゜。・゜サヨナラ゜。・゜60年前の記憶5コメント

1 排凛 id:vZFRn6C.

2012-03-30(金) 22:35:14 [削除依頼]

声を上げて泣いた。

憎かった。神様が憎かった……

「彼が一体何をしたって言うの…?」

果てしなく広い空に向かってそう叫んだ。

私の隣には……もう彼は居ない。

神様……お願いします…お願いだから……

「慶太を……慶太を帰してぇえ!!」

彼の眠るお墓の前で、私は一人で…そう叫んだ。


ーーーー 二度と戻らないあの時…… −−−−

「慶太…もうすぐそっちに行くからね」

そう言って私はナイフを手に持った……

ーーーー 今…今、そっちに逝くからーーー… −−−−


       それまで待っててねーー
  • 2 排凛 id:vZFRn6C.

    2012-03-30(金) 22:54:16 [削除依頼]


    ーー1949年……8月15日ーー

    私の名前は、笹川玲子。

    昭和24年 8月15日に、親友の真由子…

    遠藤真由子が亡くなった。正確には、真由子自ら…

    命を絶ってしまったのです。

    今から四年前……そう。第二次世界大戦を知っていますね?

    真由子は……戦争の最中に、大切でかけがえのない人を失ってしまったんです。

    幼馴染の、春川慶太君……。

    この四年間、真由子はいつも言っていました。

    「慶太に会いたい……会って「愛している」と伝えたい…」と…

    きっと真由子は、今頃慶太君に会えているんじゃないでしょうか?

    確かに、自ら命を絶つ人は、天国には行けないと言います。

    でも……神様…どうかお願いします。

    真由子を慶太君に会わせてあげてください……。


    私は決して忘れない。四年前の……昭和20年、3月10日のあの夜の事を……
  • 3 排凛 id:vZFRn6C.

    2012-03-30(金) 23:08:03 [削除依頼]


    真由子の遺品を整理していた時に、見つかったという日記帳。

    真由子のお母さんから譲ってもらった。

    私は、淡いピンクの日記帳を開けて、真っ白な紙のページを指でめくった。


    ーーー1938年ーーーーーーーーーーーーーーー

    「なぁ……真由子…」

    私の隣で、彼は小さく呟いた。

    「どうしたの?」

    私が優しくそう言い返すと、彼は少し頬を染めてこう言った。

    「俺がもし、お前の事好き……って言ったらどうする?」


    不意に、頬が熱くなったのが分かった。心臓の鼓動が、妙にうるさい。


    「どうするって……どうもしないよ!もう〜!変な事言わないでよ」

    私はこのとき、彼の言葉をはぐらかした。

    今思えば……このとき、ちゃんと私の気持ちを伝えておけば良かったんだ。

    本当に…本当に馬鹿だよ。私は…
  • 4 排凛 id:vZFRn6C.

    2012-03-30(金) 23:17:41 [削除依頼]


    私の名前は遠藤真由子。

    14の女の子です!

    私の周りには、愉快な人が沢山居ます。

    お手紙を配ってくれる鉄さん。

    虫観察が大好きな石野さんのとこの息子さんの俊太郎君

    お喋り好きな、私の親友玲子。

    そして……幼馴染の慶太。

    気になってる相手でもあるんです。

    この事は、まだ玲子にしか話してないからまだ誰も知らない。

    この事は、暫く秘密だけどね?……
  • 5 排凛 id:vZFRn6C.

    2012-03-30(金) 23:36:55 [削除依頼]
    **

    あれから4年…昭和17年。

    私は、当時14歳だった時の、自分自身の日記を見ながら赤面していた。

    我ながら恥ずかしいことを書いてしまったと思った。

    だって…「この事は暫く秘密だけどね?……」

    とか……本当…なんて馬鹿な事を書いてしまったのだろう。

    私は、今18歳だ。あれからもう四年も経つのかぁ〜と

    昔を思い出しながらそんな事をしみじみと感じていた。

    そういえば、昔は、慶太の事が好きだったのか……


    そうか……好きだったのか……


    そっか……

    今は……好きじゃない……

    って言ったら嘘になるだろうな……

    だけど、この気持ち……伝えられるわけがない。


    だって彼には、恵子ちゃんっていう、可愛らしい……


    許婚が居るから………。


    この気持ちは、胸に閉まっておくのが妥当だと思った。

    今から四年前、一回慶太に告白みたいなのをされた。多分告白だと思うけど。


    その告白を、私ははぐらかしてしまったのだ。


    その翌年、彼に許婚ができた。

    慶太と恵子ちゃんは幸せそうだった。

    私は慶太に言ったんだ…「おめでとう!」って…。


    でもさ……ちゃんと泣かずにおめでとうって言えたか…不安だった。


    多分私は、泣き笑いみたいなのをしてたと思う。


    もう慶太と私が結ばれることは……


    −−−− 一生ないだろう。  −−−−


    慶太……恵子ちゃんを幸せにするんだよ…!


    私が言えることは、それだけ……。
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