ナキムシな私、ツヨムシな君。44コメント

1 supika id:nkhYtOW/

2012-03-24(土) 11:06:47 [削除依頼]
はじめまして。
supikaといいます。

まだ書き始めたばかりでめちゃくちゃ下手ですけど、
よろしくお願いします!!
  • 25 supika id:W6NzD4P0

    2012-04-05(木) 13:33:27 [削除依頼]
    ――昼休み。
    言われた通り、私は屋上に居た。
    椿ちゃんは「任せて」と言っていたけど、本当に大丈夫なんだろうか。
    そう考えていると屋上の扉がゆっくりと開く音がした。
    その音に心臓が大きく跳ねる。
    ――来たの、かな?
    私はゆっくりと後ろをふりかえった。
    「あ・・・。」
    後ろには無表情の広樹がいた。じっと私の事を見ている。
    嘘・・・本当に来てくれた・・・。
    「ひ、広樹・・・。」
    「・・・よぉ。」
    広樹は低い声でそう言った。
    声が、冷たい。怒ってる時の声だ。
    目に涙が溜まっていく。
    だけどぐっと堪えた。
    「ひ、久しぶりだね・・・。」
    「・・・あぁ。」
    「・・・・・っ。」
    どうしよう。泣いちゃいそう。
    広樹と上手く目を合わせることが出来ない。
    「用ねーなら、俺行くけど?」
    「・・・・・。」
    言葉が出てこない。それなのに涙は溜まっていく一方だ。
    あぁ、私、本当に泣き虫だな。
    涙はとうとう私の頬を伝った。
    「・・・うっ・・く・・」
    涙は止まることなく流れる。
    手で拭いきれない。
    「ひっく・・・。」
    広樹、今どんな顔してるのかな?
    呆れてる?怒ってる?
    今の私には見えないよ。
    「・・・はぁ。」
    広樹の大きな溜息が聞こえた。
    ズキンッと心が痛む。
    呆れられちゃったかな・・・。
    やっぱり、嫌われちゃったんだ・・・。
  • 26 supika id:W6NzD4P0

    2012-04-05(木) 14:23:20 [削除依頼]


    ――そう思った刹那。

    「えっ・・・。」
    優しい、甘い香りが鼻をかすめた。
    「泣くなよ。お前に泣かれたら困る。」
    頭上からさっきとは違う優しい声が聞こえてくる。
    ドキンと胸が高鳴った。涙もいつのまにか止まっている。
    「ごめんなさい・・・。」
    「謝んなくていい。」
    広樹はそう言うと私を離しニッと笑った。
    「ちぃが泣くのはいつものことだから。」
    その笑顔は久しぶりに見る広樹の笑顔だ。
    「・・・覚えてる、の?」
    「当たり前。」
    「じゃ、じゃあなんでさっきはあんな・・・覚えてるなら、なんで無視したりしたの?」
    その私の質問に広樹は顔を曇らせた。
    何かを言いたそうに唇を結んでる。
    「広樹・・・?」
    私が名前を呼ぶと広樹は小さく口を開いた。
    ――しかし、

    バンっ!

    といきなり屋上の扉が勢いよく開いた。
    その扉の向こうには息を切らした女の子がいる。
    だ、誰だろう?
    よく見てみると女の子はとても美少女だ。
    パッチリした二重の目、ストレートの長く茶色の髪、色白の肌・・・。
    こ、こんな子学校にいたっけ?
    女の私から見てもすごく美少女だと思う。
    私が首をますます傾げると何かが私の横を駆け抜けた。

    「美月!」
  • 27 たあな id:50PEB//1

    2012-04-05(木) 23:22:38 [削除依頼]

    ほわー美月登場!

