薔薇姫と黒猫少年、8コメント

1 初音 id:W36M5hx1

2012-04-18(水) 08:43:34 [削除依頼]
ある一角の住宅街に、一人の少女がいました。
その少女はとても美しく、彼女を見た者は皆、見とれる程に美しい容貌を持っていた彼女はそんな自分自身が嫌いでした。「誰も、自分の中身を見てくれなどしない」と。自分に優しく接してくれる人はたくさんいるものの、皆、自分の「見た目」だけに惹かれて寄り添ってきた人達。決して、自分自身を見ているわけではない。両親に与えられた、この見た目だけが目的なのだと。
そう考えるようになってしまった少女はいつの間にやら自分の方から壁を作るようになり、段々と人を寄せ付けなくなってしまいました。
彼女は自分自身の心が弱いあまり、「自分」という存在に鍵を掛けてしまったのです……。
  • 2 初音 id:W36M5hx1

    2012-04-18(水) 09:13:42 [削除依頼]
    他人の立ち話とか聞いている辺り、今の現代人は家庭事情に多くの悩みを持っているようだしーーーこうして自分の行きたい学校に行き、好きな物を食べ、好きな趣味に没頭させてもらっているという観点からしてその自覚は少なからず自分にはある。でも、だからといってそれが「嬉しい」という訳ではない。色々な悩みに衝突している人物にこんなことを言ってしまっては「それは幸福ゆえの我侭だ」と言われるのがオチかもしれないが嘘ではない。
    何一つ苦労しない人生なんて面白みがないし、そんな人生は「実感がない」。自分が生きている、という感覚がない。時には、自分の生きている意味でさえ失ってしまう。

    それ程までに自分は、何か「特別なもの」が欲しかった。
    自分しか持っていない大切なもの。それは他者には絶対与えられず、「自分じゃなければ」手に入れることができない大切な大切なーーー存在。それが具体的に何なのかという話はさて置き、とにかく僕は「目的」が欲しいんだ。
    こんな時間を生きている僕が生きている「価値」というものを。


    *Episode1 図書室に居座りつく黒猫


    僕のお気に入りの場所。
    それは、図書室だ。授業終了のベルが鳴ると同時に僕は身支度を手短に済ませ、カバンのボタンを閉じるとさして急(せ)く訳でもなく、図書室に向かう。住んでいる場所が田舎ということもあり、本の品揃えは良いとは言い難いがーーー逆に古くから建てられた建築物ということもあり、比較的、世間では「絶版」と呼ばれる書物も数多く取り揃えられているから飽きはしない。正直、昔の作品の方が好きなので自分にとっては好都合だ。
    気になるタイトルの本を手に取り、埃が積もっている為に軽く払いのけると見晴らしの良い席へと静かに腰掛ける。

    こんなにも天気が良いのに窓を閉め切っているのは勿体無い。どうせなら、春風を浴びながら本を読むことにしよう。そう思い立った僕は善は急げ、といった様子でからり、と窓を開ける。
    ほんのりと桃色に染まった桜の花弁が春の暖かな香りと共に入り込む。その仕草は冬の一帯を染め上げる雪の如(ごと)く。気が付くと僕はその桜の花弁に翻弄(ほんろう)されていた。風情がある、とはこういうことを言うのだろうか。それで四季を感じ取った僕は長い黒髪を耳に掛けると、手に定まった書物へと目を移した。
    春の夕暮れ時だからこそ見れる、この情景。
    こんな春の色彩が僕は激しく好きだった。別に別段、ピンクが好きなわけではないもののこういう「自然な可憐さ」というものが好きだった。誰かに指図されてしたわけでもなく、自然とした振る舞いで人々を魅了する桜が僕は凄く好きだった。

    「春は桜、夏は紫陽花、秋は椛(もみじ)、冬は……雪」

    だからこそ、日本人というものはこういうものに惹かれていくのだろうか。
    そうだとするのであれば、僕もその気持ちがわからないわけではない。感情なんて当になくなってしまったと思っていたが、そんなことはないらしい。内心、少しほっとした。

    暫くの間、本に夢中に読み耽っていると少し、遠くの方からカタン……という音が聞こえた。思わず、手を止める。

    「……?」

    背後を振り向くと、何もいない。
    何か本でも倒れる音でもしたのだろうか、と自分の都合良く辻褄を合わせて再度、読み直そうとページを繰ると……また鳴り響く、「カタン」という音。それも、幾度となく。流石に鈍いといわれている僕もおかしい、と感じ取りーーーその場から立ち上がる。ま、まさか幽霊なのでは……という考えも脳裏を過ぎったものの現実問題、そんなものが出てくるわけないとドギマギしながらも足を進めていく。
    傍から見たら今の僕の状況は明らかに及び腰だろう。何故なら、清掃用具から取り出したホウキを片手に両手で握り締めながらぶるぶると体全身を震わせていたのだから。
  • 3 初音 id:W36M5hx1

