妖怪に襲われるし、両親、クラスメートには化物呼ばわり。
    そんな最低な人間の中でも優しくしてくれた人がいたらしい。
    それが鷹の祖母だった。
    その祖母が今日の昼に息を引き取ったそうだ。

     鷹の味方をしてくれた優しく暖かい人間。
    そのたった一人の味方がもういないのだ。

     今の鷹にとって全ての人間、妖怪は敵なのだろう。


    「俺も妖怪みたいなものなのだけど」

    「銀二は良いんだよ。優しいから…なんか婆ちゃんと同じ匂いがする」

     同じ…匂い…そういえば―…

     昔、鷹と同じようなことがあった気がする。
    あの子も鷹と同じように変な物が見えると泣いていた。
    その時もうっかりその子に話しかけてしまったんだ。
    それから良く話すようになり、仲良くなった。
    今じゃ誰だったかは思い出せないけど…
    どことなく鷹に似ている気がする。

    まぁ、気のせいだろうが。

     きっと今頃どこかで笑っているのだろう。
    結婚したという知らせを崇拝者から聞いた覚えがある。
    何でも優しい人と結婚した、と。

     よかったと心から思った事を今も覚えている…なのに
    顔が…肝心なところが思い出せない。

    「アレは―…一体誰だったかなぁ」
  • 6 キョーヤ id:l8FKtY80

    2012-04-25(水) 16:32:34 [削除依頼]
    なりs》ありがとうございます
    これからも付き合ってやって!!!
    お願いしますm(´Д`)m
  • 7 キョーヤ id:6s0wzyC/

    2012-05-10(木) 21:55:22 [削除依頼]
    「今日は時間がたつのが早いや。銀二がいるからかな」

    「…俺は何もしてねーよ」

    「それでいいんだって…俺はそれだけでよかったんだ」

     ぎゅっと手を握ってその手を見つめる鷹に何か言ってやろうと
    口を開いたが、かけてやる言葉が見つからない。
    こういう時何を言ったらいいか分からなくなる。
    人間とは面倒臭いな。言葉にしないと伝わらない。
    妖怪同士なら心で会話とかできるのに。

    「俺、今日は帰るよ。明日また来るから待っててくれる?
    待ってくれなくても何度でも呼びかけるけどね」

    「―…ああ」

     本当はもう鷹の目の前には姿を現すのを止めようと思った。
    今日だけの話し相手。それだけでいいと。
    何度呼ばれても姿を現さねば諦めるだろうと。
    でも鷹はきっと諦めない。俺が出るまで叫び、泣き続きる。
    今日話していてなんとなくそう思った。
    鷹の事まだそんなに分かってないはずなのに。
    分かった気がした。

    「面倒な奴に見られたなぁ、俺の時間が減った」

     鷹は手を振って神社を後にしていった。
    俺はその背中を見ながら、明日の三時が面倒であり、
    楽しみでもあった。
  • 8 キョーヤ id:6s0wzyC/

    2012-05-10(木) 23:47:24 [削除依頼]
     翌朝。なんだか神社の入口が騒がしい。
    何人かの少年の声。その中に鷹の声も聞こえる。
    よく見ると三人の知らない少年と、鷹がいた。
    が、会話の内容までは聞き取れない。
    もう三時か?と思ったが首を横に振る。
    人間の時間と俺の時間が違うと言っても
    こんなに時がたつのが早い訳がない。
    どうやら、学校に登校中のようだ。

     妖術を少々使い、耳を澄ませる。
    すると少年達と鷹の会話が聞こえだした。

    『お前、家族にも気味悪がられてんだって?』

    『ひでー、親だなぁw』

    『あ、化物産んだ親だもん。人間が出来てないんだって』

    「煩い!!両親の悪口言うな!!…悪いのは俺なんだから」

     最後のほうは自分に言い聞かせているような口ぶりだった。
    鷹はいつもそうやって両親の態度や周囲の態度を説明してきたんだろう。
    自分がいけないんだと、周りが悪いんじゃないと。
    眼が紅くても、怪が視えても人の子には変わりないというのに。
    なんと、悲しい。なんと、哀れな。
    これだから人間は嫌いなんだ。

    「こんな奴、ぶっ飛ばしてやれば良いんだよ」

     俺は妖力を使い、鷹を罵る少年たちに向かって突風を拭かせる。
    少年たちは何が起こったのか分からず、混乱しているが
    鷹を見た瞬間、真っ青になり逃げだした。
    俺が吹かした風により前髪で隠れた紅い眼が現れたのだ。

    『化物だ―――!!!』
    逃げ出した少年の背中を見つめる鷹。
    すると鷹が俺の居る方向に振り返り一言。
    「・・・銀二、なにしたの?今」


     俺はビクッと肩を震わせた。
    あちらから此方は視えてないはず。
    だが、鷹には此方が視えているらしい。
    どんな視力だよ、と突っ込みながら
    俺は溜息を一つ吐いて鷹のもとへと向かった。
  • 9 キョーヤ id:vFBY90s.