    気になる!

    supikaさん続き早くお願いします!
  • 28 supika id:vJeGOuD/

    2012-04-07(土) 00:10:47 [削除依頼]
    名前を呼んで駆けて行ったのは、広樹。
    その名前を呼ばれたのは、私の向かいのあの子。

    美月?美月って・・・私その名前知ってる。
    だって<美月>って名前は、広樹と喧嘩したあの日、広樹の携帯に表示されていた名前。
    なんでその人がここに?
    「お前・・・なんでここにいんの?」
    広樹が呆れた様に私が思っていた事と同じ事をいった。
    すると美月さんはうつむいて「ごめんなさい。」と言う。
    「広樹、今日学校に行っちゃったって聞いて・・・それで・・・。」
    「あのなぁ・・・。」
    広樹は溜息をつき、私の方に少しだけ視線を向けた。
    その表情はなんとなく困ってる感じ。
    何かを迷っている様な、そんな思いが含んでる。
    「・・・広樹?あの子は?」
    美月さんの声で広樹はハッと表情になった。
    「えっと・・・」と言いながら私達を交互に見る。
    美月さんはしばらく広樹をじっと見ていたけれどやがて私に視線を移した。
    そして、私に近づいて来る。
    え、え?なんでこっちに来るの?
    内心オロオロ。でももう顔にも出てると思う。
    「えっと、貴女は・・・?」
    美月さんは首をちょこんと傾げる。
    その仕草は可愛い。それに近くで見るとさっきより綺麗だ。
    「え、えと!高宮千夏です!」
    「千夏・・・?広樹の幼馴染の・・・?」
    「は、はい・・一応・・・。」
    私がどもりながらそう言うと、美月さんは考えるようにうつむいた。
    「・・・そう。・・貴女が・・・。」
    「え?」
    うつむいて彼女は何かつぶやいたみたいだが、私には聞き取れなかった。
    思わず聞き返すと美月さんは顔を上げ、ふっと頬を緩める。
    「はじめまして。東野美月っていいます。よろしくお願いしますね、千夏さん。」
    「あ、よ、よろしくお願いします。」
    彼女が礼儀正しく頭を下げてくれたので、私も頭を下げた。
    頭を上げると美月さんは二コリと笑っていた。
    「千夏さんの話は広樹から少し聞いているんです。会えて嬉しいです。」
    「は、はぁ・・・。」
    話?広樹から?・・・一体、この2人どうゆう関係?
    親戚・・・とかかな?
    姉とか妹は広樹にはいないはずだし・・・。
    聞いてみた方が、いいかな?
    「・・・あ、あの、」
    「なんですか?」
    美月さんは笑って首を傾げた。
    私は妙に緊張しながら口を開く。
    「お2人は、どうゆう関係なんですか?」
    そう聞くと美月さんは「あ!」と声を出す。
    「すみません・・・まだ言ってませんでしたね。」
    美月さんは苦笑する。
    そして広樹をちらりと見て、言葉を紡ぐ。


    「恋人同士なんです。私達。」

    美月さんは頬を少しだけ染めてそう言った。
  • 29 たあな id:xhe3fZA0

    2012-04-07(土) 00:16:13 [削除依頼]

    がぁぁぁん((((;゚Д゚)))))))

    なんてこった!

    千夏どーする?
  • 30 supika id:q14k1TH1

    2012-04-09(月) 22:52:01 [削除依頼]
    新学期が始まって最近ゴタゴタし、更新がストップしてしまいました・・・。

    スミマセン(;一_一)

    これからは毎日はこれないかもしれませんが、なるべく努力します!

    では再開します。
  • 31 supika id:q14k1TH1

    2012-04-09(月) 23:05:20 [削除依頼]
    5  キモチ     千夏
    「東野美月?」
    椿ちゃんはアイスティーをかき回しながら私に聞き返す。
    私はこくんと頷いた。
    「あー知ってる。明日から来る子でしょ。ウチの学校に。」
    「えっ転校生って2人いたの!?」
    「そーよ。言ってなかったっけ?」
    「言ってないよ・・・。」
    「じゃあ忘れてたんだ。ごめんね〜。」
    椿ちゃんはアハハと笑った。
    「もう・・・。」
    「ごめんって。で?その東野美月がどうしたって?」
    「それ、は・・・・。」
    私はそこで言葉に詰まってしまった。
    今日の昼休みの出来事が鮮明に思い出される。
  • 32 supika id:q14k1TH1