    2012-04-18(水) 09:15:11 [削除依頼]
    >>2 付け加え 序盤の方に「正直な話、僕は恵まれている方だと思う」の付け足しをお願いしますっ
  • 4 初音 id:W36M5hx1

    2012-04-18(水) 09:40:32 [削除依頼]

    「ああ。先客?」

    すると、足元の方からすっ惚けた声が聞こえた。

    「……君は、」
    「驚かせちまったみたいだね、申し訳ない。ほら、アンタも常連ならわかるだろう? 此処、見晴らしが良いからさ。気が付いていると……こう、ウトウト来ちゃってその仕舞いにはバタンキュー、おやすみなさいって訳。あ、ちょいちょい。引かないでよ。傷付くなあ」
    「決して、引いている訳ではない。相手が何者か見定めようと、距離を取っているだけだ。心配するな」
    「……ねぇ。『拒絶反応』って言葉……知ってる?」

    まだ未熟な面立ち。
    寝癖が無造作に跳ねた黒髪、何かを見透かしたような鋭い目。愛らしさを奏でたほにょん、と口端が吊り上がった口元。ワイシャツに黒いパーカー、半ズボンという典型的な少年のいで立ちをした少年がそこにはいた。只、その仕草や表情が万華鏡のようにくるくると変わっていく。

    「知らんな。僕の辞書にはそんな言葉、存在しない」
    「嘘付け。そんな『人間の神秘について』なんて本を読んでいるのだからわからないわけがない。……で? アンタは俺の城に、何か用?」

    ふぁあ、と大きな欠伸をしつつーーーそんな言葉を漏らす少年。

    「……城?」
    「まぁ、管理人といった方が正しいかな。俺は此処の番人の「黒猫」というヤツだ。本当はこんな管理を任される人間じゃねえんだが……頼まれたとなっちゃあやるしかないわな」
    「理事長のお孫さんか何かか?」
    「え? ……あーっ、まぁ、そんなところかな。うん」
    「……?」

    今、一瞬だったが焦った表情になったのは気のせいか……?

    「あー、えーっと、その……俺のことはどうでも良いわけよ! それよりも何だ、うん。アンタは何か、本を思い求めてこんな貧相な図書室に来たんだろう? この図書室内の本の位置は全て把握してるから、どんなものが欲しいか言ってくれれば直ぐに探してきてやるぜ!」
    「……目的など、ない」
    「……え?」
    「僕は只、何となしにこの場所にふらりと立ち寄っただけだ。特に理由などない」
    「……」
  • 5 初音 id:5I2fKyl0

    2012-04-20(金) 00:22:08 [削除依頼]
    *ご挨拶

    昔の書物、独特の香りが漂う空間。
    そんな日常とは少し「掛け離れた」場所で出会う少女と少年。恵まれた環境下から心を閉ざした主人公、そんな主人公とは対照的に誰にでも明るく接することのできる「猫」の風貌をした少年。こんな二人の出会いは、一体、どんな物語を紡ぎ上げていくのか……。
    なーんて、詩的な表現から失礼します。作者の初音(はつね)と申します。決して、あのツインテールなネギ少女ではないのでご了承を(ry

    まぁ。
    そんな雑談はさて置き。今回は久々に復活したこということもあり、リハビリと無駄な悪あがき(挑戦)をしようと恋愛ものに挑戦しようと思った次第でございます^^
    自分でも何故、今、こんな恋愛チックなお話を書いているのかわかりません。でも、ちょっと謎解き的な要素もあるので宜しかったらそれも一緒に楽しんで頂ければ良いなと思います。主人公は何故、自分のことを「僕」と呼ぶのか(そこから!?)。少年の正体とは一体、何者なのか。二人が本好きな理由とは?
    ……と、適当に命題を出してみたものの書いている本人も具体的な話は何も考えていないという((

    小説は「書く」ものではなくて、キャラ自身が「動く」ものですからね。話の主導権は全て、彼女らが握っているのですから私はそれの「手助け」をしているだけです。
    話がどう転がっていくかなんてことはてんで想像付きません。今、簡単なラスト的なものは思い付いていますが後後の展開で変わってしまうかもしれません。
    そんないい加減な作品ですが、楽しんで読んで頂ければ幸いです^^
  • 6 初音 id:I4LDWoc.

    2012-04-23(月) 22:13:24 [削除依頼]

    沈黙が、痛い。
    そんな僕らの目の前を、ひとひらの桜雪が舞う。春の彩りを感じさせる色。気が付くと僕たちは、自然とその桜の行く末を目で追っていた。花弁が本の上で終止符を打つまで、ずっと。春風によって自然と繰(く)られる本はパラパラ、という音と共に静かに閉じられていく。

    「……ねぇ、桜って何でこんなにも綺麗に咲き誇るか。アンタは知ってる?」
    「……知らぬな」
    「桜の下に埋まっている虫の死骸などを栄養源に、咲いているからだよ。何かを犠牲にしているからこそ、桜はあんなにも綺麗に咲き誇ることが出来る。これは、現代社会にも言えることだ」

