THE SOBIAN WAR  知られざるソビア戦争23コメント

1 二番機 id:Z/UBITf1

2012-04-09(月) 21:23:44 [削除依頼]


 先の戦争で失ったものは、あまりにも大きい。
 私たちは、二度と同じ過ちを犯してはならない。
 その覚悟を示すために、我々は条約を結び、
 共に恒久平和への道を歩む事を、ここに誓うのである。


 ——『フォルストン講和条約』条文より抜粋
  • 4 二番機 id:6MR5KCF.

    2012-04-10(火) 12:16:24 [削除依頼]
     プロデューサーはとても有能な男だ。いま手元にある材料だけでも、創意工夫してそれらしい物を制作してくれるだろう。でも、それは最終手段にしなくてはならない。どうせなら、見応えのある番組にして欲しいし、何より取材班としての私のプライドがそれを許さない。
     ……とは言ったものの、取材期間はあと半年しか無い。最近、取材に焦りが出てくるようになった。私だけではない、取材班の他の二人も心境は同じだろう。
    「どうしたものかな……」
     誰もいない部屋で、私は一人呟いた。
     まあ、悩んでも仕方がない。明日は久々の休暇だ。休むのも仕事のうちだと、昔に先輩が言っていたのを思い出した。私がまだ新米だった頃だろうか。
     今日と明日はしっかり“仕事”をさせて貰うとしよう。
     私は部屋着に着替えて、ソファに腰掛けた。夕食は空港で食べてきたので、後はシャワーを浴びて寝るぐらいしかする事がなかった。
     明日は何をして過ごそうか。白い天井を眺めながら、ぼんやりそんな事を考える。
     その時、部屋の電話が突然静寂を切り裂くように鳴り響いたのだった。
  • 5 二番機 id:6MR5KCF.

    2012-04-10(火) 14:53:03 [削除依頼]
     疲れた右手で受話器を取る。
    「はい、アーロンです……、ジャック! 久しぶりだなぁ!」
     電話の主は、旧友のジャックだった。
    「よぉ、元気にしてたか、アーロン?」
    「昔から体はだけは丈夫だからな、相変わらず元気だよ」
    「そいつぁ良かった。いやぁ、最近お前に何回か電話掛けたんだが、いつも留守電でなぁ……」
     話はお互いの仕事の事に始まり、やがて思い出話に飛び火していく。ジャックの懐かしい声に、私はいつの間にか時と疲れを忘れていた。
     彼はハイスクール時代の親友で、よく一緒に遊んだり、また悪さをした事も少しだけあった。明るい気さくな男だ。いま彼は実家の大工屋を継いでいる。
  • 6 二番機 id:6MR5KCF.

    2012-04-10(火) 18:28:44 [削除依頼]
    「ところでジャック、どうしていきなり電話掛けてきたんだ? また、同窓会の話とか?」
    「おっとそうだ、忘れてたよ……。同窓会も良いが、お前にとっちゃ、もっと良い話かもしれんぞ。へへっ」
    「と、言うと?」
    「お前、確かこの間の戦争の取材してるんだったよな? 俺の知り合いに、弟が空軍に居たって奴が居るんだ。……何でも、かなり腕の利く戦闘機乗りだという話だ」
     この話を聞いた瞬間、私の勘が何かを囁いた。
    「……いけるぞ」
    「え? 何だって?」
    「あ、いや、何でもない。……是非取材させて欲しい!」
    「そうだと思って、もう話はつけてあるぜ。明日、家に来い!」
  • 7 二番機 id:6MR5KCF.

    2012-04-10(火) 20:07:52 [削除依頼]
     この後どんなやりとりをしたのか、はっきりとは覚えていない。それほどに興奮していたのだと思う。やっぱり、持つべき物は友だ。これで休暇は潰れてしまったが、“仕事”をするという面では、予定に全く変更は無い。
     この時はまだ、これからどんな真実を目の当たりにするのか、私は考えもしていなかった——。
  • 8 黒の組織 id:8Seri2R/

    2012-04-10(火) 20:24:15 [削除依頼]
    どうも。ネバーランズチルドレン、楽しく読ませていただいておりました。今回も新作ということみたいなので時間が空いた時に読みに行きますのでヨロシクお願いしますm(_ _)m
  • 9 二番機 id:6MR5KCF.

    2012-04-10(火) 21:18:14 [削除依頼]
    >8 黒の組織さん ありがとうございます! なにやら不穏な感じになっていましたが、とりあえずは直木賞、お疲れさまでした。総評、読ませていただきましたよ。本当に為になるアドバイス、ありがとうございました^^ ネバチル読んで下さったんですか。最後、適当に終わらせてしまい済みません……。いつかはちゃんと作り直しますので。 多分ここに来れるのも後一週間が限度ですが、こちらこそ宜しくお願いいたします。
  • 10 朱留 id:vRv1So.1

    2012-04-10(火) 21:27:18 [削除依頼]
    雰囲気がすげぇ格好いい…
    これガチで小説化してほしい
  • 11 二番機 id:6MR5KCF.

