俺、死にました。103コメント

1 れとろ id:i-H9dAS6r0

2012-04-01(日) 05:39:41 [削除依頼]
数年間働き続けてヘトヘトの切れかかった蛍光灯の灯りと、
真夏の夜に梅雨さながらの小雨がしとしと。
へこんだフェンスは不気味に影り、壁から剥がれた数枚の貼り紙は
夜の路地を『それらしく』する。

俺、油断してた。
片手で携帯をいじりながら、
「つまみくらい自分で買えっての」
なーんて独り言ぼやいて、すぐ・・・・・



俺はチャリンコごと宙にぶっ飛んだ。
  • 84 れとろ id:i-bTgUFRs/

    2012-06-10(日) 23:51:20 [削除依頼]
    "
    朝も早々、騒がしい若者達の背中を霞の向こうへ見送り終え、朝露を全身から滴らす格安のアパートが一軒。
    その二階の一部屋では、固い床に身体を預け、痛んだ首筋を利き手で擦り上げながら、産まれたての子羊のようにおぼつかない足腰を一心に立ち上げる女の後ろ姿があった。
    白く繊細な肌に、長い睫毛、その奥で光る甘く切ない垂れ目。容姿に似合わず適当に纏め上げられた絹のような黒髪は、少し癖のある螺旋を描いている。さつきはとても美しい。
    しかし、其れが故に、だらしなく着込んだ工事現場の無才作業ズボンと、土汚れた白い半袖は残念そのものであった。
  • 85 瑞貴 id:AdVikOt.

    2012-06-11(月) 00:38:33 [削除依頼]
    これ、とても面白いです・・・!
    文章の書き方とかも好みで、最初から読み入ってしまいました^^;
    続きも頑張ってください!
  • 86 れとろ id:i-PtMH0Ag1

    2012-06-11(月) 01:14:36 [削除依頼]

    「嗚呼…痛い。何よ、寝ちゃってたわけ…だらしがないわ」
    "
    残存。取り残された女は、恥を晒したことに対して卑屈そうに顔を歪ませると、冷蔵庫の窪みに細い指先を挟み込んで身体を持ち上げた。細い膝はカクカクと揺れる。
    "
    ―――やけに心地の良い夢を見ていた気がする。ノンフィクションであるが故に信じ難いこの現実から解放でもしてくれるかのような嘘のリアルだった。
    "
    さつきには夢と現実の狭間がまだはっきりとは区切れず、雨の香りを連れて玄関に現れた三津の姿を繊細に思い出しても尚、ふわふわと夢見心地でいた。
    "
    ―――静か…ね。
    "
  • 87 優太(^_-)-☆@頭の上に?がいっぱい id:cgv80hq/

    2012-06-11(月) 08:56:06 [削除依頼]
    うわぁなんて夜中に…ww
    僕今日学校休みだから更新&勉強しまくるww
    やっぱりこの小説は面白いなぁ♪
    っていうかもう同い年とはとても思えない…

    更新頑張ってね^^
  • 88 れとろ id:i-PtMH0Ag1

    2012-06-11(月) 21:25:54 [削除依頼]
    >85 有難い。有難いです。 読んで下さったことに感謝します。 頑張って更新しますね^^ 暇潰しに、また目を向けてやってください^^; >87 その時間帯にしか余裕がなくてですねw眠かったですww 全然同い年ですよ。優太さんの作品には私には真似出来ない良さがありますから^^ 応援しています。頑張りましょうね
  • 89 れとろ id:i-yem3lml1

    2012-06-12(火) 19:18:32 [削除依頼]

    僅かに不安を覚えつつ辺りに気を散らすと、食卓の上に似たりよったりの茶湯飲みが四つ並んでいた。
    その先頭には、数年前京都の知人から頂いた桜モチーフの土臭い急須が腰を落ち着かせている。
    "
    「結構、経っちゃってるわ…」
    "
    身体をしゃがませてやっと機能するほどに小さい非常口の扉の硝子は、ついさっきまで真っ黒に染まっていた筈だが、それも、今はすっかり朝日の黄色に照り上げられていた。
    強い光に釣られるように、徐々に鮮明さを取り戻していく無下な記憶の破片。
    思い出したくないとの願いも虚しく、台所でだらしなく雑魚寝をする前の事情と事実が、さつきの脳内で確かなものになっていった。
  • 90 優太(^_-)-☆@り、理科がぁぁぁ… id:OtQnVG11

