ドリームカントゥリー 〜“本当”の幸せ〜21コメント

1 比翼鳥 id:N75vyU20

2012-04-04(水) 18:57:25 [削除依頼]

 あなたは幸せですか?

 ――いいえ、違います。


 なぜ、幸せでないというのですか?
 あなたは自分の城を持つぐらいの財産があり、なおかつ容姿は美しく勉学にも秀でています。
 何も欠けているところなどないでしょう?

 ――いいえ、それでも。
 それでも、私は幸せにはなれないのです。
  • 2 比翼鳥 id:N75vyU20

    2012-04-04(水) 18:59:22 [削除依頼]

     はっとして思いついた話を膨らませてできたモノです。
     もうひとつの話と同時進行なので遅いペースかもしれませんが、頑張ります。

     よろしくお願い致します。
  • 3 比翼鳥 id:ehbk/aE0

    2012-04-05(木) 17:30:07 [削除依頼]
    第一章 迷いの森

     私は朝が一番好きだ。
     カーテンを開けると真っ先に飛び込んでくる朝日を精いっぱいに浴びる。すると、すうっとして気持ちが入れ替わり、よしやるぞ! という気になる。
     今日もいい天気だなあなんて考えながら、カーテンのついでに窓も開けてみた。少し冷えた空気が部屋に入り込む。それと同時に鳥たちの話し声が聞こえてくる。
     今日も何ら変わりない“いつも”の朝。
    「……おはよう」
     誰に言うわけでもなくつぶやいてみる。自分に言い聞かせるような気持ちで。
     それから振り返って、鏡台の前に立った。鏡に映る自分。母譲りのマリンブルーの瞳に父譲りの銀髪。周りの人間は茶髪か金髪が多いから、とても珍しいと言われ続けてきた。小さい頃はこの銀髪のせいで仲間外れにされたこともあったっけ。
     素早く手元の紐で髪をくくる。さあ、今日も家事をしなくては。

     
  • 4 比翼鳥 id:ehbk/aE0

    2012-04-05(木) 17:35:42 [削除依頼]

     リリィ・アルジェリア。それが私の本名だ。
     もちろん見ての通り単純な名前だから、あだ名はリリィ。まだ15歳とは言え、母が病弱のため家事をするのも当たり前。父は私が幼いころに亡くなったと聞いた。趣味でよく馬に乗っていたとか、私と同じ銀髪に紫水晶の瞳だったとかぐらいしか聞いたことがない。話せない事情があるのだと思う。なら別に、もうどうせ会うことなどできやしないのだから分からないままでもかまわない、と思う。

     自分の部屋の窓を閉じてから、階段を下りた。適当に玄関の靴を履いて、庭に出る。寝巻のままだがどうせこんな早い時間にだれもいない。
     ポストには新聞と手紙が1通届いていた。母宛の手紙だ。封筒の裏を見てみると知らない名前。親戚か古い友人か、そんなところだろうか。
     風がふっと吹いてきて肌寒くなったので、私は家に入った。
  • 5 比翼鳥 id:ehbk/aE0

    2012-04-05(木) 18:30:52 [削除依頼]

    「ねえ、それ誰から?」
     慣れた手つきで朝ご飯を作りながら、私は聞いた。背もたれが楽になるように工夫された椅子に座って、母は手紙を読んでいた。あまりにも長いこと読んでいたので不思議に思って聞いてみた。
    「……昔の、父さんの友人だって言う人だよ」
     母は少し深刻そうな顔をしていた。そんなに、まずいこと?
     詳しく聞いてみたいが、そうしたら母を傷つけることになるだろうか。それはしたくない。むしろ、聞いてくれるのをまっているのだろうか。そうだとしたら、聞いた方が楽なのか。いろいろと考えを巡らせるが、母は何も言わなかった。
    「……その人、いい人?」
     迷いに迷って紡ぎ出した言葉だった。思いのほかビンゴだったようで、母は少し表情を曇らせる。
    「それがね、分からないんだよ」
     どうやらその人と母は面識がないようだ。昔の友人ということで手紙をよこしたらしいが、本当かうそか分からない。内容は、父から預かっていたもの、お金を返したいということらしかった。
    「それ、まずいんじゃないの」
     時期が遅すぎる。父が死んで何年たったと思っているのだろう。何というか、怪しい。母と娘しかいないからと思って、詐欺でもしようとしているのではないだろうか。私がそういうと、母は手紙を私に渡した。
    「外国に行ってたんですって。なら、返せないのも無理はないかしら、と思って」
     つらつらと並べられた文字はとてもきれいだった。教養を受けた立派な人、というイメージを持たせる。外国もこのあたりでは結構商業などで話題になる有名な国名がいくつか書かれていた。
     うーん。
     どうだろか。あってみないと分からないかもしれない。
    「ならさ、お母さん」
     私はお皿に料理を盛り付けて、母に差し出した。
    「私が一度、会ってみようか?」
  • 6 比翼鳥 id:ehbk/aE0