    2012-04-10(火) 21:58:44 [削除依頼]
    ***

     翌日、私はエルビオ共和国の首都マリアグラードから電車に揺られること二時間、ようやくこのオーツレイクと言う田舎町に到着した。ここはエルビオ共和国の西側に位置しており、大きな湖が特徴的だ。町は湖畔に寄り添うようにして立地している。
     電話で教えられた通りに、私はジャックの家へ向かった。
     この町はあまり戦火に見舞われなかったようだ。町に戦争の傷跡はあまり見られなかった。もう8年も前のことだから、当たり前と言えば、当たり前か。
     だが、エルビオ国内にも爪痕が残っている地域も、未だに少なくはないのだ。特に、東のソビアとの国境付近などは酷い有り様だ……。
     少し寂れかけた道を歩くこと20分、目的の家に着いた。茶色の屋根に、白い看板が付いた家。意外に質素な感じだったので、私は少し驚いた。看板には深緑のペンキで、
    “ORKLAKE CARPENTRY”と描かれている。
  • 12 二番機 id:6MR5KCF.

    2012-04-10(火) 22:22:22 [削除依頼]
    >10 朱留さん ありがとうございます! 雰囲気だけよりも、ちゃんと中身のある物を作らないといけませんね。 まあ恐らく無理ですが……^^;
  • 13 二番機 id:6MR5KCF.

    2012-04-10(火) 23:35:15 [削除依頼]
     ジャックの家(または店)のドアを開け、中に入った。ドアに付けられた銀色のベルが、軽快に鳴り響く。
    「いらっしゃ……。おぉ、来たか、アーロン!」
     少し薄暗い、木目で統一された店内に居たのは、紛れもなくジャックだった。小さなテーブルが三つ。カウンターにはイスが数個並んでいる。これは、……居酒屋?
    「やぁ、ジャック! こうして会うのも何年ぶりだろうな」
    「最後に会ったのが同窓会の時だから、4年ぶりか? いやぁ、それにしてもお前、変わってないよなぁ」
    「お前だって……。ところで、ここは?」
     私は小さな店内を見回しながら尋ねた。
    「ああ、これは親父の店だよ。まあ、半分は趣味みてぇなもんだがな」
    「そうか、いやてっきり大工を辞めたのかと思ったよ」
    「はは、まさか。……っと、お前の“お目当て”が来たようだぞ」
     彼は私の肩ごしに何かを見ながらそう言った。釣られて私も後ろを振り向く。
     またドアベルが鳴る。そこから出てきたのは、小柄ですっきりとした体格の男だった。見たところ20代後半ほどに思えたが、どこか青年の面影を残しているようだった。
    「よく来てくれたなぁ、ダグ!」
     ジャックはその男を“ダグ”と呼んだ。
  • 14 咲 id:i-eXQtzLD1

    2012-04-10(火) 23:39:04 [削除依頼]
    かっこいい!
  • 15 朱留 id:iEvBf4U0

    2012-04-11(水) 00:07:02 [削除依頼]
    >>12 雰囲気しか書いてないだけで 中身も深くておもしろい こういうのこの板に少ないから 個人的には貴重だと思うんですが
  • 16 二番機 id:hoyZ7FN0

    2012-04-11(水) 00:18:14 [削除依頼]
    「紹介するよ、アーロン。こちらが昨日電話で話していた凄腕パイロットの、ダグラスだ」
    「初めまして、ダグラス・ロックウェルです。ダグでいいですよ」
     ダグは礼儀正しく挨拶をして、私に握手を求めてきた。
    「私はEBCの取材班に勤めている、アーロン・ケストナーです。よろしく、ダグ」
    「こちらこそ」
     私も手を差しだし、彼と握手した。力強い手だった。
    「まあまあ二人とも、お堅い挨拶はこれぐらいにして、とりあえず座れ座れ!」
     私たち二人はジャックに薦められるがまま、テーブル席に座らされた。
     その後、一応何かは頼まないとと思い、ミートパイを二つ注文した。ジャックが用意してる間、私はダグといろいろな事を話した。
     ダグは28歳で、この町の外れにある空軍基地に勤務しているらしい。ただ、それは現在の話で、昔はいろんな場所を転々としていたそうだ。戦時中は最前線で戦っていたと言う。
     ミートパイが運び込まれた時、店の電話が鳴った。ジャックはそれを取り、何か話した後また戻して、私とダグに言った。
    「悪い、大工関係で急用が出来ちまった。店は閉めるけど、そのままゆっくりしてってくれ。すぐ戻るから」
  • 17 二番機 id:hoyZ7FN0