    2012-06-13(水) 20:34:05 [削除依頼]
    れとろさん…超大人っ!
    尊敬だぁww
    もうすぐ100だね。
    更新頑張れー!
  • 91 れとろ id:i-snipaaj0

    2012-06-15(金) 20:32:05 [削除依頼]

    高鳴る胸に両手を押し当て、引き気味に持ち上がりかけた頭と両目で居間を見詰めようとする。
    落ち着かないさつきの心拍数はみるみるうちに上昇し、その乱発的で不規則な鼓動は緊迫した空気を強く速く打ち付けた。
    自身の全身からにじみ出る緊張の汗を、妙な静けさからくる冷たい不安ごと丸々抱え込み、落ち着かない気持ちを胸の奥にねじり込んだ。
    "
    "
    さつきの瞳はもう確りと正面を見据える…後の喚きと共に。
  • 92 れとろ id:i-snipaaj0

    2012-06-15(金) 20:37:56 [削除依頼]
    >90 子供ですw やっと90いきました 一生懸命頑張りますよ! 優太さん、何時も励みをありがとう^^
  • 93 れとろ id:i-w0g5RHb.

    2012-06-17(日) 20:35:42 [削除依頼]
    "
    「い…い、い!いなぁああい!?」
    "
    さつき喚く。
    "
    甲高い声が小狭い台所をトントン拍子に渡り歩き、同じく狭い居間に向かって拡がっていく。
    途中、元は繋がっていた一部屋を見事に二区に区切ってくれている黒いボーダーラインの目立った赤い簾が、甲高い声に同調したかのような微かな揺れを見せた。その短い身体でさつきの視線を拒んでくれる。
    "
  • 94 れとろ id:i-w0g5RHb.

    2012-06-17(日) 21:15:29 [削除依頼]
    "
    ――少々脱線する。
    "
    …脱線、と言っても、実際にこの瞬間、この瞬間だからこそ、さつきの脳内部では、孤独や焦りと共に必要性の全く欠けている過去の断片までを拾い上げてきてしまい、状況把握までの直通を態々避けて寄り道をしてしまっていた。
  • 95 れとろ id:i-w0g5RHb.

    2012-06-17(日) 22:23:01 [削除依頼]
    過去―――六年前。
    各自生まれ育ち、慣れ親しんだ都からその身を剥がし去り、人っ気も店も少ない隠居な土地に聳え建つここ…『桜一荘』に五人足を揃えて引っ越してきたばかりの頃のこと。
    "
    今より更に我が儘で幼稚だった若き頃十四歳の五十嵐智が、まさに遠足気分で飛び込んだ新居、012号室の一室。その荒みようときたら、笑い事では済まされない程であった。
    智も散々玄関でボロいだの崩れるだのと喚いていたが、足を進めた目先に区切りのない居間と台所の境目を見付けるや否や、大きい瞳を輝かせ、
    "
    『赤!ここに赤の簾が欲しい!』
    と、大ごねをし始めた。
  • 96 れとろ id:i-w0g5RHb.

    2012-06-17(日) 22:43:16 [削除依頼]
    始めのうちは、普段通り無視を通していた小野や三津達であったが、数日経ってもまだまだ諦めない智の粘り強さに押し負け、
    当時、小野を抜いた他の三人は完全に痺れを切らしていた。
    最後まで頑固に拒否していた小野も、
    『布切れ一枚くらい買ってやれよ、うるせーな』
    との、三津の投げやりな押し言葉一つで心が折れ、
    『下手に甘やかしたくないんだよ』
    と愚痴を漏らしつつ、かなり渋々ではあったが
    『買いに出るのは面倒だからネットで落としてくれないか』
    と優真に頼み込んでいた。
    "
    頼まれた優真は優真で、あたり前のようにゲームの主人公の名前…つまり堂々と偽名を使い、赤ベースの簾を安値で競り落とした。
    "
    …結局智の思い通りの結末を迎えてしまったわけである。
    "
    その後も、智の赤に対する強いこだわりというものは消えず劣らず、てんで他人事情を知らないさつきは、変だ、妙だ、と首を捻り悩まされ続けたものだった。
  • 97 れとろ id:i-0njo/Zl0