    2012-04-05(木) 18:31:30 [削除依頼]
    >5 一レスに長すぎた……! 失敗ですm(__)m
  • 7 比翼鳥 id:xCtYESn1

    2012-04-06(金) 14:38:57 [削除依頼]

     母は驚いたのか、え……、と小さく言った。私も自分が言えたことに少し驚く。確かに、怪しい人物に会うのはちょっぴり抵抗がある。まあでも、私だって父がいない分母を守ろうとしてきた。ちょっとぐらいなら、いざという時の身の守り方は覚えている。
    「だって、あなた、学校は」
    「明日からお休みでーす」
     今日で学校はひとまず休み。長い夏の休みに入る。私の住んでいるこのグレーター村と手紙に書かれているスタッフォー村はそう遠くない。森を抜ければすぐだろう。
    でも……と不安げな母に、私は大丈夫と微笑んでみせた。
     今までだって、そうしてきたのだから。
     例え、どんなに難しい道のりでも。きっと、私なら……なんとかできるよ、と。
  • 8 比翼鳥 id:xCtYESn1

    2012-04-06(金) 14:39:20 [削除依頼]

    「スタッフォー村?」
    「うん、そうそう」
     夏の休み前最後の学校で、私は一番の親友にその話をした。親友のエリゼはふーん、と溜め息のように言ってグラスの水を飲み干した。
    「……遠回りするの、大変じゃない?」
    「どういうこと?」
     私が首を傾げて聞き返すと、エリゼは驚いて瞳を見開いた。遠回りだなんて聞いたことがない。こっちの村とスタッフォー村の間には小さな村がある。その村は殆どの面積が森で、その森を突っ切ればいいはずだ。しばらく間をおいて、知らないの!? と驚かれ、私は口を尖らせる。
    「そりゃあ、親が商売して歩き回ってる人には、一般の知識量なんて分かりませんよーだ」
     悪かったわね、とエリゼも同じように口を尖らせる。二人してひとまず笑ったあと、エリゼが口を開いた。
  • 9 比翼鳥 id:xCtYESn1

    2012-04-06(金) 14:41:53 [削除依頼]

    「近道だと、森に入るわけでしょ。あの森迷いの森って言ってすぐ天候が変わったり、行方不明者が出たりしてるんだよ」
     行方不明者、と私は譫言のように繰り返した。なるほど。確かにあのあたりは物騒な気がする。
    「遠回りしてもいいじゃん。あの森は入らないほうがいいよ」
     エリゼが私を心配してくれているのは、よくわかった。額に皺が寄って伺うように私をみる。
     内心、物凄く嬉しくなる。こうやって心配してくれる優しい親友はエリゼだけだ。私がのけものにされた時も、エリゼはいつも私の手をひいてくれた。
    「ありがとう。でも、お母さんをあんまり待たせたくないから。大丈夫大丈夫! ちゃんと気をつけるよ」
     だから、安心して? と笑って見せる。けれどもエリゼはまだ不安げな顔をしていた。
  • 10 比翼鳥 id:xCtYESn1

    2012-04-06(金) 14:44:21 [削除依頼]
    要らない一言 その?

