後輩。18コメント

1 結城 美鶴 id:o8CoXhM0

2012-04-13(金) 21:12:25 [削除依頼]
 頭の高い位置で結っている長い黒髪が歩くたびにさらさらと揺れ、俺をなお虜にさせる。
 長い髪、真っ白な肌、大きな瞳、意地悪な笑顔。その全てが愛しくて、その全てを手に入れたい衝動にかられておかしくなりそうだ。

 君は部活の後輩。そして自分は先輩。

 きっとこの壁は越えられないと思った。しばらくすればこの胸の疼きは止まると思った。
 だけど、どうしようもなかった。思いを伝えることも、諦めることもできないままに君と出会った春がまたやってきた。 
  • 2 結城 美鶴 id:o8CoXhM0

    2012-04-13(金) 21:25:35 [削除依頼]
     道場の大きな窓を開け、俺は一人でその道場の真ん中にあぐらをかいて座った。
     今日は新一年生の入学式。とうとう自分は三年生になったのだなという実感と、あれから一年も経ってしまったのだなという思いが溢れてくる。

     園村若菜。
     
     何度呟き、何度いとおしいと思った名だろうか?
     俺は半年前からこの桐谷中学校の弱小剣道部の部長になった。
     理由は三年生の引退。すなわち、俺にも半年後に引退という時期がやってくると言うことだ。
       
  • 3 結城 美鶴 id:o8CoXhM0

    2012-04-13(金) 21:38:04 [削除依頼]
     引退。それまでに俺は君に、園村に思いを伝えたい。

     好きだ。愛していると……

     突然、風が激しく吹いた。一瞬目を閉じ、再び開くと道場の大きな窓からは桜の花びらがヒラヒラと舞い込んでいた。
     ああ、掃除が大変だ。そんな味気ないことを思ったことに悲しく思う。

    「桜、綺麗ですね」
     艶やかで凛とした声が遠くから聞こえ道場に響いた。
     振り返り道場の玄関を見るとそこには園村、俺の後輩、いや愛しい人がいた。
    「そうだね」
     だなんて思ってもいないことを口に出してしまう。君に好かれるために何度嘘をついたのだろう? こんな嘘付きにさせたのは君のせいだ。なんてね。  
  • 4 結城 美鶴 id:o8CoXhM0

    2012-04-13(金) 21:50:03 [削除依頼]
    「私、春が大好きなんです」
     すたすたと歩いて園村は俺の隣におろし、膝を抱えた体育座りをした。舞い込んできた花びら達を愛しいものを見るように見つめる。
    「なんで?」
     そう俺は聞くとなにやら考えるような顔をした。
    「あんまり意味はないんですけど、新しい仲間に出会えるから。ですかね! だって、ほら、去年私と中野先輩は出会えたわけですよね。春って最高ですよ」
  • 5 恵 id:.Qam9630

    2012-04-13(金) 22:13:59 [削除依頼]
    おもしろいです。

    文章作るの上手ですね!!

    ただ、最初だからでしょうかすらっと読めてしまうのがもったいないです。

    変なこと言ってすみません\(゜ロ゜)/

    無視しちゃっていいので

    頑張ってください^^
  • 6 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 00:12:55 [削除依頼]
     俺に出会えたのがうれしいと、普通に言えてしまう君はひどい。
     きっと俺のことを好きかと訪ねたら、好きだと返ってくるだろう。ただし、ラブではなく、ライクでだ。だから、だから、君は最高に優しく最高にひどい。
    「確かに。春はいいな」
    「でしょ!」
     わかってくれて嬉しいという顔で園村は微笑んだ。
  • 7 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 00:15:16 [削除依頼]
    恵さん
    いえいえ!
    よろしかったらまた着てください!
    一人称初めてでよくわからんのですww
  • 8 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 00:34:35 [削除依頼]
     しばらく俺と園村は黙って大きな窓を見つめていた。
     時折、風が吹いては舞い込んでくる花びらを捕まえようと、手をのばす園村の姿は無邪気で可愛らしかった。

     自分でも未だにわからないことがある。なぜ、園村を好きになってしまったのか。考えても、考えてもわからない。初めてあったときから好きになってしまっていたのはわかる。でも、一目惚れというそんな容易なことではなく、心が、いや魂が惹かれるようなそんな感じがした。

    「若菜ちゃーん! たいちゃんなんてほっといてお弁当外で食べない?!」
     いい雰囲気をぶち壊しにきた女がいた。幼なじみで同じ部の川島里奈。俺の名の中野太陽から取ってたいちゃんとなれなれしく呼んでいる。
     少し茶色の混じっているショートカットで元気っ子。園村とは真反対とも言える。
    「里奈先輩! 中野先輩が可愛そうですよ」    
  • 9 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 00:42:05 [削除依頼]
     意地悪な笑みを浮かべて園村はそう言った。まったく、笑顔の使い分けがうまいよと褒めたくなるほどだ。
    「川島。彼氏とでも飯食ってこい」
     冷たく俺は言った。
     こう見えても川島は男子からかなりの人気があり、彼氏なんて居ない時がないほどのものだ。わざわざ園村を昼飯に誘う方が珍しい。
    「あー、彼氏? んなの別れた」
  • 10 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 00:42:24 [削除依頼]
     意地悪な笑みを浮かべて園村はそう言った。まったく、笑顔の使い分けがうまいよと褒めたくなるほどだ。
    「川島。彼氏とでも飯食ってこい」
     冷たく俺は言った。
     こう見えても川島は男子からかなりの人気があり、彼氏なんて居ない時がないほどのものだ。わざわざ園村を昼飯に誘う方が珍しい。
    「あー、彼氏? んなの別れた」
  • 11 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 00:46:10 [削除依頼]
    二重投稿してしまった(^^;)
  • 12 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 07:50:27 [削除依頼]
     別れたことに驚きはないが、未だに新しい彼氏が居ないことにびっくりした。
     川島は別れたらすぐにまた違う男とつきあい始めるのが定番。
    「誰とも付き合ってないってどうかしたのか?」
    「人が誰とも付き合ってないだけでどうかしたのかって……まあ、確かにそうだけど」
     最後の言葉は何を言っているかよくわからない程の低いトーンだった。俺は園村と目を合わせ何も聞かない方がいいと目で会話した。