    2012-04-09(月) 23:53:23 [削除依頼]

    ――「恋人同士なんです。私達。」

    その言葉はやけにハッキリと私の耳に届いた。
    ドクンと大きく脈が打つ。

    ・・・なんだろ、胸が、痛い。

    制服のスカート裾を無意識のうちにギュッと掴んでいた。
    背中に嫌な汗が流れる。
    「恋、人ですか・・・?」
    私が今にも消えそうな声で聞き返すと美月さんは微笑んで、
    「ええ。」
    と言った。
    そして広樹の方を向いて、「ね?」とまた微笑む。
    私も広樹に視線を移す。
    難しそうな顔をしている広樹と目が合った。
    広樹は目が合った瞬間、少しだけ悲しそうな表情をした。
    しかしすぐに目を逸らして口を開く。

    「・・・・ああ。」

    広樹のその言葉が私に重くのしかかった。
    胸の痛みがもっとひどくなる。
    「・・千夏さん?大丈夫ですか?」
    声をかけられてハッとした。
    美月さんは心配そうな顔している。
    私は急いで取り繕った。
    「だ、大丈夫です!ごめんなさい、ボーっとしてて・・・。」
    「いえいえ。大丈夫ですよ・・・ではそろそろ行きますね。また今度、ゆっくり話ましょう。」
    「あ、はい・・・。」
    私が頷くと美月さんは笑い、広樹と一緒に屋上を出て行った。
    広樹は出ていく時ふりかえらなかった。
    1人、屋上に残される。
    私はうつむいた。

    なんで、こんなに胸が痛いの?
    広樹に彼女がいたから?
    別にいいじゃない。広樹に彼女がいたって。
    いいじゃ、ない。
    ――そう思っているのに。
    「・・・っく。」
    涙は、また溢れてくる。
    止められない。
    「・・・ひっくっ・・」

    意味もわからず私はまた涙を流した。
    いや、本当はわかっているのかも知れない。
    だけど今は、気づきたくない。
    これ以上辛いのは、嫌だよ。

    脳裏には美月さんと広樹の後ろ姿が浮かんでは消えた。
  • 33 ゆきうさ id:/.9tN2U.

    2012-04-11(水) 18:13:51 [削除依頼]
    うぎゃ〜!!
    広樹だめだよ〜!!!!!!!!!!!!!!

    あ、続き、気になりますっww

    更新が楽しみです。
  • 34 supika id:38iNH/w.

    2012-04-12(木) 19:09:19 [削除依頼]


    「――なつ、千夏!」
    「へ!?」
    椿ちゃんの声でハッと顔を上げた。
    椿ちゃんは眉をひそめて「もう!」と言った。
    「千夏、ずっと質問に答えないんだから!」
    「ご、ごめん・・・。」
    「・・いいけどさ、別に。」
    「ホントにごめんね。」
    私がもう一度謝ると、椿ちゃんは「大丈夫」とまだ残っていたアイスティーを全部飲みほした。
    「考えてたんでしょ、広樹君のこと。」
    「・・・えっ。」
    「なによ、その顔は。」
    「だ、だって。」
    なんでわかったのかな・・・?
    「なんでわかったかって?」
    「ちょっ怖いよ椿ちゃん!」
    「あたしをナメない方がいいわよ。」
    椿ちゃんはニヤリと笑った。

    椿ちゃん、恐るべし。

    「で?その東野美月は広樹君のなんなの?」
    「・・・こ、恋人、らしいの。」
    「・・・・・恋人?」
    「う、うん・・・。」
    椿ちゃんが聞き返してきたので私は頷いた。
    すると椿ちゃんは考えるように腕を組んだ。
    「恋人、ね。」
    「ど、どうしたの?」
    「・・・いや、なんでもない。それより千夏。」
    「え?」
    私は首を傾げた。すると椿ちゃんはストローをいじりながら口を開いた。
    「調べてみようか?東野美月のこと。」
    「・・・そんな事、できるの?」
    「んまぁ、多分。」
    「・・・・。」
    「東野美月の事、知りたいでしょ?広樹君のことだってあるし。」
    「・・・まぁ。」
    「んじゃ、決定ね。」
    椿ちゃんはそう言って笑った。
  • 35 ゆきうさ id:eFGOare.