    前の小説よりもスピードが安定している……!!
    これはいけるかも……(笑)
    とパソコンのまえでにやけているところです。
    もうすこしで学校が始まるので、ペースが落ちるかもしれませんね(笑)
  • 11 比翼鳥 id:60UoIeW1

    2012-04-07(土) 10:40:47 [削除依頼]
    >9 「本当に大丈夫だよ」  自分の身の程はわかっている。だから、絶対に無茶はしない。出来るだけ気をつける。それなら、きっと大丈夫だ。 「……わかった。今日、私の家に寄って」  エリゼはそう言うと、立ち上がって私に背を向け、自分のロッカーに向かった。  私はきょとんと首を傾げる。エリゼの家に? 何故?  私が疑問に思っているのがわかったのか、エリゼは振り返って言った。 「地図、貸すから」  じゃないと絶対迷うでしょ、とエリゼは口角を上げた。そうして私もつられて、そうかもねと笑ったのだった。
  • 12 比翼鳥 id:OpAUw98/

    2012-04-10(火) 09:58:49 [削除依頼]

     約束通り放課後、リリィは私の家に来た。私は父が使う地図などが置いてある部屋に向かう。リリィは上がれと言ったのだが、遠慮しているのか玄関でいいといった。少し、焦っているのかもしれない。
    「地図……森は……と」
     背伸びしても届かなかったので、適当に椅子をひっぱってくる。父も通らない森だから、棚の一番上にある。古びたそれは黄ばんでいるが読めないところはない。一応細かく書いているが、なにしろ古い。森は変わってしまっただろうか。それでも、大通りくらいは変わらずに残っているだろう。
     そんなことを考えながら足を運んでいると、いつの間にか玄関にたどりついていた。
    「ありがとう」
     リリィが嬉しそうに地図を受け取る。
    「……古いけど、大きな道は変わってないと思う。少し突っ切るより時間かかるかもしれないけど、森の中に行くなら、せめてはっきりした道を通って」
     私がそういうと、リリィはうんうんとうなずいていた。そうするよ、と少しだけほほ笑む。なんだか最後の別れのようで、すこし胸が締め付けられた。いや、そんな不吉なこと考えるべきじゃないと頭から追い出す。けれども、なぜか漠然とした不安、焦りが私の中にずっとあった。背筋がぞくぞくして、冷たい。
     おかしいな、私が行くんじゃないのに。
     
  • 13 比翼鳥 id:OpAUw98/

    2012-04-10(火) 10:00:51 [削除依頼]
    >12 少し分かりにくくなってしまいましたが、>12はエリゼ視点です。こんな風に視点がころころ変わるかもしれません。 分かりにくいかもしれませんがよろしくお願い致します<(_ _)>
  • 14 比翼鳥 id:OpAUw98/

    2012-04-10(火) 10:10:34 [削除依頼]
    >12 「ただいま」  エリゼの家から帰るともうあたりは夕暮れと化していた。自分の長い影を見ながら帰ってきた私は玄関で少しため息をつく。  明日から出かける。一人で。それも危ない森へ。なにが起こるか分からないそんな場所へ。  確かに不安も焦りも恐ろしいと思う気持ちもたくさんあるのだが、それだけではない。不謹慎かもしれないが、少し好奇心、興味心も芽生えていた。どうなるのか予測不可能な今、なぜかどうなるのだろうとドキドキしている自分がいる。まるで、遠足に行く前の子供のような気持ち。おかしいと思うのに、何故か……。 「おかえり」  母の声にはっとして顔を上げた。目の前に薄いブランケットを羽織った母が立っていた。
  • 15 比翼鳥 id:kyEQaN0/

    2012-04-12(木) 18:36:16 [削除依頼]

    暗い闇の中で。

     今日も、私は一人です。
     そして、きっと、これからも。

    「嫌なのですか」

     ううん、別にそうではありません。
     一人は嫌いじゃないから。

    「でも、悲しそうです」

     そうでしょうか。
     ……そうかな。
  • 16 比翼鳥 id:kyEQaN0/

    2012-04-12(木) 18:37:20 [削除依頼]
    >15 変な感じですが、間違いではありません。 わざとですのでよろしくお願い致します<(_ _)>
  • 17 比翼鳥 id:kyEQaN0/