    無造作に指で桜の花びらを弄び、少年は言う。

    「野菜も同じだ。野菜もそういうのを栄養源にしているからこそ、あんなにも美味しい作物を作ることができる。有機野菜があんなにも美味しい理由はそれだ。魚だってそう、美味しい獲物を食べることによって脂身とかも増すっていうものだ。食物連鎖ってヤツかな。でも、こうしていかないと「生物」というものは生きていくことができない。肉食獣とかが良い例だよね。食べるか食べられるかは、ソイツ次第。逆に、逃れられない運命のヤツもいる。そう考えてみると案外、人間という生物は恵まれた存在なのかも知れないね」
    「……一理あるな。まさか、あの美しさの裏にはそんな残酷な真実があるとは思ってもいなかったがな」
    「ふふっ、そりゃ当然でしょ。綺麗なものなんて何処にも存在しない。必ず何処かしら、汚い部分が存在する。そうでなければ、『保っていられないんだ』。悩みのない人間なんて存在しないだろう? それと同じだ。逆に無い人間は、怖い。それはロボットと同じだ。面白みがない。悩んでこそ、人というものは成長するものなんだ。変化がないと面白みがないよ」
    「変、化……」

    僕が、最も望んでいる存在。
    恵まれている環境だからこそ変えるのことの出来ない運命(さだめ)。

    「ん?」
    「変化というものは……どうすれば、手に入る」
    「と、いうと?」
    「変化を望んでいる人間はどうすれば、変化を手に入れることができる?」
    「……」

    少年はきょとん、とした表情を見せる。
    僕の言っていることがよくわからない、とでも言いたげに。でも、それも数分のこと。何かを察したらしい少年は「ふむふむ」と自己納得したらしく数回頭を頷かせると、再度、僕の方へと振り返った。

    「それはーーー踏み出せばいいんだ」

    とん、と胸に人差し指を押し当てられる。

    「アンタ自身が、な」
    「……っ、何故……僕のことだと」
    「んー? 何だろう、勘? 長い間、過ごしているせいか人の表情だけで大体、何を考えているかわかっちゃうんだよねえ。それは声のトーンとか、口調でも。ね」
    「……長い間?」
    「え? ……あー、こっちの話。只の戯言(ざれごと)だから気にしないで。若い割には無駄な人生論があったりするんだよ、俺」
  • 7 初音 id:uR8hwDF.

    2012-04-24(火) 02:41:42 [削除依頼]

    「じぃさん、お目当てのもん買ってきたぜーって……およ、何で桜(さくら)がこんなところにいるのん?」
    「暁(あかつき)」
    「どうもこうもしねえよ。図書室にこの嬢ちゃんが来て何が悪い、只単に本に興味があって来たんだろうが。そんなことはいいが、早々に渡せ。俺はずっとそれを待ち望んでいたんだ」

    静寂に満ちた空間が、ある人物の登場によって空気が一転。
    この学園の理事長の孫であり、僕とは幼少期からの腐れ縁でもある暁 仁(あかつき じん)だ。目が痛い程の真っ赤な髪、耳に何箇所も開けられたピアス、着崩したワイシャツ。出で立ちは明らかに世間で呼ばれている「チャラ男」といっても過言ではないものの、そんな見た目とは対照的に腰の低い性格の持ち主。本人曰く「赤髪は男のロマン!」らしい。……訳がわからない。それよりも意外だったのが、ヤツがこの少年と顔見知り関係にあるということ。それと、打ち解けた様子で話しているところからして親密な関係と見える。

    「ほぃよ、頼まれたやつ」
    「サンキュ。じゃ、用事も済んだみたいだし帰って良いぞ。しっし、」
    「ちょ、ひっでえ! 苦労して手に入れた俺にはご褒美一つなしかッ!」
    「ご褒美? 何、小学生の俺にそんな金的なものを要求するわけ? そんなこというと、アンタのばあさんに『あの事』をバラしまうが構わねえか?」
    「じぃさんって本当に悪魔みたいなヤツだよな……」
    「ご褒美だ」

    しゅん、と犬耳が垂れたように肩を竦(すく)ませる暁。そんな暁を気だるそうに見下ろす少年(暁から受け取ったらしいバナナジュースをじゅるじゅると啜りながら)。傍から見ればシュールな図、この上ないだろう。

    「……ぷっ、」

    思わず、吹き出してしまった。

    「およ。桜が笑うところなんて初めて見た」
    「……なっ! み、見るなッ! あっち行け、しっし!」
    「……二人してそんなにも俺のことを拒むなんて、酷くね? 流石の暁さんも凹みますぜ?」
    「凹めば良いじゃねえか」
    「……うっ、うっ……うっ」
    「だが、泣けば泣く程情けないだけだぞ。みっともなさを見せ付けているようなものだ」
    「二人して悪魔だなあ、おいッ!」
  • 8 初音 id:We7HbDx1

    2012-05-14(月) 23:46:02 [削除依頼]
    >>7 暁の名前を訂正させて頂きます>< 暁 仁→暁 月葉
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