    2012-04-12(木) 20:42:55 [削除依頼]
    椿ちゃん大胆ね・・・。

    うんうん、私も気になる〜〜〜!!
    ちゃんと調べてねww
  • 36 supika id:gNFKUms/

    2012-04-18(水) 17:15:57 [削除依頼]
    お久しぶりです。

    やっと来れました・・・。

    更新します!
  • 37 supika id:gNFKUms/

    2012-04-18(水) 17:37:58 [削除依頼]
    次の日。
    本当に美月さんは転校してきた。
    しかも・・・
    「東野美月です。よろしくお願いします!」
    同じクラスに。
    「あー東野は昨日転校してくる予定だったんだけど別の用事でズレてな。皆、仲良くしてやれよ。」
    りぃちゃんは軽い口調でサッと説明だけしてHRを終わりにした。
    それと同時にワッと美月さんの所にクラスメートが集まる。
    ほぼ男子だったけど・・・。
    「うわー大人気ね、東野美月。」
    椿ちゃんがげんなりした顔でそう言った。
    「椿ちゃん。顔、顔。」
    「いーのよ、別に。それより調べたわよ。」
    「え、もう?」
    「うん。話すからこっち来て。」
    椿ちゃんは手招きをする。
    すごいなぁ・・・さすが情報屋の椿ちゃん。
    実は、椿ちゃんの情報収集スキルは天才と言えるぐらいにすごい。
    欲しい情報は100%中90%の確率で手に入ると言われてる程。
    ある意味怖い。
    「千夏?どうしたの?」
    「あ、ううん。なんでもない。」
    私は苦笑しながら椿ちゃんの後を追い、廊下に出た。
    廊下にはあまり人がいなかった。
    椿ちゃんは近くに人がいないことを確認すると、私に向き直る。
  • 38 supika id:gNFKUms/

    2012-04-18(水) 17:58:23 [削除依頼]
    「あの子のことなんだけど・・・意外とすぐ情報が集まったのよね。」
    「簡単だった・・ってこと?」
    「そ。どっかの一般人調べるよりカンタン。」
    「ど、どういうこと?」
    私がそう質問すると椿ちゃんは口の端をクイッと上げた。
    「インターネット。」
    「インターネット?」
    私は首を傾げた。
    しかしすぐその意味がわかりハッとする。
    「インターネットに載ってたの?美月さんの事が?」
    「そうよ。しかもかなりの量がね。」
    「有名人、なの?」
    「まぁ情報を見る限り、そうゆうことね。」
    椿ちゃんはそう言ってから1つ息を吐き、口を開いた。
    「東野美月は、ピアニストらしいのよ。しかも結構な才能の持ち主。コンクールとかでは常に賞をとってるみたい。
    <音楽の女神>とも言われてたみたいよ。」
    「う、うそ。」
    「まだあるわよ。
    お父さんは大手会社の社長でお母さんは元ピアニスト。お母さんもまた、天才と言われた人みたい。ピアノの影響はきっと母親なんでしょうね。」
    「そ・・そうだったんだ。そんなにすごい人だったなんて・・・。」
    「そうね。<すごい人>だったのよ。」
    椿ちゃんは妙に言葉を強調してきた。
    そしてあることに気付く。
    ――過去形、なんだ。
  • 39 ソウル id:zfI8.H70

    2012-05-01(火) 15:24:43 [削除依頼]
    どうも、今一揆読みしました!
    面白ーぃっ!
    更新頑張って!
  • 40 supika id:XJ7uR/g/

    2012-05-06(日) 17:16:14 [削除依頼]
    >39

    ソウルさん、コメントありがとうございます♪

    更新頑張りたいと思います(*^^)v
  • 41 supika id:a4vNJmB1

    2012-05-19(土) 17:07:30 [削除依頼]
    久しぶりに来れました!

