夏を探して9コメント

1 癒羽 id:S6L2Kkl/

2012-04-20(金) 23:43:36 [削除依頼]


 例えば、入道雲。
 例えば、花火の音。
  • 2 癒羽 id:engySWE1

    2012-04-21(土) 00:25:30 [削除依頼]
    プロローグ

     顎の下を手の甲で拭うと、ぬるりと濡れたそれによってよけい気持ち悪くなった。とんたんたんとリズムよく石の階段をあがる彼、けいちゃんをこっそり睨む。蝉の大合唱をくぐり抜けて、わたしとけいちゃん二人だけでここらを探検——それは少し前までとてもわくわくする事だったんだけど、今は彼に乗せられてしまったことを深く、深く後悔していた。
     もうちょっと、ってけいちゃんは言うけれど、下を見てみるともう百段くらい上ったと思うのに、まだ同じくらい上に階段は続いている。数えるのは二十三段でやめた。
    「けいちゃん、疲れたよ」
     耐えきれなくなってわたしはけいちゃんにそう訴えた。彼は足を止めて真っ黒の顔をこっちに向ける。タンクトップから覗いている黒い腕や足はわたしと同じくらいの太さなのに、なんでけいちゃんは疲れないんだろう。
    「……ったく。だーっからモヤシは」
  • 3 癒羽 id:engySWE1

    2012-04-21(土) 01:53:57 [削除依頼]
    @変なところで挨拶擬きを入れるのは、もはや癖なんです@
    はじめまして。
    癒羽といいます。ゆわ、ゆうどちらでもどうぞ。
    小説の方は多分連続短編?というか二部構成?になっています。
    一部はあなたが経験した幼い日の夏を。
    二部はわたしがいるいまを。

    どちらも共感する、ことを目標に。
    ちなみに、予定では一部二部で雰囲気がガラリと変わります。
    敢えてカテゴライズするのなら群青かな…。

    ここまでで盛大にネタばらしのような、話をしましたが、もしかすると全く変わるかもしれません。
    また、私は基本更新が遅いです。一ヶ月に一回とか半年に一回とかが普通です。急かしたりしないでください。
    文章のバランスが崩れます。
    また宣伝は嫌いなのでやめてください。
    なにを私が読むかは私自身で決めます。
  • 4 癒羽 id:FCt3JZM/

    2014-01-18(土) 22:14:49 [削除依頼]
     けいちゃんは頗る呆れた、といった顔で私をみている。おかしいのはけいちゃんのほうだ。
     私があんまり不満そうな顔をしてたからか、「しょーがねえなあ」とけいちゃんは軽快な足取りでこちらに戻ってきた。
    「とかいっこ、ってやつはみんなこうなわけ?」
     けいちゃんは階段に座り込んで、私を見上げた。なんだかその言い方にむっとしたけど、私も疲れていたので座り込んで答える。座ると自分の鼓動がやけに大きく聞こえた。
    「そうだよ! けいちゃんがおかしいんだって」
    「はぁ? たけもりゅうもこれくらい平気だよ?」
     けいちゃんは、また、これだからとかいっこは、とわざとらしく首を竦めた。だんだんけいちゃんのいうことは正しいんじゃないか、と私は不安になった。たしかに、たけるくんもりゅうやくんもけいちゃんと同じくらい体力がある。
    「…………」
     黙ってしまった私を見て、けいちゃんはげっ、という顔をした。
    「泣くなよ!!」
     泣くなよといわれたって、視界はにじみ始めていたし、今更どうしようもない。私はあわてて下を向いた。顔を見なくてもけいちゃんが慌てているのがわかった。私はすぐ泣く。そのたびけいちゃんは慌てて謝るのだ。
  • 5 癒羽 id:FCt3JZM/

    2014-01-18(土) 22:20:15 [削除依頼]
    「わ、悪かった。悪かったって! ごめん!」
     そんな風にけいちゃんがいえば、すぐに涙はひっこんだ。けいちゃんのほうを向けばほっとしたようににかっと笑う。