    2012-04-11(水) 00:44:39 [削除依頼]
     ジャックはそう言い残して、店から慌ただしく出ていった。
    「騒がしい奴だな……。さて、そろそろ本題に入ってもいいですか、ダグ?」
     私はメモ帳を手に取り、また愛用のペンも取り出して聞いた。
    「ええ、どうぞ」
    「あなたはあの戦争で、何を体験しましたか?」
    「そうですね……、まあ一言で言える話でもないですから、初めからゆっくりお話します。長くなっても良いですか?」
    「もちろん!」
    「わかりました……」
     ダグはフォークで器用にミートパイを切りながら続けた。
    「エルビオがソビアに反旗を翻した日、私は出撃しました。そのとき出会ったのが、“彼ら”です」
    「“彼ら”?」
     次にダグの口から漏れた言葉が、全ての伝説の幕を上げる事になる。
    「ええ。彼らは“獅子座”と呼ばれていました——」
  • 18 二番機 id:hoyZ7FN0

    2012-04-11(水) 00:48:55 [削除依頼]
    >14 咲さん ありがとうございます! >15 それは失礼しました。ありがとうございます。 恐らく期待には応えられませんが、頑張ってみます。^^
  • 19 二番機 id:hoyZ7FN0

    2012-04-11(水) 01:04:20 [削除依頼]
    page.01  return a blow 『一矢』
  • 20 二番機 id:4OTEJDR1

    2012-04-12(木) 00:20:25 [削除依頼]
    page.01 Return a Blow 『一矢』

    [1996/02/17 0711hrs スチルヴェルト山脈上空]
  • 21 二番機 id:4OTEJDR1

    2012-04-12(木) 01:01:48 [削除依頼]
     二月半ばにも拘わらず、切り立つ山々は未だ深い雪に閉ざされていた。霞がかった朝焼けが当たると、それらはほのかに紅く、白銀に輝き始める。どんな音も雪に吸い込まれてしまう、そこはとても静かな世界だ。
     だが、今朝に限っては、何やら様子が違うようだった。
     ジェットエンジンの爆音を轟かせながら、山脈の上に広がる朝焼けの空を行く二つの黒い影。それは、二機の戦闘機であった。
    「全く、俺たちみたいな新米が飛ばなきゃならんとは、いよいよエルビオもオシマイ、か。なぁ、ダグ? お前もそう思うだろ?」
    「始めから諦めてどうするんだよ、“隊長”?」
     ダグラスは“隊長”という言葉に、皮肉をたっぷり上乗せして言った。
    「隊長はやめろよ。たまたまクジで俺が一番機になっただけだ。実力はお前の方が遙かに上さ。いつも通り、マイクと呼んでくれ」
    「了解だ、マイク」
     これには、マイクの鼻で笑う音が無線を通して返るだけだった。
     だが、彼が先ほど言った事は、限りなく事実に近い。
     17日現在、エルビオ共和国は既に90%以上がソビア軍に侵攻を許していた。首都マリアグラードには軍司令部が置かれ、事実上エルビオ全土を支配下に置いている。
  • 22 二番機 id:4OTEJDR1

    2012-04-12(木) 23:57:24 [削除依頼]
     このスチルヴェルト山脈を西に越えた先にある小さな基地が、エルビオ最後の軍事施設なのだ。こんな辺境の基地に大国に刃向かうだけの力などあるはずも無く、敗北も時間の問題であった。
     今回二人が出撃したのは、その基地へと向かう爆撃機をレーダーで確認したからだった。幸い大規模攻勢では無かったため、新人二人が撃墜任務についた。もう、まともなパイロットも少ないのだ。
    「……通信司令室よりスノーグース隊。どうだ、見えてきたか?」
     基地から二人に無線が入る。
    「ちょっと待て……。あぁ、見えてきたぜ」
    「こちらダグ、こっちでも敵影を捕らえた」
     二人はソビアの爆撃機が三機と、護衛の戦闘機が複数飛行しているのを視認した。腹の中にに大量の爆弾を抱え込みながら、基地へと向かっている。
    「了解、発砲を許可する。……せめて、奴等に一矢を報いてやるんだ」
  • 23 二番機@イジェクト id:5h2jwSI/

    2012-04-13(金) 02:04:36 [削除依頼]
    (ひとりごと)

    ……駄目だ。
    三人称で描くと、嫌になるほど薄っぺらくなる。
    何か白黒の無音映画みたいになる。
    文章も稚拙で、まるで感情が隠らない……。
    この手の話は、僕の力量では視覚と聴覚にも頼らないとどう厳しい——。
    戦争というテーマは、絶対に適当に描いてはいけない。
    出直してきます。
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