    更新します(*^_^*)
  • 42 supika id:a4vNJmB1

    2012-05-19(土) 17:27:11 [削除依頼]
    「昔の話なの?」
    「うん、そーみたい。
    東野美月が<音楽の女神>なんて呼ばれてたのはもう何年か前の事らしいの。
    ここ最近はコンクールにも出場してないし、噂ではピアノにも触れてないって。」
    「ピアノにも触れてないって…何かあったのかな?」
    「そこまではわからなかった。
    まぁ、プライベートのことでしょ。
    もっと調べたかったんだけど、残念ながらインターネットではこれが限界。だから今度は聞きこみでもしようかと。」
    「聞きこみって…そこまでするの?」
    「あったり前よ!敵に勝つにはまず敵を知るところから!」
    「敵って…。」
    「だってそうでしょ?ほら!」
    椿ちゃんはクラスの中を指さす。
    私は視線をその方向に向けた。
    「…あ……。」
    視線の先には広樹。
    そしてその隣にいるのは、
    楽しそうに笑っている美月さんだ。
    ズキン。
    また、胸が痛くなる。
  • 43 supika id:a4vNJmB1

    2012-05-19(土) 18:23:23 [削除依頼]
    「このままは、嫌なんじゃないの?」
    「…………。」
    椿ちゃんの質問に私は黙ってしまう。
    椿ちゃんは言葉を続ける。
    「辛いんでしょ?」
    「……っ……。」
    「千夏」
    椿ちゃんが私の名前を呼ぶ。
    だけど、目を合わせられない。
    ――嫌だよ、もう傷つきたくないよ。
    辛いし苦しい。
    「千夏」
    お願い、呼ばないで。
    気づきたくない。
    「千夏」
    苦しいのは、もう嫌だ。

    「逃げてたら何も変わんないよ。」

    椿ちゃんの言葉にビクッと肩を揺らした。
    そっと椿ちゃんの方を向く。
    椿ちゃんは私に視線を向けていない。
    見ている先は多分クラスの中だ。
    椿ちゃんは口を開く。
    「苦しいのも辛いのもわかってるよ。
    千夏のことだもん。きっと今だって泣きたいくらい傷ついてるんじゃない?
    だけどさ、それってそのままでいいわけ?違くない?
    千夏、あんた逃げてるんだよ。
    自分守る為に必死に逃げてる。
    もう気づいてるんでしょ?自分の気持ちくらい。」
    椿ちゃんはそう言って私に視線をうつした。
    椿ちゃんの瞳は凄く真剣で、それと同時に怒っている様にも見えた。
  • 44 supika id:hPUs1xT0

    2012-06-12(火) 14:39:06 [削除依頼]
    椿ちゃんの言葉が痛い。
    でも、合ってる。
    椿ちゃんの言葉は合ってるんだ。

    私は、広樹が好きなんだ。

    広樹が居なくなって寂しいと思ったのも、
    冷たい態度をとられて傷ついたのも、
    美月さんが恋人だって知って泣いたのも、
    私が広樹を好きだったから。
    でも気づかないフリをしていたのは、想いが届かないことが怖くて、
    辛くて、苦しかったから。
    だから私は、逃げていた。
    今まで出なかった涙が瞳に溜まりだす。
    震える唇を開いた。
    「わた、し………」
    「………。」
    「逃げて、たんだよ、ね…。」
    「…うん。」
    「弱い、よね?」
    「…うん。」
    「…まだ、引き返せるかなぁ?」
    小さく、震える声でそう言った。
    …こんな弱い私でもまだ引き返せるチャンスはあるかな?
    私はもう、逃げたくない。
    椿ちゃんの言葉を待つ。
    椿ちゃんは少し考えてから、ゆっくりと頬を緩めた。
    「…うん、出来るよ。千夏なら。」

    その言葉で涙が溢れだした。
    椿ちゃんは『泣き虫だなぁ』と笑いながら私の背中をさすってくれた。
    それが嬉しくてまた涙が溢れたんだ。

    もう、自分の気持ちに嘘はつかないよ。
    ちゃんと、向き合うから。弱い私と。
    ちゃんと伝えるから、自分の気持ちを。

    私はもう、逃げない。
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