     小さい頃、夏の思い出には、いつだってけいちゃんがいた。
  • 6 癒羽 id:FCt3JZM/

    2014-01-18(土) 22:23:09 [削除依頼]
    字数制限で分ける羽目にorz  一年半とちょっとぶりの更新でした。前書きは無視してください!いきなり今の話になります。 プロローグ >2+4+5
  • 7 癒羽 id:Dxy3cgm/

    2014-01-20(月) 01:28:34 [削除依頼]
    1

     随分と長い夢を見た。小さい頃の自分が幼なじみと都会を走る夢だ。こんな夢を見たのは、実に十二年ぶりに、父の実家に帰ってきたからかもしれない。
     土と水の混じった独特なにおいにやけに懐かしさを感じる。もうずいぶんとたったのに、ここは少しも昔と変わらないようだ。身体がここの空気を覚えている。
     森と道路の間にある、申し訳程度の小さなバス停で降りれば、あとはもう祖父母の家まで十五分ちょっとでついてしまう。久しぶりにこの場所にこれたことで少しは晴れたが、心の中は沈んでいた。今日は祖父の葬.儀だ。
     初夏の日差しに、じんわりと滲む汗が気持ち悪い。彼は夏を待たずして死.んでしまった。急死だったらしい。こんなことならば、変に意地なんて張らずに会いにいけばよかった。祖父の黒く焼けた肌や、ごつごつした手を思い出しては、無駄と理解しつつも後悔した。
     ようやく目的地に着いた。
     祖父母の家は古い木造で、小さい頃は普段すんでいたマンションに比べ、とても広く、大きく感じたものだった。しかし今玄関にたってみれば、想像より遙かに小さく感じる。お屋敷のようだと思っていた祖父母のいえは、ただの古ぼけた民家だった。
  • 8 癒羽 id:Ti1nkqW1

    2014-01-21(火) 00:49:33 [削除依頼]
    『はい』
     チャイムを押すとき、ひどく緊張した。乾いた男の声が答える。記憶の中の祖父と、よく似ている気がした。
    「めぐみ、ですけど……」
     名前を名乗ると、チャイムを通して息を飲む音が聞こえたような気がした。
     足音のすぐ後に開いた扉には、相応に年をとった父がいた。無精髭と、昔より黒くなった肌。
    「おう」
     あごをしゃくって入るように指示すると大きな足音を立てて彼は引っ込んでしまった。父は父で気まずいのかもしれない。
     彼らの家は昔と変わらない、不思議なにおいがした。香りというものはなんでこんなにも記憶を思い起こされるのだろうか。思えば玄関に置いてある黄ばんでしまっているよくわからない賞状も、古びた日本人形も記憶のそこにあった。
    玄関先でつったってなにをしているのだろう。私は黄土色のパンプスを脱いだ。
  • 9 癒羽 id:Ti1nkqW1

    2014-01-21(火) 23:31:56 [削除依頼]
     居間には、父以外誰もいなかった。ソファに深く座り新聞を読んでいる。老眼なのか、めがねをかけていた。
    「おばあちゃんは?」
    「買い物」
     先ほどと同じようにそっけなく父は答える。昔は、こうでなかった。彼はごく普通のサラリーマンで確かに無口なほうだったがここまでひどくは無かった。ここで暮らした何年かで、彼は愛想や言葉を忘れてしまったのかもしれない。
     ふうん、と私は気の抜けた返事を返す。その間彼が私の方を向くことは無かった。
     手持ち無沙汰に携帯を取り出す。特に連絡の入っていないのを確認した後、意味も無く画像を見たり、メールを見たりした。最後のメールは一昨日。母からだった。未だ現役で働く彼女は、父とは違う意味でとてもそっけない。最近母とは、どうしても必要な用事がある時はいっさい連絡をとっていない。愛されていない訳では無かったが、彼女にとって子供との触れ合いはさして意味を持たない、いわば"無駄なこと"のようだった。
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