    2012-06-21(木) 21:04:34 [削除依頼]
    "
    さて、幾度となく手を掛け続けてきたその赤い簾の隙間から、確りと居間の様子を見詰めるさつきの瞳には、
    今、確かで明白な孤独と混濁した不安とをぐちゃぐちゃに混ぜ合わせたに等しい虚空が存在していた。
    体内中の細く柔い神経一本一本が互いを鋭く引き立て、かな切り声をあげている。
    "
    一瞬では理解することが出来ない、寧ろ理解などしたくはない。彼女の眼は逃げる様に濁り始める。事後不処理の戸惑いを隠せなかった。
    「……」
    とりあえず、小さい水玉模様が印象的な薄緑色のカーテンがさつきの目を引き、窓側の横壁に掛け置かれている時計に、か細い視線を配った―――六時五十四分。思ったよりは随分と時間経過が遅いようだ。
  • 98 れとろ id:i-0njo/Zl0

    2012-06-21(木) 21:31:22 [削除依頼]
    "
    さつきは普段から団体行動を好んでいた、と同時に独りでいることに対しては強い嫌悪感を持っていた。
    それが今、こんな時にこんな形で、嫌悪そのものを味わされている…あり得ない。最悪だ。
    台所の冷たい床に散らばった重苦しい空気が煙たい上昇気流を作り上げ部屋を包み込んでいく。
  • 99 れとろ id:i-0njo/Zl0

    2012-06-21(木) 21:44:58 [削除依頼]
    "
    気付けば、彼女の体は強い力で押さえつけられていたバネの伸縮性を見せ、鉄砲玉の如く台所から飛び出ていた。
    ―――きっと、いつもみたいに総ちゃんが解決策を見つけてくれてる。大丈夫、皆すぐ見付かる。心配いらない。大丈夫。
    "
    その限りなく願望に近いプラス思考は、さつきの安定しない気持ちをリセットさせようと焦る心からの試みでもあった。結果、頼みの綱となる無責任な他人任せは、不安定な身と心を支える重要度の高い原動力となっていた。
    表面上だけの薄っぺらい強がりや勇気よりも、長年の付き合いで信頼の置ける友人の存在の方がよっぽど頼りがいも価値もある。
  • 100 れとろ id:i-YEXUble/

    2012-06-22(金) 04:59:45 [削除依頼]
    「見事に…私独りじゃない。すっからかん」
    "
    これで金目の物や高額な家具だけがなくなってでもいてくれれば、
    室内藻抜けの殻の騒動(さつき命名)の明確な答案が即回答出来るのだが、当の室内は小さいゴミ箱の中身が所狭しに飛び散っている以外に、一切の変わりを見せてはくれなかった。
    "
    さつきは、居間の中央付近で、腰半分をテレビの縁に掛けると、直ぐにジタバタと似合わない地団駄を幾度も踏みはじめ、そのうち何度めかの一際強い降り下ろしで無地のカーペットを、加減皆無で踏みのめした。
    とたんに、何とも言えない情けない溜め息が肺から二酸化炭素を運び去っていく。
  • 101 れとろ id:i-YEXUble/

    2012-06-22(金) 05:09:37 [削除依頼]

    さつきは無言で身を立ち起こすと、シックなデザインの茶色い机上に放置されていたスライド式の白い携帯を乱暴に握り締めた。
    知らず知らされずの女は、〈三津の足〉を無意に思い出しては大袈裟に肩を強張らせている…が、沸々と日照り強い扉の向こうへその身を投げ出そうと、鶯谷廊下を早々に直進し、迷いなく扉を押し開け、有無を言わせない太陽の熱い眼差しに多少目を細め、
    そして四人の男の背を追跡する一歩を踏み出した―――。
    "
    「…一人ずつ、ひっぱたいてやるわ」
    とかなんとか、小声で強がって見せながら。
  • 102 れとろ id:i-YEXUble/

    2012-06-22(金) 18:54:08 [削除依頼]

    最近、文章に雑さが目立っています。と、気を引き締めて直しているであろう、れとろです。
    場面は、三津達から台所に取り残されたさつきへと変わりましたが、もう少しずるずるとさつきの今後を綴らせてもらいたいと考えております。
    対した魅力を持ち合わせている小説でも無いわけで、中々長くなってきてしまっている面倒な物語ですが、根気強く、一心に頑張ります。
  • 103 れとろ id:i-AlpTBpM0

    2012-06-30(土) 21:32:22 [削除依頼]

    外は湿っぽかった。
    朝露の冷気はさつきの肺を内側から押し広げていく。
    雨は上がったばかりのようで、慌ててつっかけた履きかけのビーチサンダルに何度か足を滑らす。
    一段飛ばしで、とっとっとっと、急な階段をリズム良く降りていくその軽快な足音は、
    辺りに響くだけではものたりなかったようで、
    アパートに歩み寄っろうとぶらついていた不気味な悪魔の耳にも
    その響きの手を伸ばしていた。

    "
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