    2012-05-11(金) 20:26:35 [削除依頼]
    「お前、今日なんで学校行ってんの?」

    「登校日だから」

    「じゃなくて、婆さん死んだんだろ?お葬式とか」

    「…行けない。父さん、母さんがお前は来るなって…
    親戚から白い目で見られるから」

     鷹はそれだけ言って唇を噛みしめる。
    当然であろう。大好きだった―…大切だった人の
    最後のお別れが出来ないのだ。
    辛くないはずがない。

    「学校…今日はサボる。行きたくない」

    「怒られねぇの?…俺は仕方ないから一緒にいてやってもいいけど」

    「怒らない。俺の事なんて何とも考えてないよ。俺が何しようと無関心」

     俺は鷹のどこか何もかもを諦めた瞳を見て、昔の自分を思い出した。
    だからだろうか…鷹を一人で放っておけない。

     
     と言っても外にずっといる訳にはいかないから鷹を神社内へと案内する。
    最初のほうは神社の内部だからかソワソワしていたが、慣れたのか落ち着いている。

    「婆さん、ここを崇拝してたんだろ?」

    「うん」

    「じゃ、ちょっと待ってろ。手帳に名前が残ってるかも」

     俺はここに崇拝した人を丁寧に手帳に記している。
    人間は嫌いだが、ちゃんと崇拝する心を持っているなら
    それに敬意を表さなければならない、と手帳に残しているのだ。
    鷹の婆さんが崇拝していたのなら、手帳にその名があるはず。

    「婆さんの名前は?」

    「蓮見奈津子」

     蓮見…奈津子…

    『ナツちゃん!行こう?』

    ―…なんだ今の…俺の記憶?でも今の声は…

    奈津子…ナツ…やっぱり俺の記憶から消えた少女は
    …鷹の―――――

    「あ、あったよ!!!」

     ペラペラとめくっていた手帳の1ページを指さす鷹。
    俺はその名前を見つめる。けどその名前を書いたのは
    俺じゃない。

     俺の弟である、今は居ないがもう一人のこの神社の守り神―…

    「銀朱(ぎんしゅ)」
     
  • 10 キョーヤ id:lFkqqhT0

    2012-05-12(土) 19:05:34 [削除依頼]
     銀朱とは俺の弟…と言っても双子の弟だ。
    俺の銀二という名を付けたのが銀朱で、
    銀朱の名を付けたのが俺。
    人間の真似事をしてみようかと二人で名前を付けあった。

     銀朱は俺と瓜二つな容姿をしているのに
    すぐ照れて顔を朱く染めるから銀朱。
    銀朱に俺の名前の由来を聞くと安直すぎて呆れた。

    「数字の2が好きだから」

    「は?え?何でだ???確かに銀二って二ってあるが」

    「二ってさピースの事でしょ?それに笑うときニッってなるし」

     銀朱はピースをしながら文字通りニッと笑った。
    俺と同じ顔なのに、銀朱は俺と違い綺麗に笑った。
    俺も呆れつつお前らしいな、と微笑んだ。
    だけど俺はお前のように綺麗には笑えないんだよ。


     
     銀朱…何で今までお前の事を忘れていたんだろう。
    いつも一緒にいたはずなのに…蓮見奈津子の名を見た瞬間、
    お前の笑顔が思い浮かんだよ。
    それで思い出した。お前の事を。
    何で…今、お前はここに居ないんだ?
    何で…今、俺はここに―…


    …一人なんだ?一体お前は今どこにいるんだよ?
  • 11 キョーヤ id:lFkqqhT0

    2012-05-12(土) 19:24:19 [削除依頼]
    「銀二?どうしたの?固まってるけど」

     鷹が心配そうに俺の顔を覗き込む。
    俺はすぐには声が出ず、ああ、とだけ答えた。
    鷹はそんな俺を見て「変な奴」と言って笑った。

    「お前のほうがよっぽど変な奴だろ…」


     鷹に蓮見奈津子の事を聞いてもいいだろうか。
    聞いたら鷹が泣き出しそうな気がして聞き出せない。
    言葉を濁しながら遠まわしに言ってみるか?
    …まどろっこしすぎて不自然だろうか。
    やはり直球に『お前の婆さんってどんな人?』って聞くか?
    それは無粋すぎるか。

    「あーもー、どうやって聞こう」

    「何が?俺の事?それとも俺の婆ちゃんの事?」

     鷹がニコリと笑って言うのを俺は凝視する。

    「なんで…わかったんだ?」

    「名前…婆ちゃんの名前をじっと見てたから」

    「ああ、そうか」

     鷹は婆さんとの関係、他愛もない会話、出来事を
    一つ一つ噛みしめるように丁寧に話してくれた。
    それだけでも鷹が婆さんの事を慕っていたのが窺える。

    「婆ちゃんは俺の眼を見るといつもこう言ってた―…

    『この眼は鷹しか持ってない眼だから、大切になさい。
    私は眼を失って大切な友人まで失った。今でも後悔してるわ。
    だから…いつか大切な人に会う時の為に大切になさいね』

    ―…って。俺はそんな事があるわけないと思ったけど。
    銀二に出会った今なら分かる気がする。それに婆ちゃんが
    俺を見ても畏れない理由も。婆ちゃんも俺と同じだったんだ」

    「そうか」

     大切な…友人…。
    銀朱…

     鷹の祖母の大切な友人って銀朱、お前なのか?
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