    「なーんか変な感じになっちゃいましたね! 里中先輩も呼んでお花見しましょうよ。まだ、部活始めるのは早いですし」
     そういえば隆弥がまだ着ていなかった。剣道部員の最後の一人、里中隆弥だ。大方、新一年生に可愛い子でも見つけ口説いているのだろう。
  • 13 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 08:05:42 [削除依頼]
    「あいつはいいよ」
     明るく言ったつもりだったが、自分が思っていた声とちがく低く暗い声だった。
    「えっ、でも……」
     おびえたのか少し声が小さい。
     はっきり言って俺は彼奴が嫌いだ。隆弥は女好きに見えて実は一筋。その相手が園村だということは本人も気づいていないだろう。でも、見ているだけでわかる。隆弥のいつもと違う行動が一つ一つ俺の気に触る。まるで俺を見ているようで、そこが一番嫌いな要素なんだと思う。
    「もー、たいちゃんったらひっどーい! 里奈がりゅうくん呼んでくるから待ってて」
     そういって川島は道場を出ていった。
     自分のことを名前で呼ぶのはどうかと思うが……ま、そこが川島らしいところなのだろう。

     川島の居なくなった道場は沈黙に包まれる。さっきまでの二人っきりの状態とは少し違う空気が流れていた。
    「……先輩」
     いきなり声をかけられてハッと驚く。そして、異様な顔と顔の近さに息を飲む。俺と園村の顔の近さは約五センチほど。何を言いたいのかわからないが、そんな愛らしい顔で見つめるのは、

    反則だ。
  • 14 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 08:31:24 [削除依頼]
     君はわかっていないよ。男という獣の怖さをーーーーやろうと思えば、今すぐにでも君を押し倒せる。その薔薇色の唇を奪って君をめちゃくちゃにだってできる。君を手に入れることだってできる。
    「先輩?」
     園村の一言でふと我に返る。一瞬俺は恐ろしいことを考えてしまった。だが、断じて俺はそんなことはしない。君をそんな方法で手に入れても心までは手に入れられない。それがわかっているから俺はそんな卑怯なやり方はしない。そして何より、君を愛しているから……
    「なんだ?」
  • 15 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 08:36:32 [削除依頼]
    ここにきて初めてしゃべります!
    結城美鶴です。
    二作目になります。まだ一作目もおわっていません!
    そして主人公が病んでおります。
    最初はウキャウキャラブコメにしようとおもったら、やっぱ愛とは深いものなので路線を変えました。
    男が主人公ってなんか書きやすいっす!
    ま、がんばるデイ。
  • 16 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 08:59:19 [削除依頼]
     なるべく平常心を保つようにして返事をした。
    「先輩。私、先輩のこと好きですよ」
     ニコリと笑って俺の目を見つめる。だから反則と言っているだろう。今日で二回目だ。剣道で二回反則をしたら相手に一本入ってしまう。もう二回反則したら俺の勝ちだ。なんて馬鹿らしいことを考えてみる。
     でもどうせその好きは――――
    「里奈先輩も里中先輩も大好きです」
     そんなことだろうと思ったよ。でも、いつかその好きを愛に変えたい。
    「俺もみんなのことが大好きだよ」
  • 17 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 09:24:47 [削除依頼]
    「ですよね」
     またニコリと笑う。だめだ。このまま二人でいたら無理だ。

     理性が保てない。

    「たいちゃーん、若菜ちゃーん! りゅうくん連れてきたよ」
     助かった。さっきは雰囲気ぶち壊した破壊女だったが、今回のぶち壊しは俺にとって得になった。
  • 18 結城 美鶴 id:B1WGBo60

    2012-04-14(土) 19:39:45 [削除依頼]
    「里奈ちゃんが太陽が倒れたとか言ったから来たんだけど!」
     隆弥が息をきらし靴を履いたまま道場へと駆け込んできた。
    「え、俺が?! おい、川島……」
     俺が川島を睨むと「えへっ」と言って頭をコツンと叩いた。
     おいおい。どこの売れないアイドルだよ……と、言いたくなるほどのわざとらしさだった。
     川島は隆弥と仲が良い。1年、2年、3年と同じクラスだったのが一番の理由であろう。俺は一年の時しかこの二人と同じクラスになっていない。隆弥もこんな女と三年間も同じクラスだなんて大変だ。心からそう思う。
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