    2012-04-12(木) 18:44:49 [削除依頼]
    >15 「お母さん、ただいま」  とりあえず見せかけの笑顔で笑ってみせた。  ツクリモノの笑顔でも、大体納得してくれるはず。 「お疲れ」  ほら笑ってるよ。大丈夫だよ。元気だよ?  そう思うのに、母の表情はあまりに悲しげだった。  私笑顔だよ? わらってよ。何のために行くか分からないでしょ。 「エリゼが地図貸してくれたんだ」  地図を見せて、これで迷わないね、と言って見せても母の表情は変わらない。  私は無言で母の横をすり抜けた。  わらってよ。そんな顔しないでよ。  行くのは私なんだよ? 勇気がほしいのはあなたじゃなくて私なんだよ。自分自身が変だと思って、もやもやしているのは私。  そう思うのに、言葉はいつも喉を通らない。  
  • 18 比翼鳥 id:1bFio5D.

    2012-04-13(金) 18:36:26 [削除依頼]

    「ああ、もう」
     口に出していらだちを外に出そうとしても、何も変わらなかった。
     楽しみ。いや、不安。
     気持ちがごちゃごちゃで整理できなくて、ただ無駄にあがいているだけ。そう思うと、なんだか情けなくて悔しかった。

     気分転換をしようとベランダに出てみると、おもったよりも涼しくて息をついた。夏にしては珍しい冷えた風が頬をなでると、感傷的だった感情を抑えてくれる。
    「頑張らなきゃ」
     いつもその一言で気合いを入れる。髪をくくりなおすとなおよし。深呼吸をして落ち着いた私は部屋に戻った。
     少なくとも今日までは、いつもの日常であることに変わりはないのだから。
  • 19 比翼鳥 id:1bFio5D.

    2012-04-13(金) 18:44:14 [削除依頼]

     目覚めの朝が一番好きだ。それは、たとえどんな日であっても。
     不安なんかで寝られないかと思っていたが、案外眠れた。ぐぐ、と背伸びをする。気持ちを落ち着かせるために鼻歌を歌ってみる。準備は住んでいる。森を通るだけだ。どおってことない。そう自分自身にいい聞かせる。

    「おはよう」
     不自然なほど明るい挨拶。昨日はご飯の時もなんだか気まずく、おいしく食べることができなかったから。だから、せめて今日の朝ぐらいは、なんて思っていたのだ。
     母もわらっておはようと言ってくれた。
     ああ、よかった。わらった。
     その笑顔がみたくて、余計な心配かけたくなくて日々を過ごしてきた私はとてもうれしくなる。
     うれしい、とは違うかもしれないけれど。それに限りなく近い感情。何と呼ぶのだろうか? 
     達成感。違うか。喜び? ううん、なんとなく違う。
     言葉には言い表せないけど、たしかに幸せのようなものを感じた。
  • 20 比翼鳥 id:SG41tUr1

    2012-04-17(火) 20:33:24 [削除依頼]

     風がちょうど東から吹いていた。木々がざわざわと音を立てながら揺れている。朝早いこの時間だからか余計に自然の音が聞こえていた。
     鳥が数羽連れだって飛び立つ。向かっているのは私が行く方向と反対だが。
    「行ってきます」
     特に何の飾りもなく私はいった。まるでただ学校にいくだけのように。南の方向へ馬を向ける。自分の銀色の髪の毛が風に舞い上がる。
    「いってらっしゃい」
     母もそういった。私と同じように、何の飾りもなく。今から普通の日常が始まるように。落ち着いてくれていてよかったと思う。取り乱されたら、きっと私も旅立てなかっただろうから。
     ありがとう。
     私は小さくそうつぶやいたのだけれど、聞こえなかったかもしれない。風が邪魔して、届かなかったかもしれない。
     でもいいか。私は帰ってくるんだから。
     なぜか落ち着いて私は馬を動かした。

     いってきます。
  • 21 比翼鳥 id:mkDm5R31

    2012-05-08(火) 19:06:24 [削除依頼]

     森の中はやけに静かだった。
     鳥の鳴き声が響き渡り、暖かな日差しに満ち、和やかな空気が流れている――なんていうものを想像していたから、少し違和感だ。
    「いや、むしろ……」
     何もいない。生きているものが、いない。確かに木はそこらじゅうにあるのだけれど。
     でも、?生きている″感じがない。ただ、そこにあるだけのモノのような感じだ。
     もう夏だというのに肌寒いのは気のせいではないのだろう。
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